2010年03月04日

デンマーク、オーストリアに敗れる

国際親善試合が3日、各地で行われ、デンマーク代表は敵地ウィーンでオーストリア代表と対戦。セットプレーから失点を喫し、1対2で敗戦。今年最初のA代表戦を勝利で飾ることはできなかった。

1月にタイで開催されたキングスカップに出場したデンマークも位置付けはA代表だが、国内リーグでプレーするメンバーを中心に構成されたチーム。よって今回のオーストリア戦こそ、本当の意味でのA代表としての今年最初のゲームといえる。そして、南アフリカW杯登録メンバー発表前の最後の試合となった。

DFダニエル・アッガー、MFクリスチャン・ポウルセン、FWヨン・ダール・トマソンら主力を怪我で欠いた状態でウィーンに乗り込んできたデンマーク。アッガーの代役にはイタリアのACFフィオレンティーナでプレーするペア・クロルドルップが入り、シモン・ケアとともにセンターバックのコンビを組むことに。右サイドバックには、中盤を本職とするミカエル・シルバーバウアーが起用された。そして注目の左サイドバックに入ったのはレオン・イェッセン。メディアの多くは、ロシアのFCゼニト・サンクトペテルブルグでプレーするミカエル・ルンが先発出場すると予想していたが、モアテン・オルセン監督はFCミドユラン所属の23歳を選んだ。

中盤はダニエル・イェンセン、ユーティリティ性が魅力のウィリアム・クビスト、そして所属クラブのVfLボルフスブルグでは出場機会に恵まれないトーマス・カーレンベアの3人で構成。前線には、怪我から復帰したばかりのエース、ニクラス・ベントナーが真ん中に、右にデニス・ロンメダール、そして左には、これまでA代表にはほとんど縁のないミカエル・クローン・デリが入った。

序盤、デンマークの動きが鈍い。試合に入っていないのは明らかで、「本当にこれがW杯メンバー入りをかけた最後の試合なのか」と思うほどのひどい有り様だった。すると案の定、フリーキックからフランツ・シーマに頭で決められ、早々と先制点を許してしまう。マークについていたのはクロルドルップだが、あまりに無抵抗だった。

だが、これでようやく目が覚めたデンマークは徐々に巻き返しを図る。失点のきっかけをつくってしまったクロルドルップがクローン・デリからのフリーキックを頭で狙い、オーストリアゴールをおびやかす。すると17分、クローン・デリからのコーナーキックにベントナーが頭で合わせ、試合を振り出しに戻した。

これで勢いに乗りたいデンマークだったが、またもやセットプレーから失点。37分、今度はコーナーキックからロマン・バルナーにゴールを割られ、勝ち越しゴールを許す。この失点は、イェンセンのマークが甘すぎたことが原因だった。

後半に入ると、オルセン監督は期待の18歳クリスチャン・エリクセンら5選手を投入し同点ゴールを狙うが、最後までオーストリアゴールを割ることができずタイムアップ。今年最初のゲームは黒星となった。

試合前から大きな注目を集めていたエリクセンは、初めてのA代表戦としては及第点のプレーを披露。ライコ・レキッチに合わせた左からのクロスは、彼の可能性を大いに感じさせた。ちなみに彼の18歳22日でのデビューは、デンマークA代表史上4番目の年少記録である。

しかしながら、この日のデンマークで最も輝いていたのはこのエリクセンでもなければ、得点を決めたベントナーでもない。クローン・デリだ。ブロンビーIF所属の26歳は、精力的な動きでチームの攻撃を活性化させた。2008年11月以来のA代表戦となった彼だが、南アフリカ行きの切符をかけたサバイバル戦に名乗りを上げたといっていいだろう。

だが新戦力の台頭という嬉しいニュースの一方で、チームの弱点が露呈されたといえる。
「大きな意味をもつ試合ではない」という試合後のベントナーのコメント通り、今回は「たかが親善試合」である。勝敗に一喜一憂する必要などないだろう。だが、2つの失点がいずれもセットプレーから生まれたという事実を無視してしまっていいのか。答えは「否」だ。失点のきっかけをつくったイェンセンは、「我々は普段、セットプレーに強い。だから今回の2失点は、『我々はセットプレーに対して無敵ではない』という意味の”警告”だった」とコメントしているが、この「我々はセットプレーに強い」という言葉には、攻撃時はともかく、守備時においては残念ながら同意できない。2002年日韓W杯、決勝トーナメント1回戦の対イングランド戦、立ち上がりにコーナーキックのピンチを迎えたデンマークは、ソーレンセンのキャッチミスから失点。出鼻を完全にくじかれ、0対3で敗退した。続く2年後の欧州選手権ポルトガル大会では、準々決勝の対チェコ戦、後半立ち上がりの相手のコーナーキックでマルティン・ラウルセンがヤン・コレルのマークを外すという失態を演じてしまい、失点。その後立て続けにゴールを許し、0対3で敗れた。さらに昨年のW杯予選、本拠地でのポルトガル戦では試合終了間際にゴールを許し1対1の引き分けに終わったが、失点はやはりコーナーキックから生まれた(余談だが、この試合でデンマークが勝っていれば、プレーオフに進出できたのはポルトガルではなくスウェーデンだった!)。

「たかが親善試合」だが、「されど親善試合」である。今回の試合で改めてデンマークの課題が浮き彫りになったといえるだろう。当の本人たちがウィークポイントをしっかり自覚し、本大会まで修正してくれることを願う。

オーストリア代表2-1デンマーク代表
12分 シーマー(1-0)
17分 ベントナー(1-1)
37分 バルナー(2-1)

デンマーク
ソーレンセン:シルバーバウアー(76分 ニーマン)、ケア、クロルドルップ、イェッセン(46分 ルン):クビスト、ダニエル・イェンセン(57分 エリクセン)、カーレンベア:クローン・デリ、ベントナー(60分 レキッチ)、ロンメダール(46分 リークス)

タブロイド紙『Ekstra Bladet』による選手・監督採点(0から6点。0が最低、6が最高)

ソーレンセン 3
シルバーバウア 2
(76分 ニーマン 採点なし)
ケア 4
クロルドルップ2
イェッセン 3
(46分 ルン 2)
クビスト 3
イェンセン 0
(57分 エリクセン 3)
カーレンベア 2
ベントナー 4
(60分 レキッチ 2)
クローン・デリ 4
ロンメダール 1
(46分 リークス 1)

オルセン監督 4

posted by swe1707 |23:13 | デンマーク | コメント(4) | トラックバック(0)
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