2008年11月22日

「日本代表」の誇り

 WBC日本代表を、候補に挙がった中日ドラゴンズ所属の全選手が辞退したことが波紋を呼んでいる。
 候補48選手のうち、中日所属の選手は4選手。その全員が辞退したほか、追加で打診のあった1選手も、代表を辞退したというのだ。


 サッカーでいえば、浦和かG大阪、あるいは鹿島あたりの選手が、(程度の不明瞭な)負傷や調整の不安を理由に、そろって1、2月の代表戦の参加を辞退した、といったところだろうか。なるほど他のチームのファンとしては、納得できるはずがない。
 だがあくまで他人事として、チーム全体の利益を考えていえば、
「出たくない選手は、出なければ良い」
と思うのだ。まあ本当に、他人事だから言えることですが。


 野球もサッカーも人間がやるもので、チームは生き物だから、能力の高い選手が集まれば強いチームができる「パワプロ」や「ウイイレ」とは違う。結構にメンタルに左右されるものだから、チームが一丸になっているか、いないかの違いは大きい。

 前回のWBC、王JAPANの時も、出場辞退が続出した。各球団もさして協力的でなく、WBCの大会としての価値もよく分からないままに参加した選手たちは、日本を背負って戦う事を心から誇りに思っていて、心から勝ちたいと思っている選手たちだったに違いない。誤審問題や、奇跡の準決勝進出など、チームを一つにするようなイベントも重なったが、チーム全員が同じ方向を向いていたからこその優勝だと強く感じさせられたものだった。

 反面、今年の北京五輪では、チームの雰囲気はあまり良くなかったと聞く。チームの雰囲気が悪いときは上手くいかないのはサッカーもいっしょで、一昨年、惨敗したドイツワールドカップなどは、チーム内の不和を物語るエピソードがいくつか漏れ聞こえてきた。
 長い歴史を紐解けば、例外はいくつか見つけられるが、グラウンドの外で一丸になりきれてないチームは、グラウンドの中でも上手くいかないことが多い。

 だから僕は、
「代表に参加したくないなら、どうぞご自由に」
と思うのだ。どんなに実力のある選手であっても、中途半端な気持ちで代表に参加するのなら、いらない。同じ目標(=勝利)をもっている選手が集まり、同じ目標のために全力で戦ったほうが良いに決まっている。
 まあ、レッズやガンバの選手が同じことをしたら、絶対文句いうとは思いますけど。

posted by taka |23:16 | 日本代表 | コメント(24) | トラックバック(0)
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2008年11月19日

ナビスコのU-23化に反対!

 犬飼新会長が就任以来、次々と新しいアイディアを出している。

 それに対して、失礼を承知で一素人の率直な意見を書くなら、
「ナビスコカップをU-23の大会にする」
というのは、最大の愚策だと思う。


「若手に機会を与えた方がいい。代表選手が(日程的に)出られないナビスコ杯にはもともと若手育成というテーマがある」
というのが、犬飼会長の弁。だがそこには、プロ選手にとっての「機会」とは果たして、外部の人間が用意するものなのか、という疑問がある。
 メッシ(バルセロナ)やウォルコット(アーセナル)のように、出てくる人は、放っておいても出てくるのである。海外に例を求めなくたって、内田篤人や安田理大は、10代のうちにレギュラーポジションを獲得している。
 世界で戦える選手とは、協会から出場機会を与えられて育った、温室栽培の選手ではないはずだ。現に、シドニーでもアテネでも北京でも、実際に選出された18人のほとんどは、クラブでもコンスタントに出場機会を得ている、「競争力」のある選手だったのだ。


 もう一つ、現実的な問題として、メンバーの確保がある。
 会長には「3人までオーバーエージを認める」というアイディアがあるようだが、11人で大会を戦い抜くわけにもいけないから、各クラブは常に、10人以上の23歳以下の選手を確保しておかなくてはならないことになる。
 これはすべてのクラブにとって可能なことではないだろう。各クラブに、「ナビスコカップ要員」を雇うだけの財力があるわけではないからだ。
 仮にナビスコ要員なるものが存在したとしても、これは選手にとって決して良い話ではないだろう。たとえば、G大阪で出場機会を失っていた家長昭博は、今シーズンは大分に期限付き移籍をした。だが、もしもナビスコカップのレギュレーションが違えば、G大阪は無理にでも家長を残していたかもしれない。また第2の人生の決断はできる限り早いほうがいいだろうが、23歳までナビスコカップ以外では飼い殺されて、24歳になったとたんに解雇される選手が続出する危険性もある。


 これには「選手を確保できない場合、ユースの選手で補えば良い」、という反論が予想される。だがそれには、
「ユースの選手が混ざるような大会で選手が成長できるか?」
という疑問をさしはさむ余地がある。
 来年、高校2年生になる宇佐美貴史が、ガンバ大阪のユースチームからトップチームへと昇格する。「これ以上ユースにいても得るものは少ない」と判断されたためで、ナビスコカップのレギュレーションが代われば、彼のような逸材が、出場機会を2、3年間、まったく得られないということはなくなるだろう。
 だが、「ユースでは得られるものがない」と判断され、トップに上がった彼がナビスコカップで戦う相手は、若手不足をユースで補ったチームかもしれないのだ。それでは何の意味もないだろう。

 
 宇佐美だけに限った話ではない。若い選手にとって必要なのは、協会が用意した温室の中での、同年代との試合ではないはずだ。自力でポジションを奪い、先輩たちの厳しい要求に応え、日本トップレベルの選手たちと同じボールを争い、蹴る。そうした日々が若い選手たちを成長させるし、そうした競争を勝ち抜いた選手だけがトッププロになれ、世界で伍して戦える代表選手へと成長していく。
 協会がすべきはむしろ、チーム内の競争をよりオープンなものにするために、「ベストメンバーは監督が決めるもの」という正しい認識を持つことだろう。リーグ戦と天皇杯、あるいは、リーグ戦とACLのどちらを優先するかを決め、ベストメンバーを選ぶのは、あくまでも監督であって、過去の出場実績や協会のお偉いさんではない。監督の決断がより自由になって、その結果、実力のある若手がより多くの機会を得られるのなら、それがいいと思いませんか?

posted by taka |22:40 | Jリーグ | コメント(6) | トラックバック(0)
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2008年11月17日

こんな長谷部を見たい ~知性とやんちゃの融合~

昨夜の「やべっちFC」で、エメルソンが日本代表のキーマンに長谷部誠を挙げていた。
エメルソンといえば、長谷部が20歳でJリーグベストイレブンに選ばれた04年当時の浦和のエースストライカー。 圧倒的なスピードでJリーグを席巻した彼のゴールの中には、長谷部のアシストによるものも少なくなかったと記憶している。

カタールへの電撃移籍、年齢詐称、カタール代表での国籍問題など、トラブルメーカーとしても知られるエメルソンは、
「バランスも取れるし、攻撃に変化も付けられる」
と長谷部の万能性を高く評価していた。
なるほど今の長谷部は万能だ。元は攻撃的MFだけに、04年当時はドリブルやスルーパスなど攻撃センスが光っていたが、その後はレッズやドイツで、守備でのタフさやバランス感覚に研きをかけてきた。

能力をグラフにすれば、いびつだった五角形なり六角形が、徐々に正多角形へと近づいていった感じ。それは間違いなく成長なのだが、04年当時の長谷部を知る者としては、物足りなく感じることも。攻撃面に特化していた頃に見せていた、大胆な中央突破(例えば、04年2ndステージの磐田戦)や、強引なスルーパスは、年々みられなくなっていった。

確かにそれらはリスクの大きいプレーで、知性を身に付けるごとにリスクを避けるようになったのは「大人のプレーヤー」になった証と言えるのかもしれない。
ただ、04年をピークにゴール・アシスト数を減らして浦和を去り、ドイツでも安定感を評価される一方、攻撃面での不満から先発落ちしたと報じられるなど、以前の彼からすれば信じられないことだった。

今の代表の中で、長谷部の貢献は決して小さくない。中盤の底で走り回り、チームの攻守をつなぐ働きをしている。ただ一方で、かつての「やんちゃ」さは、陰を潜めているように思う。

今の遠藤保仁とのコンビで、長谷部がやんちゃに振る舞うのは危険すぎる。しかし、やんちゃに攻撃参加する長谷部を、もう一度見てみたい、とも思う。

今の知性に、かつてのやんちゃさが加われば、監督やチームメートにに好かれながら相手にも嫌われる、理想的な選手になると思うのだが。

posted by taka |16:44 | 日本代表 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年11月14日

健全な競争  ~日本vsシリア~

 シリアが「仮想カタール」というには歯ごたえ不足で、日本の方も中盤のレギュラー4人を欠いたシリア戦は、「代役の見極め」のための試合となった。

 というのも、守備の要であるGK楢崎正剛とDF中澤佑二が、いずれも負傷でカタール戦を欠場することになったからだ。この2人に闘莉王を加えた逆三角形で3次予選の後半から最終予選までを戦い抜いてきただけに、個々の能力や連携の確認のための実戦は、このカタール戦が最初で最後の機会となる。
 楢崎の代わりにゴールを守った川口能活は、安定した動きで、カタール戦に向け何の不安も残さなかった。もともとは3月にバーレーンに敗れるまで、一貫して代表の正GKを務めていた選手。そのバーレーン戦でミスをしてポジションを失っていただけに、そのミスを思い出して不安になる方もいらっしゃるだろうが、2度のワールドカップ最終予選を経験しているベテラン以上に、安心してゴールマウスを任せられる選手はいないだろう。

 一方、中澤の代役には不安が残る。第一候補となる寺田周平は、空中戦でファウルを連発して、岡田監督に苦言を呈された。昨年のアジアカップでカタールと引き分けた試合では、FKから手痛い一発を浴びた。それだけに彼の手癖の悪さが心配だ。
 第2候補となりそうなのは阿部勇樹。対アジアにおいてセンターバックとして一定の実績があり、闘莉王との連携でも浦和で共にプレーしている分、一日の長がある。ただ前述のアジアカップでのFKは、阿部の不用意なオブストラクション(進路妨害)によって与えたものだった。こちらは手癖の悪さよりずっと修正しやすいもので、阿部もこの1年間で、センターバックとしての経験値をグッと高めてきた。岡田監督の高さへのこだわりを考えると寺田の先発が濃厚だが、阿部のほうが計算しやすいように僕は思う。
 第3候補はここまで国際Aマッチ3試合に出場している高木和道だが、未だ代表でのフル出場はなく、無失点もない。経験も実績も乏しい彼を、いきなり先発で起用することはまずないだろう。シリア戦でも闘莉王との交代で入ったため、ファーストチョイスである闘莉王との連携を確かめることができなかった。

 そのほかの選手では、中村憲剛は単なる遠藤の代役にとどまらない実力を見せたし、大久保嘉人も、左サイドでは消えている時間帯も多いが、ウズベキスタン戦ではアシスト、シリア戦ではゴールと結果を出し続けている。
 彼らがこの調子なら、長谷部や松井も、「合流したから即スタメン」とはいかないと思う。練習で健全な競争をした結果、ポジションを勝ち取るべきで、そうした健全なポジション争いが、チームを活性化させ、成長させるのだと思う。
 センターバックを始め、他のポジションでも健全なポジション争いを、高いレベルでできるようなら、日本代表はもっと強くなっていく。

posted by taka |13:42 | 日本代表 | コメント(1) | トラックバック(0)
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2008年10月25日

名古屋の“歯車”  ~名古屋vs磐田~

 2位名古屋と、16位磐田の差は、ピッチ上に確かに見て取れた。
 名古屋の組織だったプレッシングに対して、磐田はパスミスを連発。MF杉本恵太のスピード、FWヨンセンの高さ、MF小川佳純の飛び出しという個々の特長を生かした名古屋の攻撃に、磐田は5バック状態で耐えるしかなかった。

 耐えるしかなかった、と書いたばかりだが、残留を争う磐田が、最初から引き分け、勝ち点1を狙っていたわけではない。右サイドのMF駒野友一と、左サイドのMF村井慎二がサイドバックのようになっていたのは、自発的なものというよりは名古屋のサイド攻撃に押し込まれていた結果だし、チャンスと見れば攻撃にもしっかり顔を出していた。
 ただ反撃がほぼ2トップ任せで、ジウシーニョの技術とスピード以外に活路を見出せないようでは、今の名古屋を攻め切るのは難しい。トップ下のMF松浦拓弥も走り回ってはいたが、なかなか良い形でボールを受けられず、試合から消えてしまっていた。
 もっとも、この試合で最大のチャンスを迎えたのは、磐田のほうだった。後半終了間際、駒野友一のクロスにファーサイドで待っていた磐田のエース前田遼一は、完全にフリーだった。それを前田が決めて勝ち点3を取れていれば、磐田としては理想的な試合だったのだが……。

 一方の名古屋は、チャンスを決め切れなかった、というよりは、攻めあぐねていた印象が強い。
 それは名古屋の詰めが甘かったというよりも、磐田の守備陣の集中力を誉めるべきなのかもしれない。磐田のDFが集中力を切らしたのは、後半開始早々に、田中誠のバックパスを小川にさらわれた場面くらい。ヨンセンの高さにも、杉本の突破にも、DF全員がギリギリまで粘り強く対応して守りきった。
 ただ、これで4試合連続で引き分けなのだから、名古屋の側にも問題が無いわけではないのだろう。MFマギヌンの離脱以降は、攻めあぐねる試合が続いている。
 そのマギヌンは今季22試合で6ゴール。悪くない数字だが、むしろそれ以上に、攻撃にリズムをもたらし、攻撃のバリエーションを広げる仕事が目立っていた。

 そのマギヌンの離脱でFW玉田圭司がチャンスメークに回る時間が増えた分、サイドを崩しても、肝心のゴール前で待つ人数が減ってしまっているように思えた。マギヌン離脱後の不調は、マギヌンがスーパーな存在だったというよりも、彼の離脱によって上手く回っていたチームの歯車が、一時的に狂っているのが原因ではないだろうか。
 一方、首位を独走する鹿島は、マギヌン以上にスーパーな存在だったMF小笠原満男を失ったが、中後雅喜がソツなく穴を埋めている。この選手層の違いを見ると、名古屋は優勝にはまだ早かったか、と思ってしまうのである。

posted by taka |17:54 | Jリーグ | コメント(3) | トラックバック(0)
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2008年10月20日

バロンドールはクリスチアーノ・ロナウドか

 バロンドール(欧州年間最優秀選手賞)の候補選手30名が発表された。

 昨年までは50名だった気が事前の候補リストだが、いずれにしても、活躍した選手を完璧に網羅していないのがこの手のリストの常。今回のリストでも、昨シーズン、バルセロナでほとんど戦力外と見なされていたエトオが選ばれているのに、バルセロナでの貢献だけでなく、EUROでもスペインの優勝に大きな役割を果たしたイニエスタが選ば れていない不可解がある。

 さて、本題の、バロンドール受賞者の話。
 本命は、クリスチアーノ・ロナウドとされている。このマンチェスター・ユナイテッド所属の23歳は、プレミアリーグとCLの両方で得点王になって、チームの二冠の原動力になった。美しいゴールも多く、その華麗さ、インパクトはバロンドールを受賞した3年前のロナウジーニョにも勝るとも劣らないものだった。個人的に気になるのは、ルーニーやテベスのハードワークによって「サボり」を救われている点だが、その点もかつてのロナウジーニョと同様で、受賞を逃す要因にはならないだろう。

 マイナスポイントがあるとすれば、EUROで期待を裏切ったことだ。ワールドカップほどではないとしても、EUROでの活躍はバロンドールの選考に影響する。

 ただし優勝したスペインに、ロナウドほど華やかで、個人で輝く選手はいない。スペインの優勝は総合力によるものだったという印象で、MVP級の活躍をしたシャビにしても、セナにしても、カシジャスにしても、個人として圧倒的なインパクトはなかった。

 12月の始めに発表される今年のバロンドールは、クリスチアーノ・ロナウドで決まりか。

posted by taka |19:15 | 海外サッカー | コメント(3) | トラックバック(0)
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2008年10月19日

J1第29節一言感想(スーパーサッカーを見て)

 スーパーサッカーを見ての雑感を書き記します。「J Sports」等でフルタイムを見て、意見が変われば訂正記事を書きます。


【浦和vs神戸】
 左サイドから切り込んだ高原直泰が、ボールの出し所がないままに相手に囲まれ、ボールを失ったシーンが最も印象的。意思統一が無く、高原の「何がしたいんだか分からない」というコメントが報道を通じて漏れてしまった浦和だが、改善は見られず、チーム状態は決して上がっていないという印象を受けた。


【G大阪vs磐田】
 その浦和とACL準決勝で戦うG大阪は、1stレグを終えた時点でアウェイゴール差のビハインドを負っているが、チーム状態はこちらの方がずっと良い。リーグ戦の成績でも、勝ち点で浦和に並んだ。個々人に目を向けたとき、大きいのは安田理大の復帰。岡田監督としては守備力が少々心もとないかもしれないが、ダイジェストを見る限りでは代表の左サイドバックとしても期待したくなる切れ味の鋭さだった。山崎雅人も、大分時代の印象が余り良くなくて、シーズン開幕前は「ガンバが補強するほどか?」と個人的には疑問視していたのだが、要所で点を取っている印象がある。


【東京Vvs大宮】
 残留を争う両者の直接対決は、意地のぶつかり合いという趣だった模様。最後に勝負を決めたのは、東京Vの10番ディエゴだった。昨年のJ2時代も含め、フッキがいた時には優れた脇役――脇役だが、主役にもなれる技術と、フッキからパスが出なくてもパス&ゴーを続ける勤勉さを持つ、フッキ以上に日本向きな選手――という印象だったディエゴだが、この決勝点がすでに今季11点目で、その才能を存分に発揮している。フッキがいなくなった今、ヴェルディの主役は完全にディエゴ。11点、というのは現在のJリーグのトップ下の選手として、破格の得点力を持っていることの証明だ。

posted by taka |01:00 | Jリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年10月16日

岡田Japanへの3つの疑問  ~日本vsウズベキスタン~

 クリスチアーノ・ロナウド(マンチェスター・U)を擁するポルトガル代表が、ホームでアルバニア代表と引き分けた。
 あくまで参考にしかならない、といわれるFIFAランキングではあるが、参考までにいうと、ウズベキスタン(70位)よりもアルバニア(83位)のほうが下。世界ナンバー1プレーヤーを擁する強豪ポルトガルにだって取りこぼしはあるし、ブラジルやアルゼンチンだって、南米予選を全勝で勝ち抜いてくるわけではない。

 それを踏まえると、決して悲観的になるような結果ではない、と思う反面、今後が心配になる要素もあったウズベキスタンとの引き分けだった。


 心配になる要素を一つ挙げると、闘莉王(浦和)が諸刃の剣になる危険性だ。彼自身、能力は、凄く高い。空中戦ではほとんど競り勝っていたし、終盤にゴール前に上がった時の迫力はさすがだった。
 ただ、彼が攻めあがった際のカバーリングには遅れが目立った。その結果中澤佑二(横浜FM)が孤立し、相手FWと一対一になる場面も。そこでしっかり止める中澤はさすがだが、彼が抜かれた際のカバーはどうなっているのか。後列の面々を見てみると、守備的MFの長谷部誠(ヴォルフスブルク)、遠藤保仁(G大阪)は守備よりも攻撃に特徴のある選手だし、右サイドバックの内田篤人(鹿島)も、失点シーンで中央のカバーリングのもろさを露呈している。
 先発メンバーでは唯一、左サイドバックの阿部勇樹(浦和)が闘莉王のオーバーラップのケアに気を配っていた印象で、交代選手では稲本潤一(フランクフルト)がカバーを命じられて入ってきて、その期待に応えていたが、それでも危険な場面は少なくなかった。闘莉王の攻撃力を活かさない手は無いだけに、連携をさらに高める必要はあるだろう。もっとも闘莉王にも、中盤でフラフラしているくらいなら、前線に上がるのか、DFラインでしっかり守るのか、はっきりせんかい、とは思ったが。

 また、岡田采配にも気になる点はあって、今回でいえば、交代のカードの切り方。稲本については中村憲剛(川崎F)との比較で、闘莉王のカバーを考えて選んだとのことだったが、ならばなぜ、興梠慎三(鹿島)を入れたのか。投入直後こそ良いドリブル突破を見せていた興梠だったが、その後闘莉王を前線に上げたパワープレーがメインになってからは、攻撃に絡む場面がほとんどなかった。パワープレーに出るのならば、興梠や岡崎慎司(清水)よりも、巻誠一郎(千葉)のほうが適していたのではないか。その巻がベンチ外だった、というのには首を傾げたくなる。


 最後に、もう一つ。岡田監督は試合後の会見で、「内容は悪くなかった」といったという。このコメントは、先のUAE戦に続いてのもので、事実、内容は悲観的になるほどに悪いものではなかった。
 しかしだからこそ、勝ちきれない現状がもどかしい。たとえばジーコ監督時代には、内容は今以上に悪くても、勝ちきっているげーむはいくつかあった。しかし今は、内容は最悪ではなくても、勝ちきれない試合が続いている。
 勝ちきれないのは試合運びの問題なのか、決定力の問題なのか。まあ、その原因分析は岡田監督がしっかりしているだろうし、それがしっかりしていれば、それほど大きな問題ではないのだろうが。

posted by taka |12:07 | 日本代表 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年10月10日

新戦力は見つかった?  ~日本vsUAE~

     <GK&DF>森重見送りの「?」も寺田、高木は安定
「オリンピックを見た限りでは、ポジショニングなどに不満がありますけど、どこまでできるか分からないぶん、期待も大きいですよ」というのが、岡田武史監督の森重評(『週刊サッカーマガジン』インタビューより)。
 その森重真人(大分)のスタメン起用を予想する声もあったが、フタを空けてみればベテランの寺田周平(川崎F)が先発し、中澤佑二(横浜FM)とコンビを組んだ。

 日本代表のセンターバックは、中澤、闘莉王(浦和)のコンビがチームの中心になっている一方、彼らに続く「第3のセンターバック」の不在が一つの問題になっている。そこで森重にかかる期待も大きかったのだが、岡田監督が選んだのは5月のパラグアイで実績のある寺田のほうだった。
 寺田は前半のみで退いたが、パフォーマンスは実に安定していた。後半から代わって入った高木和道(清水)も、硬さの見られたウルグアイ戦から一転、代表2戦目のこのUAE戦では、落ち着いた対応を見せた。2人とも、攻め込まれる展開での抵抗力は未知数だが、アジア予選ではオーストラリア戦を除いて、日本がボールを支配する時間帯が長くなるはず。五輪の3試合を通じて、人への強さとポテンシャルの高さを見せた森重のデビューを見送ったのは疑問だが、アジアレベルでは寺田、高木の高さと安定感がレギュラー不在の危機を救ってくれるtと思う。


<MF>連携か見合わない場面あるも、稲本は○
 稲本潤一(フランクフルト)の“代表デビュー戦”は、「◎」とまではいかないまでも、なかなかの出来だったと思う。岡田監督も、「ボール際をつぶしに行く、マイボールにならなくても必ず前にボールをこぼしてくれた。これに関しては素晴らしかったと思っています」と、稲本のプレーを高く評価。初戦からいきなり持ち味を出せるのは、欧州で7シーズン、計6クラブでプレーしてきた彼の順応力の成せる業だろう。
 ただし攻撃面では、「2列目からの飛び出しというところで、あと一歩で(タイミングが)合わなかったことが2、3回ありました」と岡田監督もいうように、息の合わない場面が見られた。後半には飛び出しが、玉田圭司(名古屋)のドリブルと重なってしまう場面も。遠藤保仁(G大阪)が合流するウズベキスタン戦でも先発するかは長谷部誠(ヴォルフスブルク)との争いになるが、試合を重ねてチームメートとの相互理解を深めれば、さらに良くなるのではないか。


<FW>岡崎、興梠の猛アピールで、ベンチ入り18人は混戦に
 岡田監督は『週刊サッカーマガジン』のインタビューの中で、金崎夢生(大分)について
「今の中盤の選手層からすると、現段階で呼ぶ選手ではないだろうというだけで、将来的にはすごく面白い選手だと思っています」
と語っている。
 裏を返せば、現段階で新戦力を3人呼んだFWについては、今の選手層に満足しているわけではないということか。今回岡田監督は、佐藤寿人(広島)、巻誠一郎(千葉)という実績ある2人を差し置いて岡崎慎司(清水)を先発させ、興梠慎三(鹿島)を交代の1番手として送り込んだ。
 岡崎、興梠ともに、期待にたがわぬプレーを見せたと言えるだろう。岡崎は中村俊輔(セルティック)から、その献身的なプレーを絶賛され、興梠は30分強の出場ながら、持ち前のスピードを武器に次々とチャンスを生み出した。
 もっとも、新戦力を積極的にテストしながらも、玉田、大久保嘉人(神戸)も継続して先発起用したあたりには、岡田監督の彼らへの厚い信頼が窺える。だが得点力を高く評価される大久保は、51分の決定機をミス。そのあたりを、岡田監督はどう評価しているのか。チャンスを決めきれない、という場面は岡崎にも、興梠にもあったが……。

posted by taka |09:30 | 日本代表 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年10月09日

ミラーの“監督力”  ~千葉vs浦和~

 千葉の快進撃が止まらない。11節まで勝ち点を2しか取れず、降格は不可避だと見られていたチームが、8月27日に磐田と引き分け(0-0)て以来負けなしで、現在まで5連勝の快進撃。順位も14位まで上げて、一気に降格圏を抜け出した。

 千葉の試合をしっかり見たのはこの浦和戦が始めてだったのだが、アレックス・ミラーの監督としての手腕を十分に堪能できた。
 浦和で最も怖いロブソン・ポンテに対しては、守備的MF下村東美が監視しつつ、周囲のプレーヤーが随時フォローに入って数的有利を作る徹底した警戒体制で自由を奪う。攻撃面では、谷澤達也、深井正樹の両サイド。それぞれ仕掛けの部分に特徴を持つドリブラーにサイドを突かせて、サイドが手薄な浦和のディフェンスを翻弄した。

 それらの策は、自分たちの選手の良いところを引き出すことで、結果として相手の良いところを消している印象。決して個人能力の高くない千葉の快進撃は、下村の人への強さ、谷澤のテクニック、深井の一瞬のスピードなど、個々人の長所を引き出し、かつそれを巧みに組み合わせているミラーの「監督力」によるところが大きいと僕は強く感じた。

posted by taka |14:53 | Jリーグ | コメント(4) | トラックバック(0)
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