田端到の東京五輪&ヤクルト・スワローズ研究所

おめでとう村上茉愛! 金メダルの決め手は4回ターン

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 体操の世界選手権。興奮している人間がまわりに全然いない中、ひとりで盛り上がった。  ほら見なさい、ここに予言した通り、ちゃんと村上茉愛が金メダルを取ったじゃないですか。本当は個人総合で銅、ゆかで金の予想だったけど、個人総合のメダルは今後の楽しみにとっておこう。  今も続く、あふれんばかりの村上茉愛関連報道がうれしくて仕方がない。「五輪翌年の世界選手権はメダルが取りやすい」なんて、大会前はほとんど誰も言わなかったのに、取ってから言い出す人の多いこと。Dスコアを比べれば、最初から優勝候補だっつうの。

 しかしなんだろう、この「元子役の村上選手」という取り上げ方は(笑)。ドラマの映像を持っているTBSがはしゃぐのはわかるにしても、他局まで「元子役」を押し出している。  あとは、村上茉愛といえばシリバス。というくらい、代名詞のようにクローズアップされている。それはそれで喜ばしく、「リオ五輪に比べて足が太くなった分、シリバスの着地が動かなくなったんです!」というストーリーを作っていた番組もあった。  が、実際には最近の大会でシリバスを失敗したことはほとんどなく、村上茉愛の床運動の順位はいつも「ターン」に左右される。

 リオ五輪の種目別はターンで失敗してメダルを逃した。今大会も、個人総合のゆかは4回ターンを回りきれず、この分の0.1でメダルに届かなかった。  もちろん平均台の落下が一番の過失ではあったが、ゆかで最初のターンを成功させていれば、平均台の分を挽回して個人総合も銅メダルに届いていた。  それが種目別では4回ターンを見事に成功させてリズムに乗り、シリバスはいつも通り。着地もピタピタと止めて金メダル! まだ知名度の低かった4年前におかしな採点でメダルを逃した、その分まで倍返ししてもらう快挙だった。

 それから今大会の特徴は、Eスコアの採点が厳しくなりすぎて、Dスコアを上げて臨んだ選手はほとんど低迷。Dスコアを手堅くまとめて、実施重視にした選手が上位に来たこと。 鉄棒金メダルのスルビッチなんて地味すぎてガッカリするくらいの演技だし、白井健三の跳馬の金メダルも、Dを下げて挑んだ作戦勝ちだった。   そしてこれもまた、五輪翌年に起こりがちな特徴といえる。五輪が終わると採点基準が変わり、Eの重みが増す。それが五輪に向かって各選手の技の成熟度が増していくとEスコアの差がつきにくくなり、今度はDスコアの重みが増す。DとEのバランスシートは常にそうやって揺れている。北京五輪の翌年にも、この話をブログに書いたおぼえがある。  つまり、D重視でいくべきか、E重視でいくべきかは、オリンピックを境にした周期があるので、有効な作戦は事前に読めるはずなんだけど、これが語られているのを聞いたことがない。

 と、普段は別のブログに記している雑記を、こっちにアップしてみた。こんな体操協会の人の目にも付きそうな場所に書いたら、思いっきり鼻でツッコミくらいそうな知ったかぶり(笑)。



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若松勉に魅せられて以来、40年以上のキャリアを持つヤクルト・スワローズ幸福党。著書に『なぜスワローズは最下位から優勝できたのか』など多数。
ヤクルトの話題を中心に、卓球、体操、陸上などを扱う。最近は卓球に偏り気味で、天才・伊藤美誠、秀才・平野美宇、大器・早田ひなの黄金世代の追っかけ。
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