2008年02月25日
どうもです~。
え~、またもや外国人ドライバーについてのお話です。
数日前、DTMを戦うアウディから2008年のドライバー契約に関する発表があり、
昨年全日本F3選手権を戦っていたオリバー・ジャービスの起用が明らかとなりました。
国内ではF3関係のお仕事が多いこともあり、オリバーとは懇意に
させてもらっていたのですが、ユーロ勢を退けマカオGPを制したものの
なかなかフォーミュラ・ニッポンやスーパーGTではシートを
獲得できずに苦労していたので、陰ながら心配していたのですが、
先日とある関係者から、「DTMに決まったらしいよ」と
耳打ちされてホッとしたところでした。それが、いよいよ発表になったのです。
全日本F3選手権を取材していると、シリーズのレベルアップを鑑みて、
トムスが必ずひとりは外国人ドライバーを起用するので、
毎年のように新たな外国人ドライバーの知り合いが増えるのですが、
海外から日本にやってくるドライバーも千差万別でして
“俺がチャンピオンに決まってるだろ!”的に
日本のレースを半分舐めて掛かる超強気なドライバーもいますし、
逆に“俺、日本で本当に大丈夫なんだろうか……”と
素直な不安を口にする謙虚というか、ちょっと弱気なタイプもいます。
オリバーは、どちらかというと後者のタイプでした。
全日本F3選手権で2年目を戦う大嶋和也、石浦宏明という、
既に初年度に勝ち星を挙げていた期待の若手二人を
チームメイトにしていたこともあって、
日本が初めてのオリバーはコースやタイヤに慣れるのに時間が掛かり
開幕前のテストなど、序盤戦は特に苦戦しました。
ひと昔前ならば、そんなことお構いなしに外国人ドライバーが
圧倒的な速さを発揮していたものですが、昨今は
国内の若手ドライバーやチームのレベルが確実にアップしており
外国人ドライバーも一筋縄ではいかないケースが多くなっているのです。
そんな状況の中で、オリバーは時折「俺なんてダメだ、カズヤ(大嶋)は凄いよ。
あんなドライバーが去年イギリスF3に出ていたら、チャンピオンだったよ」とか
ぼやいたりすることもあったとか。
しかし、それでも最終ラウンドまでタイトルの望みをつなげたのですから
彼もたいしたものです。先日石浦君のインタビューをしていた際、
「自分や大嶋は日本でのF3のセオリー的な走り方で、良く似ているけれど
オリバーの走り方はロガーデータが重ならないほど、全く違うこともあったりして
“こんな走り方でも、自分と同等か速いくらいのタイムが出るんだ”と
とても勉強になったんですよ」と話していましたが、
やはり、彼ら外国人ドライバーは日本人とは違うスタイルを持っていたりするものなんですね。
さて、そのオリバーですが、全日本F3選手権では大嶋君に敗れはしたものの、
マカオGPでは見事優勝をゲット!
その表彰台ではちょっとしたアクシデントに見舞われました。
上の写真は、マカオの表彰台でのひとコマですが、
シャンパンの栓が、あろうことかオリバーの顔面を直撃!
直後はこのように、右の唇の下から大流血!
表彰台の下にいたオリバーのお父さんがティッシュを渡し、
なんとか体裁を整えたのですが、レース後
医務室に行ったものの、全てのレースが終わった後だったので
「最悪だよ。ドクター誰もいないんだって~」とオリバー。
結局ドクターはいませんでしたが、話を聞きつけた看護士が
消毒液を持って来てくれました。ただ、その消毒液がいかにも傷に
沁みそうだったので、オリバーは半泣きになりつつも
「こういう状況は、泣いた方が良い(笑)?」と周囲を
笑わせていたのが思い出されます。
ただ、過ちを繰り返すタイプではないので、
もし今後、DTMでシャンパンファイトをすることがあっても
彼は2度と流血するようなことはないでしょうね。
ちょっと気弱なところがあるけれど、気さくな良いやつだったオリバーが
DTMの激戦の中で活躍してくれることを祈っています。
posted by 田口朋典 |22:40 |
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2008年02月20日
どうもです~。
今回は、ちょっとまじめなお話をしようかなと思います。
最初にお断りしておきますが、以下の内容はあくまで個人的な私見ですので、もしも事実誤認があった場合にはご指摘ください。
さて、本題に入ります。
昨年マクラーレンからF1デビューを飾ったルイス・ハミルトンですが、
このところ随分人種差別問題で悩まされているようですね。
しかし、マクラーレンでのチームメイトだったスペイン人ドライバー、フェルナンド・アロンソとの確執に端を発したこの問題は、ある意味予想できたトラブルでした。
それは、ハミルトンというドライバーが黒人であったからです。
私はこれまで十数年モータースポーツの取材をしてきましたが、取材対象として接した黒人ドライバーは、ルイス以外にいませんでした。幾度もヨーロッパやアメリカに取材に出掛けましたが、彼以外の黒人ドライバーに会ったことがないのです。
過去には様々なカテゴリーで活躍した黒人のドライバーがいたのかもしれませんが、少なくともルイスはF1初の黒人ドライバーということですから、黒人ドライバー自体の数が他の人種に比べて圧倒的に少ないことは間違いないでしょう。
そもそも、モータースポーツはヨーロッパやアメリカに代表される、欧米文化に深く根ざしているスポーツです。さらには、元々お金持ち同士の競争が競技となったようなものですから、旧き良き時代には、相当な資産家でなければモータースポーツにドライバーとして携わることはできなかったと思います。
今は21世紀ですから、往時とは状況が異なりますが、伝統的にそういった資産家、あるいは上流階級の人間が集まる場所であったモータースポーツの世界に、突如彗星のように現れた黒人ドライバーがルイスでした。
レーシングカート時代から、その才能を見出されメルセデスの支援を受けて走っていたルイスは、やがて4輪へステップアップ。F3にデビューしたころから、何度か取材する機会に恵まれましたが、小さな頃から大企業のバックアップを受けていたせいか、若い彼の受け答えは常に理路整然としていて、まるでベテランドライバーのように非常に洗練されていたのが印象的でした。最近、時々メディアでも紹介されることの多くなった彼の父親が、当時からマネージメントを行っており、パドックでもルイスに付きっ切りでメディア対応も行っていて、彼らのピットへの突然の私の訪問にも非常に丁寧に応対してくれたのを覚えています。
上の写真は、彼がF3時代に参戦した2005年のバーレーン・スーパープリでのカットです。彼はこのレースで見事優勝したのですが、かなりフライング気味のスタート(レース後何チームかが抗議したようですが、結局お咎めはありませんでした……)で上位進出を果たし、コースではないグリーンゾーンを使ってオーバーテイクするなど、「会ったときの印象とは違って、かなりエグイ走りをするんだなぁ」と驚かされました。一般的に厳しいといわれる日本のレースであったなら、確実にレース後にコントロールタワーに呼び出され、ペナルティーを食らうようなレベルだと私は感じましたし、アグレッシブなレースに慣れているはずのヨーロッパのドライバーたちが、何人も私に「あれはないよ」と口を尖らせたほどでした。
そのとき漠然と、「この先でも似たようなことを続けたら、そのうち彼は周囲から叩かれるのではないだろうか」と思ったりしたのですが、それはひょっとしたら彼が黒人であったから、なおさらそう感じたのかもしれません。(とはいえ、私自身がこのように感じたこと自体、翻って考えればルイスに対する偏見であり差別であるという暗澹たる気持ちにもなるのですが……。)
しかし、それまでのモータースポーツ取材の中で、黄色人種である自分自身も欧米出張時などには差別的な扱いを受けたことは1度や2度ではありません。町中のレストランやホテルのみならず、サーキットでもきちんとメディア申請をしているにも関わらず、立ち入りエリアの狭いパスしか出してもらえなかったり、駐車用のカーパスがもらえなかったり……。本当にくだらないことなのですが、どう考えても人種差別としか考えられないような対応をされることがありました。
そんな自身の経験から、数少ない黒人ドライバーであり、“レアな存在”であるルイスに、なんとなくそういった部分での危惧をしていたのでしょうか。
スペインのヒーローであるアロンソとの確執から、バレンシアのテストなどでは観客からかなり人種差別的なブーイングがあったということで、今はFIAも問題解決に乗り出しています。いずれ、こういった残念な反応は終息していくでしょうけれど、国際的なスポーツにナショナリズムは付き物ですし、モータースポーツにもそれは深く関わっていますから、そういったナショナリズムがいつまた人種差別的な動きに発展しないとも限りません。
野球好きな私に言わせればルイスは、1947年に初めて黒人としてメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンと同じです。ロビンソンが登場してから約60年を経た今、メジャーリーグには黒人選手がひしめいています。メジャーから人種差別が完全になくなったかどうかは分かりませんが、F1をはじめとするモータースポーツの世界からも、少しずつそういった問題がなくなっていくことを願っています。
posted by 田口朋典 |00:16 |
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2008年02月07日
こんにちは、4輪モータースポーツを取材している田口朋典です。縁あってこちらでブログを書かせていただくことになりました。どうぞ宜しくお願いします。
雑誌編集者を経てフリーのライターとなってから、いわゆる“物書き”としていろいろな仕事をしてきました。
しかし、やはり私の仕事の中心はモータースポーツ! 自分でも20代前半くらいまでレーシングカートをやっていたのですが、いつしか“走ること”から“伝えること”への興味が強くなり、気がついたら取材パスをぶら下げて、毎週のようにサーキットのパドックをうろうろ。「何か面白いことはないかな~」と、歩き回るようになりました。今では国内レースカテゴリーを中心に、年間数十イベントを取材して北は北海道の十勝から、南は九州のオートポリスまで飛び回っています。また、年に何度か海外レース取材にも出掛けたりして、主にモータースポーツ専門誌やモータースポーツ情報サイトなどに原稿を書いたりしたりしていますが、ときにはキーボードを打つ手にマイクを持たされ、ピットレポーターや司会者の真似事をすることも。ここ数年は写真を撮ることにも興味を持っていますし、ホント、なんでも屋ですね。
さて、今回のブログ開設にあたり、ここでどんなことを書いていこうかといろいろ考えたのですが、散々悩んだものの多種多様なモータースポーツの面白さを一本化できるはずもなく、まずは特にテーマを決めることなく気楽に書いていくことにしました。
いつもは雑誌の企画や要望に応じた原稿をかっちりとした「~だ・である調」で書くことが多いので、このブログでは何の制約もなく私が書きたいと思ったことを「~です・じゃないですか調(笑)」で、読んでいただける方ひとりひとりにお話しするように、時には真剣に、時には冗談交じりに力を抜いて書いていければと思います。
その結果として、このブログを通じてモータースポーツの面白さを少しでも多くの人に知ってもらい、興味を持ってもらえたら最高ですね。
さてさて、こうしてスタートする私のブログですが、みなさんにとって2008年はどんな1年になるのでしょうか。モータースポーツ界では今年、佐藤琢磨君とともに日本人F1ドライバーとして中嶋一貴君が初のフル参戦となりますし、同じくアメリカではIRLに武藤英紀君がデビューします。F3時代から良く知る彼らの海外での活躍は私にとってもうれしい限りですし、その他国内カテゴリーでも注目したいことが多々ありますので、忙しい1年になりそうです。
とはいえ、今モータースポーツはシーズンオフ真っ盛り(?)。ネタが無くて更新が疎かになったらごめんなさい。先に謝っておきますね(笑)。最後になりますが、みなさんからのご意見・ご希望など、コメントしていただければ幸いです。
今後とも、よろしくお願いいたします。以後、お見知りおきを!
posted by 田口朋典 |11:34 |
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