2011年02月03日
国際大会におけるフォークの重要性
A「俺さぁ、今度からフォーク投げようと思うんだ」 B「何言ってんだお前、やめとけよ。怪我すんじゃねぇか」 A「肘の話?そんなこと最初からわかってるっての」 B「バカ、刺さったら相手が痛いだろ。せめてスプーンにしとけ!!」 こんなジョークが面白いかどうかはさておき、フォークボールはここ数年、アメリカでは衰退しつつある。手首を固定し、ボールを人差し指と中指の間から抜くように投げる投法が、故障のリスクを高めるということが、MLBではすでに周知の事実として明らかになっているからだ。より腕にかかる負担の少ないサークルチェンジで代替可能ということもあって、MLBの現役選手では黒田博樹(ドジャース)やダン・ヘイレン(エンゼルス)、ティム・ハドソン(ブレーブス)など、ごく一部の投手が使うにとどまっている(なお、アメリカでは日本で言うフォークとSFFの区別はなく、すべて「スプリッター」という名称でひとくくりにされる)。 「絶滅危惧種」とまで言われるナックルほどではないにせよ、数ある変化球の中でも衰退傾向にあるフォーク(スプリッター)だが、実はそのことが、逆にアドバンテージをもたらしている国がある。本格派投手の決め球の1つとして、依然としてフォークがポピュラーな地位にある日本だ。先発投手では田中将大や岩隈久志の楽天勢、リリーフ投手では馬原孝浩(ソフトバンク)や豊田清(広島)など、フォークを決め球に使う日本人投手は、いまだ数多く存在する。俺は普段、変化球について考察することはほとんどないけど、実はこのフォークボールこそが、国際大会で日本が勝つうえでは有効になるボールではないだろうか? 野茂英雄がメジャーデビューした1995年、彼は速球と2種類のフォークボールしかもっていなかった。通常4~5球種程度を投げる先発投手としては、かなり稀なタイプだ。にもかかわらず、彼はデビュー1年目から13勝6敗、防御率2.54、236奪三振(リーグ1位)という、完璧な成績を残した。メジャーの打者に実力がなかったわけじゃない。当時からすでに投げる人間の少なかった野茂のフォークに、見慣れている打者がほとんどいなかったからだ。 事実、野茂がメジャーで防御率2点台を達成したのはこの年だけで、翌年からは防御率もWHIPも急速に悪化。2年後の1997年には、奪三振数は233とそれほど変わらないものの、防御率が2.54から4.25、WHIPが1.06から1.37と、ともに大きく跳ね上がっている。もちろん、それでも長きにわたって先発投手としてメジャーで活躍したわけだから、野茂の才能自体を疑うわけでは決してないんだけど。 ただ、シーズン162試合もあるメジャーの公式戦と、せいぜい9試合(2009年WBCでの日本代表の試合数)で決着がついてしまう国際大会とでは、同じボールに対する対応でも決定的に事情が変わってくる。そもそも、他国の投手に関するデータが少ないうえ、優勝するためには1試合も落とせない国際大会では、レギュラーシーズンのように「数試合を犠牲にしてでも、相手の投球を見極める」なんてことができるだけの余裕はない。自分が普段公式戦でプレーをしている中で、それぞれの球種に対してつかんでいる感覚を頼りにするしかないんだ。しかし、MLBにおいてスプリッター系のボールを使う投手が、極めて少ないことは既に述べた通り。つまり、フォークボールがあるだけで(もちろん制球力があることが大前提だが)、日本の投手は大きなアドバンテージを持っていると言えるんじゃないだろうか。 フォークを持っていることのアドバンテージについては、実はヨーロッパ方面のチームに対しても同じことが言える。ヨーロッパの野球というのは、基本的にはアメリカから伝わったスタイルだ。そのため、投手に対する指導でも、当然アメリカ式のやり方が取り入れられる。つまりヨーロッパにおいても、フォークボールはあまりメジャーな球種ではないと思われるんだ。すなわち、フォークへの対応に関しては、アメリカもヨーロッパも大して違いはない。まして、北中米のチームと比べると打力では劣る傾向がある(現状、唯一北中米勢などと対等に戦えるのはオランダくらいだが、彼らは投高打低のチームカラーだ)ヨーロッパ勢なので、日本にとってはある意味より「料理しやすい」相手だともいえる。 なので2013年WBCでは、ぜひフォークを決め球に使う投手を揃えてほしいと思う。もちろん、三塁に走者を背負った時には投げづらいなど、リスクのある球種ではあるが、それでもこのアドバンテージを考えると、使わないのはもったいないとすら思う。幸い、日本には若手にもフォークの使い手が多い。2年後の大会でも、彼らは十分に暴れてくれるだろうと思っている。 以上、2chのID:MIRpvQkPさんからのリクエスト記事でした。リクエストありがとうございます、あとこちらの都合で、ずいぶん形にするまでを先延ばしにしちゃってごめんなさい。変化球について考察記事を書くのは初めてだったので、正直突っ込みどころも少なくないかと思います。突っ込みどころがある方はどんどんコメントお寄せください。お待ちしてます。
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posted by SYSTEM-R |15:03 |
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