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ユングベリ、自らのキャリアについて語る

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元スウェーデン代表MFフレドリク・ユングベリが現役引退を決断したというニュースは母国スウェーデンのみならず、日本を含む国外でも大きく報じられた。スウェーデン史上最高の選手として数えらている稀代のアタッカーはどのような思いでスパイクを脱ぐことを決めたのか。また引退後のキャリアについてはどのように考えているのだろうか。同国の夕刊紙『Aftonbladet』のインタビューで語っている。


2011年12月24日。天皇杯準々決勝・セレッソ大阪戦。清水エスパルスの一員として背番号21をつけて先発出場したユングベリだが、そけい部を痛めてしまい前半19分でピッチをあとにした。試合はPK戦の末エスパルスの敗退。彼にとって、これが現役生活における最後の公式戦となってしまった。

今年2月に清水を退団したユングベリは欧州に戻ってイングランドでプレーする心構えでいた。具体的にはイングランド・プレミアリーグの3クラブ、それに米国や中国、オーストラリアのチームからオファーがあったが、書面上のトラブルが原因で契約には至らず、約半年間無所属の状態が続いた。サッカーがしたくてもできない状況に置かれると、自らの頭の中にある文字がよぎってきた。「引退」だ。

「ここ半年間で引退という決断が出てきた。10日前(インタビューが行なわれたのは25日)、代理人たちに『finito』と言ったんだ。彼らはあと1週間考え直してほしかったようけど、私は十分に考えたよ。サッカーというスポーツが好きだ。だけど、モチベーションが最高の状態ではないんだ。引退という決断は正しいと思っているよ」

ユングベリがサッカーを始めたのは5歳のとき。一家がスウェーデン南部のビットショーからハルムスタッドに引っ越したときだった。この転居がきっかけで同国名門のハルムスタッドBK(現在は同国2部リーグに所属)に入団。イングランドでプレミアリーグとFAカップの2冠を達成し、W杯とEUROにも出場するなど輝かしいキャリアを残したユングベリだが、少年時代の夢は所属チームで結果を出すことだったという。

「ハルムスタッドのトップチームでプレーすることが夢だった。ヤン・ヨンソン(かつて神戸や広島でプレー。現ローゼンボリBK/ノルウェーの監督)やマッツ・イングブラッドらは偉大なアイドルだったんだ」

先述したように、アーセナルの一員としてクラブの黄金期を築き、スウェーデン代表としてはW杯とEUROにそれぞれ2回、3回出場したユングベリ。プレーの面では豊富な運動量、爆発的なスピード、機を得た2列目からの飛び出しなどが主な特長として挙げられるが、一方で怪我に泣かされた選手というイメージが強い。怪我の影響は今日まで続いているようだ。

「体のあちこちにボルトが入っているんだ。でん部における問題は解決したけど、片方の足に関しては下に傾けることができない。だから、うつぶせで寝るときは、その足をベッドの外に出さなければならないんだ。足の疲労骨折のためのレントゲンを撮るときがあったんだけど、医師がこう言ったんだ。『知ってるか?この足にはもう靭帯が残っていないんだ』とね。こういうことに悩まされているのさ。だけどそれでも、自分は運がいいよ」

サッカー選手としてのキャリアを終えたユングベリは今、将来についてはどう考えているのだろうか。実はすでに、新たなことにチャレンジしているようだ。現在はスウェーデンの首都ストックホルムに拠点を移し、とある不動産会社に携わっているという。

「私のパートナーはこの業界に20年携わっている。彼は私と一緒に仕事をするのをプラスと捉えているよ。彼の背中についていって、出来る限りたくさんのことを学ぶつもりだ」

ユングベリといえば、ファッションブランドのカルバン・クラインでモデルを担当するなどファッションのイメージが強い。ファッション業界に関わるつもりはなかったのだろうか。

「衣類に関して少しばかりオファーを受けたんだ。ファッションのことはいつだって大好きだけど、これから話し合いを進めなければならないことがあるんだ」

ユングベリがカルバン・クラインのモデルを担当したのは2003年のこと。オファーを受けた当初は関心がなかったそうだが、3ヶ月にわたって説得され、最終的にこの仕事を引き受けることになった。

「カルバン・クラインの仕事を得たことによって、ファッション業界における素晴らしい人たちと出会うことができた。この仕事を4年続けたのも、そういう理由からだね」
(ちなみに、このインタビュー中に着用している下着は何かと聞かれたユングベリは「何だと思う?カルバン・クラインだよ。いつだってそうだよ」と答えている)

私生活はどうか。たとえば家庭を築きたいとは考えていないのだろうか。

「サッカーを引退した今、これまで以上にそういうことに時間を割くことができるよね。親しい人や恋人と一緒にいる時間、だね。馬鹿みたいだけど、これまでのクリスマスイブでは、他の人はウイスキーを口にしていたのに、私は水を飲んでいたんだ。引退した今では、上等のグロッグ(スウェーデンの伝統的なクリスマスの飲み物)を飲もうかな。ハハハ」
(なお、「いま恋人はいるのか?」という記者の質問に対しては「ノーコメント」と答えている)

5歳のときにサッカーを始め、16歳でプロになったユングベリ。約30年にわたるサッカー選手としてのキャリアを終えたユングベリにとって、どのような選手として人々の記憶に残っていたいのだろうか。

「常に謙虚であり続け、いつだってチームのためにすべてを捧げた選手として人々のなかに存在してほしい」

2012年8月25日 Aftonbladetより



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ユングベリ、自らのキャリアについて語る

Fahrenheit様

コメントありがとうございます。

6月の時点で引退の可能性を示唆していたので驚きませんでしたが、それでもやはり残念です。私は等々力で行われた川崎対清水で彼のプレーを見ることができたのですが、日本でプレーする彼の姿をもっと見たかったです。

現在の代表チームと2000年代前半当時のチームを比較した場合、これまでは「現チーム=攻撃的、2000年代チーム=守備的」と単純に括っていたのですが、最近になって、昔のほうが組織立っていたのかなと考え直すようになりました。現チームも、ハムレーン監督就任当時は攻守に連動したサッカーができていたように思うのですが、月日が経つにつれて個の力まかせのサッカーになってきているような気がします。

スウェーデンを応援するブログでこういうことを書くのはあまり良くないのでしょうが、正直いってストレートインはあきらめています。2位でプレーオフに回って本大会に出場できれば大成功だと。94年W杯で3位になったチーム、2002年W杯で死のグループ1位通過したチームに思い入れがあるので、主要大会で失敗するたびに「スウェーデンはもっとやれるはずだ」と思っていましたが、まあこんなものかなと。今夏のEUROも、グループリーグ敗退は至極当然の結果として受け止めています。

自らのキャリアについて語る

ユングベリは本当に残念ですね。清水にいる時に一度は見に行こうと思っていたんですけど。ただ彼の足の状態も凄まじいですよね。確かスールシャーも手術してないところがないくらいだったんですよね。2002年はユングベリ、アンデス、トビアス、ニックで形成される黄金の中盤が一際輝いていて、当時の代表はどんなチームとでも互角以上の戦いができる印象的なチームでしたね。でも同時に、鉄壁の守備に定評があったんですが中盤もしっかり守備のブロックを作っていて、決して最終ラインにのみに頼ることはしませんでした。彼等が守備を怠ることなく、そして入れ替わり立ち替わりに、攻撃参加して、常に厚みを持たせていました。今の中盤はテクニックでこそ負けてはいないですが攻守両面に連動性と有機的なハードワークができてません。攻めて相手に跳ね返された時に中盤からの効果的なヘルプがなくて、DFラインがバタバタしたり、逆に、前線のイブラに一旦預けては見たものの、彼を効果的に追い越したりセカンドボールに鋭く反応して、攻撃に厚みを持たせる動きは大きく見劣りしてます。この点はセバスチャンくらいでしょ。及第点と言えるのは。要するに活力がないんですよ。この中盤の連動性を解決できないと、ドイツの高速カウンターの格好の餌食になるだけです。

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東京都葛飾区生まれ、埼玉県草加市出身。 94年の米国W杯でスウェーデン代表を観て、スウェーデンという国に関心を持ち始める。 大学卒業後は就職するも、憧れのスウェーデンで生活してみたいという思いを捨てきれずに退職。2006年8月、中堅都市ヨンショーピンの国民高等学校に留学してスウェーデン語を学ぶ。 帰国後は企業でネットワーク運用・保守に携わる傍ら、スカンジナビア諸国のサッカー情報を日々チェックしている。『ワールドサッカーダイジェスト』『スポーツナビ』『サッカー批評』『フットボールサミット』で執筆経験あり。
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