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スウェーデン・サッカーアワードが2年連続で男女平等をめぐる議論に

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 10日にストックホルムで開かれたスウェーデン・サッカーアワード(Fotbollsgalan)のプログラム内容や開催日が女子選手に対するリスペクトを欠いていたとして、批判が上がっている。

 今年のアワードは若くして他界したクラス・インゲソン氏とポントゥス・セーゲシュトロム氏の追悼があり、8年連続9度目の最優秀選手賞を獲得したズラタン・イブラヒモビッチが会見で2人について語った際に涙ぐむ場面が見られるなど、例年以上に感傷的なセレモニーとなった。

 その一方で、アワードのプログラム内容等が女子選手に対して不平等だったとして物議を醸し出している。なかでも、渦中の人となってしまったのがスウェーデン女子代表MFテレーセ・ショーグラン(37)だ。

 ショーグランといえば、昨年のアワードでも男女平等の論争に巻き込まれた選手だ。スウェーデンサッカー協会は当時、男子代表歴代最多キャップを更新したMFアンデシュ・スベンソンの功績をたたえる意味でボルボ製の自家用車を贈呈した。だがその一方で、スベンソン以上のキャップ数を持っていたショーグランには何も贈らなかったことに対して「不平等だ」「女性差別だ」と多方面から非難の声が噴出。イブラヒモビッチが「男子サッカーと女子サッカーは比較できない」「女子選手には車ではなく俺のサイン入り自転車をくれてやる」などと発言するなど、物議を醸し出した。そのショーグランが、はからずも2年連続でゴタゴタの犠牲となってしまった。

 ショーグランは先月行われたドイツ代表との親善試合で代表通算200試合出場という記録を達成。FCローセンゴードに所属するこのベテランの偉業をたたえるためにアワードでは同選手を祝福するためのビデオが上映される予定だったのだが、プログラム進行の都合でキャンセルされたのだ。アワードの進行を担当したテレビ局『TV4』は「後に控えていたGuldbollen(男子最優秀選手賞)の受賞に影響を及ぼさないためにも、プログラムのどこかで時間を節約する必要があった」と説明しているが、女子サッカー関係者から不満の声があがっている。

 1996年から2005年までスウェーデン女子代表の監督を務めたマリカ・ドマンスキ・リフォシュ氏は「『TV4』は間違いを犯した。(他界した)セーゲシュトロムとインゲソンを追悼することに対して理解はしているが、ショーグランの代表200試合出場をたたえる場も設けるべきだった」とコメント。現代表監督のピーア・スンドハーゲ氏は「アワードではひとつミスがあった。ショーグランの代表200試合出場を祝福しなかったことだ。プログラムの最後に彼女の名前が読み上げられただけ。ひどいことだ」と話している。

 男子代表選手からも批判が上がっている。MFキム・シェルストレムは「カットできるプログラムは他にあったのではないか。われわれ選手がアワードの場にいることはいつだって重要だ。だけど、たたえられるべき選手のことは忘れ去られてしまうんだ」と語った。

 前年のアワードと違い、今年は開催日についても批判が上がっている。

 今季のダムアルスベンスカン(女子1部)覇者のローセンゴードとリンショーピンFCは現在、女子チャンピオンズリーグ(UWCL)のベスト16を戦っている最中。両チームは8日に第1戦を終えて13日に第2戦を控えているのだが、ラウンドの真っ只中にアワードを開くことは女子チームに対する配慮が足りないと指摘が上がっている。実際、リンショーピンの面々はアワードを欠席。同じくベスト16の第2戦を控えているロッタ・シェリン(オリンピック・リヨン)それにカロリーネ・セーゲルとコソバレ・アスラニ(ともにパリSG)もUWCLに向けてコンディションを整えるために参加を見送った。

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東京都葛飾区生まれ、埼玉県草加市出身。 94年の米国W杯でスウェーデン代表を観て、スウェーデンという国に関心を持ち始める。 大学卒業後は就職するも、憧れのスウェーデンで生活してみたいという思いを捨てきれずに退職。2006年8月、中堅都市ヨンショーピンの国民高等学校に留学してスウェーデン語を学ぶ。 帰国後は企業でネットワーク運用・保守に携わる傍ら、スカンジナビア諸国のサッカー情報を日々チェックしている。『ワールドサッカーダイジェスト』『スポーツナビ』『サッカー批評』『フットボールサミット』で執筆経験あり。
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