2008年04月04日

【代表論】岡田サッカーを紐解く・其之壱

オシムが病に倒れたことにより、白羽の矢を立てられた岡田監督。その岡田監督のサッカーをここまでの7戦と共に振り返ってみようと思います。

オシム監督のサッカーはこちら↓
【代表論】オシムは大事なものを盗んでいきました

まず、白羽の矢を立てられた岡田監督ですが、辞退するだろうと言うのが私の予想でした。

というのも、過去に「負ければ、家族ともども日本にいられない」という経験をしたこと、横浜F・マリノス辞任時に「執着心が薄れた」と語ったこと、そして自身の見せてきたサッカーがオシムの見せてきたサッカーとは180度方向性が違ったということ(どちらが優れているかと言う話ではなく、サッカーの展開方法、特にFWの役割)、またオシムが十分に結果を出していたことがあり、代表監督として鞭を振るうのに抵抗があると思った為です。

しかし、岡田監督はその座を引き受けました。
理由が、先輩の頼み事を断りきれなかったのか、それとも自身の消えていると思われていた心の灯がまだ残っていて、燃え上がったのかは分かりません。

ただ、分かっているのは、その座を得るという権利を得たことで、彼には「日本サッカー界の人々が納得できる義務」を果さなければならなくなったということです。

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岡田監督は就任後、選手を一度集め、その後1月中旬の鹿児島指宿(いぶすき)合宿へと赴きます。

この合宿で岡田監督が試した布陣は4-1-2-1-2通称ダイヤモンドサッカーと欧州の強豪クラブの主流4-1-2-3。
ここ10数年、日本代表サッカーの中枢とも言えるものにダブルボランチ(以降2DH)と言うものがあります。
過去を振り返ると、
フランス
:ディレイとゲームコントロールに優れた山口と、展開力に優れた名波。
日韓
:視野が広く守備に優れた戸田と、当りに強く攻撃力も高い稲本。
ドイツ
:身体が強く得点能力のある福西と、体幹が良く判断力に優れた中田英。

まぁ、ドイツ大会は、CBの宮本も含め、3者のサッカー感が最後まで揃わず良いものは見せられませんでしたが、2枚や3枚のDFだけでは世界に対処しきれない日本にとって2ボランチは安定感を増させる大事なベースです。

岡田監督がテストマッチで1ボランチを選んだ理由は良く分かりませんが、恐らく選手の適性を見たかったというのと、オシムサッカーも1ボランチベースであった為なのかと感じています。
ん?オシムは啓太+憲剛、啓太+阿部といった2枚ではないか?と思ったかも知れませんが、オシムサッカーは啓太のアンカー1枚がベースであり、CBを兼ねる「数的優位」阿部(今野)やOH(SH)を兼ねる「移動起点」憲剛、また身体能力に優れた山岸が状況に応じて流動的にカバーに入るという1ボランチプラスというのが私の見解です。相手に合わせて前線と最終ラインの人数が変わるんで、それに併せて中盤も変わるんですが、啓太だけは基本アンカーのままです。

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岡田監督は、4-1-2-3と4-1-2-1-2を試しますが、4-1-2-3の使用をあきらめます。理由としては、岡田監督の目指す、また今までしてきたサッカーとこの布陣の本質がマッチしなかったというのがあると思います。

4-1-2-3はサッカーの進化と共に、プレッシャーの受けづらいサイドを攻略しようということで出来上がった布陣です。岡田監督の経験値として持っているサッカーは、まずFWに早く当てて、FWの個人技で勝負をかけるというサッカーです。Jにおけるウィル、久保、アンジョンファン、マルキーニョスといった選手の個性を強く引き出していました。

が、4-1-2-3ではそれは活かせないという結論に達したのでしょう。
狙いを選手やサポーターに伝えるため、「接近」「展開」「連続」といったベースにしたいキャッチコピーを語り、4-1-2-1-2を中心に展開していくことになります。この布陣は選手の動きが固定されることが多く(中盤の前3名が守備に気を配っておかなければならない為)、各ポジションにおけるスペシャリストを見つけやすい布陣であります。
岡田監督が目指したいサッカーに打って付けでありました。

ただ、ここまでのアプローチでも分かるように、FWは守備から入り、サイドからじっくり崩して、空いたところで勝負をかけるオシムのサッカーとはベクトルが180度違うサッカーであることはうかがい知れました。

それが顕著になったのが鹿屋体育大と九州大学選抜とのテストマッチでした。
(※vs鹿屋体育大では4-1-2-3をテスト。)
タメや守備から入る選手が多かった1本目のメンバーが4-1-2-1-2で結果を出せません。岡田監督はここで不満の声を漏らしていましたが、2本目、3本目のメンバーは大学生相手なら「個人技だけで抜いていける力」や「身体を当てられてもボールをキープできるだけの強さ」を持ったレベルの選手揃いであるので、この時点で既にオシムのサッカーは引き継げないと感じていたのではないかと思います。

オシムの目指したサッカー(特に「日本化」というもの)に深い感銘受け大事なものを奪われていた私ですから、岡田監督の練習内容とビジョンに目指す何かがあるとしても、非常に大きな不安を感じていました。(※無印ブログ参照)それは、戦術的な面の多くにおいてです。

そしてそれは、2008年の代表戦初戦となるvsチリ(ビエルサ監督)との戦いで憤怒の言葉となって表れる事になります。

其之弐に続く。

posted by syuwdow |07:39 | 2010A代表 | コメント(7) |
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