田端到のヤクルト・スワローズ&五輪研究所

リオ五輪、卓球のメダルを左右する「もうひとつの世界ランキング」

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 リオ五輪の卓球日本代表が正式に決まった。女子は石川佳純、福原愛(以上シングルスと団体)、伊藤美誠(団体のみ)。男子は水谷隼、丹羽孝希(シングルスと団体)、吉村真晴(団体のみ)。  今後、8月のオリンピックまでの注目点は、団体戦で日本が第2シードを獲得できるかどうか。これが見どころになってくる。

 周知の通り、卓球は中国が断然の1強態勢。決勝まで中国とあたらない第2シードを取れれば、メダルの確率はぐっと上がり、日本が銀メダル最有力となる。あ、女子の話です。  しかし第3シードに甘んじれば、準決勝で中国と対戦する確率が50%あり(第3シードと第4シードの振り分けは抽選で決まる)、現実的な見方として、良くて銅メダル、3位決定戦に負ければメダルなしという可能性が高まる。  もちろん準決勝まで勝ち進めるかどうかも甘い道ではないだろうが、その先を考えると、団体の第2シードと第3シードでは大違いといえる。日本女子は今、ドイツやシンガポールと第2シードを僅差で争っている。

 では、五輪の団体戦のシード順はどのようにして決まるのか。  えっと、本稿は、そのあたりに詳しい人には無用な話が続きます。「卓球を見るのは好きだけど、世界ランキングやシードの決め方まではよく知らないよ」という、私と同じくらいの立ち位置の人向けです。私も学習中の身なので、誤りがあればご指摘ください。

 卓球では、世界ランキングがよく引き合いに出される。発表されたばかりの2016年5月のランキングでは、石川佳純が4位、福原愛が7位、伊藤美誠が10位。五輪の日本代表は全員、ベストテンに入っている。  しかし、じつは世界ランキングよりも正しく、各選手の実力を表しているのではないかと思われるランキングが別にある。それが「レーティング・ポイント」と呼ばれるものだ。直訳すれば「格付け点」。意訳すれば「実力点」だろうか。

 この「実力点」で見ると、日本選手の最新の順位はこうなる。1位から3位は中国選手。

<2016年5月のレーティング・ポイント>  1位 李暁霞(世界ランク5位)  2位 劉詩文(同1位)  3位 丁寧 (同2位)  8位 石川佳純(同4位)  13位 伊藤美誠(同10位)  15位 福原愛 (同7位)

 日本の3選手は世界ランキングより、けっこう下の順位に格付けされているのがわかるだろう。別に日本選手をディスるのが目的ではないが、世界ランクから受ける印象とはだいぶ違う。この違いはどこから来るのか。

 世界ランキングは「レーティング・ポイント」と「ボーナス・ポイント」の合計で決まる。  レーティング・ポイントは、格上の相手に勝つほど高得点がもらえ、格下の相手に負ければマイナス点がつく。増減のあるポイントだ。  ボーナスポイントというのは「期間限定おまけポイント」で、主な国際大会に出場して、上位に進出することで獲得できる。ぶっちゃけ、大会にたくさん出場すれば自然とたまっていくポイントである。いや、ある程度は勝ち進まないといけないから自然にはたまらないが、大会出場が多い選手に有利なポイントだ。

 日本はワールドツアーなどの国際大会に、大勢の選手を派遣する。ジュニア(21歳以下)の部門も含めれば、それはそれは圧倒的な数で、ボーナスポイントの獲得も多い。  16年5月時点のボーナスポイントは、1位福原愛、2位石川佳純。このふたりが世界のなかで飛び抜けている。特に福原は昨年6月から8月のワールドツアーで計3勝するなど、腰の故障から復活して「サー!」の連呼で勝ちまくり、ボーナスポイントが大きい。ボーナスは1年間有効のため、それが残っていて、世界ランクを押し上げている。

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若松勉に魅せられて以来、40年以上のキャリアを持つヤクルト・スワローズ幸福党。著書に『なぜスワローズは最下位から優勝できたのか』など多数。
ヤクルトの話題を中心に、卓球、体操、陸上などを扱う。最近は卓球に偏り気味で、天才・伊藤美誠、秀才・平野美宇、大器・早田ひなの黄金世代の追っかけ。
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