2009年07月31日
【2009インターハイ】正智深谷 “we are 正智”
男子3回戦 北陸(福井) 92(25-27 25-20 12-21 30-15)83 正智深谷(埼玉)「あのグリーンのユニフォームのチームはどこ?」 正智深谷は、インターハイは2年連続3回目の出場、ウインターカップは昨年が初出場という“新顔”のチームだ。そんなチームが、第3シードの北陸を相手に互角のゲームをしてみせた。 1Qは真っ向勝負を挑んで先行。2Qに1度は逆転を許すも、3Qにチームカラーである爆発力を発揮する。7点ビハインドから怒涛の9連続得点で一気に抜き去ると、57-68とあっという間に2桁差をつけた。 正智が食うか――。そう思わせる力が、今年のチームにはあった。
もちろん、北陸も黙ってはおらず、連続得点を返して4Q開始2分で68-68と振り出しに戻した。どちらも1歩も引かず、同点のまま残り5分にさしかかる。この時間帯になっても均衡を保っていること自体が、チャレンジャーのチームにとってはすごいことだった。 「本当にこの試合を狙ってきたんです。やはり伝統校をやっつけてこそ、選手たちの評価になると思ったので」(正智深谷・成田靖コーチ) しかし、ここで北陸が地力を発揮した。互いにディフェンスにルーズボールにと走り回ってきたにもかかわらず、この最も苦しい時間帯にバックコートプレスを繰り出す。正智深谷は大黒柱である#4西村直久(3年)をしてもさすがにミスが出てしまい、北陸はこれを見逃さず得点。72-72から79-72とされてしまう。 「あの場面でひるみましたよね、うちが。格上のチームを倒すには無理をしないと倒せない。なのに、ひるんだ部分、守りに入って丁寧になりすぎてしまった部分がありました。挑むべきでした」(成田コーチ) 正智深谷はこの5点前後のビハインドをどうしても詰めることができず、残り時間が少なくなっていく。残り1分台、2・3回目のタイムアウトを相次いでとって最後の攻防にかけた。 3年生の「キモチ」 「気持ち!気持ち!気持ち大事!」 もう、いつ力尽きてもおかしくなかったこのタイムアウト時に、応援スタンドからこんな声援が飛んだ。「どのパターンのコールをするかはその時の流れで決めています。成田先生も“苦しいときは応援が重要”と言っていましたし、皆もそう思っているのでチーム一丸となって盛り上げることを心掛けていました」とスタンドのメンバーをまとめる東裕一郎(3年/写真最前列左から3人目)は言う。 このコールの後押しもあり、この後の正智深谷の1プレー1プレーはほぼ気持ちだけでつながっていた。ボールにくらいついてファールゲームへ持ち込み、リバウンドに飛んでシュートへ。落ちればまたファールに走り、飛び、走り、走り…。だが、肝心のシュートが決まらず、タイムアップのブザーが鳴った。 「悔しくないって言ったら…ウソになると思うんですけど、今年は出ているメンバーに3年生が多くて、その3年間一緒に頑張ってきた仲間が全員頑張ってくれたので、僕はそれが嬉しいです。見ていてあぁ頑張ってるなって本当に伝わってきたし、悔しかったんですけど、やったな、やりきったなという感じもしています」(東) 今年はチーム全体としても、3年生の人数が例年より多かった。だが、インターハイ出場校と言えども、そのほとんどはこの夏をもって高校バスケットからは引退するという。 「全員でやるのはこれが最後だから、夏合宿での苦しい練習だったり、皆でやってきたことを色々思い出しながら精一杯応援していました。3年生がいるチームって、やっぱり強いと思うんですよ。その分まとまりがあったし、試合は負けましたが気持ちは日本一だったと思います」(東) 「プレーが乗らないと応援も乗らない」と東が言えば、「応援がないとチームも盛り上がらないし、シュートも入らない」とエースの#5橋本明昇。ナイスゲームを演じることができたのは、3年生の“キモチ”の力が大きかった。 ♪愛してるぜ We are 正智 気持ち込めて歌うのさ 我らが正智深谷 ラララ ラララララ ♪さぁ行こうぜどこまでも 走り出せ走り出せ 輝く俺たちの誇り 正智深谷 オーオーオー “ナイスゲーム”の先に 大きな達成感がある一方、「でも、勝たないと意味がなかったです」とは成田コーチ。「周りの方はこれでも評価してくれるかもしれませんが、選手たちは絶対やれる力を持っているんです」と悔しさもにじませる。その、持っている力を表現できなった要因であり、今後の課題となる部分を、成田コーチは「徹底力」と表現した。 「このチームには勢いとか爆発力といったものはすごくあると思うんが、運びきる力、攻めきる力、守りきる力はまだなかったと思います。また全国の舞台に忘れ物をしてしまったから、冬、必ず帰ってきます」 また、というのは、昨年のインターハイ1回戦で大接戦を演じた末、1点リードでマイボールだったにもかかわらずターンオーバーから決勝点を許し、逆転負けを喫した試合を指している。だが、その時とは忘れ物のレベルは違っている。だからこそ、もう1度このチームで戻ってきたい。 #5橋本の3Pシュートやセンターの#7小野寺翔のリバウンドシュートが決まる度にベンチで笑顔を見せた進藤宗一郎マネージャー(3年)は言う。「今日は最高のゲーム。見ていて、言葉では言い表せない気持ちになりました。ここまで連れて来てもらったから、今度はもう1度、全国で上に行けるよう支えてあげたいです」 次へ。先へ。彼らの目の前には、まだまだ道が続いている。もとはプレーヤーだった進藤や、エントリーに入れなかった東が複雑な感情を乗り越えて心から応援し、前を向けるチームに、今年の正智深谷はなった。全国での自己紹介も済んだ。あとは、より上の舞台で結果を残すだけだ。 「30点差で負けたんだったら次はない。終わりだよ。でも、やり合いの中でやられたんだろう?やられっぱなしじゃなかっただろう?俺はここで“よくやったな”とは言いたくない。もう1回、チャレンジしよう」(成田コーチ)
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posted by summership |23:59 |
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