2008年06月19日
【U-23】4-2-3-1とOA枠。
U-23代表は、トゥーロン大会やカメルーン戦を通じて、ある程度戦える自信はついたんではないだろうか。 若い時代ほど人種差はあるわけだけど、今回の代表は対格差に物怖じしていない。特にカメルーンをシュート4本だけに押さえることが出来た守備面の成長が著しい。体力面(身体の強さ、瞬発力、スタミナ)において負けずに対抗できた「阻止力」は大きな自信になったに違いない。 U-23は勿論「世界基準」を意識して「広く選手を育てている」のだけれど、結果として「奪取力」「技術力」「阻止力」「選手層」についてはある程度のところまで上がってきているんでは無いかと思う。 しかし、その反面、「世界基準」を訴えるには拙さも感じる。それはやはり「決定力」に付随する部分だと思う。
で、本題1。 「決定力」を世界基準にする上で、今、日本に足りないのは何なのか? 散々言われ続けているのがストライカーもなんだけど、自分はそれほどストライカーが足りていないようには思えない。例えばU-23の李も平山も森本も豊田も十分な個性と存在感を見せている。ロナウドやニステルローイや釜本さんのような選手がと言えばそれまでかもしれないけど、そこは長い準備と突発的な運が必要になるので、メディアのように「FWの得点力不足」と一言で言おうとは思わない。得点力不足には別の問題があるんだと思う。 思うに一番足りていないのは「チャンスメイクの仕方」ではないかと思う。チャンスを作り上げる「チームにおける個人の判断するスピード」が足りていない。 それはいわゆる「個の力」や「ひらめき」ではなくて、またファンタジスタという人種が必要と言うことでもない。 チャンスを得る為の前提技能は「試合を読む力×戦術理解度」。 カタカナに直すと「オフザボール」の動きと言うものになってくるはずだ。 先程、ユーロについてちょこっと書いたけど、チャンスメイカーのアスリートを活かし続ける為に、周りがどう動くかが得点力不足解消の鍵だと思う。 どう動くかを理解するには、相手は勿論、自分達の「布陣」を理解しなければならない。「戦術理解度」の問題だ。この布陣にはどういう意図があるのか?である。
現A代表もU-23代表も好んで使っている布陣に4-2-3-1というのがある。このフォーメーションは日本代表にとても向いていると思うのだがなかなか活かしきれていないと思う。布陣の意図とチームのリザルトが結びつかないのである。 4-2-3-1がどういう意味を持った布陣か? 1つは奇襲(カウンター)重視の布陣でありながら中盤に人数をかけていると言う事。 日本代表のサッカーは発展途上であり、大型CFも少ない為、前線からどっしりと個人突破をしていく布陣は向いていない。しかし、中盤に様々なタイプの上手い選手が集まる傾向にあり、それを最大限に活かすには中盤の枚数多めの布陣が興味深い。4-5-1や3-6-1、3-5-2と言ったDH2枚で中央をしっかり絞り、時には中央やサイドに飛び出し、時にはCBの代わりにもなることが出来る型は奇襲戦術の幅を広げる。 2つ目は、攻守において攻守においてサイド重視の戦術であると言うこと。 2000年代の布陣として、4-2-1-3、4-2-3-1、4-4-2フラット、4-1-2-3、4-1-4-1といった布陣が脚光を浴びてきた。それぞれがそれぞれの対抗策として生まれている。(※4-3-3は昔からある。)4枚の2列と違いを作り出す1+1の布陣は、中央が硬くゲームメイクもチャンスメイクもサイドへの依存が強い。 守備的なSBと攻撃的なSHのセット。攻撃的なSBとキープ力に優れたSHのセット。守備的なSBと守備的なSHによる逆サイドのSHを活かすセット。の3つが多いけどどれもサイドを崩す意識が高い。 囮となるCFやOH、DHも含めて、理論上、「CKを得やすい」はずなのである。 日本のオンザボールの選手の技術は総じて高い。ここ数年でも、遠藤、俊輔、憲剛、玉田、阿部、本田、水野、藤本、小野、小笠原、三都主、挙げたらキリが無いが期待できるフリーキッカーの数は10人以上はいるのではないだろうか。 日本が4-2-3-1を使うと、 「様々な組合せでサイドをメチャメチャに崩し、 CKを得て、 精度の高いキックを自由に駆使でき、 多数の空中戦の強い選手達でゴールを奪う。」 こういう形がベースとして想像できる。 ところが、U-23代表のカメルーン戦はどうだったかというと、CK2本だけである。ホームアドバンテージを得て実に32本のFKと14本のシュートを放ったにも拘らず、サイド重視の布陣を採用しているのにも拘らず、CKは2本。カメルーンのCK4本にも及ばない。 ここの改善がU-23代表の得点の可能性を大きく引き上げるのではないか?そう感じた。
本題2.OA枠。 無印を含めたここまでのコラムで何度かこの話は取り上げてきた。反町監督はここに来てOA枠を起用することを決めたようである。しかし、あえて言おう。 「遅いよ!」 本番まで2ヶ月である。ライバルのオランダはすでにOA枠が決定し合流し、着々と準備を進めている。日本は決まっただけで誰が呼ばれるのか、何のために呼ばれるのか、全く定かではない。 2000年シドニーでは、森岡、三浦アツ、楢崎が呼ばれたが、この選手達はトルシエが78回天皇杯決勝(1999年元旦)を現地で観ていて気に入り呼び始め、結果ゴールデンエイジと融合できる上の世代として代表に呼んだ選手達である。意味がある呼び方であったし、テストも十分に試した。 しかし、2004年アテネでは、小野と曽ヶ端を繋がり無くギリギリになって呼んでしまう。どちらも素晴らしい選手ではあるが、代わりに居場所を失ったのは松井、山瀬、そして啓太というそれまでの軸。軸を失った代表はそれまで出来ていた形も作れずに敗れてしまう。 日本は学んだはずであった。早めの合流が必要なことを。しかし未だに決まらない。噂では、遠藤、大久保、楢崎辺りらしいが、正式には決まっていない。 それどころか、長友、内田、香川等A代表組がU-23に合流するのかも不明で、本田もA代表に戻っている。更に、豊田、柏木ら怪我&コンディション低下組のテストを7月の数少ない試合で試すらしい。(広島の快進撃において柏木<高萩なのはこの際置いておこう。)
サイドを有効に崩せていないチームに、更に異分子が10名近く加わる可能性がある。化合を起こし、昇華できる時間は少ない。大丈夫か?U-23。とても心配である。 オーバー。
posted by syuwdow |18:01 |
北京U-23 |
コメント(2) |
この記事に対するコメント一覧
【U-23】4-2-3-1とOA枠。
合流しても時間があまりないので、もうOAはいらなくね?(笑)、とも思いましたがやはり召集はすべきですよね。
この前の試合を見ましたが、かなりいいパフォーマンスを見せてくれてすごく期待ができるものでした。
OAが必要なポジションはやはりFWでしょう。それ以外はいまのところ必要ない気がします、時間を考えると・・・。
それと個人的に青山敏が好きなので本田拓は消えてもらっても結構です。
さらにヤットなどが入ってくるとどんどん敏の居場所が・・・orz 柏木召集は素直にうれしいです。
管理人さんがおっしゃる通り、高萩は長子いいですよね。
posted by tosi | 2008-06-20 18:10
【U-23】4-2-3-1とOA枠。
tosiさん、コメントありがとうございます。
そうですね、召集するには遅すぎるので難しいところであります。反町監督は意識してたとは思うんですが、どうも今年に入ってから【A代表最優先】の意向があり、行動できなかったのか、指揮官がただ遅いだけなのか、どちらにしてもハッキリしませんね。
現役A代表を諦めて、私が過去にコラムで書いたように、ベテランの元代表を招集するのが良いと思ったのですがね。
現在は、U-23枠内でありながら、OA枠と同じ扱いになっている選手が多いです。呼ぶにしろ呼ばないにしろ、戦術を見極め、意思を統一して連携を高める時間に苦慮しそうです。
青山敏と本田拓に関しては、自分は1年半前から本田拓を押していますが、自分が広島サポだったら、青山を押すかもしれませんね^^;自分がフリエ(横浜フリューゲルス)の選手を贔屓するように。
柏木はもっと努力して欲しいですね。高い能力があるのは分かりきってるので、むやみやたらに突っ込むのではなくて、後ろとコミュニケーションをとって得る「緩急」や「戦術理解度」が課題だと思います。
高萩は、愛媛時代の3年前からずっとあのレベル(相手にとって厄介なポジションを取り続ける+相手の困る場所を狙う)を維持してるんで、もっと高い評価(U-23以上での抜擢など)を上げて欲しい気がします。
posted by 管理人です | 2008-06-22 19:33


