2010年08月13日

スウェーデン、イブラヒモビッチのゴールなどでスコットランドに快勝

スウェーデン代表は11日、本拠地でスコットランド代表と親善試合を行い、代表復帰したイブラヒモビッチのゴールなどで3対0で快勝。欧州選手権予選へ向けて弾みをつけた。

9月から始まる2012年欧州選手権予選前の最後のテストマッチとなるスコットランド戦。昨年のW杯予選敗退後に就任したハムレーン監督がどのようなチームに仕上げてきたのか、そして昨年のW杯予選以来の代表復帰となるイブラヒモビッチがどのようなプレーを見せるか、この2点に注目が集まっていた。

ハムレーン監督は、周囲の予想通り4-2-3-1を採用。GKは不動のイサクソンが構え、最終ラインはセンターにお馴染みのメルベリとマイストロビッチがコンビを組み、スタメンに定着しつつあるサファリが左、右には所属クラブのローゼンボリBK(ノルウェー)でチームの中心となりつつあるルスティグが入った。
中盤に目を向けると、アンデシュ・スベンソンとベルンブロームがセンターに配置され、突破力が持ち味のバイラミが左、FWを主戦場とするエルマンデルが右を担当。そして「10番」、いわゆるトップ下の位置には先週のオランダリーグ開幕戦で2得点を叩き出したトイボネンが入り、1トップのイブラヒモビッチとコンビを組むことになった。フランスのリヨンでプレーするシェルストロームが先発を外れたことは、メディアとファンに驚きを与えた。

一方のスコットランドは、レギュラーの半数以上が欠場。ベストメンバーとは程遠い選手選考でストックホルムに乗り込んできた。


スウェーデンは序盤から積極的に仕掛け、いきなりゴールネットを揺らすことに成功する。4分、右サイドでメルベリ、エルマンデル、ルスティグとダイレクトでパスを交換し、ルスティグからのパスに右サイドを駆け上がったベルンブロームが反応。ベルンブロームはこれをグラウンダーで中央へ折り返すと、そこに待っていたのはイブラヒモビッチ。キャプテンマークをつけたこの28歳はこれを右足で合わせ、復帰戦でいきなりゴールを記録した。

イブラヒモビッチはその後も躍動。試合前の会見で、「フリーロールとしてプレーしたい」と話していた通り、中盤に下がってゲームを組み立てたり、サイドに開いてチャンスメークをしたりするなど攻撃をリード。13分にはサファリからのパスに対して「テコンドー・ヒールキック」を披露し観客を沸かせ、トイボネンのミドルシュートを演出した。

だがイブラヒモビッチに負けじと他の選手たちもアピール。とりわけ右サイドバックのルスティグが積極果敢なオーバーラップによって幾度か好機を演出。19分にはメルベリからの縦パスを受けそのまま右サイドを突破し、トイボネンの決定機をつくった。

そして39分、「エルフスボリ・ホットライン」によってスウェーデンに追加点が生まれる。中央でボールを受けたスベンソンが左サイドを抜け出したバイラミに絶妙なラストパスを供給。エルフスボリ所属時代にスベンソンとともにチームを引っ張ってきたトゥエンテ所属の22歳は、胸トラップから左足を一閃。シュートは相手GKによって阻まれるが、そのこぼれ球を今度は効き足ではない右足で狙い、代表初ゴールをマークした。

後半に入っても、スウェーデンはこれまでの代表チームでは見られなかったダイレクトパスとフリーランニングを織り交ぜた攻撃で相手を圧倒。スコットランドに押し込まれる時間帯もあり幾度がピンチを迎えるものの、イサクソンのファインセーブなどで相手の攻撃をしのぐと、決定的な3点目を決める。56分、後半あたまから投入されたシェルストロームが左サイドから折り返すと、これにトイボネンが頭で反応しスコットランドゴールを破り、試合を決めた。


昨年11月に就任したハムレーン監督は、たとえばこれまでのスウェーデン代表の代名詞でもあった4-4-2ではなく4-2-3-1を主に採用することを明言し、攻撃サッカーを標榜。周囲に対して「これまでのスウェーデンとは違う」と思わせてきた。それはこの日の試合に明確に表れており、たとえば流れるようなダイレクトパスから生まれた1点目は、相手が格下スコットランドの2軍であることを差し引いても、かつての代表チームではなかなかお目にかかれないような鮮やかなゴールであった。また、これまでのチームでよくみられた、最終ラインからのアバウトなロングボールが激減し、きれいに攻撃を組み立てようとする意識が見られたことも、おそらくハムレーン監督による影響だろう。ハムレーン監督の方向性が正しいかどうかは、就任してまだ1年が経過していない現時点では判断するのは難しい。ただ、ワクワクさせるような期待感をファンに抱かせていることは確かだと思う。

選手個人に目を向けると、イブラヒモビッチが以前のような苦虫を噛み潰したような表情ではなく、生き生きとプレーしていたことはチームにとって大きなプラスだろう。前半途中、イサクソンが相手選手と競り合った際に顔面にキックを受けた際には、自ら相手選手と審判に詰め寄るなど、キャプテンらしい一面もみせた。

そして、昨年のU-21欧州選手権に出場した若きメンバーが試合を重ねるごとに存在感を発揮していることも、世代交代が急務といわれ続けてきたチームにとっては好材料。この日先発したトイボネン、バイラミ、そしてルスティグとベルンブロームの4選手が該当するわけだが、イブラヒモビッチも彼ら「新世代」のプレーぶりに感銘を受けているようで、試合前日には「興味深い選手たち」とコメントし、試合後には「彼らは自らの力を示し、目立とうとしている」と称賛した。

こうして振り返ると良いことばかりのように見られるが、スタメンを外されたシェルストロームが試合後のインタビューを拒否したことが一部メディアで波紋を呼んでいる。メディアチーフを務めるハンス・フルトマン氏はこれについて「あのようなことはすべきでない。質問を受けるべきだ」とシェルストロームを批判しており、しばらく尾を引くかもしれない。


タブロイド紙『Aftonbladet』が試合後に実施したWEBアンケート「スウェーデンは2012年欧州選手権に出場できると思いますか?』では、「はい」と答えた人が全体の85%にのぼっている。

スウェーデン代表3-0スコットランド代表
4分 イブラヒモビッチ(1-0)
39分 バイラミ(2-0)
56分 トイボネン(3-0)

スウェーデン代表
イサクソン:ルスティグ(46分 セバスティアン・ラーション)、メルベリ、マイストロビッチ、サファリ:アンデシュ・スベンソン(73分 ベント)、ベルンブローム(46分 シェルストローム)、エルマンデル(78分 ベリ)、トイボネン、バイラミ(64分 ビルヘルムソン):イブラヒモビッチ(59分 ヒセーン)

posted by swe1707 |00:02 | スウェーデン | コメント(4) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL: (表示は許可制となっています)
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/swe1707/tb_ping/516
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
スウェーデン、イブラヒモビッチのゴールなどでスコットランドに快勝

コメント投稿者ID : NID00003974

エルマンデルを右のサイドハーフに置くとは、興味深い布陣です。
2008年ユーロでも、負傷したヴィルヘルムソンの代役で右のサイドハーフはありましたけどね。
4-2-3-1は上手く機能していたと思います。3の中心にいたトイボネンのユーティリティには
驚きました。今後、代表の攻撃のキーマンは、トイボネンになると思います。

キムは、ふてくされることにはないのにと思っています。
キムの実力は周知のことですし、
セバスチャン・ラーションもスタメンから外れていますし。

ハムレン監督の、実験的な姿勢は好きですね。

posted by サッカースウェーデン代表ファン2級 | 2010-08-13 20:52

スウェーデン、イブラヒモビッチのゴールなどでスコットランドに快勝

コメント投稿者ID : OOH00002760

やはりハムレーンさんの攻撃的スペクタクルサッカーを展開する上でズラの存在は大きいですね。これは彼の能力はもちろんそうですが、それ以上に大事なことはメンタリティだとおもうんですよ。”大国相手に殴られっぱなしで、負けて当たり前でいかに傷口を広げないか”といった負け犬根性にはまることがないためにもズラが代表チームに自信をとりもどしてほしいと思います。このままズラが引退したらそれこそ隣のノルウェーのように、いつも予選は2,3位くらいでプレーオフだらだら負ける”負け癖”が染み付いてしまいそうですから。
 こういう変化を求められてる時代にズラの強烈な個性は大きな意味身をもつと思います。考えてみればラーション、ユングベリ、ニック、チッペ、アンデシュ、メルベリなど、それぞれはすばらしいタレントだと思いますが、チームそのものが攻撃的だろうが、守備的だろうがそれが”強い”時代であればまちがいなくそれを構成する要因として十分だと思うんですよ。でも、チームが中途半端で自信がなく気迫や勢いを持っていないときにそのチームで大きな変化を与える個性ではないと思います。それがもっとも期待できるのがズラでしょう。リーダーシップといえるほど簡単ではないのだと思います、ただキャプテンマークをすればいいという問題ではないです。特に今は野心的な若い世代が伸びています。バイラミやウェアンブローム、ルスティグだけでなくその下の世代にも眠れる才能が次の出番を待ちわびてうずうずしています。実際わたしのもとにスウェーデンの才能ある若手の情報が次から次へと入ってきてるのはただのテクノロジーの進歩だけではないと思うんですよ。(最近ではへーレンフェーンのハウゲルン)ついでに言えばノルウェーもまたワールドカップでブラジルブッ飛ばすくらいのサプライズを見せてくれそうなチームに早く戻ってほしいです。ここにノルウェー人選手でズラみたいな人いないでしょうかね。

posted by Fahrenheit | 2010-08-14 09:38

スウェーデン、イブラヒモビッチのゴールなどでスコットランドに快勝

コメント投稿者ID : swe1707

サッカースウェーデン代表ファン2級様

コメントありがとうございます。

エルマンデルはユーロ2008のスペイン戦でも右サイドでプレーしていましたね。それと、フェイエノールト時代でもサイドを担当することがあったと記憶しています。
通常、サイドバックやサイドハーフにはそれほど大柄ではない選手が配置されますから、彼のような大柄な選手がサイドを担当すれば、サイドで攻撃の起点をつくることも可能ですし、面白いですね。ただ個人的には、ラスムス・エルムに早く戻ってきてほしいのですが。

私も、トイボネンがキーマンになりそうな気がします。これまでは味方を活かすのが最大の特長でしたが、最近では得点力も発揮しており、頼もしいです。

キムは確か、2006年のユーロ予選(スペイン戦)でもスタメンを外されて周囲に不満を口にしていたような。不満が態度に出やすいのかもしれません。

posted by swe1707 | 2010-08-21 03:00

スウェーデン、イブラヒモビッチのゴールなどでスコットランドに快勝

コメント投稿者ID : swe1707

Fahrenheit様

コメントありがとうございます。

確かに、イブラが復帰したことによってスウェーデンは強者のメンタリティを取り戻せそうですね。ワールドクラスの選手ですから、他の選手が加わるのとはわけが違います。チームメイト(特に若手)にとって彼の存在は頼もしい限りでしょう。

ハーグルンドはクラブで試合に出ているようですね。一方、ビクトル・エルムがセンターバックやらサイドバックを「やらされている」のが気になりますが・・・・・・。

ノルウェーのイブラですか。正直思い浮かばないです。長身で足元が巧いという共通点であれば、ブランのヒューセクレップは楽しみな選手です。この前のフランス戦で2点決めてチームの勝利に貢献しましたが、特に大きなストライドで相手DFを振り切って決めた2点目は本当に見事でした。

posted by swe1707 | 2010-08-21 03:08

コメントする

「他サービスID/メールアドレス」で投稿する場合は、そのID/メールアドレスは表示されず、当サービス専用の固定のコメント投稿者ID「英数+連番」に変換され表示します。

※コメント投稿手順
(1)上記リストから希望のIDを選択する。
  例: Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
(2)Yahoo! JAPAN上の本人確認画面でIDとパスワードを入力する。
(3)スポーツナビ+blog側のコメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。

詳しくは以下2ページをご覧下さい
【仕様変更】PCからのコメント投稿について
ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」

※コメント投稿手順
(1)上記リストからログイン/メールアドレスのどちらかを選択する。
  例: ログインしてコメント投稿
(2)plus-blogのアカウントとパスワード/メールアドレスを入力する。
(3)コメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。

詳しくは以下2ページをご覧下さい
【仕様変更】PCからのコメント投稿について
ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」