2008年03月27日
【U-23】vsアンゴラ・反町監督が選んだもの
こんばんは。ちと、トルシエ(ダバディ)調で書き綴ります。 今日選ばれた17名が必ず北京五輪の舞台に立つとは限らない。 今まで総勢78名、多くの選手に国際経験を積ませてきた。この78名は3つのふるいにかけられ23名が残ることになるが、この78名が受ける最初にして最大の難関は、4月20日のグループリーグ抽選会による組み合わせ。 「組み合わせの相手によって」必ず必要になる選手と、必要でない選手が出てくる。それによって選出されなくなる選手が必ずある。例えば、トルシエの場合、スカウティングの結果、対面に強力なアタッカーがいなかった為、召集を見送られた選手がいます。 ただ、一番日本としてまずいのは、必要になる選手がいないということ。必要になる選手がいると言うことが最初の勝利。組合せは「運」が絡むけど、必要になる選手が多く残ることを祈ってます。 次の難関は、最終合宿。 純粋に厳しく、良いパフォーマンスを見せた選手、その中で各タイプ、必要枠の中でベースとして23名が選ばれる。 最後の難関が、怪我とコンディション。 23名のうち誰かが怪我や体調不良で欠落する時があります。ですから、漏れた55名、特に良いパフォーマンスを見せながらギリギリ各枠から漏れた選手達、最後の最後の発表更新まで、爪を研いで置かなければいけません。 組み合わせ運によって漏れた選手、合宿で漏れた選手、怪我で漏れた選手、そして残った23名の選手、彼らすべてでチーム。 チームが出来上がることが大きな勝利、チームが試合に勝つことが更なる勝利、チームが各々のホームで数段伸びて戦っていけることが勝利。 チームがしっかりと出来上がっていれば、戦い敗れたとしても、胸を張って代表だと誇れると思います。選手も、サポーターもです。 今日、李が見せた動きは間違いなくチームとしての動きでした。 五輪世代は良いものを得たのかもしれません。歳を取るごとに、上の世代に行く毎に、忘れて言ったものがあるかもしれません。上の世代も今日の李の動きを見て、プロである以上、競争も大事。だけどより大事なものを思い出して欲しい。 (トルシエ調終わり!) ----------------------------------- 話は、今日のアンゴラ戦に戻ります。 五輪代表はずっと、一貫性が問われていました。 多くの選手に経験を積ませる為に選手が入れ替わりまくる部分、予選を突破する為に現実的な采配を振るわなければいけない部分、結果を残したいが為にチームを作りきれなかった部分(選手がチームより目の前の自分を見せなければと思ってしまう部分。)。他にも様々な部分があるのでしょう。結果、受身のサッカーに終始することも多く、戦術無しでいいのなら監督は要らないと、無印時代から唱えたことも何度もありました。 そんな中若干の猶予を得て、切符を掴んだ五輪チームは再スタートを切りました。 アンゴラ代表はA代表です。 19名の来日で心許無い部分もありましたが、五輪代表にとっては良い刺激です。 五輪の組み合わせによっては、アフリカ、南米、欧州と同じグループになる確立が高く、開催国の中国が比較的楽な組み合わせになる可能性が高いと考えると、日本・ブラジル(アルゼンチン)・オランダ(イタリア)・ナイジェリア(カメルーン・コートジボワール)なんてグループも有り得ます。 アンゴラは決して技術や戦術に優れたチームではありませんが、差し置いても、ずっとフィジカルが上のチームとどうすれば戦っていけるのか、良いテストの機会だったと思います。 前回のコラムで書きましたが、反町監督はそういう相手(いわゆる世界相手)にどう繋ぐのか?そこが最大の焦点だったと思います。オシム前監督のように選手間を広く保ち崩すのか、岡田現監督のように接近して細かく崩すのか、反町監督が選んだのは前者の戦い方だったようです。 ------------------------------------ 【オシムの具体的な戦い方】(かなりコピペです) 1、「試合開始時の相手の布陣に対応できる柔軟性」 相手の布陣に併せて、相手の守備が4枚ならFW2枚、3枚なら1枚か3枚、また相手の攻撃が1枚もしくは3枚なら2枚か4枚、2枚なら3枚の布陣を敷く、残りを中盤に配置することをベースの戦術とした為、開幕で押される(相手の出方を窺う)必要を無くしました。こちらの質を下げることなくです。 対応する為には走りあいに付き合うか、5バック辺りで耐え忍ぶしかないと思います。2で綴りますが、日本に走りあいで勝てる国はそう多くはありません。 2、「選手の距離と短所を長所へ」 さて、オシムが日本をイメージした際に人生の中で強烈に浮かび上がってくる最適なモデルがある。それは「零式艦上戦闘機」…通称「零戦(ゼロセン)」です。 小さいが小さい故に、小回りが利き、疲労知らずの高性能。 ようするに、運動能力が同じなら小さくて軽いほうが急旋回できる。スタミナが同じなら、小さくて軽いほうが、自身の身体の重さと言うデメリットが小さくて済むと言う事。物理の問題です。そしてそれの伸び幅は、白人や黒人、大陸のアジア人より、日本人がずっと有利なのです。 長年、日本代表が苦労してきた他国との埋めきれない体格差。 埋めるために日本は、トライアングル、アイコンタクト、心眼、ゾーンプレスなど様々な術を得ていきます。 そして、より狭い間隔で、より早く、よりテクニカルにボールを回そうと切磋琢磨しました。それが世界に通じる日本の型になると…。 オシムはここを根底からひっくり返しました。 選手に狭い間隔を求めず、一定以上の距離を保って横に縦に広くピッチを使うことを求めます。「プレッシャーを受けない場所で非凡な能力を発揮する日本人」達は、相手の圧力を避けてボールを受け、確かな技術で遠い味方にパスを通し続けます。確かな余裕を持って相手の薄いところを探し続け、チャンスを窺うという戦い方を得ることが出来たのです。 更には、その間にラインを押し上げ、相手のカウンターを未然に防ぐと言う手立てまで打っています。 ボールを追いかける大きな相手選手。 追いつく前にボールは遠くの場所へ移動する、更に追いかける相手、徐々に彼らの体力は自らの身体の重さによって消耗していき、疲労感が戦意を奪っていきます。何とか奪ってみたところで、ゴールは遠く、素早い零戦達の「数的優位」の網に掛かり、また追いかけなければいけなくなる。 小さいことは日本人の短所でしたが、オシムは短所を長所に変えてみせます。 ------------------------------------- まぁ、他にもあるんですが、こういう部分がオシムの日本化のベースにあると感じてます。 詳しくは→蹴導’s eye・日本代表 自分はこの戦い方が、日本から世界への道を切り開いてくれる日本独自のベースになると思ってるんで、正直、今日の反町監督の戦い方にホッとしてます。 体格差を埋めれる流動性と機動性、パス回し、そしてチームであることを意識できる選手、FWもしっかりプレスから入ってましたし、大きな準備が出来ていると感じました。 まぁ、気が抜けてしまった部分やそこのポジションで使うのか…って選手もいましたが、大事な部分は見せてくれたんで、個人的に良いテストマッチになったと思ってます。 今日は採点は付けません。 オーバー。
posted by syuwdow |21:12 |
北京U-23 |
コメント(4) |
この記事に対するコメント一覧
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【U-23】vsアンゴラ・反町監督が選んだもの
ところがどっこい同じ事を続けられないのが反町さんなんですよね。まぐれじゃなきゃいいんですけど。
posted by マルケドニア | 2008-03-28 00:00
なるほど
そうですね。フローラン・蹴導氏のコメントには納得です。対戦相手によってメンバーを入れ替える必要(特に攻撃陣ですな)が出てくるのでたくさんテストする必要があるというのは目を見開かされた思いです。
日本の戦い方として、【オシムの具体的な戦い方】の1は大切ですよね。スカウティングにより、あらかじめ準備できますし、精神的優位をホイッスルが吹かれる前に確保できるという点で、何かと精神的優位に立つのが下手な日本人にとって大きな利点だと思います。
岡田監督は、試合中に選手で話しあって修正すればいい、と言う考えですが、攻撃では相手とミスマッチ、守備では相手より数的優位を確保することによって、試合の入り方は格段に良くなると思います。思うに、岡田監督は選手に求めるものがオシム監督よりは高いのではないのでしょうか。その要求に選手が応えられないというジーコ監督(今や名将ですが)時代のようなことが小さく起こっているような気がします。
話がそれましたが、反町監督は自分の調整能力に自信を持っている感じがしますね。まだOA枠を使うかどうかも決めていないといいますし。アルビレックス新潟ではできなかった、豊富な選手層によるやりくりというものをじっくり試しながらやっているという感じです。ただ、DFに関してはほとんどメンバーは固まっているでしょうね。アウトサイドですが、強国が揃う中で水野を右アウトサイドに使えるかどうかが本大会での勝負の分かれ目のような気がしました。長友、内田とサイドバックが本職の選手がいい責め上がりを見せていますしね。
DHのポジションは流動的ですね。ただ、センターハーフにどうしても梶山は必要で、守備中心のボランチ+「王様」的な梶山+献身的に動き回れる柏木、と言うのが中盤のインサイドのベストバランスだと思っています。
FWは分かりませんねえ。私のブログで推した豊田がまあまあ良かったのは嬉しいですが。反町監督は攻撃の最終部分についてどのようなビジョンを持っているか分かりにくいんですよね。ストロングポイントであるサイドを生かして、中央のターゲットにヘディングで得点を取らせるのか、サイドと中盤で相手守備を崩してフォワードにフィニッシュだけを求めるのか。フィニッシュへ至る部分に関して、ある程度中心になる型が欲しいと思います。「型」がある事によって、他のやり方も生きるようになると思いますし。この部分が一番懸念している所です。
posted by ball_no_think | 2008-03-28 08:23
【U-23】vsアンゴラ・反町監督が選んだもの
アルビでは(能力的に)ほとんど限られた選手しか使えないなかで結果を残しています。ですのでどんな形であれ結果は残せると思っています。
posted by 橙 | 2008-03-28 14:02
【U-23】vsアンゴラ・反町監督が選んだもの
最強の戦術は、臨機応変ですから。
孫子も文和もダーウィンも同じ見解です。
スタメン用紙提出して、お互いのスタメンを知った「後でも」、相手に対処しながらこちらが攻めれるメンバーになっていれば、それで相手よりずっと有利になれるんです。
オシムはそれを見せてくれました。
前線と最終ラインの数を有利にして入って、試合中に相手がかける人数を変更などして崩してきても、それに人数と役割が対処できる、それが1です。その選手たちが90分戦えるスタミナを有することで、相手の指揮官が下手な手を打ったときに「カード」を使える。
反町さんは、中間管理職で、育てるのがメインですが、そこをちゃんと理解していると感じました。
posted by 蹴導 | 2008-03-28 23:44


