2008年08月17日

日本的  ~FC東京対浦和~

<2008J1リーグ第21節/FC東京0-1浦和>

「ペースが握れた時間帯でシュートまで持ち込めていない」(GK塩田仁史)
「単純にクロスに入れても簡単に跳ね返されるだけ。もっと工夫も必要だと思う」(MF浅利悟)
「最後の質を出していかないといけない。ゴール前はもう何人かボールに絡む動きが必要」(MF羽生直剛)
     ※以上、コメントはすべて「J's GOAL」より


 こうしてFC東京の各選手のコメントを並べてみると、まるで日本代表戦後の選手コメントを見ているようだ、と思う。実際、試合を見ていて感じたフラストレーションは、先日まで北京五輪でU-23代表を見ていて感じたものに非常によく似ていた。
 パスはよくつながっている。ただし、それもゴール前、残り30mに差し掛かるまで。問題はそこからで、城福浩監督の言うところの「アタッキングサード」を崩し切ることができない。
 ラストパスが微妙に合わなかったり、クロスに対して中の人数が足りなかったり。残念なことに、FC東京の選手がゴール前に侵入できない理由も、日本代表のそれにそっくりだった。結果、ボールは支配できていて、シュート数もほぼ互角ながら、決定機の数では浦和を下回ることに。浦和は相馬崇人の決勝ゴールのほか、高原直泰のシュートが2回、田中達也のシュートが1回、ポストを叩いていて、もっと点が入っていてもおかしくないゲームだった。

 ただしこのゲーム展開は、必ずしもFC東京の問題点を明らかにしたのみではないと思う。
 僕が浦和戦を見て、対戦相手を「日本代表的」と表現したのはこれが初めてではない。今年4月、大宮と浦和の試合についても、僕は大宮のことを
「パスはきれいにつながっていくのだが、最後の30mを崩しきれないその様は、良い意味でも悪い意味でも、非常に日本的だった」
と評している。

 そのときの大宮と今回のFC東京を比べると、パスワークがきれいだったのは大宮のほうで、スコアを見ても明らかなように、より浦和を追い詰めたのも大宮のほう。だが、浦和についての
「守備の粘りでここ数シーズンを勝ってきたチームだけに、クロスにしてもドリブル突破にしても、対応に『ペナルティエリアの中でだけは絶対にやらせない』という意地のようなものが見えた」
という印象は、今回も変わらない。

 この日、FC東京が「日本代表的」だったのは、相手が浦和だったから、というのも大きく関係していると思う。たとえ相手にボールを支配されても、終盤パワープレーに出られても、浦和は動じない。たとえ石川直宏や今野泰幸が飛び出してきてもスピードのある坪井慶介がカバーし、闘莉王がつぶすだけだし、パワープレーも単純なロングボールなら闘莉王が跳ね返すだけだ。
 この2人がDFラインに復帰するまでは、現在は守備的MFの阿部勇樹がDFでプレーすることも多かったが、いずれにしてもゴール前の守備は強固。彼らが対応する場面が多いということはつまり、前線からのプレスが機能しているわけではない、ということでもあるのだが、ゴール前で仕事をさせないあたりはさすが闘莉王、という他ない。

 さて、その闘莉王と対面すると、なんとも物足りなかったのが平山相太。185cmの闘莉王を身長では5cm上回っているはずが、ゴールキックの競り合いも、終盤のパワープレーも、空中戦では完敗だった。
 また、トップ下気味にプレーして復調してきた平山だが、下がってプレーして長友佑都やカボレにはたいても、スピード不足で、クロスを上げるタイミングでゴール前に間に合わない。確かに、1トップでプレーしていた頃より運動量も貢献度も上がってはいるのだが、「ゴール前での怖さ」は減ってしまっているような気がした。果たして、「怪物」といわれた頃の平山は、どこへ。彼は今のままでは、上手いけど怖くない、きわめて「日本的」なプレーヤーに収まってしまいそうだ。

posted by taka |00:59 | Jリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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