2008年09月16日

お手本のようなカウンターと、栗澤の話  ~新潟対柏~

 4連敗中の新潟が、柏を相手にお手本のようなカウンターで先制ゴールを奪った。

 その起点になったのはマルシオ・リシャルデス。相手のCKを跳ね返した自陣深くからドリブルで持ち上がって、DFのマークをものともせずに左サイドの内田潤へと展開。その内田はCKの守備でかなり深い位置にいたのだが、長い距離を駆け上がってカウンターの最先端を走り、本来と逆の左サイドから完璧なクロスを送ってアレッサンドロのヘディングをアシストした。

 中央のアレッサンドロではなく、左の内田を使ったマルシオ・リシャルデスの好判断。柏の隙を見逃さずに長い距離をトップスピードで走り抜けた内田の決断力。自身も長い距離をダッシュしながらも相手DFのマークをスッと外し、どフリーでのヘディングをしっかりと決めたアレッサンドロの狡猾さ。新潟が見せたお手本のようなカウンターアタックは、3人全員の個人能力と意思統一とが絡み合った、素晴らしいゴールだった。


 さて、新潟の美しいカウンターに感動したこの試合で、僕が最も気になっていたのは栗澤僚一の出来。
 実は僕が始めて生観戦した試合で決勝ゴールを決めたのが、当時FC東京の新人選手だった栗澤。その試合とは2005年4月の磐田戦で、このゴールは栗澤にとってのJリーグ初ゴールだった。
 そんなこともあって個人的に思い入れのある選手の栗澤だが、今季はルーキー大竹洋平や、羽生直剛、エメルソンの加入で出場機会が激減。鈴木達也とトレードのかたちで柏にレンタル移籍していた。

 Jリーグでは珍しいトレードだったが、このトレードがお互いにとってプラスになるかもしれない。
 鈴木達は「まず達也の色を出して欲しい」(城福浩監督)と、FC東京のやり方をさして伝えられないままに大宮戦でピッチに送り出されたが、運動量とスピードで相手守備陣をかく乱。筑波大で羽生と後輩、というのもうなずける、「Moving Football」への適正を見せた。
 栗澤は「ボールを失わないし、ミスが少ない」(石崎監督)「気の利いた選手」(大谷)と柏の監督、チームメートから高い評価を受け、この新潟戦でいきなりの先発フル出場。まだなじみきれていない部分はあったが、パスワークに積極的に顔を出していた。
 もっともミスの少なさや気の利いた動きは、FC東京でも高く評価されていたところ。それでも栗澤の出場機会が少なかったのは、仕掛けの部分で物足りなく、相手にとって怖い存在になりきれていなかったからだ(と、僕は思っている)。

 トレードの成功例と言えば、かつてFC東京と横浜FMとの間で交わされた、石川直宏と佐藤由紀彦。共に右サイドのスペシャリストだが、縦の突破力を求めるFC東京と、クロスの正確さを求める横浜FMとの間でニーズが合致した。
 このように、高い実力を持った選手でも、チームのスタイルとの不一致から力を発揮しきれないのはよくある話。その不一致を解決する一つの手段として、トレードはもっと活用されてもいい。
 そういう意味では今回の鈴木達も、栗澤も、共にチームに足りない部分を補える選手の移籍であり、お互いにとって良いトレードであったといえるのではないか。

 もっとも「成功例」として語るには、栗澤が味方にとって「良い選手」から、相手にとって「嫌な選手」へと脱皮する必要があると思うが。

posted by taka |00:08 | Jリーグ | コメント(1) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL: (表示は許可制となっています)
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/taka911/tb_ping/126
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
お手本のようなカウンターと、栗澤の話  ~新潟対柏~

うんうん、たしかに。
私は東京サポですが、トレードって、鈴木選手もクリもどちらも応援したい気持ちになれるんです。一方的に出て行かれる移籍とはまた気持ちが違ってきます。

posted by FC東京サポ | 2008-09-16 15:48

コメントする