2008年10月10日
<GK&DF>森重見送りの「?」も寺田、高木は安定
「オリンピックを見た限りでは、ポジショニングなどに不満がありますけど、どこまでできるか分からないぶん、期待も大きいですよ」というのが、岡田武史監督の森重評(『週刊サッカーマガジン』インタビューより)。
その森重真人(大分)のスタメン起用を予想する声もあったが、フタを空けてみればベテランの寺田周平(川崎F)が先発し、中澤佑二(横浜FM)とコンビを組んだ。
日本代表のセンターバックは、中澤、闘莉王(浦和)のコンビがチームの中心になっている一方、彼らに続く「第3のセンターバック」の不在が一つの問題になっている。そこで森重にかかる期待も大きかったのだが、岡田監督が選んだのは5月のパラグアイで実績のある寺田のほうだった。
寺田は前半のみで退いたが、パフォーマンスは実に安定していた。後半から代わって入った高木和道(清水)も、硬さの見られたウルグアイ戦から一転、代表2戦目のこのUAE戦では、落ち着いた対応を見せた。2人とも、攻め込まれる展開での抵抗力は未知数だが、アジア予選ではオーストラリア戦を除いて、日本がボールを支配する時間帯が長くなるはず。五輪の3試合を通じて、人への強さとポテンシャルの高さを見せた森重のデビューを見送ったのは疑問だが、アジアレベルでは寺田、高木の高さと安定感がレギュラー不在の危機を救ってくれるtと思う。
<MF>連携か見合わない場面あるも、稲本は○
稲本潤一(フランクフルト)の“代表デビュー戦”は、「◎」とまではいかないまでも、なかなかの出来だったと思う。岡田監督も、「ボール際をつぶしに行く、マイボールにならなくても必ず前にボールをこぼしてくれた。これに関しては素晴らしかったと思っています」と、稲本のプレーを高く評価。初戦からいきなり持ち味を出せるのは、欧州で7シーズン、計6クラブでプレーしてきた彼の順応力の成せる業だろう。
ただし攻撃面では、「2列目からの飛び出しというところで、あと一歩で(タイミングが)合わなかったことが2、3回ありました」と岡田監督もいうように、息の合わない場面が見られた。後半には飛び出しが、玉田圭司(名古屋)のドリブルと重なってしまう場面も。遠藤保仁(G大阪)が合流するウズベキスタン戦でも先発するかは長谷部誠(ヴォルフスブルク)との争いになるが、試合を重ねてチームメートとの相互理解を深めれば、さらに良くなるのではないか。
<FW>岡崎、興梠の猛アピールで、ベンチ入り18人は混戦に
岡田監督は『週刊サッカーマガジン』のインタビューの中で、金崎夢生(大分)について
「今の中盤の選手層からすると、現段階で呼ぶ選手ではないだろうというだけで、将来的にはすごく面白い選手だと思っています」
と語っている。
裏を返せば、現段階で新戦力を3人呼んだFWについては、今の選手層に満足しているわけではないということか。今回岡田監督は、佐藤寿人(広島)、巻誠一郎(千葉)という実績ある2人を差し置いて岡崎慎司(清水)を先発させ、興梠慎三(鹿島)を交代の1番手として送り込んだ。
岡崎、興梠ともに、期待にたがわぬプレーを見せたと言えるだろう。岡崎は中村俊輔(セルティック)から、その献身的なプレーを絶賛され、興梠は30分強の出場ながら、持ち前のスピードを武器に次々とチャンスを生み出した。
もっとも、新戦力を積極的にテストしながらも、玉田、大久保嘉人(神戸)も継続して先発起用したあたりには、岡田監督の彼らへの厚い信頼が窺える。だが得点力を高く評価される大久保は、51分の決定機をミス。そのあたりを、岡田監督はどう評価しているのか。チャンスを決めきれない、という場面は岡崎にも、興梠にもあったが……。
posted by taka |09:30 |
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2008年10月09日
千葉の快進撃が止まらない。11節まで勝ち点を2しか取れず、降格は不可避だと見られていたチームが、8月27日に磐田と引き分け(0-0)て以来負けなしで、現在まで5連勝の快進撃。順位も14位まで上げて、一気に降格圏を抜け出した。
千葉の試合をしっかり見たのはこの浦和戦が始めてだったのだが、アレックス・ミラーの監督としての手腕を十分に堪能できた。
浦和で最も怖いロブソン・ポンテに対しては、守備的MF下村東美が監視しつつ、周囲のプレーヤーが随時フォローに入って数的有利を作る徹底した警戒体制で自由を奪う。攻撃面では、谷澤達也、深井正樹の両サイド。それぞれ仕掛けの部分に特徴を持つドリブラーにサイドを突かせて、サイドが手薄な浦和のディフェンスを翻弄した。
それらの策は、自分たちの選手の良いところを引き出すことで、結果として相手の良いところを消している印象。決して個人能力の高くない千葉の快進撃は、下村の人への強さ、谷澤のテクニック、深井の一瞬のスピードなど、個々人の長所を引き出し、かつそれを巧みに組み合わせているミラーの「監督力」によるところが大きいと僕は強く感じた。
posted by taka |14:53 |
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2008年10月05日
17位磐田と18位札幌の「裏天王山」で、前田遼一の決定力が光った。
開始早々、GK佐藤優也がファンブルしたボールを見逃さずに1点目を奪うと、32分、36分には駒野友一のCKに合わせて立て続けにゴール。前半のうちにハットトリックを完成して、試合を決めた。
前田はこの3得点で、今シーズン通算7ゴール。彼の能力からすれば少なすぎるように思えるこのゴール数は負傷で出遅れたからで、今季初出場は11節の川崎F戦(5月6日)だった。
もっとも前田が負傷で出遅れるのは今季に限ったことではなく、プロ入りしてからこの選手、30試合以上に出場したシーズンが一度もない。ただ出場すれば実に頼もしい選手で、2005年から昨年まで、3年連続で2桁得点を記録している。
その前田はこれで3試合連続ゴールで、頼れるエースの調子が上がってきたのは、残留を争う磐田にとっては頼もしい限りだろう。札幌の自滅に助けられた感もあるが2連勝、しかも2試合連続の無失点で、「後ろが頑張って、前田とジウシーニョが点を取る」というかたちも見えた。
一方の札幌は、ミス絡みで失点を重ねたのが痛い。しかしそれ以上に心配なのは、ダヴィ、クライトンが後半、立て続けに無駄な警告を受けたこと。上手くいかないイライラが、悪い方向に出てしまった。
気持ちは分かる。チームの状況はかなり厳しいが、彼ら個人のパフォーマンスは、決して悪くない。勝つために必死にやっているプロ選手としては、奮闘がなかなか勝利に結びつかない現状は、歯がゆいものに違いない。
ただ、どんな理由があろうと、無駄な警告を受けたことを肯定する気にはなれない。札幌のある選手が、「J2降格が決定しようと、プロである以上、応援してくれるサポーターのためにも最後まで前向きに戦う」というよう趣旨のことを話していると、放送の中で言っていた。なかなかボールが回ってこなくても、主審の判定に納得がいかないことがあっても、結果が出なくても。どんなことがあっても、試合の最後まで、シーズンの終了まで、全力で戦い抜く姿を、僕は見たい。
posted by taka |15:43 |
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2008年09月26日
「多摩川クラシコ」に0-1で敗れ、「神奈川ダービー」が1-1の引き分けに終わった川崎Fが、優勝争いから一歩後退した。大混戦の上位5チームの中で、ACLがない分日程で鹿島、浦和より楽で、タレント力と優勝争いの経験で名古屋と大分を上回る川崎Fを有利とする声もあったが、この2試合で勝ち点を1しか積み上げることができず、一気に苦しくなった。
痛かったのは自慢の攻撃力の沈黙だ。質量ともにリーグ最高峰のタレントをそろえる川崎Fが、この2試合では中澤佑二(横浜FM)のオウンゴールによる1点しか取ることができなかった。
一人少ない相手から一点を奪えなかったFC東京戦後、選手コメントには
「攻撃が中央に偏っていた」
との声が並んだ。そしてこの問題は、横浜FM戦でも改善されているようには思えなかった。
これはシステム変更の影響だと僕は思う。川崎Fは今シーズン途中、システムを「3-5-2」から「4-3-3」に変えた。その理由について中村憲剛は、多摩川クラシコ前の『週刊サッカーマガジン』の今野泰幸との対談記事の中で
「3バックでは手詰まりになっている面があった」
「4バックもずっとやっていて、変更のタイミングを探っていた」
と語っている。
ただ同時に、
「まだ前のシステムの時ほどの安定感はない」
とも語っている。その「安定感」について、具体的な言及はなかったが、この2試合を見た限りではやはり、上手くサイドを使えていない印象。3トップの左右に位置するジュニーニョと黒津勝はストライカータイプだから、縦にえぐるよりもゴールへと意識が向いているし、サイドバックの山岸智、村上も、攻撃に絡めていない。
また、FC東京戦を解説した原博実さんは、ジュニーニョの不調の一因として、
「細かいスペースでのパスワークなど仕事が増え、DFラインとの駆け引きに集中できなくなって、イライラしている」
と、システム変更の影響を挙げていた。
「手詰まりになっていた」と中村がいうのだから、システム変更は必然だったのだろう。そこに疑問を唱える余地があるとすれば、時期の問題だ。優勝争いの真っ只中にあるチームが果たして、「安定感」のある慣れたやり方を変更する必要があったのか。もちろんこれは結果論に過ぎないから、研究され、「手詰まり」になっていた3バックでも優勝を逃していた可能性はあるが、ならばそれからでも、新システムへのトライは遅くなかったのではないか。
ただし、ここで挑戦したことに川崎Fの「らしさ」があると僕は思う。ジュニーニョと不仲だったフッキを、それでも今シーズン、復帰させたこと。中村、谷口博之を前に出し、菊地光将が後ろから支える中盤がある程度機能していたのに、ヴィトール・ジュニオールを獲得しトップ下に据えたこと。今季を振り返ってみても、川崎Fは既存の安定にとらわれず、より強いチーム、より強烈な破壊力を追求して、新しいことに挑戦してきた。その姿勢は好きだし、今回の新システムへのトライにも、常に高みを目指す川崎Fのらしさが表れていると思う。
また、「フッキ・トラブル」や関塚前監督の体調不良による不測の監督交代を経てもなお、上位にいること自体が、川崎Fのチーム力の証明だと思う。新外国人も馴染み、新システムも馴染んで始まる来シーズンこそ、川崎Fは怖い。
posted by taka |15:20 |
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2008年09月21日
少々間が開いてしまいましたが、(2)の続きです。
12位FC東京 3733万円/勝ち点
勝ち点:45(12位) 人件費:16億8000万(7位)
主な補強:ワンチョペ(完全)、福西崇史(完全)
リーグ戦わずか2得点で途中退団したワンチョペ、1年で戦力外となった福西を獲得したFC東京が、前評判を大きく裏切る12位に終わり、コストパフォーマンスとしてもやはり良くなかった。
13位サンフレッチェ広島 3862万円/勝ち点
勝ち点:32(16位) 人件費:12億3600万円(16位)
主な補強:平繁龍一(昇格)
順位同様、人件費も下から3番目だった昨年の広島。経営規模は小さいクラブだが、佐藤寿人、駒野友一と現役日本代表2人を擁していただけに、残留はしたかった。人件費では大差ない清水が4位だったのだからなおさらだ。もっとも降格した今季も佐藤をはじめ主力の多くが残留。久保竜彦も獲得し、J2の首位を独走している。
14位横浜F・マリノス 3922万円/勝ち点
勝ち点:50(7位) 人件費:19億6100万円(2位)
主な補強:小宮山尊信(新人)、鈴木隆行(完全)
人件費は浦和に次いで2番目に高く、経営規模の大きさが数字にも表れている。だが、それが結果に結びついていないのが近年の横浜FM。優勝争いには絡めなかったものの7位に食い込んだ昨年だからでこの評価だが、ロペス、ロニー(現G大阪)ら補強にも積極的に動きながら、降格争いに絡んだ今季の「勝ち点コスト」を計算すれば、最下位候補の筆頭になる。
15位名古屋グランパスエイト 3933万円/勝ち点
勝ち点:45(11位) 人件費:17億7000万円(4位)
主な補強:櫛野亮(レンタル)、小川佳純(新人)
人件費のトップ5で唯一、二桁順位に低迷した名古屋の対費用効果はやはり悪かった。スロバキア人DFスピラールは大ケガに見舞われ、フェルフォーセン監督のサッカーは、解説になった原博実前FC東京監督に「眠くなるほど退屈だった」と評される始末。しかし今季は、ストイコビッチ監督の下リーグ優勝に迫っている。余談だが、今年チーム名から「エイト」を取った。
16位大宮アルディージャ 3954万円/勝ち点
勝ち点:35(15位) 人件費:13億8400万円(10位)
主な補強:レアンドロ(レンタル)、デニス・マルケス
ギリギリで残留を決めた大宮だが、人件費では中規模。もっとも新戦力のDFレアンドロは残留を決定付けた第33節FC東京戦で50mドリブルシュートを決めている。デニス・マルケスも途中入団の昨季は2得点と物足りなかったが、今季はここまで8ゴールをあげる活躍を見せている。投資は無駄ではなかった?
17位浦和レッズ 4059万円/勝ち点
勝ち点:70(2位) 人件費:28億4100万円(1位)
主な補強:阿部勇樹(完全)
2位の横浜FMと8800万円差と、ダントツの人件費だった浦和が、単純計算では1位となった。「週刊サッカーダイジェスト」誌の推定によると、遠藤保仁(G大阪)や、ヨンセン(名古屋)の年俸が約8000万円。つまり、横浜FMがJリーグトップクラスの実力者の年俸を1人分払ってもまだ浦和の方が多いのだから、いかに浦和が潤沢な資金力を誇っているかが分かるだろう。リーグ優勝は逃したが、ACLでは優勝した昨年の浦和。リーグ戦の「勝ち点コスト」ではこの順位でも、アジアとの2冠に迫ったのだから、人件費相当の結果は得られたといえるが、サッカーの内容を考えると、やっぱりちょっともったいない?
18位横浜FC 5388万円/勝ち点
勝ち点:16(18位) 人件費:86200万円(17位)
主な補強:奥大介、久保竜彦、マルコス・パウロ
J2降格決定の最速記録を更新する低迷ぶりだった横浜FCが、10億円に満たない人件費ながら、唯一勝ち点1あたりの人件費が5000万円を超えた。この人件費は入れ替え戦の広島と約4億円、15位の大宮と約5億円の差がある。同じく人件費が10億円に満たなかった甲府もJ2に降格しており、J1残留には最低限の資金力が必要だということが伺える。ただし、昨シーズン途中に解任された高木琢也監督とフロントの間には、補強の方針をめぐって確執があったとも伝えられた。いくら資金力に乏しいとはいえ、その限られた資金の使い方で現場とフロントの間でズレがあっては、勝てないのも当然だろう。
posted by taka |22:00 |
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2008年09月17日
(1)の続き
4位ヴァンフォーレ甲府 2744万円/勝ち点
勝ち点:27(17位) 人件費:7億4100万(18位)
主な補強:増嶋竜也(レンタル)
J2降格の憂き目にあった甲府だが、データからは乏しい資金力の割りに健闘していたことが窺える。事実、そのパスサッカーへの評価は決して低くなく、大木武監督もすぐに日本代表コーチ就任が決まっている。バレーのG大阪移籍で失った「フィニッシャー不在」を解決できていれば、人件費は最も少なくてもJ1に残留できていた?
5位ヴィッセル神戸 2802万円/勝ち点
勝ち点:47(10位) 人件費:13億1700万円(13位)
主な補強:大久保嘉人(完全)、レアンドロ(レンタル)、ボッティ(レンタル)
「楽天マネー」による大型補強のイメージがあった神戸だが、昨年の人件費は新潟、千葉よりも少なかった。とはいえ昨年には日本代表FW大久保、今年は韓国代表MF金南一と継続して各国代表クラスを補強できる資金力は、やはり恵まれたもの。来年の補強候補には中澤佑二(横浜FM)、香川真司(C大阪)の名前が挙がっている。
6位ガンバ大阪 2876万円/勝ち点
勝ち点:67(3位) 人件費:19億2700万円(3位)
主な補強:バレー(完全)、倉田秋(昇格)
他クラブから外国人FWを獲得する路線を貫いているG大阪だが、一方でユース出身の選手が多く、人件費は控えめ。3位ではあるが、人件費1位の浦和とは10億円近い開きがある。昨シーズン、リーグは3位に終わったが、ナビスコカップで優勝。ただし今年は、ルーカスをFC東京から、ロニーを横浜FMから獲得したものの、バレーの移籍もあって苦戦を強いられている。
7位川崎フロンターレ 3035万円/勝ち点
勝ち点:54(5位) 人件費:16億3900万円(8位)
主な補強:川島永嗣(完全)、大橋正博(レンタル)
人件費は8位と中規模の川崎Fだが、ACLで決勝トーナメント進出、ナビスコカップで準優勝と各大会で好成績を収め、過密日程に苦しみながらもリーグ戦で5位に食い込んだ。中村憲剛は未だ無冠なのを気にしているようだが、ブラジル人、新卒共に的確な補強をするスカウト力と、攻撃的で魅力的なサッカーは高く評価されてしかるべきだろう。
8位大分トリニータ 3129万円/勝ち点
勝ち点:41(14位) 人件費:12億8300万円(14位)
主な補強:エジミウソン(完全)、金崎夢生(新人)
毎年のように主力選手を引き抜かれながら、「シャムスカ・マジック」でJ1に生き残り続けている大分がこの順位。昨季はエジミウソン、ホベルトのドイス・ボランチをシーズン途中に加えて、苦戦しながらもJ1残留を果たした。今年は梅崎司(現浦和)らを失いながらも、リーグ戦で上位につけ、ナビスコカップでも決勝進出を果たしている。
9位ジュビロ磐田 3214万円/勝ち点
勝ち点:49(9位) 人件費:15億7500万円(9位)
主な補強:マルキーニョス・パラナ(完全)
マルキーニョス・パラナ以外に目立った補強がなかった磐田だが、チーム全体としてコスト・パフォーマンスは良くない。フルシーズンの貢献を期待できないが、それなりに年俸の高いベテラン選手が多いのがその一因だろうか。
10位ジェフ千葉 3288万円/勝ち点
勝ち点:42(13位) 人件費:13億8100万円(11位)
主な補強:下村東美(完全)、黒部光昭(完全)
昨年はA代表候補6人を擁していた千葉だが、人件費は意外と安かった。ただし勝ち点が伸び悩み、コスト・パフォーマンスで見るとこの順位に。
11位柏レイソル 3386万円/勝ち点
勝ち点:50(8位) 人件費:16億9300万円(6位)
主な補強:古賀正紘(完全)、阿部吉郎(レンタル)
昨年がJ1復帰1年目だった柏は、守備の要として古賀を補強。そのほかに目立った補強はなかったが、フランサの年俸のせいか、コスト・パフォーマンスはさほど高くなかった。
(3)に続く
posted by taka |22:14 |
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2008年09月17日
移籍金やら、年俸やら、良い選手を獲得するにはお金がかかる。だがお金をかけたからといって、必ずしも勝てるわけではない。
Jリーグはどうだろうか。
資金力のあるクラブが勝っているのか。あるいは、賢いお金の使い方をしているクラブが勝っているか。反対に、無駄遣いの多いクラブはどこなのか。
そんな疑問から、16日に公開された「2007年Jリーグ経営状況」(Jリーグ公式サイトからダウンロード可能)を下に、「勝ち点コスト」を算出してみた。
計算方法は、「人件費÷リーグ戦の勝ち点」。勝ち点1あたりのおおよその人件費をもとめるのが今回の目的だ。
クラブの資金力をはかる数字は人件費の他にもあったが、監督・コーチ及び他のチームスタッフ人件費と、選手人件費の合計である人件費が、最もダイレクトに戦力に反映されていると考え、採用した。
またこの「勝ち点コスト」にはいくつか欠点がある。人件費には選手への「勝利給」が含まれているため、上位のクラブが必然的に高くなってしまう点や、ナビスコカップやACLで好成績を収めても考慮できない点が、たとえばそうだ。
ただ僕の頭では、他に適当な方法を思いつかなかったのでこの「勝ち点コスト」を目安として採用した。読者の皆様には、一つの目安として楽しんだり、議論の種にしたりしていただければ幸いだ。
前置きが長くなったが、以下、勝ち点コストが低い=人件費の割りに、リーグ戦で得た勝ち点が高かったチームから順に、1位、2位として発表していく。
1位清水エスパルス 2070万円/勝ち点
勝ち点:61(4位) 人件費:12億6300万円(15位)
主な補強:西澤明訓(完全)、フェルナンジーニョ(レンタル)
人件費は少ないほうから数えて4番目の清水が、リーグ戦では4位に食い込んで、人件費あたりの勝ち点では最も優秀ということになった。ちなみに清水より人件費が少ないのは広島、横浜FC、甲府で、すべてJ2に降格している。韓国代表FWチョ・ジェジンを失った今季は低迷しているが、ユースからの昇格選手や、高卒、大卒から清水で育った選手が主力に多いのが特徴。北京五輪代表にも3選手を輩出していた。
2位鹿島アントラーズ 2411万円/勝ち点
勝ち点:72(1位) 人件費:17億3600万円(5位)
主な補強:ダニーロ(完全)、マルキーニョス(完全)、小笠原満男(完全)
昨シーズン優勝の鹿島がこの位置に。全員を新たに獲得した外国人3選手のうち、主力として働いたのはマルキーニョスだけだったが、そのマルキーニョスがチーム得点王の活躍で、シーズン途中加入の小笠原と共に優勝の原動力になった。この鹿島も清水同様、新人から鹿島で育った主力選手が多いのが特徴。その一体感と、移籍金の支出の少なさがコストパフォーマンスのよさにつながっているのだろうか。
3位アルビレックス新潟 2694万円/勝ち点
勝ち点:51(6位) 人件費13億7400万円(12位)
主な補強:マルシオ・リシャルデス(完全)、千代反田充(完全)深井正樹(レンタル)
今季は苦戦しているが、昨シーズン6位に食い込んだ新潟が3位。入場料収入は浦和に次いで2位ながら、広告料収入などは多くなく、決して資金力のあるクラブではないが、ブラジル人選手も含めた的確な補強で、J1に定着している。
・4位以下は(2)に続く
posted by taka |21:01 |
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2008年09月16日
4連敗中の新潟が、柏を相手にお手本のようなカウンターで先制ゴールを奪った。
その起点になったのはマルシオ・リシャルデス。相手のCKを跳ね返した自陣深くからドリブルで持ち上がって、DFのマークをものともせずに左サイドの内田潤へと展開。その内田はCKの守備でかなり深い位置にいたのだが、長い距離を駆け上がってカウンターの最先端を走り、本来と逆の左サイドから完璧なクロスを送ってアレッサンドロのヘディングをアシストした。
中央のアレッサンドロではなく、左の内田を使ったマルシオ・リシャルデスの好判断。柏の隙を見逃さずに長い距離をトップスピードで走り抜けた内田の決断力。自身も長い距離をダッシュしながらも相手DFのマークをスッと外し、どフリーでのヘディングをしっかりと決めたアレッサンドロの狡猾さ。新潟が見せたお手本のようなカウンターアタックは、3人全員の個人能力と意思統一とが絡み合った、素晴らしいゴールだった。
さて、新潟の美しいカウンターに感動したこの試合で、僕が最も気になっていたのは栗澤僚一の出来。
実は僕が始めて生観戦した試合で決勝ゴールを決めたのが、当時FC東京の新人選手だった栗澤。その試合とは2005年4月の磐田戦で、このゴールは栗澤にとってのJリーグ初ゴールだった。
そんなこともあって個人的に思い入れのある選手の栗澤だが、今季はルーキー大竹洋平や、羽生直剛、エメルソンの加入で出場機会が激減。鈴木達也とトレードのかたちで柏にレンタル移籍していた。
Jリーグでは珍しいトレードだったが、このトレードがお互いにとってプラスになるかもしれない。
鈴木達は「まず達也の色を出して欲しい」(城福浩監督)と、FC東京のやり方をさして伝えられないままに大宮戦でピッチに送り出されたが、運動量とスピードで相手守備陣をかく乱。筑波大で羽生と後輩、というのもうなずける、「Moving Football」への適正を見せた。
栗澤は「ボールを失わないし、ミスが少ない」(石崎監督)「気の利いた選手」(大谷)と柏の監督、チームメートから高い評価を受け、この新潟戦でいきなりの先発フル出場。まだなじみきれていない部分はあったが、パスワークに積極的に顔を出していた。
もっともミスの少なさや気の利いた動きは、FC東京でも高く評価されていたところ。それでも栗澤の出場機会が少なかったのは、仕掛けの部分で物足りなく、相手にとって怖い存在になりきれていなかったからだ(と、僕は思っている)。
トレードの成功例と言えば、かつてFC東京と横浜FMとの間で交わされた、石川直宏と佐藤由紀彦。共に右サイドのスペシャリストだが、縦の突破力を求めるFC東京と、クロスの正確さを求める横浜FMとの間でニーズが合致した。
このように、高い実力を持った選手でも、チームのスタイルとの不一致から力を発揮しきれないのはよくある話。その不一致を解決する一つの手段として、トレードはもっと活用されてもいい。
そういう意味では今回の鈴木達も、栗澤も、共にチームに足りない部分を補える選手の移籍であり、お互いにとって良いトレードであったといえるのではないか。
もっとも「成功例」として語るには、栗澤が味方にとって「良い選手」から、相手にとって「嫌な選手」へと脱皮する必要があると思うが。
posted by taka |00:08 |
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2008年09月15日
今年のJリーグをここまで見てきて、勝手に
「大宮とFC東京は似て非なるものだ」
と思っていた。
似ているのは、「走る」という点において。どちらも非常に真面目でチームのために頑張る選手が多く、献身的で、戦術的な動きをする。キャスティングの違いから、フィニッシュの狙いや大胆なポジションチェンジの有無の部分に「非なる」部分を感じるが、現在のJで一番FC東京に近いのは、大宮アルディージャに違いないと思う。
試合前のアップにも「走る」という両者の意識が表れていて、FC東京はパスゲーム中、 足を止める選手がほとんどいない。面白いのは大宮で、2人1組になって1人がボールを投げ、もう1人が蹴り返すよくあるアップをしているのだが、4タッチごとにダッシュしてパートナーの反対側へと回り込んでいた。大宮の試合をスタジアムで観戦するのは初めてだったので、この形式のアップをいつからしているかは分からないが、「パスをしたあと足を止めない」と意識付けをしたい樋口靖洋監督の狙いがあるのではないか。
試合前まで、FC東京が勝ち点33、得点28、失点29。大宮は勝ち点31、得点27、失点27。数字的にもよく似ていて、決定力に課題を抱えている点でも共通している。
この試合を分けたのも決定力、ということができるが、FC東京のカボレの動きにも触れておきたい。
前半、FC東京はカボレへのロングボールを多用していた。カボレのオリジナルポジションは、3トップの左サイド。中にはかなりアバウトなボールもあったが、それでもレアンドロや村山祐介を振り切って起点を作れるスピードが、カボレの強みである。樋口監督も「集中して対応できている」と言いながらも、「ロングボールを蹴られておしこまれている」とハーフタイムに語っている。
そのロングボールが、ボディーブローのように大宮を消耗させたことが、後半の逆転劇の一因だと僕は考える。
しかし、その前に大宮が2点目を奪っていれば、FC東京はかなり苦しくなっていたに違いない。
FC東京が同点に追いつく前に大宮が2点目を奪うチャンスは、少なくとも3回はあった。23分、レアンドロのFKのこぼれ球を狙った冨田大介はフリーだったし、48分にラフリッチとのワンツーから放ったデニス・マルケスのミドルシュートに対して、塩田仁史は尻餅を付くしかなかった。
そのどちらかのシュートでも決まっていれば、FC東京の逆転はかなり厳しかっただろう。何しろFC東京は、5月の磐田戦以来、リーグ戦で2点以上取ったことがないチーム。34分のカボレのヘディングシュート、51分の赤嶺真吾、梶山陽平の至近距離からの連続シュートはいずれもGK江角浩司のスーパーセーブに阻まれていて、嫌なムードは漂っていた。
しかし59分、石川直宏のCKから赤嶺が頭で決めると、72分には大竹洋平の芸術的なFKで逆転。84分に迎えた絶体絶命のピンチを塩田の身体を張ったセービングでしのぐと、88分にはカウンターから赤嶺が3点目を決めて、大宮にとどめを刺した。
これまで攻めて込んでいても先制点が取れない、2点目が取れないで苦しんでいたFC東京が2点目を許さず、しっかり試合を決めるダメ押しゴールを決めて勝ったというのは、なんとも皮肉なことだ。
決めたのは、前述の5月の磐田戦でも2ゴールを決めている赤嶺。その赤嶺は今季9得点目で、闘莉王(浦和)に並んで日本人最多となった。
赤嶺は、誤解を恐れずに言えば「下手」な選手だ。日本代表のFW玉田圭司(名古屋)、田中達也(浦和)、大久保嘉人(神戸)に比べればずっと不器用で、できる仕事は限られている。
そんな赤嶺が、器用な選手よりもずっと多くの得点を挙げているのは、ゴール前での抜群の嗅覚を持っていて、不器用な分、フィニッシュという数少ない仕事に集中しているから。駒沢大の先輩にあたる巻誠一郎(千葉)や、中山雅史(磐田)同様、ハードワークを厭わず、危険なところにも怖がらずに突っ込んでいけるハートの強さもある。
そんな赤嶺のいちファンとしては、もし彼が日本代表監督に評価されないのだとすれば悲しいものがある。一方、FC東京のいちファンとしては、コンディションを崩すかもしれない代表には呼んでほしくないわけで……。複雑である。
posted by taka |14:48 |
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2008年08月25日
稲本潤一(フランクフルト)が、日本代表に復帰した。
稲本の選出は、オシム監督時代の昨年10月、欧州遠征以来。そのオシム前監督が欧州組の選出に慎重だったのに対し、岡田武史監督が長谷部誠(ヴォルフルブルク)を定着させ、本田圭佑(VVV)、小野伸二(ボーフム)をテストするなど欧州組を重宝していることを思えば、遅すぎるように思える初選出だ。
さて、稲本がポジション争いに加わる守備的MFのポジションだが、岡田監督は守備力よりもむしろ攻撃力に魅力のある選手を6月の3次予選では並べた。基本的には、長谷部と遠藤保仁(G大阪)のコンビ。長谷部が警告のため欠場した最後のバーレーン戦でも、代役はパサータイプの中村憲剛だった。
気になるのは、相手国のレベルが上がる最終予選でも、カウンターの対応に難がある「攻撃的な守備的MF」コンビを続けるか、どうかだ。
個人的には、続けないだろう、と思う。コートジボワール、パラグアイという、格上2ヵ国と対戦した、5月のキリンカップ。岡田監督は中盤の一角に、今野泰幸(FC東京)や鈴木啓太(浦和)といった、守備力に優れた選手を起用していた。先のウルグアイ戦でも、岡田監督は守備力に優れ、ロングキックと高さというプラスαを持つ青木剛(鹿島)を代表デビューさせ、長谷部とのコンビでテストしている。
つまりこれまでの傾向から言えば、警戒すべき相手との試合では、必ず守備力の高い選手を中盤の底で起用しているのだ。3次予選では長谷部と遠藤、遠藤と中村憲を並べて戦ったバーレーンに、最終予選では敬意を払うのか、それは分からないが、互角以上の力を持つオーストラリアとの対戦となれば、岡田監督も中盤の守備を強化しないわけにはいかないのだろうか。
中盤再編。
そこでクローズアップされてくるのが稲本だ。2002年ワールドカップでの2得点もあって攻撃のイメージが強い稲本だが、強いフィジカルを生かしたボール奪取力もかなりのもの。ガラタサライ(トルコ)時代にはバランサーとして、1ボランチも務め上げている。
長谷部、遠藤のコンビに割って入って、攻撃力を損ねることなく守備を強化できる可能性のある人材は恐らく、稲本くらいのものだろう。海外リーグ所属による参加のしにくさやコンディショニングの難しさはあるが、稲本が最終予選を戦う上で選択肢に入ってくるのは当然のことのように思われる。
その稲本を先のウルグアイ戦で招集しなかったことには疑問が残るが、青木のテストを優先したのか、稲本なら直前の準備期間でもある程度やれると判断したのか。いずれにしても攻撃力と守備力を高次元で兼ね備える稲本が、最終予選に向け、守備の強化が不可欠な中盤のキーマンになりそうだ。
posted by taka |20:24 |
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