欧州野球狂の詩(Ver.スポーツナビ)

青はオレンジに続けるか?

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 2/28と3/1の両日、我らが侍ジャパンはヤフオクドームにて台湾プロ野球(CPBL)選抜との強化試合に臨んだ。結果はご存知の通り、1勝1敗。第1戦では投手陣が17安打と打ち込まれ5-8で敗れたが、第2戦では相手の拙守にも助けられて9-1で圧勝。無事「今季初白星」をマークした。現場の方々はもちろんのこと、自分を含めた多くの日本の野球ファンが胸をなでおろしたことと思う。

 もう開幕も間近に迫った第4回WBC。個人的な関心は「日本代表の王座奪還なるか」とは別に、「いわゆるアンダードッグとみなされたチームが、どれだけ競合相手に立ち向かい結果を残せるか」というところにもある。Twitterや過去の記事にも書いたことだけど、圧倒的戦力を有するチームが地力に物を言わせて弱者をねじ伏せるような試合は、予定調和の極みで個人的にはあまり面白さを感じる部分がない。紙の上では絶対的優位にある相手を、如何に知略と団結を以て格下が打ち負かすか。それが国と国とのプライドがぶつかる、国際試合においてより魅力のある楽しみ方だと思う。

 つい10年ほど前までは、欧州勢は紛れもなく弱者の側にいた。風向きが変わり始めたのはごくごく最近のことだ。そのきっかけを作ったという意味で、オランダの功績は大いに称賛されてしかるべきだろう。まだ無名の雑草軍団だった2009年の第2回大会で、豪華メンバーを打線に並べたドミニカ共和国を破って脚光を浴びてから8年。前回大会ではドミニカ、プエルトリコ、日本と並ぶベスト4入りを果たし、今回は内野にアンドレルトン・シモンズ(エンジェルス)、ジョナサン・スコープ(オリオールズ)、イグザンダー・ボガーツ(レッドソックス)といったタレントを揃えている。今や彼らも立派な「強者」側のグループの一員と言っていい。

 今回のWBCにおける注目点の1つとしては、このオランダに続くチームがどこになるのかということが挙げられるだろう。そして欧州球界をずっと見てきた人間の1人として、オランダの最大のライバルであるイタリアがどこまでやれるのかは、やはり見逃すわけにはいかない。オランダとイタリアの野球人たちの間には、これまでともに欧州の野球を引っ張ってきたという自負からくる強烈なライバル意識がある。WBCの舞台ではオランダに先を越された感のあるイタリアが、黙ってその立ち位置に甘んじるわけはないだろう。

 もっとも、イタリア代表を待ち受けるのは茨の道だ。1次リーグD組で同組となる相手は、メキシコ・ベネズエラ・プエルトリコといずれも強豪ばかり。特にベネズエラは、MLB三冠王経験者であるミゲル・カブレラ(タイガース)以下大会屈指のタレントを揃えているだけでなく、政情不安に揺れる母国を背負いモチベーションも非常に高いという。圧倒的実力を有するチームが本気で戦えばどうなるかは、既に前回大会でドミニカ共和国が実証済。過去2大会で白星を挙げ、相性のいいカナダも今回は別組だ。いまさら言うまでもなく、イタリアにとって楽な戦いとなるはずはないだろう。

 加えて今回のイタリア代表からは、アンソニー・リッゾ(カブス)やジェイク・オドリッツィ(レイズ)ら、主力として計算されていた多くのイタリア系アメリカ人大リーガーが外れている。いずれも所属元から供出を拒否されたのが理由なのだそうだ。「イタリア代表にアメリカ人が入るとはけしからん」とする向きもあるかもしれないが、大会規定上代表資格を持ち実績も十分となれば、当然戦力として計算に入れない理由はない。その当てが外れたというのは、マルコ・マジェッリ監督以下首脳陣にとっては頭の痛い問題であるはずだ。

 そうした困難な戦いに挑むのは、IBLでプレーするイタリア人選手(帰化選手を含む)とMLBおよびMiLB所属のイタリア系アメリカ人選手、そしてイタリアでもアメリカでもない第三国でプレーする選手の混成軍団だ。野手陣の注目は一塁を守るであろう大砲クリス・コラベッロ(インディアンス傘下AAA級コロンバス)と、昨季大ブレークしたセバスティアーノ・ポーマ(T&Aサンマリノ)の両名だろうか。コラベッロは前回大会で18打数5安打、2本塁打、7打点という好成績をマーク。今回も主砲として、自慢の長打力でチームを引っ張ることになるだろう。

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