2007年11月15日

新リーグに必要な物

 昨日はサッカーのACLを観戦していたため、更新ができませんでした。失礼しました。
 一昨日の独立リーグの記事で、数は少ないながらも好意的な意見を頂くことができましたので、補足的な意味でもう一本書いてみたいと思います。ILとBCが、現実的にNPBに対抗するなら、という仮定を前提にお読み頂ければと思います。

 どんな種目であっても、リーグ運営の上で欠かせないものは理念だと思います。日本でも、サッカーJリーグの「Jリーグ百年構想」、バスケbjリーグの「bjリーグ宣言」など、新興(Jリーグを「新興」と見るかどうかは判断が分かれると思いますが)のリーグにはいずれも明確な理念があります。そしてそれらがきちんと目標として機能しています。翻ってNPBを見ると、野球協約にそれらしき文面はありますが、実質的には骨抜きというか、ほとんど機能していないように見えます。役割を果たしている理念がないということは、自分達が何を目標にリーグを運営していくのかが定まっていないということです。新リーグは、この弱点を突く事が重要だと思います。それと同時に、もしNPBに対抗していくのであれば、これまで掲げてきた「NPBに選手を輩出する」という理念も若干の修正が必要でしょう。誰が見ても分かりやすく、そして納得できるような目標を立てることが求められます。

 2つ目は、財政基盤の強化です。現在独立リーグに所属する選手は、月給数万円、オフは副業で賄っているそうです。有力選手を招聘したり引き留めたりするためには、この待遇を改善する必要があります。当初はNPBよりも年俸が低いのは致し方ないと思いますが、代わりに年金制度を充実させる(NPBでは10年間所属した選手で月々10万円~ということですが、これを5年に短縮するなど)といったケアが大切です。そのためには、安定した収入源が欠かせません。今よりも大口のスポンサーを味方に付けることも必要になります。

 そしてファンを引き付けるためには、快適宣言さんが言われた通り、コアな固定ファンのいる選手を呼び寄せることも大切です。今年の例で言えば、ロッテを戦力外になった黒木投手辺りは狙い目かもしれません。NPBやMLBで名前の知られた選手が独立リーグに行けばマスコミも取り上げるでしょうし、ファンの間でも話題を呼ぶことになるでしょう。もっとも、こればかりは選手本人のプライドも考慮に入れなければなりませんが…。

 以上の3つを、NPBに対抗するためのポイントとして挙げてみました。皆さんはどう思われますか?コメントお待ちしてます。

posted by systemr1851 |10:30 | 球界問題 | コメント(1) | トラックバック(0)
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2007年11月13日

「対NPBテロ」を起こすなら

 もちろん、暴動を起こしてどうこうという意味ではありません(笑)先日の記事に対して、「プロ野球は一度解体した方がいいのではないか」という趣旨の回答を頂いたので、それについて少し頭をひねってみたのです。言われてみれば、プロ野球を正常な状態に持っていくためにはその方が手っ取り早いのかもしれませんが、では実際にNPBを壊すためには、具体的にどうすればいいのでしょうか。

  まず考えられるのは、内部の人間が動くという「クーデター」です。しかしNPBのような巨大組織では、そうさせまいとする政治力が働きますから、自浄作用がなければ現実性に欠けるでしょう(これは私の個人的な考えではなく、元阪神の通訳で、現在はスポーツ界専門の人材派遣会社の代表をされている方から伺ったものです)。

  だとすると、外部からの攻撃、すなわちNPBに対抗する勢力を作り、市場を潰すという案が残ります。つまりは独立リーグの設立です。しかし現在までのところ、日本で現実的に運営に至った独立リーグは、わずか2例だけ。ならばその成功例、四国・九州ILと北信越BCを活かすしかありません。

  この両リーグは、ともに今後規模を広げていくというビジョンを持っています。最終的な構想では、ILが西日本を中心に16球団、BCは12球団にまで広げる事になっているそうです。将来的な仮定の話ではありますが、もし彼らが球界の底辺という現在のポジションを捨て、独自に看板選手を育てるようなリーグになったとすれば、これはNPBにとって大きな脅威となり得ます。現実にNPBを倒すための手段が少ないのであれば、その可能性は彼らが握っているのではないでしょうか?

  もっとも、それでも課題は残ります。それはまとめて言うと、現在の役割であるNPBへのステップとしてではなく、むしろNPBに対抗する、独自のビジネスとして選手が魅力を感じられるリーグになれるか、という点です。それは例えばリーグの規模(ここで言う規模とはサイズではなく、今よりも善い待遇で選手を雇ったり、スポンサーの確保などができるかという意味です)の問題であったり、引退後の年金の問題や、球団単位できちんと黒字経営ができるかという問題等です。これが解決できれば、ILとBCが新たな対抗馬になれる可能性はあるのではないでしょうか。

  以上が私の意見ですが、皆さんはどう思われますか?コメントお待ちしてます。何分ケータイからの投稿で、やっつけ仕事の部分もありますので、たぶん後程補足すると思います。

posted by systemr1851 |18:00 | 球界問題 | コメント(5) | トラックバック(0)
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2007年11月12日

地上波の巨人戦頼みはもう諦めろ

  最近のプロ野球の凋落ぶりを示すと言われる現象の一つが、「巨人戦の視聴率低下」です。私が知っている一番最近のデータでは、9.4%という数字にまで落ちているそうです。もしかすると、これよりもさらに落ちているかもしれませんが、少なくとも10の大台に乗っていることは確実にないでしょう。

  巨人戦は、かつてはテレビのキラーコンテンツでした。スポーツで観るものは野球かプロレスくらいという時代もあったそうですね(自分はそういう時代に生まれ育ったわけではないですが)。だから、殿様商売であっても勝手に視聴率はついてきたと思います。
 ところが、今は観るスポーツにも選択肢が増えた。同じ野球でもMLBの試合が観られるようになり、他にもサッカー、アメフト(NFL)、バスケ(NBA、bjリーグ)、ちょうどW杯期間中のバレーボールなど、球技の集団種目だけでもこれだけの種類があります。だから、自然と様々な種目に視聴者が分散した結果、ここまで数字が下がったのだと指摘する方がいます。それは私も間違いではないと思います。

  しかし問題は、そのコンテンツとしての価値が下がっている巨人戦に、今だに他球団がすがっている事です。それは去年、交流戦の試合数を減らすと決まった際、パの球団が挙って反対したことを見ても分かります。しかし、全ての球団が巨人に頼っているということは、巨人が倒れればリーグ全体が崩壊するという事です。まして、地上波の放映権は依然主要な収入源なのですから、本当に球団を持つつもりであれば、自分で契約を取ってくるのが本筋のはずです。

  私がもったいないな、と思うのは、何故自前の球団を持っているテレビ局が、もっと自分の球団を有効利用しないのかという事です。好例は横浜の親会社であるTBSです。一部ではその運営手法に関し叩かれまくっているTBSですが、ベイスターズを持っているということは、野球中継では大きなメリットになります。別に巨人戦に限らずとも、他のセのゲームや交流戦はもっと中継できるはずですし、それで巨人に何を言われても、自分の球団なんですから文句を言われる筋合いはないでしょう。フジサンケイグループの一員であるヤクルトにも、全く同じ事が言えます。

  皆さんご存じのように、巨人戦はもはやドル箱コンテンツなどではありません。他球団の首脳は、早くそのことに気付くべきです。手に入るはずの収入を取り逃がし、自社の球団が潰れてしまう前に…。

posted by systemr1851 |16:20 | 球界問題 | コメント(14) | トラックバック(0)
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2007年11月11日

2004年のあの事件を、球界「再編」騒動と呼んではいけない

 大阪近鉄球団が消滅してから、3年の月日が経ちました。今年は近鉄と入れ替わって参入した東北楽天が4位に入る躍進を見せたこともあり、徐々に球界全体が現在の体制になじんできたような感じもします。しかし、私は一方で一つ疑問を感じていることがあります。それは2004年のあの事件を、本当に「球界再編騒動」と呼んでしまっていいの?」と言うことです。

 確かに、2004年以前と今ではプロ野球の姿は様変わりしています。セ・パ両リーグの球団がぶつかる交流戦は、2004年までは机上の空論でしかなかったものです。しかし、それだけで「再編」と呼ぶのが本当にふさわしいのでしょうか?近鉄が消滅し、代わりに楽天が入ったということは、結果的に球団数は変わっていない。東西の地区制を導入したり、リーグの仕組自体が変わったのかといえばそうでもない。だとすれば、それは再編などというものではなく、単なる「帳尻あわせ」でしかないのではないでしょうか。
 それに2004年の騒動を経ても、球界の根幹的な構造はまるで変わっていません。各球団の赤字体質はチャラになりましたか?毎年のようにマネーゲームを繰り返すFAは見直されたんですか?球団の財政に過大な負担をかけるような年俸体系は改善されたんですか?コミッショナー事務局は、読売巨人軍の傀儡政権でなくなりましたか?答えは全部NOでしょう。それらの問題を放置しておいて、「プロ野球の再編は終わった」などという見方をするのは、私には納得がいきません。

 3年前の事物に私がこれだけこだわるのには、理由があります。それはこれから先、いずれ第二の近鉄が出てくることを懸念しているからです。
 前述のように、プロ野球はほとんどが赤字体質です。しかし昨日の記事で書いたとおり、各球団は主力選手に対し、たとえ相手が怪我などでまったく働かなくても、莫大な年俸を払い続けなければなりません。一言で言えば、どの球団も相当な無理をしているわけです。年間300万人をコンスタントに動員できる、あのソフトバンクですら赤字なのです。これでは、「うちも近鉄さんみたいに頑張ってきたけど、これ以上は無理です」という球団がいずれ出てきてもおかしくない。
 しかし、球団がつぶれるということは球界の歴史に一生残る汚点です。球団で働くすべての人々の生活も、熱心に応援してきたファンの生きがいも破壊してしまうからです。そしてNPBはもうそれを少なくとも一度経験している。同じ轍を踏むわけにはいかないのです。

 それを避けるためには、もう一度前にあげた問題をはじめとする諸問題に真剣に向き合い、解決していくほかに道はありません。対症療法で解決するような課題ではないのです。それらの課題をすべて解決して初めて、「球界の再編は終わった」と言うべきではないでしょうか。だから、私は2004年のあの騒動は「球界再編騒動」ではなく、「球界再編”未遂”騒動」と呼ぶべきだと考えているのです。

posted by systemr1851 |10:50 | 球界問題 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2007年11月11日

皆さんのご意見にお答えします(1)

 自分のブログにえらい火種を撒いたせいで、コメント受付のメールを受信設定しているケータイが鳴りまくり、全然眠れない状態の管理人です。いや、それだけ反響があるっていうことで、自分としては嬉しい事なんですけども。かなり否定的な見方をされる方が多いようなので、ここで補足的な意味で自分の考えを述べさせていただきます。

 まず、先ほどの記事で自分が本当に伝えたかったのは、「いい意味でも悪い意味でも、どんな選手にも成績に誤算ってあるよね。だったら、それをそのシーズンの年俸にきちんと反映すべきなんじゃないの?」というこの一点に尽きます。これを前提としてあげさせていただきます。その上で、答えられる範囲でいただいた一つ一つのコメントに対してお答えしたいと思います。

>draoさん
 自分は、別に数字に表れないプレーを否定しているわけではありませんし、そのようなことはブログに一言も書いてはいません。ただ、やはり数字というものは揺るぐことのない、絶対評価だと思います。やはり、査定する上では数字に表れるプレーの方が有利ではないかと思うんです。といっても、守備に関しては自分でも「?」の部分はありますが。

>Albatrossさん
 飼い殺しの問題については、アンチ巨人であるからこそ余計に痛感しています。解決策については、マイナーFAやルール5ドラフトなどのアイデアを過去の記事で紹介させていただいていますので、よろしければ参考になさってください。

>ゆとりさん
 「選手にとってリスキーといわざるを得ない」とありますが、私はむしろMLBの方が当てはまるのではないかと思います。今年は13人の選手がプレーしましたが、本当の意味で成功したと言えるのは一握りでしょう。春の時点でメジャー25人枠に食い込めればよいですが、そうでなければマイナースタートになります。マイナーの待遇は日本の二軍よりも劣悪です(二軍選手がベンツに乗っているというのは、向こうでは考えられません)から、リスクはアメリカの方が大きいのではないかと思います。今年の井川の例もありますし…。

>Hさん
 プロスポーツチームの収入源の柱は、入場料・マーチャンダイジング・放映権料・命名権の4つです。このうち前半の2つは、私たちファンのお金で成り立つものです。したがってファンには、自分たちの財布の中身が具体的にどのように使われているのか、きちんと知る権利があります。
 金銭の流れを知るということは、ある意味会計監査であるともいえます。監査が効いていない企業は、どの分野でも必ずつぶれます。以前の記事で「スポーツビジネスと一般企業は違う」と書きましたが、この点については両者ともに違いはありません。

>パクチソンさん
 減額するといっても、各球団の主力クラスには年俸の減額制限がありますから、実際にはほとんど効果はないと思いますよ。それから、反対されるのであればもう少し具体的な理由もお聞きしたかったです。

>阪神さん
 ええ、おそらくブチ切れるでしょう。しかし、2004年の騒動の時に「自分達は年俸を下げられてもかまわない」と言ったにもかかわらず、現在でもマネーゲーム的な状況があるわけですから、選手会にも十分責任があるのではないでしょうか?

 税金の問題など、今の自分にはずいぶん難しいご意見もありましたので、お答えできなかったコメントについてはまた別の機会にさせていただければと思います。申し訳ありませんが、どうかご容赦ください。

posted by systemr1851 |02:42 | 球界問題 | コメント(1) | トラックバック(0)
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2007年11月10日

現行の年俸システムを改めよ

 昔からファンの間で論議を招いているのが、プロ野球選手の年俸問題です。「高すぎる」という声はよく聞きますが、私は別の観点からこの議論に対し問題意識を持っています。それは、「現行の年俸システムが、必ずしも選手の成績を正しく反映したものになっていない」ということです。

 たとえば、年俸600万円で入団した新人投手が、ちょうど新人時代の上原投手(巨人)のように、いきなり新人王や最多勝を取るような、目覚しい活躍をしたとします。それでも、彼に支払われる年俸は600万円でしかありません。たとえ翌年の大幅年俸アップを勝ち取ったとしても、2年目のジンクスで数字を残せなければ、結局成績に見合った評価はなされないことになります。
 逆のケースでの好例は、今FA市場の中心にいる中日の福留選手です。怪我のため、今季81試合の出場にとどまり、CSにも日本シリーズにも出場できなかった福留選手ですが、彼には推定で3億8500万円の年俸が保証されています。

 この差は、いくらなんでも理不尽ではないでしょうか。福留選手は「選手への評価は年俸だ」ということをしばしば口にします。それ自体には私も賛成です。しかし、その評価がどこから来るのかといえば、第一はやはり数字、すなわちシーズンでの成績でしょう。データに現れない貢献度が重要視されるサッカー等と異なり、野球では成績が露骨にデータに表れるわけですから、期待される数字が残せなければ評価が下がるのは当然のはずです。
 したがって、私は「成績に見合った評価が正当になされる年俸システム」の構築が必要だと考えます。そのためのアイデアが一つあります。現在、出来高契約は野球協約で一応禁止されていますが、それを180度転換し、「基本給中心主義」から「出来高中心主義」へと移行することです。

 たとえば先発投手の勝ち星であれば、勝ち数によってボーナス額に差をつけます。5勝なら500万円、10勝なら+1000万円、15勝なら+1500万円、20勝なら+2000万円という具合です。つまり、基本給5000万円の投手があるシーズンで20勝を挙げた場合、その投手には5000万+5000万=1億円の年俸が支払われることになります。もちろん、それ以外の部門でもタイトルを獲ったり、優秀な数字を残したりすれば、さらに金額は加算されます。ただし、怪我などで1年間まったくプレーができなければ、その選手には基本給の5000万円しか支払われなくなるわけです。
 これ以外にも、投・打・走・守すべての範囲において、当該年度の成績に応じて年俸額が上下動する仕組みを作ります。出来高の額はリーグ全体の収入を元に、選手会との話し合いで決定し、全球団で共通の基準を導入します。さらに全選手の基本給と出来高の額を常に公開すれば、透明性も保たれることになります。もちろん出来高中心主義ですから、基本給は今よりもずっと低く、トップクラスなら最低でも半分程度には抑えなければなりません。この仕組みによって、次のような利点が生まれます。

'・上の理由で、年俸の透明性・公平性が高まる
・数字を残した選手にきちんと報いる仕組みのため、故障持ちの主力に対して余計な投資をしなくて済むようになる
・給与の大半が出来高になるため、選手にも明確な個人目標を持たせやすくなる
・契約更改が今よりもずっと簡易になる(交渉は基本給だけになるため)'
 プロ野球はあくまで結果が求められる世界です。ならば、年俸体系も当然、成績がきちっと反映されるものにするのが当然だと私は考えます。皆さんはどう思いますか?ご意見お待ちしています。

posted by systemr1851 |22:35 | 球界問題 | コメント(15) | トラックバック(1)
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2007年11月09日

野球界に一番足りないもの

 半年という長い期間をかけ、自分は「ビジネスの視点から見た今の日本のスポーツ界に、一番足りないものとはなんだろう?」ということを考え続けてきました。その結果、最近やっとある結論にたどり着きました。それは、「人間がいない」ということ。言い方を少し変えると、「頭数はいるが、人材はいない」ということです。(あれ、もしかしてさらにわかりにくくなった?)
 プロ野球に限らず、今の日本のスポーツ界を動かしている人々を見ると、そこには大きく分けて2つのタイプがあることに気づきます。ひとつは、長く一流選手として戦ってきた現場上がりの人々。もうひとつは、たとえば球団の親会社から出向してくる背広組の人々です。しかし、この2つの類型に属する人々は、本当にスポーツビジネスに適しているといえるでしょうか?

 これはあくまで仮定の話でしかありませんが、たとえばマリナーズと契約が切れる2012年以降、イチロー選手がMLBを引退した後、すぐに日本の球団に運営スタッフとして呼ばれたとしましょう。そこで彼がすぐに成功できるかといったら、私は本人には失礼ながら否だと思います。私はイチロー選手の大ファンですし、彼の選手としての能力がすでに別次元にあることも十分理解しています。それでも、野球を実際にプレーすることと、それをビジネスとして動かしていくこととは、あくまで別の才能です。それゆえ、引退してすぐのイチロー選手をマリナーズがフロントスタッフとして採用するということはまずないであろう、と私は考えます。名選手が必ずしも名将にはなり得ないのとまったく同じ理屈です。
 その意味では、ビジネスの理論を叩き込まれている「背広組」はまだマシかもしれません。しかし問題は、彼らが一般企業におけるビジネスとスポーツビジネスの違いを理解していないことです。

 たとえば世界規模で見た自動車市場であれば、GM(曖昧さ回避のため、ゼネラルモータースと脚注します)とトヨタの関係は同業他社であり、あくまで競合相手でしかありません。悪い言い方をすれば、トヨタにとってのGM(その逆も然りですが)は、市場の制圧という究極の目標を達成するための踏み台でしかないといえると思います。これはかなり大げさな極論ですが、世界中の車を自社がすべてまったく問題なく供給できるのであれば、別に同業者がほかにいなくても自動車ビジネスは成立するはずです。
 ところがプロスポーツビジネスにおいては、他球団がいないとそもそもビジネスが成り立ちません。「如何に白熱した試合をファンに提供するか」ということこそ、このビジネスの焦点であるからです。そのためには、全球団が共存し、共に成長していくという仕組みづくりが欠かせません。プロスポーツビジネスは、「同業他社は蹴落とすもの」という一般企業の論理が通用しない世界。それは2004年の球界再編騒動のとき、近鉄とオリックスの合併が「銀行同士の合併の論理と同じだ」と批判されたことを見てもわかります。このことを理解していなければ、スポーツビジネスの世界で成功することはありえないといっても過言ではないでしょう。

 今まで長々とあげつらってきましたが、私が考える「本当にプロスポーツビジネスに必要な人材」とはすなわち、「スポーツビジネスを知るビジネスのエキスパート」です。たとえるなら「MLBの各球団をつかさどるGM(ゼネラルマネージャー)」です。現場の監督以上にチームのことを熟知していなければ勤まらない、といわれるのがGMですが、日本プロ野球においてはまだまだ少ないのが現状だと思います。これは他団体、他種目においても似たような状況ではないかと思います。
 そのような人材が日本でこれまで育ってこなかった結果、日本のスポーツ界はビジネスとしてその力を出し切れていなくなっています。以前日経で読んだ記事によると、昨年度の日本のスポーツ界全体での収入は約7000億円程度。これに対し、アメリカはなんと6兆円規模にもなるそうです。確かにGDPを見ても、日本とアメリカには1桁の差があります(2007年、アメリカのGDPは1,3943,096(単位100万US$)でトップ。2位日本は4569,031。Wikipedia参照)。しかし日米の人口はおよそ2~3倍の差があるのですから、簡単に比較はできません。人口に2~3倍の差があるとするなら、単純計算で日本のスポーツ界の総収入がアメリカの半分から3分の1、2~3兆円規模なら正常値であるといえます。しかし、その値にもぜんぜん届いていない。

 結局、スポーツビジネスが持つ「底力」を完全に発揮できるような運営をしてこなかったこと、そしてそのような運営をできる人がいなかったことが、今日のような状況を生んだのではないかと思います。これからは、スポーツビジネスで本当の意味での成功を収められる人材が、特に下の世代から台頭してくることが求められていると思います。そしてプロスポーツビジネスの世界を志す私自身も、そのような人間になりたいと思っています。長文失礼しました。

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posted by systemr1851 |23:09 | 球界問題 | コメント(5) | トラックバック(0)
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2007年05月11日

結局茶番に終わった特待問題

 いつもはプロ野球の諸問題を扱う当ブログですが、今日はあえてプロ野球ではなく、高校野球に対して物申してみたいと思います。

 今日の朝刊のスポーツ面を見て、正直唖然としました。内容はほかで散々報道されていると思いますのであえて深くは触れませんが、高野連が特待生やその関係者に対する処分を大幅緩和したというのです。引責辞任させられた元野球部長の先生方も、6月から復帰できるようにするのだとか。当初高野連自身が掲げていた処分は、いったいなんだったのでしょうか?率直なところ、高野連が今回の問題で何をしたかったのか、自分にはまったく理解できません。

 もちろん、西武から裏金を受け取っていた選手が元特待生だったということで、高野連が特待制度の調査に乗り出したという経緯はわからなくもありません。とはいえ、何年間も公然の秘密として放置されていた特待制度の問題を、いまさら蒸し返すことに何の意味があるでしょうか?そもそも、特待制度は完全悪と言えるのでしょうか?高野連はそれを「悪」だとしていますが、彼らがその価値判断の根拠としているのは、61年前に作られた時代錯誤なルールです。

 61年前には、確かに特待生を規制する合理的な根拠があったかもしれません。しかし、今は現役高校生がJリーグの試合に出場できる時代。憲章が制定された時期とは大きく事情が違います。世界規模でヒト・モノ・カネが動き、身近な野球界でも日本人メジャーリーガーが13人を数える今、特待問題と密接につながる越境入学すら規制する憲章が、今の時代に適合しているといえるでしょうか?自分はノーだと思います。

 高校野球は、アマチュアリズムに聖なる価値を認める、日本スポーツの唯一の例外ともいわれます。「野球のために援助を受けるのはアマチュアのすることではない」という発言や、学生野球憲章にはいまだに「職業野球」という表現が見られるなど、プロ蔑視とも思えるような姿勢を貫いています。しかし今は、世界のアマ野球の最後の牙城であったオリンピック野球ですら、プロ解禁を認めています。世界の野球が、アマチュアリズムの「聖なる価値」を認めなくなったということです。WBCで世界一になった野球大国の高野連幹部が、このような事情を知らないとは言わせません。

 結局、時代錯誤な野球憲章の価値観に縛られたことが、今回の茶番劇を生み出したのではないかと自分は思います。高野連では「学生野球憲章に抵触しない特待制度」を検討するそうですが、自分はむしろ「現在のトップが全員辞任し、その上で新しいトップが現代に合致した新しい野球憲章を作る」方がよい解決策であると考えます。もともと、今の高野連は「高校生らしさ」の捉え方などにおいて、一般社会との乖離がかなり目立っているといわれます。それを解決するためには、何より旧態依然とした思考にどっぷりと浸かっている、今の高野連幹部全員の首を一人残らず切ることが必要条件であると思います。これだけの問題を引き起こしておいて「まだ次がある」なんて、俺たちは許しませんよ、高野連の皆さん?

posted by systemr1851 |13:05 | 球界問題 | コメント(15) | トラックバック(2)
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2007年05月10日

特待問題解決には邪魔なプロアマの壁

 最近自宅のパソコンの調子が悪く、なかなか更新の機会に恵まれないsystemr1851です。幸い大学のキャンパスで更新するチャンスを得ましたので、少々遅ればせではありますが、西武球団の裏金問題を発端とした今回の一連の騒動について書いてみたいと思います。

 今回自分が一連の報道を聞いて残念に感じたことは、プロ側とアマ側がばらばらに行動しており、野球界全体でこの問題を解決していこうという姿勢が見られなかったことです。これは、この手の問題に関して非常に大きなことであると自分は考えます。
 そもそも今回の問題は、前述のように西武球団がアマチュア2選手に裏金を渡していたことが発端として起きたわけです。裏金を渡した人物がいるということはすなわち、裏金を受け取った人間もいるということですから、同じ問題に対してプロアマ双方が一体となって動いてしかるべきです。高野連にしても、元特待生がプロ側から裏金を受け取っていたわけですから、共同で問題の調査に当たる責任が同様にあるはずです。

 ところが、高野連も大学側も、さらには社会人を統括する日本野球連盟も、プロと一緒にこの問題の解決に当たろうという姿勢は微塵も見せませんでした。そして肝心のプロ側にも、球界におけるピラミッドの頂点に君臨する存在として、アマチュア側とともにやっていこうという考えはなかった。個人的に「特待制度が合法とされている他競技とのバランスを欠く」「スポーツが得意な息子がいるが貧しいという家庭が、高校野球から離れてしまう可能性がある」という観点から、特待制度の完全撤廃には反対です。しかしそれを云々する以前に、今回の両者の姿勢が残念でなりません。本来、プロとアマというのは一つながりの存在であるはずです。それは今回の問題で、プロアマ双方に強い衝撃が走ったことが証明していると思います。だとすれば、くどいようですが、双方が一堂に会して解決に当たるというのが本筋であるはずではないでしょうか。その上で邪魔なのはやはり、プロアマの壁です。

 もともとプロアマ問題というのは、柳川事件が発端とされています。自分が見る限り、双方においてその後遺症を引きずっているように見受けられます。しかし正直な話「球界全体を揺るがすような問題に直面している今、何をいまさらこだわっているのか」と言わざるを得ません。むしろ今回の問題をきっかけに、プロアマ問題の解決を図っていこう」という姿勢こそ必要ではないでしょうか。せっかく全日本野球会議という立派な組織があるのですから、そこを解決の場として使うべきです。本来は日本代表チームを組織・編成するための場ですが、プロアマ双方が一堂に会する唯一の機関でもあるのですから、今回のような問題解決の場として使うことには何の問題もないと思います。

 プロアマの壁ができてから、ずいぶんと長い時間がたっています。無論、いくら長い時間が経ったとしても、柳川事件という事実が消失するわけではありません。しかし、いがみ合いからは何も生まれないし、むしろ衰退に向かうと自分は思います。今回の問題は、表面的には終結に向かっているように見えますが、根本的には何一つ変わっていないと思います。むしろ、今までずっと放置してきた問題を高野連がいまさら蒸し返したがために、現場の混乱はさらに深まることも予想されます。今回の問題がたとえ時効となったとしても、プロとアマが一緒に手を取り合っていこうという姿勢だけは、自分は絶対になくしてほしくないと思います。

posted by systemr1851 |12:08 | 球界問題 | コメント(1) | トラックバック(0)
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2007年05月02日

球団職員を定期採用にせよ

  昨日までの3日間、個人的な事情で停止していましたが、本日より復活します。予告無しに停止してしまった事を、まずユーザーの皆様にお詫びしたいと思います。

  本日のテーマですが、球団職員の採用方式についてです。現在の12球団では、ほとんどの職員が親会社からの出向で仕事をしているため、球団職員の定期採用は行っていないところがほとんどのようです。しかし、自分はこの定期採用を行うべきと考えます。理由は以下の通りです。

・外部の血を入れることで、出向社員だけでは思いつかなかったようなアイデアを発案・展開できる可能性がある。具体的には、球団の赤字をどう減らすか、といった問題などです。
・「自分がミスをすれば本社でのポストにかかわる」という出向社員とは根本的に違うので、打開策に積極的に取り組めるようになることが期待できる。
・球団職員を希望して入社する人たちというのは、一部の例外をのぞけば「プロ野球が好きだから」という理由で職員を志望しているはず。よって、ファンの視点から見て、何が今の球団に欠けているのかを、ある程度理解していると思われる。

  職員の定期採用が行われるようになれば、こうした相乗効果も期待できるようになると思います。当ブログのような「球界改革系」のブログがこうして注目を集めていただいているのも、自分達のようなごく普通のファンの中にも「今の野球界にこんな意見がある!」という人間が数多くいるからだと思います。プロ野球にとってのファンは最大の顧客なのですから、そのファンの意見をより多く反映できることは、興行主である球団にとっても悪いことではないと思います。赤字を減らすためには、新規ファンの開拓が必要です。その作業を進める上で、ファンの視点というものは不可欠だと思います。今のファンが何を求めているのか、それを知る意味でも、職員の定期採用というものは必要であると自分は思います。ご意見などお待ちしています。

posted by systemr1851 |09:30 | 球界問題 | コメント(8) | トラックバック(0)
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