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3度目のスウェーデン遠征に挑むモンゴルの少年クラブチーム

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スウェーデンでは、毎年夏になるといくつかの国際ジュニア大会が開催される。

そのなかでも最も有名なのが『ゴティア・カップ』だ。この大会は世界最高の青少年クラブサッカー大会で、毎年7月中旬に第二の都市ヨーテボリで開催される。1975年に始まって以来、今日まで世界約70カ国から10代の少年少女が参加(日本は昨年まで未参加だったが、今年は東京ヴェルディが日本勢として初めて参加する予定)。エマヌエル・アデバヨール(トーゴ)、アンドレア・ピルロ(イタリア)、ジュリオ・バティスタ(ブラジル)、キム・シェルストレム(スウェーデン)といった選手もこの大会でプレーした経験をもつ。

また、北部のピーテオーで開催される『ピーテオー・サマー・ゲーム』もゴティア・カップに次ぐ大きな国際大会として知られている。同大会は毎年6月下旬に行われ、6-15歳の少年少女が世界各国から集結してしのぎを削る。

今年、上記2大会を含む4つのトーナメントに出場するため、アジアからやってきたチームがある。その名はFCデレン墨田。チーム名から判断すると日本のクラブと思われるかもしれないが、実はモンゴルのクラブチームだ。チームの会長を務めるのは、フットジャーナリストの森本高史氏。同氏が東京都墨田区出身であることがクラブ名の由来だ。

実は、デレン墨田にとってスウェーデンに遠征するのは今年で3度目。クラブはまずピーテオー・サマーゲーム(6月29日から7月1日まで開催)に参加し、一昨年と昨年の成績(ともにベスト32)を上回るベスト8という好成績を残す。続いて、中部の都市オステルスンドで開かれた「ストールショークーペン(7月2日から7日まで開催)」では、こちらも2010年のグループリーグ敗退、2011年のベスト32を超えてベスト16に進出した。

そんな成長著しいデレン墨田が、ストールショークーペンの開催地であるオステルスンドの地元紙『Östersunds-Posten』に紹介されている。以下にその内容をまとめた。


スウェーデン遠征に参加している選手は1998年生まれ以降の選手で構成。当然ながら、スウェーデンに来られなかった少年も存在する。

「クラブには約100人の選手がいます。残念ですが、選手全員がスウェーデン遠征に帯同できるわけではありません。モンゴルに残ることを余儀なくされて悲しんでいる選手はたくさんいます。一方で、スウェーデンに来られた選手はチャンスを得たことに喜びを感じています」と森本会長は話す。

サッカーの世界において、モンゴルは小国のひとつに過ぎない(最新のFIFAランキングは184位)。森本会長は、モンゴルではサッカーに対する関心は低いと話す。

「モンゴルではサッカーは馴染みのないスポーツ。だから関心も低いのです」

そんなモンゴルの現状を憂いながら、W杯やEURO(欧州選手権)といった国際大会で実績のあるスウェーデンという国を羨ましく思うこともあるようだ。

「スウェーデンにはズラタン・イブラヒモビッチがいますし、ほかにもレベルの高い選手がたくさんいます。一方、モンゴルにはそれほどいません。もっとも成功している選手はガリドマグナイ・バヤスガランですが、彼がプレーしているのは中国リーグなのです」

デレン墨田は、モンゴルのジュニア世代では最高の部類に位置する。だからこそ、チームはスウェーデンにやってきた。より強い相手を求めて。

「スウェーデンでは優れたジュニア大会がたくさん開かれています。対戦相手はモンゴルのチームと比べてかなりタフです」

スウェーデンをサッカー強国として認める森本会長だが、デレン墨田に所属する少年たちは前途有望だと自信に満ち溢れている。

「われわれが指導している少年たちは才能に満ち溢れています。身長は低いですが、その一方でテクニックがあって俊敏です。戦術面では改善の余地がありますが」

デレン墨田の監督を務めるのは、セルビア出身のボジスラフ・ブラルシッチ氏。1980年生まれの情熱的な若き指揮官を、森本会長は以下のように評している。

「彼のことを騒々しくて怒りっぽいと解釈するのは簡単ですが、彼はただ選手たちに学んでほしいのです。彼の指導者としての知識と力量は、クラブと少年たちにとても多くのことをもたらしています」

先述したように、デレン墨田にとってのスウェーデン遠征は今年で3度目。森本会長は、来年もこの北欧の小国に戻ってきたい考える。そして何と、クラブの選手たちは将来的にスウェーデンのクラブでプレーすることを望んでいるようだ。

「できれば来年もスウェーデンに遠征したいです。選手たちはここでとても充実しており、スウェーデンのクラブでプレーできればいいなと考えているほどです。将来的には、アルスベンスカン(スウェーデン1部)の選手の半数がモンゴル人で構成されるかもしれませんよ(笑)」

2012年7月5日 Östersunds-Postenより


デレン墨田の今後の日程(クラブ公式ブログより抜粋)

③ダレカルリアカップ(Dalecarlia Cup)
7月8日から13日
スウェーデン中部の町ボルランゲ(Borlange)で行われる国際大会。デレン墨田は過去2大会グループリーグ敗退。今年はなんしてでも勝たなければならない。

デレン墨田・過去の成績
2010年:グループリーグ敗退
2011年:グループリーグ敗退

大会公式サイト

④ゴチアカップ(Gothia Cup)
7月15日から21日まで
スウェーデン第2の都市ヨテボリで行われる国際大会。世界75カ国、約1500チームが参加し、THE WORLD YOUTH CUPと呼ばれる。イタリア代表アンドレア・ピルロ(ユベントス)、トーゴ代表エマニュエル・アアデバヨル(トッテナム)、イングランドの往年の名ストライカー、アラン・シアラーなどワールドクラスのスーパースターが若かりし日に参戦。世界各国のユース育成、強化への貢献度は非常に高く、FIFA(国際サッカー連盟)より表彰された。

今年は、日本勢初となる東京ヴェルディがU-16の部に参加。デレン墨田はU-14なので、対戦はならず。デレン墨田の現在地を図る上でも、来年こそ日本勢と対戦したい。


デレン墨田・グループリーグ
7月16日(月)22時
VS  Happy Valley Football Club(香港の名門クラブ、トップチームはアジアの舞台の常連)

7月17日(火)17時30分
VS Kullavagens BK(スウェーデン)

7月18日(水)17時
VS Orgryte IF(スウェーデンのプロクラブの育成組織)

4チーム中、上位1チームもしくは2チームが決勝トーナメント進出

デレン墨田・過去の成績
2010年:グループリーグ敗退
2011年:グループリーグ敗退

大会公式サイト



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94年の米国W杯でスウェーデン代表を観て、スウェーデンのサッカーに興味を持ち始める。 『ワールドサッカーダイジェスト』『スポーツナビ』『サッカー批評』『フットボールサミット』などに寄稿。
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