2010年09月05日

【欧州選手権予選】スウェーデン、ハンガリーに快勝

欧州選手権2012の予選が3日、各地で行われ、スウェーデン代表は本拠地ストックホルムでハンガリー代表と対戦。ベルンブロームが2得点を挙げる活躍をみせ2-0で快勝した。

昨年のW杯予選敗退後にハムレーン監督が就任してから初の公式戦となったこのハンガリー戦。指揮官は、たとえばこれまでのスウェーデン代表の代名詞でもあった4-4-2ではなく4-2-3-1を主に採用することを明言し、攻撃サッカーを標榜。周囲に対して「これまでのスウェーデンとは違う」と思わせてきた。

この日の対戦相手ハンガリーは、スウェーデンにとってはもはやおなじみ。両国はこれまで、2004年欧州選手権、2006年W杯、2010年W杯の予選で同組になり、過去6度の対戦ではスウェーデンが5勝1分けで圧倒している。

スターティングイレブンは先月のスコットランドとの親善試合とまったく変わらず。注目のセントラルMFにはスベンソンとベルンブロームが選ばれ、シェルストレームは再びベンチスタートとなった。

試合後のイブラヒモビッチコメントによると、選手たちは試合前、スウェーデンのハウスミュージシャンであるセバスティアン・イングロッソの曲を流してテンションを上げ、試合に臨んだ。

試合は序盤、かなりのハイテンポで展開。ボールを支配しているのはスウェーデン。ハムレーン監督が就任してから見られるようになった、最終ラインもしくは中盤からの縦パスが積極的に供給される。4分、イブラヒモビッチがゴール前に走りこんだベルンブロームにラストパスを出すが、惜しくも合わず。
その3分後、最初のチャンスを迎える。左サイドでサファリからのスローインを受けたイブラヒモビッチがゴール前にクロスを供給。これにエルマンデルが頭で合わせるが、シュートは相手GKにキャッチされた。

試合前のスタメン紹介ではイブラヒモビッチの1トップだったが、実際には彼は中盤まで下がってくることが多く、そしてトイボネンや両サイドハーフの2人、それにベルンブロームにパスを送ることによってチャンスメイクに徹しているように見受けられた。

18分、そのイブラヒモビッチのお膳立てによってスウェーデンはこの試合最初の決定機を迎える。ゴール中央で後ろ向きの状態でパスを受けたこの28歳は、すかさず身体を180度回転させてゴール前に走りこんだトイボネンに絶妙のラストパスを供給。ボールを受けたトイボネンは迷わずシュートを放つが、惜しくも相手GKに阻まれた。

だがその5分後、カウンターから逆にピンチを招き、左サイドからクロスを放られる。これに相手選手がフリーの状態で頭で合わせるが、幸いにもシュートを枠を外れた。試合の主導権を握っているスウェーデンだったが、時折見られるハンガリーの鋭いカウンターによってヒヤリとさせられる場面が何度か見られた。     

33分、スウェーデンにアクシデントが発生。スベンソンが相手選手との接触で負傷し交代を余儀なくされることになった。スベンソンの代わりにピッチの入ったのはシェルストレーム。2試合続けてスタメン落ちという屈辱を味わったこの27歳に対し、スタンドからは大きな拍手が送られた。

スウェーデンはシェルストレームが入ったことによってスウェーデンのパス回しが良くなり、徐々に攻撃の形がつくられるようになる。そして37分、2度目のビッグチャンスが訪れる。中央でボールをキープしたシェルストレームがバイラミに縦パスを送る。バイラミはこれをダイレクトでゴール前に走りこんだイブラヒモビッチへ。イブラヒモビッチがフリーの状態でシュートを撃とうとするが、うまくミートすることができず、観客の溜息をさそった。

スウェーデンはさらにチャンスを迎える。43分、右サイドのエルマンデルがグラウンダーの鋭いクロスを送り、これにイブラヒモビッチが反応。だがイブラヒモビッチはオフサイドラインを気にしたのか、飛び出しがわずかに遅れたためボールに合わせることができなかった。
2度の決定機を生かせなかったことは悔やまれるが、それでもスウェーデンは良いかたちで前半を終了することができた。


だがハーフタイム中、GKイサクソンに代わってビランドが投入されるという情報が入る。イサクソンは、試合中にマイストロビッチと接触した際にそけい部を痛めたとのこと。ビランドにとって、この試合が自身初の公式戦となった。


前半のうちに2人の選手交代を余儀なくされたスウェーデンだが、後半開始直後、またしても予期せぬ事態によりメンバーチェンジをさせられることに。エルマンデルが空中戦で相手選手と競り合った際、脳震盪を起こしたのだ。この28歳はプレー続行をアピールしたが、チームドクターはこれをストップ。エルマンデルに代わってセバスティアン・ラーションが投入されることに。こうしてスウェーデンは、3枚の交代カードすべてを怪我というアクシデントによって使い切る羽目になってしまった。

だがそんな嫌な空気を吹き飛ばしたのが、ラーション、そしてベルンブロームだった。51分、右サイドでボールを受けたラーションはそのままドリブルで駆け上がりゴール前に鋭いボールを入れる。そしてこれに反応したのがベルンブローム。オランダのAZでプレーする24歳は相手選手と競り合いながら頭で合わせ、ハンガリーのゴールネットを揺らした。

これで勢いづいたスウェーデンは、その後もサファリとバイラミの左サイドを中心に相手陣内に攻め込む。途中、ハンガリーにボールを支配される時間もあったが、彼らの攻めに前半ほどの怖さはなく、メルベリを中心とした守備陣は落ち着いて対処した。

そして73分、待ちに待った追加点が生まれる。シェルストレームからのコーナーキックに合わせたのは、またもベルンブローム。元アイルランド代表ロイ・キーンに憧れている彼はセントラルMFを本職としているが、IFKヨーテボリ所属時代にはFWを務めたことも。その経験がこの日の2得点につながったのかもしれない。

スウェーデンはその後も相手にそれほどチャンスを作らせることなく、優勢に進めたまま試合はタイムアップを迎える。2大会ぶりのビッグトーナメント出場に向けて幸先の良いスタートを切った。


ハムレーン監督は試合後、「初戦で勝つことができて本当に素晴らしい気分だ。我々は観客の前で納得のいく試合ができたと思う」と満足げに話した。

また、少し下がり目の位置でボールを受けては味方に好パスを供給し続けたイブラヒモビッチは、先月のスコットランド戦と同様にフリーロールとしてプレー。「たくさんボールを受けることができた。(10番の位置でプレーすることを)楽しめた。他の選手とうまくコンビネーションを築くことができたよ」とコメント。この日2得点を挙げたベルンブロームについては、「ポントゥスには大きな祝福を送りたい。彼は素晴らしい仕事をした。今日のマン・オブ・ザ・マッチだ」と賞賛した。

イブラヒモビッチの言うとおり、この日の勝利の立役者はベルンブロームだろう。チーム全得点をたたき出しただけでなく、「本職」でも本領を発揮。試合前の代表キャンプでスライディングタックルが禁止されたことについて「攻撃性をセーブすることが出来る」と不適なコメントを残したが、試合では幾度か相手に対して鋭いスライディングタックルを浴びせて未然にピンチを防ぐなど、持ち前のアグレッシブさを披露。「クラッシャー」としての役割を十二分に果たした。

そのベルンブローム、ひとつ気になったのがゴールパフォーマンスだ。彼は得点後、両手でハートを作って喜びを表していたが、これはニーナ夫人に対して向けたパフォーマンスのようだ。2人は今年6月19日、スウェーデンのビクトリア王女がダニエル・ベストリン氏と挙式を挙げた同じ日に結婚した。

なお、この日負傷交代した3選手だが、エルマンデルは大事に至ることなく、7日のサンマリノ戦に出場できる見込みとのこと。スベンソンの怪我もそれほど重傷ではないが、3日後の試合でプレーできるかどうかは現時点ではわからないようだ。そしてイサクソンだが、そけい部の具合が思わしくチームを離れることになった。こうした事態を受けてハムレーン監督は、GKダニエル・オールンド(ローゼンボリBK/ノルウェー)、MFアルビン・エクダル(ボローニャFC/イタリア)の2選手を招集。現在30歳のオールンドは今年1月の中東遠征で初代表入りし、オマーン戦でプレー。21歳のエクダルは、スウェーデン対ハンガリー戦の前に行なわれたU-21欧州選手権予選のイスラエル戦で主将として出場。今季からボローニャに加入し先週のセリエA開幕戦(対インテル)では先発出場するなど、将来を嘱望されている選手のひとりだ。

なお、タブロイド紙『Aftonbladet』が実施しているWEBアンケート「ハンガリー戦におけるスウェーデンの出来を採点してください」では、5段階評価で3.7が付けられている(9月4日現在、投票数1万5553)

スウェーデンは7日、本拠地マルメでサンマリノと対戦する。


スウェーデン代表2-0ハンガリー代表
51分 ベルンブローム(1-0)
73分 ベルンブローム(2-0)

スウェーデン代表
イサクソン(46分 ビランド):ルスティグ、メルベリ、マイストロビッチ、サファリ:アンデシュ・スベンソン(33分 シェルストレーム)、ベルンブローム、エルマンデル(49分 セバスティアン・ラーション)、トイボネン、バイラミ:イブラヒモビッチ

posted by swe1707 |05:55 | スウェーデン | コメント(2) | トラックバック(0)
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