ベイスターズを二軍中心に見守るブログ

前途ある若者の芽を摘む醜い大人たち

このエントリーをはてなブックマークに追加


 今日はベイスターズとの契約を今季限りで打ち切りとされる、いわゆる戦力外通告を宣告された選手の発表がありました。中村ノリ選手のようなビッグネームから、ファーム公式戦に数試合出た程度の無名選手まで、総勢12名の選手の名前があがりました。  それぞれの選手については後日改めて丁寧に書くこととして、今日の戦力外通告の発表を受けて、まずもって腸が煮えくり返るような激しい憤りを感じましたので、その思いをぶちまけたいと思います。

 さて、本日発表された12名のうちで高卒3年目の選手が4名も含まれている事にお気づきの方も多いと思います。この4名はいずれも支配下ドラフトで指名され、うち2名は3年間を支配下選手として過ごし、あとの2名が2年目と3年目を育成選手に契約を切り替えられて選手生活を過ごしてまいりました。  4名の選手としての足跡は三者三様でしたが、いずれの選手もすぐに1軍で活躍することを望まれての入団というよりも、まずは体力作りであるとかフォーム固めであるとか、プロとしての土台作りを時間をかけてこなしながら、ゆくゆくは1軍の舞台で活躍して欲しいという願いを込めてのドラフト指名だったと思います。
 しかし、この年はチームにとって親会社がDeNAと変わる大規模な改編期にあたった事で、ドラフト指名の際の首脳陣やフロントとの間の意思の継承みたいなものがスムーズさを欠いた印象が否めませんでした。
 そのせいか、まだ入団して1年しか経っていない選手が手続きも不充分な中でドタバタと育成選手に切り替えられてしまったり、ただただ大人の事情に翻弄され続けながら、気付けばあっという間に3年間が過ぎ去ってしまった。そういう事だったと思います。  そして、なんだかわからないうちに、念願のプロ野球選手の座を剥奪されるに至ったわけです。

 プロ野球選手は個人事業主だから、成績を挙げられなければ自己責任で解雇もやむなし。そう仰られる方も少なくありませんが、それは成熟した大人社会だからこそ通じる理屈であって、まだ年端もいかない17歳18歳の若者に急な判断を迫って、挙句の果てに3年でポイ捨てとは、あまりに無責任ではないでしょうか。それが、責任ある大人が未成年から20歳になったばかりの半分子供みたいな若者に対してとるべき態度でしょうか。  これがもし自分の家族に対して行われた対応だとするならば、心中穏やかでいられるでしょうか。
 野球選手にとって18歳からの3年間がどれほど重要な意味を持つか。それは野球人なら誰しも理解しているだろうと思います。この大切な3年間を預かって、きちんと試合に出られるだけの指導をするのはもちろん、まだまだ社会人としての常識も不充分な時期だからこそ、親代わりになって日常生活を厳しく指導する位の事がこれくらいの選手を預かるチームにとって最低限求められる挟持です。  日ハムの栗山監督は大谷翔平選手に門限を課したりするのを「親御さんから大切な子供を預かっているのだから当然」と言っておられます。「プロ野球選手は自己責任」で突き放すのは、預かる大人の側の責任放棄に他ならないのです。

 この若者たちを預かる指導者の側も一貫性を欠きました。
 中畑監督が2014年シーズンを「CS行けなきゃクビ」と表明した上で1年契約を結んだことで、力ある指導者の人集めもままなりませんでした。コーチは監督人事と一蓮托生が球界の常識ですから、1年で退任になりそうな監督の元で働きたいコーチなど、そうそう見つかるものではないのです。  だから指導者としてのキャリアの無い元選手たちが1軍をやるのか2軍をやるのかもギリギリまで決まらないようなドタバタの中で、雲をつかむような所からのスタートとなってしまいました。  それはプロである程度のキャリアを積んで自分の方向性が定まっている選手なら良いでしょうが、まだ自分はどういうプロ野球選手になるのかすらハッキリしない20歳の選手たちにとって、こんな不幸な話はありません。自分たちで努力しようにも、それがわからないからここにいるのです。

 今から言っても遅きに失しているのですが、今のベイスターズに、果たして高卒選手を預かる資格があるのでしょうか。すぐに活躍できない素質型の選手が大半の高卒選手は、何年も計画を立てて焦らずじっくりと育成しなければならないのに、毎年のようにコーチが変わって、その度に指導もルールもポジションも変わってしまうようでは、一生に一度の成長のチャンスをむざむざ無駄にさせるだけなのではないでしょうか。  僕らファンにしてみれば毎年のように入れ替わり立ち代りしていく選手の1人に過ぎないかもしれません。ですが、選手本人にとって、こんな残酷な話はありません。ただでさえ入団するチームを選べない上に、いざ入ってみればろくに投げさせてもらえないまま、一生に一度のチャンスをフイにされてポイ捨てをされるわけですから、僕が親ならベイスターズには絶対に入団させないと思います。クビになった後になって「あの時指名拒否しておけば」と後悔してももはや手遅れなのです。  選手は指導者との出会いによって花が開くことも腐ってしまうこともあります。ベイスターズを戦力外通告されたりトレードに出された選手が他所のチームで活躍する事も少なくありません。「ベイスターズ入団が運の尽き」で笑って済む話ではないのです。

 だからこそ、こういう風に前途ある若者の可能性を奪ったフロントや首脳陣たちは、誠心誠意詫びるべきだと思います。育成する能力もないくせに預かって、一生に一度の貴重な3年間を台無しにしてしまったことを詫びるべきだと思います。前の親会社がやった事だからなどという言い訳も認められません。そういったものも含めて責任を負うのが事業の継承だからです。
 こうした不充分な育成システムのまま、詰め腹を切らされるのはいつも力の弱い下の方にいる人達です。それは戦後日本の悪しき伝統です。太平洋戦争開戦を主導した指導者階層の岸信介氏や正力松太郎氏が戦後CIAの手先となってなんの責任も負わずにのうのうと生き延びたように、才能ある若者たちを充分な指導も出来ずにポイ捨てした指導者たる高田GMや中畑監督は来季ものうのうと生き延びるわけです。こんな理不尽な話はありません。まさに若者の芽を摘む醜い大人そのものです。

 昨今は将来世代のことより私利私欲にばかりかまけている大人が非常に多く目につく時代です。社会は若者を育てようとする気概も持たず、保育園の子供の声さえ騒音呼ばわりし、挙句に教育ローンを奨学金と詐称して大学をビジネスの場に、若者を飯の種としか考えないような、物哀しい時代になってしまいました。
 その風潮の一旦がベイスターズにも見え隠れします。愛するベイスターズが前途ある若者を安易に使い捨てにしている現状は、胸が張り裂けそうになるくらい、とても辛いものがあります。

 とにかく、ベイスターズは高卒選手を十二分に育成できるような環境整備を整えるまで、今後一切の高卒選手を獲得すべきでないと強く主張したいと思います。

以上

※ スポナビさんのスパム判定に引っかかったため翌朝に修正してから公開に致しました。

2ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
その他
タグ:

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

前途ある若者の芽を摘む醜い大人たち


 コメントありがとうございます!

 このエントリーは2年前に書いたものですが、今年は中日で似たような事例があって、やはり中日ファンの方が同様のお怒りのブログを書かれているのを拝読しました。中日の場合は1年目と2年目の選手を戦力外にしたという話ですが、やはり2年前のベイスターズと通底する部分があるなと頷かされました。

 フロントの事情は理解できるんですけれどもね。だけれども、未成年を獲ってきて、2年3年でごめんなさいっていうのは許されないと思いますよ。なぜあの年代が社会的に厚く保護されているのか、その背景を考えなければならないと思います。

 2年前に戦力外にしてしまった当時はあまりにもピッチャーが多すぎて実践の場を与えられなかったり、コーチの人手が少なすぎましたから、じゃあどうすれば良かったかと言えば、コーチを増やし、フューチャーズ戦や独立リーグや社会人チームとの交流戦を増やす等をすれば良かったのです。
 実際に試合数を増やす構想はあったのですが、BCリーグのチームを相手に予定を組んだ試合までドタキャンを繰り返したりしていて、運営上の不手際があまりに多過ぎて実現しませんでした。

 指導者の人数を少ないままで乗り切ろうとしたのがそもそもの問題でもありましたね。

 で、それらのしわ寄せを一番受けたのは、他でもない二十歳の3年目4人だったわけですから、今振り返っても酷かったと思いますよ。倫理なんて欠片も無かったんじゃないでしょうかね。






「前途ある若者の芽を摘む醜い大人たち」へのコメント

とても興味深く読ませて頂きました。
一球団の内情話から最近のこの国の風潮まで膨らまされていて、こちらもとても考えさせられるお話でした。

1番の問題点は責任を預かるものの「倫理感」だと僕は思います。
これは人それぞれの大きさが違うと思いますが自分は投稿者様に同意です。

高卒は一部の例外を除いてはあくまで育成であり常識の範囲で指導とチャンスを与えるのは未成年者を預かる物の義務だと思いますし、当時の投手人事の中でそれが正当に行われたとも決して思いません。


ただやっぱり難しいと思ってしまうのが、当時の球団も親会社が変わったばかりで先行き不透明の不安があったであろうという事ですね。

変化したての頃というのは誰だって不安定で、そんな状態で常に正しい行動を行える人間はそう多くは無いのでしょう。

日本全体の弱者を切り捨てるような風潮も不景気などからくる立場のある人間の余裕の無さが大きな原因にあるように思います。

自分が大きなリスクに晒されている中で、どれだけ他人に配慮すべきなのか?

その人の倫理観次第で「正しさ」が変わってしまうのでしょうね。


何の結論もない不毛なコメントですが、今年のCS出場という躍進の裏で球団がこんな事も行ってきたということを知れて凄く心に来るものがあって残させて頂きました。
ありがとうございました。

前途ある若者の芽を摘む醜い大人たち


 コメントありがとうございます!

 古い記事でもコメントしていただけるのはありがたいですが、残念ながら僕の記事を踏まえたコメントとはどうしても思えません。咬み合っておりませんので、「はいそうですか」と、それ以上の以下も書けません。

 成人と契約するのと未成年と契約するのが同じで良い筈がないですから、球界の過去数十年来の傾向やそのへんの社会的コンセンサスみたいなものを加味してお考え頂ければと思いますよ。

前途ある若者の芽を摘む醜い大人たち

古い記事でコメントして良いものか解りませんが。

選手はそもそも自分で成長することが前提ではないでしょうか。
誰々が誰々を育てたというストーリーは面白いです。

しかしコーチの最大の役割は選手を日々採点することだと思います。
練習や普段の取組も評価に入る日本のシステムは過保護だと言えるのではないでしょうか。

練習に付き合う、気づいた助言をする、作法を教える、息抜きをさせる、怪我を隠してないかチェックする。
それで充分だと思います。

また選手は月30万円以上の給料が高校生でもあります。
また1000万円以上の契約金も育成を除くとあります。
その金額は一般的には即戦力でなければいけません。

引退後どうすれば良いか?
その年齢でふらふらしていても珍しくも何ともないです。
無職だから犯罪者にならない人がほとんどです。
プロ野球選手だったことだけでも一般人の何倍も人生に足跡を残してます。

少なくとも私達は彼らを知ってますし仕事も見ました。
彼らは私達のことは知らないです。
それなら心配しても天に唾を吐いているようなものです。

こんな記事も読みたい

最後に つまづいたホークスだったが【スポーツ えっせい】

367†Deベイ天敵の内海にチョッとアレなスタメンで勝った!【【鯨感】】

10/3 筒香。。。梶谷。。。【ホエールズ~ベイスターズ~DeNA】

今日の試合&戦力外通告選手について【温故知新ベイスターズ~2017】

横浜DeNAベイスターズのドラフト指名選手を予想する【2014プロ野球ドラフト会議】【犬の意地】

2015年シーズンに向けて ベイスターズ12人戦力外通告の衝撃【今宵もB@ystarsとともに】

366†Deベイ戦力外 投手多い!!【【鯨感】】

来季に向けて その3 補強編【日々戯言 ~Road to invincible Baystars~】

ブロガープロフィール

profile-iconsuguru0220

川崎市中原区出身、横浜市保土ケ谷区在住の木塚、横山道哉世代

職業は超零細企業の経営者。分野は野球とは一切関係ないが、その分野でTVチャンピオンの本戦に出場した経験を持つ。

うさぎを1羽飼っていて毎日朝晩モフモフしている。

プロ野球ファン歴は約30年で、前半17年が西武ファンで後半13年が横浜ファンに。

かつて推した選手は秋山幸二(西武)多村仁(横浜)吉見祐治(横浜)北川利之(横浜)。推した選手が次々にトレード放出の憂き目にあうため最近は推し選手の公表を控えている。



ツイッターアカウントは @suguru0220

  • 昨日のページビュー:276
  • 累計のページビュー:3184210

(10月24日現在)

関連サイト:ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. なぜ巨人入りを目指すのか  &  人的補償を僕なりに考える
  2. 前途ある若者の芽を摘む醜い大人たち
  3. そろそろ1軍にあげて欲しい選手たち
  4. 僕はピッチャーを見る目が無いらしい
  5. 筒香選手と山口俊選手の年俸がアンバランス過ぎた問題
  6. 元ベイスターズ戦士たちのリクルート活動
  7. 2軍選手の食生活
  8. 横須賀スタジアムへ行こう♪
  9. 戦力外から新天地へと向かう選手について
  10. ファンがチームを弱くする

月別アーカイブ

2017
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2016
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2015
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2014
12
11
10
09
08
07

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年10月24日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss