2009年06月10日
【A代表】ウズベク戦の過ちと、カタール戦での期待
点ではなく線で繋がるものだと感じるので、第一次岡田政権からの日本代表を踏まえて、ウズベキスタン戦の過ちとカタール戦の期待について綴ってみようと思う。 ご存知のように日本代表は、ウズベキスタンよりかなり上の位置にいる。 代表のレベルも、プロリーグの歴史も、選手の力量も、国のインフラも。 ウズベキスタンは決して弱くは無い。試合を見て、ドーハの頃の日本と同じ立場だ、元々十分なフィジカルを持っているし、フィニッシュの精度、落ち着きが出てきたら化けると感じた人も多いだろう。トップクラブもACLで結果を出し始めている。 ただ、それでも、W杯世最終予選と言う立場のアウェーであるとしても、Jで培われてきた努力を持った日本が、ここまで苦戦するとは思っていなかったに違いない。 何故、苦戦したか。 管理人は、「タクティクスのミス」だと感じている。 トルシエ時代から続く日本代表の「肝」は、「前線からのプレッシング」だと感じる。 勿論、ジーコ監督がほれ込んだ足元の技術もある。 前線がプレスを掛け、中盤が前に移動しショートパスのコースを消し、更に最終ラインも上がり、全体をコンパクトにすることで、ロングボールを蹴らせず、「FWの疲労を軽減する効率の良いプレス」と「フィジカル面のマイナスを減らす高ライン」というスタイルを実現しようとしていたと感じる。 ラインを高く設定することとFWが十分にプレスに走れることは同義語に近い。 残念ながら、第一次岡田監督とジーコ監督の時だけはライン設定が低かった為に、FWが広範囲をプレスに走り疲れ果てていて、上記のスタイルが機能しなかった。 第一次の岡田監督時では、岡田監督が「FWは消耗品」と発言したように、ジョホールバルでもFWの体力は持たず、交代枠全てがFWであった。FWを取り替えることで一定レベルのプレスを持たすことは出来たが、采配として切れるカードは皆無となった。 ジーコ監督時代では、柳沢への負担が多く1試合目(豪州戦)ではロングボールを止められなくなり逆転負け、2試合目(クロアチア戦)では走りつかれ「QBK」なることが起きてしまう。3試合目(ブラジル戦)もまた、後半になるとプレッシングが利かなくなってしまった。 まぁ、QBKは彼のせいではない(シュートを蹴るべき選手は別に居た)し、ブラジル戦は1点先制してしまったことで目覚められてしまった部分が大きい^^; まぁ、個人的には他にも色々あると思ってるし、管理人が綴っていることは全て憶測の範囲の新論でしかない。 トルシエの時はその高い位置でのプレスとコンパクトラインを敢行しながら「敵陣で」奪って即ゴールまで運ぶという「速攻」のサッカー。 オシムの時は、同じくプレスは掛けるものの、最初の入りの時点に工夫があり、それによってまず「こちらがボールを保持」し、「広い範囲に散開して」ボールを回しいながら、まずラインを高くし、回しながら「崩れたところから点を狙う」、奪われた時は「効率の良いプレス&高いライン」が出来ているという「遅攻」のサッカーだったと「思っている」。詳しくはカテゴリー『エレンシア・オシムの日本化』をどーぞ。 第二次岡田監督時はどうだったかというと、オリジナル色が強く出始めてからは、「トルシエJAPAN」に近いやり方だったと感じている。 「小兵の(大型の選手に比べて燃費が良い)3トップで高速プレスを掛ける」というのが最初のタクティクスであったと思うからだ。 他にも、内田のような中盤を支配出来る際のスタイルで輝く選手を起用したり、現在のように憲剛、俊輔、長谷部、遠藤といった中盤での支配力に向いている選手を起用することから派生するスタイルと言うのも垣間見える。(※管理人は長谷部をドリブラーであり基本OHの選手だと思ってるのでそのとおりなら厳密には支配力重視ではないかもしれない。) と、ここまで長々と綴ってから、本題を綴ってみる。 何故、ウズベキスタン戦ではあそこまで押される羽目(相手支配率49%&シュート23本、ロングボール多数放り込まれ、2ndボール拾えず)になったのか。 管理人は「タクティクスのミス」と書いた。この試合には「2つのプレスを掛けるポイント」が存在していたから。それがミスだったと思っている。 1つは現代表の旗とも言える「小兵3トップによるプレス」。 もう1つは「中盤のキーマン達へのDH2名による交互のマンマーク」である。 トルシエのところで書いたように、前線からプレスをかけるなら中盤も連動して前を埋め、最終ラインを高く保てるようにするのが大事だと思っている。 が、今回は中盤に別の指令が存在しており、中盤は前を埋めることが出来ず、FWは広範囲を走り疲れ、最終ラインは高い位置を取ることが出来なかった。前線は、大久保も俊輔も憲剛も岡崎も、消える時間があったり、くたくたの状態で終盤を迎えたりしていた。 全ての選手が魂を削り一生懸命走ってはいたが、タクティクスにズレがあり、それゆえに歯車が噛み合わず、その結果になったと思っている。 特にDHの2名の相手選手へのマークは、良く頑張ったものではあったが正解とは言えないものではなかっただろうか。彼らは沢山の相手の攻撃を跳ね返しもしたが、そのポジションを見ると、CBの裏であったり、ペナルティエリアの中であったり、SBの側であったりする。バイタルエリアで止める、遅らせる(ディレイ)、そういうことが出来なかったゆえの23本のシュートだったと感じている。 再度綴っておくけど、「タクティクスのミス」であり、「DHのミス」ではない。彼らは良く戦っていた。(勿論、変と感じるところもあって前回で綴ったり、また前の採点では退場分をマイナスしてつけてる方もいますけど^^;) ただこの内容で失点0に抑えられたのは、歴史を受け継いできた日本GK&DF陣(SB含む)の奮闘の賜物であり、ウズベキスタンのフィニッシュ精度の低さ&崖っぷちの焦りであり、「運が良かったから」だと感じる。 因みにバイタルエリアを埋める意識が低くても「運が良かった試合は」、コンフェデのブラジル戦(カカーがバイタルエリアからのフリーのミドルをとことん枠外に外してくれた)であり、「運も悪かった試合」は、06W杯のオーストラリア戦であると思う。 と、言うわけで、「ジャッジが酷くて競ったら笛を吹かれるから押し込まれたという論」もあるようだけど、管理人は「タクティクスのミス」がトップだったのではないかと持論を挙げたいと思う。 今夜、カタール戦が行なわれる。 自分は岡田監督のサッカーを否定している感が強い。ここ2年の過去エントリーでも分かると思う。2年間の間で戦い方がコロコロ変わりまくっている(オシムサッカーと言う名の似て非なるサッカー→自己流の小兵3トップ→憲剛システム:俊輔や本田圭はプレスには向かないだろうし。)こともある。 が以前も書き綴ってきたように、未熟な若手の抜擢やコンディションの悪い選手の抜擢や怪我人の多さという「準備面」が一番の不満なのである。 今回の代表も、何人かの選手が体調不良になったり、怪我をしたりしている。コンディションが良くて使って試合で怪我をしたならまだ理解できるが、悪い選手を使って更にこじらせたり、練習で怪我をさせまくったりしているのは良くない事。非常に不安だ。憲剛システムも怪我人続出で仕方なしの采配が当ったようなものだったし、それもウズベキスタン戦ではほぼ機能しない状態になっている。 遠藤×、長谷部×、大久保×、山田×、香川×なので、 今夜のメンバーはサブが中心になるようだ。 玉田(岡崎) 岡崎(松井) 憲剛 俊輔(本田圭) 橋本 阿部 今野 内田 闘莉王 中澤 GK楢崎 これが最も可能性が高い選出だろうか。 管理人は少し期待してたりします。ウズベキスタン戦の過ちへの修正もありますが(DHは阿部と今野以外は誰が入っても同じだと思うし!)、言うまでも無「く選手配置の色が似ている」為。 まぁ、やるならこっちであって欲しいんだけどね。 矢野(岡崎・興梠) 岡崎(松井) 憲剛 俊輔(本田圭) 橋本〔啓太〕 阿部 今野 駒野 闘莉王 中澤 GK楢崎(2ndGK) 何に似ているかは言うまでも無いですね^^; オーバーです。
posted by syuwdow |10:47 |
2010A代表 |
コメント(7) |
この記事に対するコメント一覧
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【A代表】ウズベク戦の過ちと、カタール戦での期待
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相手に接触すると笛を吹かれる状況では、バイタルエリアでDHがディレイにいってもかわされてしまい、さらにピンチを招いたと思います。
後ろでボールをまわして組み立てるといったオシムジャパンがアジアカップでとった戦術も、芝の状態が悪くかなりの選手がパスミスをするような環境では非常にリスキーだったのではないでしょうか。
そんな中スペースを埋める守備に切り替えたのは正解だと思います。
ただし、前線には小兵ではなくターゲットになり、足元に収め、押上を助けることが出来るCFが、サブにでも必要かなとは思いましたが…。
posted by スカイライン | 2009-06-10 11:43
【A代表】ウズベク戦の過ちと、カタール戦での期待
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システムや戦術を語るのが好きみたいですが
それが実際に試されることがないので
正しいかどうか証明できないのが辛いところですね。
私は今のサッカーで、状況にもよるけどDHでのディレイは最も危険なプレイだと認識してます。それは俊輔や長谷部が海外で学んできたことだと思いますよ。どこからでもプレスに行くからには奪いにいくプレイが、今のサッカーでは大事だと思ってます。もちろん、後ろが連動しないとだめですけど。
例えば長谷部が真ん中にいて、サイドで苦戦する俊輔、駒野を無視して自分のゾーンをキッチリ守っていたなら、ウズベキスタンは、サイドからクロスを上げて、バイタルを超えてシュートが打っていたかもしれないですね。その方が得点の可能性は高かったかもしれません。
posted by MACHI | 2009-06-10 17:02
【A代表】ウズベク戦の過ちと、カタール戦での期待
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コメント有難うございます。
スカイラインさんへ。
>オシムジャパンがアジアカップでとった戦術
そうですね、ボールが転がらないとパスサッカーは難しい。芝の悪い場所での戦い方、会得しないといけませんね。
ウズベキスタン戦でのDH2枚のプレーはスペースを埋めるではなく、ボール保持者に付いて行くだったと思いますが違ったでしょうか?
CF、私も必要だと思います。仰る芝の悪いところでこそより彼らが大事になって来るんでは無いか、そう思いますね。
ところで、ディレイについてなんですが、自分とはディレイの意味の捉え方が違うのかな、と思っています。
「ディレイ=攻撃を遅らせること」で、武道で言うなれば、相手が足を置きたい地点に先に足を置く、相手がパンチをしようとしたら肩の付け根を押さえる、突進をしようとしたら前蹴りで太ももを押さえる、横蹴りをしようとしたら片足を上げスネを見せる、豪腕を振るってきたらクリンチをする等、で相手の得意な方向にしたい方向にさせない術がディレイだと思っています。
サッカーの場合、更に発展していて、「相手の攻めたいポイントを先に抑えること」で、相手に考える時間と止まる時間を与え「その間に味方の戻る時間を作る」ことだと思います。啓太がよく相手から離れた地点でコースだけを切り、選手が戻る時間を作ったり、別ラインを選んだ相手のパスをカットして見せますよね。ディレイをしてかわされるというのはどういう意味なのかなと思います。
MACHIさんへ。
勉強になりました、ありがとうございます。プレスに行くからにはディレイではなく奪うディフェンスと連動した後ろのスペース埋めが大事と。そう観ると確かに長谷部がボール保持者にプレスを掛け、かわされてバイタルエリアでフリーにされても、中澤が前に出てきてシュートコースの角度を減らしていた気がします。そういう戦術だったのですね。
例えば~のくだりも、鹿島アントラーズの場合、あえて中央に入らせ守るということを聞いた覚えがあります。サイドバックは攻撃性重視なのでサイドでの守りになることが無いようにそうしていると。
posted by 蹴導です | 2009-06-10 18:02
【A代表】ウズベク戦の過ちと、カタール戦での期待
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こんにちは、管理人さん。
管理人さんの布陣は対スイス戦時の
布陣を思わせますね(笑)
岡田監督は課せられたミッションを
自分のやり方によって果たした訳だから
評価されるべきだとは思います。
オシム監督のやり方は攻撃も守備も
連動を作る事をメインにおいていた
ように自分は思います。だから決して
啓太は自分のスペースだけを見ていた
訳じゃなくその時間を作る為にディレイを
使い、連動可能な状況下においては
自分からボールを奪いに行っていたような。
サイドバック裏のスペースもよく埋めて
いましたし。アジアカップの対オーストラリア
戦はまさにそういったやり方によって
相手を完璧に封じていました。
上記の方の言うように実際試せる訳じゃ
ないから今実証は行えませんけど。
ただオランダみたいな世界的な
快速ウィングをようするチームに対して
岡田監督はどういうやり方を取るのか
非常に興味はあります。
posted by ABC | 2009-06-10 19:46
【A代表】ウズベク戦の過ちと、カタール戦での期待
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ラインを高く保つためにはオフサイドトラップを多用することが、トルシエの基本方針でしたが、やっぱり中澤が当時の代表からはずれた理由は、オフサイドをとるのが下手だったりラインを上げたがらなかったからでしょうか?
現代表でも、そのことが問題化してるような気がしてます。蹴道さんは、オフサイドトラップについてどう考えていますか?
posted by ペコ | 2009-06-10 21:55
【A代表】ウズベク戦の過ちと、カタール戦での期待
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どうもです。私も、システムは好きなんですけど、なかなか期待通りのスタメンにはならないですね。
監督はそれはもう、いろんなことを考えてるんでしょう。
今日のカタール戦、前半16分は、当たりに行かないDHの欠点が出ましたね。2人で待つディフェンスをしてるんだけど、相手があっさり浮きパスで決定機。あそこは長谷部なら、確実に当たりに行ってたと思います。
posted by MACHI | 2009-06-11 00:50
【A代表】ウズベク戦の過ちと、カタール戦での期待
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ABCさんへ。
岡田監督に求められているものは、W杯に出ることなのではなくW杯で勝てるチームを作り上げることだと思います。管理人としては「勝ち点5オーバー」。第2~4グループに1勝1分~2勝、第1グループに1敗~1分です。
仰る啓太やオシムの良さは、被シュート数等でしっかりと数字にも出てましたよね。アジア杯は決して万全なコンディションではなかったのにです。
ペコさんへ。
そうですね、戦術により適した選手がいたから外れたということだと思います。決してライン取りが下手なわけじゃないんですが、中澤の魅力は空中戦と危機察知能力、競り合いですから、相手のロングボールの落下地点にいち早く入るのが上手いんですよ、中澤。競り合うタイプはあの時は必要なかった。どちらか言うとコントロールの中田浩、カバーの森岡、フィードに優れた松田(ただし松田は中澤と似たところがある。)バックアップとして、宮本、服部、戸田だったと感じます。秋田はメンタル面。
MACHIさんへ。
なかなかほんと、そうです。期待のスタメンと言うか期待の戦い方にならないですね。誰かが代わるとその度に滞る気がします。個を重視しすぎな気がしますね。
「まずどう動くんだ。その上で個を見せればいい」って感じにならないですね。
勿論、長谷部の良さも阿部の良さもあって、考え方の相違ですから仕方が無いですか、中央でフリーでミドルを打たれるのと、DFの裏に合わされるののどっちが嫌かと言うと、私は一人の感覚で出来てしまう前者が嫌なんですが、MACHIさんは後者が嫌なのですよね。
ウズベク戦シュート23本、今回12本。阿部が出ていた時間帯に中央を個人技で抜かれてのミドルは無いわけで、管理人は概ね高評価してます。
ただ、現在の戦術(無いようなものですが、前線からプレスを掛けるなら)阿部のDHは要らないと思ってしまいますね。
posted by 蹴導です | 2009-06-11 11:12
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