2007年11月11日

2004年のあの事件を、球界「再編」騒動と呼んではいけない

 大阪近鉄球団が消滅してから、3年の月日が経ちました。今年は近鉄と入れ替わって参入した東北楽天が4位に入る躍進を見せたこともあり、徐々に球界全体が現在の体制になじんできたような感じもします。しかし、私は一方で一つ疑問を感じていることがあります。それは2004年のあの事件を、本当に「球界再編騒動」と呼んでしまっていいの?」と言うことです。

 確かに、2004年以前と今ではプロ野球の姿は様変わりしています。セ・パ両リーグの球団がぶつかる交流戦は、2004年までは机上の空論でしかなかったものです。しかし、それだけで「再編」と呼ぶのが本当にふさわしいのでしょうか?近鉄が消滅し、代わりに楽天が入ったということは、結果的に球団数は変わっていない。東西の地区制を導入したり、リーグの仕組自体が変わったのかといえばそうでもない。だとすれば、それは再編などというものではなく、単なる「帳尻あわせ」でしかないのではないでしょうか。
 それに2004年の騒動を経ても、球界の根幹的な構造はまるで変わっていません。各球団の赤字体質はチャラになりましたか?毎年のようにマネーゲームを繰り返すFAは見直されたんですか?球団の財政に過大な負担をかけるような年俸体系は改善されたんですか?コミッショナー事務局は、読売巨人軍の傀儡政権でなくなりましたか?答えは全部NOでしょう。それらの問題を放置しておいて、「プロ野球の再編は終わった」などという見方をするのは、私には納得がいきません。

 3年前の事物に私がこれだけこだわるのには、理由があります。それはこれから先、いずれ第二の近鉄が出てくることを懸念しているからです。
 前述のように、プロ野球はほとんどが赤字体質です。しかし昨日の記事で書いたとおり、各球団は主力選手に対し、たとえ相手が怪我などでまったく働かなくても、莫大な年俸を払い続けなければなりません。一言で言えば、どの球団も相当な無理をしているわけです。年間300万人をコンスタントに動員できる、あのソフトバンクですら赤字なのです。これでは、「うちも近鉄さんみたいに頑張ってきたけど、これ以上は無理です」という球団がいずれ出てきてもおかしくない。
 しかし、球団がつぶれるということは球界の歴史に一生残る汚点です。球団で働くすべての人々の生活も、熱心に応援してきたファンの生きがいも破壊してしまうからです。そしてNPBはもうそれを少なくとも一度経験している。同じ轍を踏むわけにはいかないのです。

 それを避けるためには、もう一度前にあげた問題をはじめとする諸問題に真剣に向き合い、解決していくほかに道はありません。対症療法で解決するような課題ではないのです。それらの課題をすべて解決して初めて、「球界の再編は終わった」と言うべきではないでしょうか。だから、私は2004年のあの騒動は「球界再編騒動」ではなく、「球界再編”未遂”騒動」と呼ぶべきだと考えているのです。

posted by systemr1851 |10:50 | 球界問題 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2004年のあの事件を、球界「再編」騒動と呼んではいけない

基本的におっしゃる通りだと思いますが再編、改革の実現は望み薄でしょうね。

球団上層部は現状維持を望むばかり。ファンの方向を見ておらず、球界の為ではなく自球団の利益第一。

選手は近鉄騒動の際に球団経営を年俸が圧迫している事実を突きつけられ、年俸圧縮に同意した筈なのに、依然として一般人の感覚からかけ離れた億単位の年俸に不満を表明している体たらく。
「夢を売る職業、年俸も夢の一つ。」「選手寿命が短い以上、引退後の生活に必要。」選手側の弁明理由ですが、それ以前に球団が崩壊するだろ…

コミッショナーは騒動の際に「理解できない。辞める。」と公言していたのに、現在も地位に居座り続ける厚顔さ。

これで改革、再編が進むと考える方が無理があるでしょう…
私個人としては、豊田泰光氏がおっしゃる様に、一度現在のプロ野球は潰れればいいと思っています。現在の球界が矯正不可な程土台から歪んでいる以上、ゼロからもう一度構成する方が希望は持てるんじゃないでしょうか?

posted by to-y | 2007-11-11 13:07

2004年のあの事件を、球界「再編」騒動と呼んではいけない

でもその理想を突き詰めて行くと四国ILになってしまうと言うか、
四国IL程度のスケールで慎ましやかに運営しないと実現出来ないと思っています
(四国ILが黒字の健全経営かどうかは良く知りません)
人気が凋落しているとはいえNPBのような国民的エンターテイメントでは
各球団は皆黒字の健全経営で選手の年俸は球団経営を圧迫しない程度に抑制されている、
というのは無理な話だと思っています
(あのチームにだけは負けたく無い、何としてもあの選手を獲得しろ、みたいな)
夢を売る商売ですから、単純な収支では語れない要素が多分にあると思いますがどうでしょ??

posted by 坊川 | 2007-11-11 13:11

2004年のあの事件を、球界「再編」騒動と呼んではいけない

誰かが「プロ野球の再編は終わった」なんて言ってるのを聞いたことはありませんが、ナベツネあたりがそんなこと言ったんですかね?
2004年のアレを再編と呼ぶのは名前だけのことで、まだまだ問題が山積していることはたぶんほとんどの人が分かっていると思いますよ。

posted by aaa | 2007-11-11 14:58

2004年のあの事件を、球界「再編」騒動と呼んではいけない

黒字経営に必ずしも拘る必要は無いと私も考えますが…私が理解できないのは、スケールに比して収支のバランスが取れていないこと、言い換えるならMLB、セリエA等世界をマーケットにしている興行は様々な形で収入を得ることが出来、結果的に年俸を比較的多く用意できるが、NPBはそのマーケットの規模にマッチしていない出費をしているということです。
(前記2リーグが黒字であるかは良く知りませんが、松坂、イチロー、松井秀喜の様に海外からの収入を見込めるという意味において世界をマーケットにしている意味はあるかと。
私個人としては四国ILの様に規模が縮小するのであればそれも仕方ないと考えています。興行の規模というのはマーケットの巨大さに比例するものですし、本当に大衆に求められ、価値のあるものを観客、ファンに提供できるのであれば規模は拡大していくのではないでしょうか?)
Jリーグという発足当初こそ年俸が天井知らずだったものの、横浜Fの失敗を教訓に収支を考慮した経営に変化していった先例をNPB、選手はどう見てるんでしょうか。

現に近鉄騒動の際に選手会は1チーム減少することにより、働き口が減り、失業が増えるみたいなことを言っていた様に記憶しています。
確かにプロ、個人事業主ですから金を稼ぐことに最大の意味があり、年俸イコール自分の評価だということは理解できます。
しかし、その稼ぐ場であるNPBそのものが崩壊したら本末転倒だと思いますし、「夢を売る。」と公言するのであればもう少しやりようはあるのではないでしょうか?

私の個人的な考え方ですが、一般の民間企業とは異なり、全てのプロスポーツというのは市場原理に忠実に従っていては成り立たないものだと思います。「自他共栄」と「利益追求」という二律背反を抱えつつ経営していくものであり、それは経営サイドのみならず、プレイする現場の選手も理解し、エゴを抑制し改善していく必要があると思うのですが…


長文、駄文失礼しました。

posted by to-y | 2007-11-11 16:47

2004年のあの事件を、球界「再編」騒動と呼んではいけない

球団単体で赤字だから収支のバランスが取れていないという理論は改めた方がいいと思います。

なぜなら球団のもたらす利益をグループ内の別会社に移転して球団自体を赤字にし、それを広告費という形で補填すればグループ全体にとって節税になるのです。また、「うちは赤字なんだから」と言えば、選手の年俸を抑えることができます。

もちろんイメージが悪くなるというデメリットもありますが、それ以上に上記のようなメリットが多いと判断する球団もあるのです。

中日なんかがいい例です。ナゴヤドーム使用料に年間40億円も支払っていますが、このナゴヤドームはそもそも中日グループの子会社であり、グループ内で金の出し入れをしているに過ぎないのです。大リーグではこのような「会計操作」は当たり前に行われています。

もちろん近鉄のような球団が出てくる可能性はありますが、以上のような側面があるというのも覚えておいて欲しいです。

posted by TGL | 2007-11-12 12:04

2004年のあの事件を、球界「再編」騒動と呼んではいけない

球界再編は終わったと明言された方がいらっしゃ
るかどうかはわかりませんが、自分は「2004年の
球団削減問題は、NPBの球界改革に本腰を入れざ
るを得ない時代となったきっかけにすぎない」と
いう認識であり、まだ改革は道半ばであると
思っています。

管理人さんのおっしゃる通り、
改革の本丸までにはまだ至っていませんが、
2004年の件で1つだけオーナーも含めた球界側の
共通認識が確認されたと理解しています。
それは重要な「ステークホルダー」の1人である
ファンを無視した動きはもはやできなくなったと
いうことです。

特にパ・リーグ球団の危機感は相当あったと思わ
れます。彼らがより地域密着経営を行うように
なったこと、そして、個別の経営努力はもちろん
リーグ全体での収益確保も検討し始めたこと
(6球団共同での動画配信会社設立もこの一環だ
と思われます)は、この2004年の件とは
無関係ではないでしょう。

また、球団削減問題は、NPBだけに起こった問題
ではありません。MLBでも2002年に、また、NBAで
も1982or3年頃に球団削減の動きがありました。
前者は選手会の猛烈な反対にあい、また後者は
コミッショナーのデビット・スターンの強力な
リーダーシップにより回避できました。

ここで重要なことは、歴史から学ぶことです。
特にMLBの歴史を「反面教師」として学ぶことは
非常に重要です。なぜならば、MLBとNPBは歴史的
に見て共通する部分が多いからです。
① 長い歴史をファンと共有していること
(それにあぐらをかいてきたという過去も共通
しています。)
② リーグ誕生の歴史的経緯から既得権がチーム
に分散しており、戦力均衡を達成しにくい収益
構造を有していること
③ そして、ストライキをきっかけに待ったなし
の改革が迫られたこと(MLBは1994年、NPBは
2004年)

また、歴史から学ぶことを重要視している理由
は、過去にMLBに起こってきたことは、NPBでも
起こっているまたは起こる可能性が高いと考えて
いるからです。

FAや保留制度、ドラフト等ができた経緯も含め、
その歴史を学ぶことは、非常に重要なことである
と思っています。

歴史的考察なしに、小手先だけの対処療法では、
もはや真の改革は実現できませんし、2004年の
教訓を全く活かしてないことになります。

posted by Baseball all of my life | 2007-11-17 00:15

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