2008年04月06日

【改革論】プロサッカーにおける勝利を考える。

こんにちは、「強いチームが勝つんじゃない。勝ったチームが強いんだ」という名言があります。
格言YES?NO?シリーズの延長として、今回はYES?NO?の話にはなりませんが、ちょっとした改革論を展開して行こうと思います。

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「プロサッカーにおける勝利」とは何ぞや?という話です。

プロとして相対する、プロとして戦う以上、やはり勝者には利益が見込まれなければいけません。ですので、試合に勝ったほうが多くの報酬を見込める。当たり前のことであります。ですので、結果が上回ったほうが、勝ったほうが上である。強い。これに異論はありません。ほぼすべてのプロスポーツにおいてこの定義は成り立つと感じています。

しかし…、時折その法則を度外視する事柄が在り得ます。
「辛勝」「善戦」「惜敗」そして「奇跡」。…そういう言葉で綴られる試合とそれらの試合から派生される「モノ」のことです。
結果、勝利したことが賞賛されるのではなく、まったく違う事象が起こりえる場合があります。サッカーでは特にこの事柄が多く見受けられると感じています。

下馬評の高いチームが下馬評通り大勝で勝つ時、下馬評が低いチームが大差で敗れる時は余りありませんが、下馬評が高いチームが拙攻を続け、相手のオウンゴールで勝利した時、またランクが多く離れている場合に、1点しかとれずに勝利した場合、また、不可解な判定で勝利を得た場合(正当なタックルをPKにされたりとかです。)、どうでしょう?
「勝ったほうが強い」という話から離れた論議が、世論の中心に沸きあがります。

また、下馬評が圧倒的に低い側が、引き分けた場合、また、後一歩のところで敗れた場合、負けたにもかかわらず「賞賛の声」が沸きあがることがあります。

他にも試合に敗れたものの、素晴らしい何かを持っていたと絶賛された場合、後世に名が残る場合もあります。筆頭はジーコ率いる「黄金の中盤」でしょうか。ずっと語り継がれ未だにその名声は陰る事を知りません。百歩譲って90年W杯でのオシム率いるユーゴスラビアもそうかもしれません。同大会でもっともスペクタルなチームと評されたと聞いています。他にも様々な呼び名で呼ばれるチームも存在します。スペインの無敵艦隊もそうでしょうし、イタリアのカテナチオなども、戦い方ですが名を残し、賞賛され続けています。

また、クラブチームにおいても、勝利を度外視した様々な賞賛の声が存在します。例えば、柏レイソル、例えば、ヴァンフォーレ甲府、例えば、浦和レッズ。名前を聞くだけで、勝利や強さとは無関係なそれらのクラブの素晴らしさが思い浮かべられると思います。

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この現象の理由は何なのでしょうか?

サッカーに引き分けと言う概念があるからでしょうか?引き分けやすいから、下克上が起きやすいからでしょうか?スポーツには勝利という結果以外に、内容と言うエッセンスが入っているからなのでしょうか?サポーターという存在、文化があるからでしょうか?

それらはあるとおもいます。

そして、私は、サッカーと言うスポーツには「試合の結果で勝つ」以外に、「もう1つの勝利」というものがあるのではないかと思っています。それがこの現象をより強く印象付け、我々を熱狂の渦に巻き込んでくれているのではないかと思います。

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サッカーにおけるもう1つの勝利。
それは「地域を認めてもらうこと」ではないでしょうか。

勝利とは別のベクトルで、そのチームのサッカースタイル、言うなれば「文化」が、そのチームのサポーターには勿論、相手チームのフロントやサポーターにも深く印象付けられる。相手に存在を印象付けれること、そして認めてもらうこと。この勝利からは、「試合の結果で勝つ」以上の多くの恩恵が得られると思います。

例えばクラブの場合。
相手にクラブの存在を認めてもらうことにより、地域の「門」が開きます。
地域の何か、例えば人や産物ですが、他地域にPRする際、互いのクラブ、もしくは片方のクラブでも印象を与えていれば、そこが切り口になるわけです。クラブを通して地域の「文化」を知ることも出来ますし、クラブのある地域に移動する際に文化を知っていることによる安心感も生まれます。文化に触れ合うキッカケとなることで、地域を誇りに思うことも出来、治安や教育にも良い影響が生まれます。
チームを相手に印象付けることで、地域経済を活性化させることが出来ますし、地域の人口の安定や地域愛を育む事ができると思います。

強引に飛躍しすぎ…かな。
ですが、クラブは価値を持ってより積極的に地域に交わっていくべきだと思っています。地域の未来のために。

また、国の場合、日本だと分かりやすいのはトルシエジャパンでしょうか。
ハッサン2世国王杯に招致され、当時最強と呼ばれたフランスのベストメンバー相手(※トレセゲ、ジダン、ピレス、デシャン、ブラン、デサイー、テュラムなど)に互角の内容を見せ、シドニー五輪やアジアカップで多くのチームと「差」を見せ付けた日本は、多くの海外の有力チームから対戦オファーを受けることになります。日本が認められた瞬間です。結果の勝利以上に価値のあるもう1つの勝利を得た瞬間でした。

フランスにはその後0-5という大敗をくらいますが、スペイン、セネガル、ナイジェリア、ポーランド、ノルウェー、…そして、レアルマドリード(※2軍ですが当時の力量差を考えたらそれでも十分でしょう)。相手のホームや中立地での良い経験を積むことができました。また、国内戦においても正にベストメンバーと言えるイタリア(※ちと重かったですが)、ウクライナ、コスタリカ、スウェーデンと有意義なテストマッチを行うことが出来ています。

日本サッカーの成功やW杯でのPRを経て、多くの日本人選手達が海外への「扉」を開いていきます。

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「勝ったチームが強い。」
それはそうですが、「それ以上に大きな勝利」と言うものがプロサッカーにはあると思います。

「もう1つの勝利がそこにはあるのか?」
そこを注意深く見ながらサッカーを観てみたい、育ててみたいと思っています。

オーバー。

追伸:今回のコラムは、Jリーグが抱えていると思う問題について、独自の視点で書き綴っています。イレブンミリオンプロジェクトという目標があるんですが、観客動員数が減少しているような気がします。先程も書きましたが、クラブは価値を持って、より積極的に地域に交わっていく必要があると思います。「すべてのクラブが結果で勝利できるわけではありませんから。」

フリエスタより。

posted by syuwdow |11:02 | サッカー激辛改革論! | コメント(4) |
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【改革論】プロサッカーにおける勝利を考える。

プロサッカーは「勝ったチームが強い」だけではないのは、仰る通りだと思います。
しかし、そこに「地域」をからめるのは、私は違うと思います。
「地域」をからめたい気持ちはわかるのですが、それはJリーグを定着させたいと考えているJFA(もしくは川淵)のWillに則っているに過ぎないと思います。
イングランドのマンチェスターには、マンUとマンチェスターシティという有名な2つのチームがありますが、何もかもが違うチームです。
それは「『文化』が違うから」と言われれば、それは納得しますが、「『地域』が違うから」と言われても納得するのは難しい。

私は、経済的な面を除けば、クラブは地域に積極的に交わらなくても良いと思います。
(交わったら駄目だ、という意味ではありません)

例えば、ヴィッセル神戸は地域に積極的に関与するクラブの1つとして有名です。
それ自体は、悪いことではない。

だけど、昨季までのサッカーはつまらなすぎる。
(今季は、まだあまり見ていません)

個人的には、そんなチームは存在価値がないです。

私としては、プロサッカーチームには、勝つこととおもしろいサッカーをすることを最優先にして欲しい。

地域になんか関わってる暇があったら、早くマンUやアーセナルやバルサのように、おもしろくて強いチームを作ることに専念してください。
それが、例え100年後であったとしても、1年でも早くそういうサッカーができますように。

posted by ジダ | 2008-04-07 00:03

面白い提案をありがとうございます

興味深く読まさせていただきました。

「地域に認めてもらうこと」ですか。「イレブンミリオンプロジェクト(鬼武チェアマンの、やや「言動先行」ぶりが気になります)」の観点からすると、非常に重要な要素でしょう。理想論を言えば、「地域から盛り上がること」が必要だとも思います。

仰るような、プロサッカーにおける「勝利」意外の重要な要素ですが、似たようなとらえ方をしています。ただ、称賛されるには、地域と必ずしも関わりが無くても、素晴らしいものは素晴らしいと言われてきたとは思いません?

私は、「明確なクラブカラー(チームカラー)」と言うのがキーワードのように思います。これがあると、やはりそのクラブは愛されますね。客観的にみても、甲府のスタイルは珍重されるべきものですし、トルシエのチームは革新的で鮮烈でした。浦和はそのトータルなスケールの大きさ(日本レベルですが)が魅力です。

「トータルフットボール」「幻の最強チーム(旧ユーゴのことですね)」「ドリームチーム」を初め、私なんかは故ロバノフスキー監督が率いたディナモ・キエフなんかが好きです。サッカーという共通ルールで戦っている以上、そこに「個性」があるということも非常に重要なのではないでしょうか。それが勝利意外の要素としても語られていくことだと思います。

posted by ball_no_think | 2008-04-07 11:46

【改革論】プロサッカーにおける勝利を考える。

Jリーグの地域貢献とは
その地域との文化交流以前に

「強いクラブチームが自分の地域にいることで底辺が底上げされる」
効果への期待です。

関西は割とせまい地域に
Jチームがたくさんありますが
それでも各地域ごとにこどもたちは
明確に自分の地域のクラブのトップを目標にしています。
ばくぜんと「おおきくなったらJリーガーになる」
という夢ではなく
「(例えば)ガンバのジュニアユースの試験に受かって
レギュラーをとり、ユースからトップへ行くぞ
(その先には日本代表という目標もあるで!)」
という明確な目標が親にも子供にも持てることが
どれだけ彼らのモチベーションを上げていることか。

それは身近なところにクラブチームがあるということの
効果だと思います。
こどもたちがサッカーをする。目標とするクラブの試合には観戦に訪れる。親も一緒に行くことになるでしょう。クラブは選手とファンの垣根を低くすることにより
更に「身びいき」なファンを増やせる可能性も大です。
そんなこどもが大人になり、いずれ親になればそのこどもも高い確率でそのクラブのファンになることでしょう。
Jリーグの使命は「勝つこと」はもちろん、
サッカーに興味を持ってもらう人たちを増やし、子供達にプレーしてもらう機会を与え、その子供達のなかから世界に通用するプレーヤーを生み出すこと、
だと思います。

そのための「地域貢献」なのではないでしょうか?
(はっきり言って経済効果とかは望めませんから)


posted by Q | 2008-04-07 12:59

【改革論】プロサッカーにおける勝利を考える。

こんにちは、コメントありがとうございます。

一括で失礼します。

そうですね、子供に夢を与えられるクラブ、大事なことだと思います。その為に、クラブは一生懸命勝利を目指す。観に来る未来の為に、一生懸命戦う、一生懸命走って、一生懸命応援する。

ただ、子供は不安定なもので、負け続けたら興味を失ってしまうでしょう。また、プロと言うものは誰でもなれるものではなく、天性や運と言ったものも絡んできます。敗れて肩を落とす子供の方が圧倒的に多い。

彼らが、「それでも」このクラブを目標にして良かった、「それでも」このクラブのある地域に生まれてきて良かった。地域とクラブを誇りに思い、遠く離れた地に旅立ってもその誇りを忘れずに行動できる。そうなってもらう為に、大人は「クラブが強くなれなくとも」誇ってもらう為に、何かをしなければならないと思います。

それがもう1つの勝利を得る為に行動する、知恵を絞ることだと思います。

浦和はJが無ければただの名も無きベッドタウンです。ですが、Jと共に「街ごとレッズ」を地道に努力した結果、あれだけのサポーターや街の協力を得られているんだと思います。ただ強いからではなく、です。

甲府は、強くなること以上に地域と関わることに力を入れており、度々ニュースに取り上げられます。

柏はチームカラーと言うものが、全国に良いPRをしていると思います。地理が良いんでもっと大きく化けて欲しいですけど。

勿論、クラブから世界で通用するプレイヤーが出てくることも喜ばしいことですが、クラブと地域を通じて、良い大人が作られていくのも嬉しいことだと思います。

「うえきの法則」(笑)ではないですが、この勝利と試合の勝ち負けはサイクルしていくものだと信じています。

posted by 蹴導です | 2008-04-08 16:12

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