田端到のヤクルト・スワローズ&五輪研究所

卓球のジャパン・オープン観戦ガイドと、伊藤美誠の秘策

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「伊藤美誠ちゃんの試合はどこへ行けば見られるの?」「福原愛や石川佳純は、ふだん日本では試合をしないのか?」  男女とも銀メダルに輝いた今年の世界選手権(2月28日から3月6日)以来、卓球に興味を持った人たちから、そんな質問をたびたび受ける。世界選手権はテレビ中継でも高視聴率を記録。北朝鮮戦の伊藤美誠vsリ・ミョンスンの激闘などがメディアに大きく取り上げられ、「卓球を観て初めて感動した」という声も多く聞かれた。

 しかし……。なんだろう、この盛り上がりのなさは。  来週の6月15日から19日に、東京で「荻村杯ジャパン・オープン」が開催されるというのに、チケットは売り切れる気配もなく、それどころか大会の存在すらろくに知られてない!  ニュース番組でワンダーガール伊藤美誠の特集が組まれ、幼少期からのスパルタ・ママとの特訓映像が話題になっても、その美誠ちゃんの全開おでこを生でたっぷり観られますよという告知が、ほとんどされていない。愛ちゃんも、カスミンも、もちろん水谷隼も出ますよと、ここで宣伝したくなった。    ジャパン・オープンは、世界を転戦するワールドツアーの中でも格の高い「スーパーシリーズ」の1戦だ。世界のトップに君臨する中国選手が大挙して参戦することもあり、個人戦のレベルはオリンピックよりも高い。  オリンピックのシングルスは1カ国2人までしか出場できないが、本大会はその制限がないため、世界ランク上位10人のうち、男子は9人、女子も9人がエントリーしている。丁寧、李暁霞、劉詩文(女子)、馬龍、張継科、許昕(男子)と、中国の五輪代表も揃い踏みして、目もくらむ豪華メンバーである。

 ビギナー向けの観戦ガイドにしよう。お目当ての選手を見るには、おおまかな大会の流れを知っておきたい。シングルスの日程は以下の通り。   ●15日(水)と16日(木)……予選。ここを勝ち抜いた16人が本戦に進める。シード選手はまだ登場しない。

●17日(金)……本戦の始まり。男女それぞれ、シード選手16人と、予選を勝ち上がった16選手の計32人がトーナメントで争う。午前中に1回戦、午後に2回戦が行われ、2回戦を勝つとベスト8入り。最多で8試合同時に進行する。  日本のシード選手は、女子の石川佳純(第4シード)、福原愛(第7シード)、伊藤美誠(第9シード)、平野美宇(第10シード)。男子の水谷隼(第5シード)、吉村真晴(第13シード)、丹羽孝希(第15シード)。6月11日時点。今後、変更の可能性もあり。   ●18日(土)……この日から卓球台がセンターコート1台のみになり、1試合ずつ行われる。観客席はセンターコートを囲むようにアリーナ席が多く組まれ、チケットの値段も上がる。  準々決勝の男子4試合、女子4試合が交互に行われ、午後1時から午後9時頃まで(試合時間の長さによって当然変わる)。ちなみに午前中はダブルスの準決勝(男子2試合、女子2試合)。

●19日(日)……最終日。準決勝2試合、決勝1試合。男女交互にシングルス合計6試合行われる。午前10時から午後5時頃まで。表彰式の後、午後7時からダブルスの決勝。    最高に盛り上がるのは決勝と準決勝が行われる最終日だ……と言いたいところだが、ジャパン・オープンの場合はそこが難しい。強すぎる中国のトップ・プレイヤーがこぞって押し寄せるため、ひょっとしたら最終日に日本選手が残らない展開も否定できない。世界ランク1位の劉詩文に7-11で敗れ、セブン・イレブン・リュウシブンなんてこともありうるのだ。なんつって。

 昨年でいうと、シングルスの準決勝に残った日本選手は、男子1人、女子0人。唯一、勝ち残ったノーシードの吉村真晴が決勝まで進み、気を吐いたが、女子にいたってはゼロだった。ダブルスも決勝進出なし。日本の女子を見たくて最終日のチケットを買った人たちは、前日の段階で天を仰ぎ、投げ上げサーブを空振りした。  だから、世界トップの試合を第一優先で丁寧に観たいという人は、日曜日に観戦すれば良いし、それよりも日本選手が優先という人は、狙いを土曜か金曜にズラす手もある。1回戦が行われる金曜の午前中なら、シード選手を全員見られるから、お得かもしれない。平日の昼間かよ、というツッコミはさておき。    そのほか、U-21(21歳以下の部門)のトーナメントも、日本選手がお目当てなら見逃せない。このカテゴリーは日本の草刈り場となっており、特に女子は「ベスト4のうち3人が日本選手」なんてことも珍しくない。  U-21は15日に1回戦が始まり、16日に2回戦、準々決勝、準決勝、17日(金)に決勝を行う。今大会は中国選手のエントリーもなく、女子は第8シードまでの8人のうち、6人が日本選手だ。  みうみまと同じ2000年生まれの早田ひなや、世界選手権で「身長174センチのシャイな美少女」として話題をまいた浜本由惟などが、シードされている。彼女らヤング・ジェネレーションの試合を存分に観たい人、浜本のポニーテールが揺れるのに萌える人は、16日(木)がいいだろう。    そんなU21のエントリー・リストを眺めていたら、意外な名前を発見した。伊藤美誠である。 「え、どうして今さらアンダーになんか出るの?」という格上の存在だが、どうやら出場する模様だ。出場の理由は、リオ五輪で日本が中国に次ぐ第2シードを得るためのポイント稼ぎ、と思われる。(五輪の団体シード順については以前に取り上げたので、そちらのエントリーを参照してください)

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若松勉に魅せられて以来、40年以上のキャリアを持つヤクルト・スワローズ幸福党。著書に『なぜスワローズは最下位から優勝できたのか』など多数。
ヤクルトの話題を中心に、卓球、体操、陸上などを扱う。最近は卓球に偏り気味で、天才・伊藤美誠、秀才・平野美宇、大器・早田ひなの黄金世代の追っかけ。
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