2008年09月26日
「前のシステムほどの安定感はない」(中村憲剛)
「多摩川クラシコ」に0-1で敗れ、「神奈川ダービー」が1-1の引き分けに終わった川崎Fが、優勝争いから一歩後退した。大混戦の上位5チームの中で、ACLがない分日程で鹿島、浦和より楽で、タレント力と優勝争いの経験で名古屋と大分を上回る川崎Fを有利とする声もあったが、この2試合で勝ち点を1しか積み上げることができず、一気に苦しくなった。 痛かったのは自慢の攻撃力の沈黙だ。質量ともにリーグ最高峰のタレントをそろえる川崎Fが、この2試合では中澤佑二(横浜FM)のオウンゴールによる1点しか取ることができなかった。 一人少ない相手から一点を奪えなかったFC東京戦後、選手コメントには 「攻撃が中央に偏っていた」 との声が並んだ。そしてこの問題は、横浜FM戦でも改善されているようには思えなかった。 これはシステム変更の影響だと僕は思う。川崎Fは今シーズン途中、システムを「3-5-2」から「4-3-3」に変えた。その理由について中村憲剛は、多摩川クラシコ前の『週刊サッカーマガジン』の今野泰幸との対談記事の中で 「3バックでは手詰まりになっている面があった」 「4バックもずっとやっていて、変更のタイミングを探っていた」 と語っている。 ただ同時に、 「まだ前のシステムの時ほどの安定感はない」 とも語っている。その「安定感」について、具体的な言及はなかったが、この2試合を見た限りではやはり、上手くサイドを使えていない印象。3トップの左右に位置するジュニーニョと黒津勝はストライカータイプだから、縦にえぐるよりもゴールへと意識が向いているし、サイドバックの山岸智、村上も、攻撃に絡めていない。 また、FC東京戦を解説した原博実さんは、ジュニーニョの不調の一因として、 「細かいスペースでのパスワークなど仕事が増え、DFラインとの駆け引きに集中できなくなって、イライラしている」 と、システム変更の影響を挙げていた。 「手詰まりになっていた」と中村がいうのだから、システム変更は必然だったのだろう。そこに疑問を唱える余地があるとすれば、時期の問題だ。優勝争いの真っ只中にあるチームが果たして、「安定感」のある慣れたやり方を変更する必要があったのか。もちろんこれは結果論に過ぎないから、研究され、「手詰まり」になっていた3バックでも優勝を逃していた可能性はあるが、ならばそれからでも、新システムへのトライは遅くなかったのではないか。 ただし、ここで挑戦したことに川崎Fの「らしさ」があると僕は思う。ジュニーニョと不仲だったフッキを、それでも今シーズン、復帰させたこと。中村、谷口博之を前に出し、菊地光将が後ろから支える中盤がある程度機能していたのに、ヴィトール・ジュニオールを獲得しトップ下に据えたこと。今季を振り返ってみても、川崎Fは既存の安定にとらわれず、より強いチーム、より強烈な破壊力を追求して、新しいことに挑戦してきた。その姿勢は好きだし、今回の新システムへのトライにも、常に高みを目指す川崎Fのらしさが表れていると思う。 また、「フッキ・トラブル」や関塚前監督の体調不良による不測の監督交代を経てもなお、上位にいること自体が、川崎Fのチーム力の証明だと思う。新外国人も馴染み、新システムも馴染んで始まる来シーズンこそ、川崎Fは怖い。
posted by taka |15:20 |
Jリーグ |
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「前のシステムほどの安定感はない」(中村憲剛)
いやー、おっしゃる通りです。素晴らしい分析・評価だと思います。一言付け加えるならば、川崎Fは今年も十分こわいです。
posted by うが | 2008-09-26 17:20


