野球いじり

リリーフ投手の登板状況を整理しておく -2002~2012 MLB編-

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はじめに

 WBCもいよいよクライマックスですが,皆様いかがお過ごしでしょうか。後は2つ勝ってくれる事を祈るだけですので,ここでは普通にデータを報告していこうと思います。

 さて,これまでリリーフ投手の登板状況をセ・リーグパ・リーグで見てきたので,次はMLBのデータも見てみようと思います。

 MLBの場合,日本のプロ野球とは異なり試合数が多いので,MLBにおけるリリーフ投手の登板数がそのまま日本での目安になるとは思えませんが,登板スケジュールなどは参考にできるところがあるのではないかと思います。

 今回は,まずはリリーフ投手の年間での登板試合数と,投球イニング数,投球数を確認して行きたいと思います。


分析データ

 分析対象者は,2002年から2012年までのMLBにて年間10試合以上かつ10イニング以上の登板記録のある3360名が対象です。データは,FANGRAPHSのデータを参照しています。


データの分布

 まずは,リリーフ投手の年間での登板試合数と,投球イニング数,投球数の分布のデータを以下の表1-1から表1-3に示します。

表1-1
表1-2
表1-3
 このデータをグラフ化したものを図1-1から図1-3に示します。
図1-1
図1-2
図1-3
 図1-1のデータが一番わかりやすいのではないかと思います。年間の登板試合数が65以上70未満のところにピークが来ていますが,これがシーズンを通じて登板した場合のリリーフ投手の平均と見てよいと思います。  投球イニングや投球数はこうした傾向がはっきりとは出ていませんが,これはワンポイントで登板したり,打ち込まれて降板したり,1回超の登板をするようなケースがある分個人差が大きくなった結果だと思います。 年度別に見た登板試合数の分布を確認する  それでは,ここからは年度別に各データの分布を確認していこうと思います。なぜこのようなことをするかというと,年度別のデータを見ることでトレンドを掴みたいからです。10年前のデータからあるので,この10年間でリリーフ投手の登板がどのような変化をしているのかは知っておいて損は無いと思います。  それでは,まずは登板試合数のデータを以下の表2に示します。
表2


 このデータをグラフ化したものを以下の図2-1に示します。

図2-1
 正直データが多すぎて,内容を掴むことができません。そこで,データの見方を少し変えたデータを以下の図2-2に示します。
図2-2
 これは,年間50試合以上,65試合未満登板した投手が全体の何%を占めていたかを年度別に示したデータです。3つのグループのデータを見ると,年度間での変動はありますが,概ね横ばいのデータといえる結果となっており,このレベルの登板数の投手の数は,ここ10年に大きな変化はないといって良いと思います。  続いて,年間65試合以上,80試合未満登板した投手のデータを図2-3に示します。
図2-3
 このデータを見ると,水色のグループである,年間65試合以上,70試合未満のグループは横ばいですが,緑の年間70試合以上,75試合未満のグループは緩やかな増加傾向,年間75試合以上,80試合未満のグループは緩やかな減少傾向にあることが確認できます。  最後に,年間80試合以上登板した投手のデータを図2-4に示します。
図2-4
 このクラスの投手は元々少ないのですが,年間80試合以上,85試合未満のグループはちらほらいましたが,2009年以降はほとんどいなくなっています。  これらのデータを紹介すると,どうも2000年代後半から75試合以上に登板している投手は減ってきているという傾向が確認できます。 年度別に見た投球イニング数の分布を確認する  それでは次に,年度別に見た投球イニング数のデータを以下の表3に示します。
表3


 このデータをグラフ化したものを以下の図3-1に示します。

図3-1
 このデータも多すぎて,内容を掴むことができません。ここでも,年間50回以上,65回未満登板した投手が全体の何%を占めていたかを以下の図3-2に示します。
図3-2
 このデータも変動込みの横ばいといった結果になっています。  続いて,年間65回以上,80回未満登板した投手のデータを以下の図3-3に示します。
図3-3
 ここでも,年間75回以上,80回未満のグループは減少傾向にあることがわかります。  最後に,年間80回以上の投手のデータを以下の図3-4に示します。
図3-4
 このデータも登板試合数と同じく,ほとんどいないので解釈が難しいのですが,80回以上,85回未満のグループは減少傾向ともいえるデータとなっています。  したがって,投球イニングにおいても,75回以上の登板は減少傾向にあることがわかりました。 年度別に見た投球数の分布を確認する  それでは,最後に投球数の年度別のデータを以下の表4に示します。
表4


 このデータをグラフ化したものを図4-1に示します。

図4-1
 これもデータが多いので,1000球以上の記録のある投手のデータを以下の図4-2に示します。
図4-2
 データを見るに,黄緑色のグループである1200球以上,1300球未満の投手のグループが緩やかな減少傾向にあることがわかります。 まとめ  以上のデータより,MLBのリリーフ投手の登板状況を見ると,どうも2000年代後半より,75試合・75イニング・1200.球あたりを目処に,これ以上の登板を越える投手が減少傾向にあることがわかりました。これは単なる偶然というよりは,適正な登板数のラインがこのあたりに定まりつつあるのではないかと考えられます。  MLBの試合数は162で,日本では144試合なので,この数値がそのまま日本のプロ野球で参考になるわけではないのですが,現段階でもいえるのは,20試合近く少ない日本で70試合を超えた登板をするのには無理があるのではないかということです。  それから,阪神の久保田智之選手の2007年の90試合登板というのもやっぱり無茶だったということです。アメリカでもそんなに投げている投手はほとんどいないことが今回確認できました。  凄い記録ではありますが,もう真似をしてはいけない記録だと思います。




おわりに

 以上,せっかくなのでMLBのデータも見てみました。次回は,より個人のデータに着目して,長年リリーフで活躍している投手はどれくらいの登板数なのか,逆に活躍期間の短い投手の登板数はどのくらいか,というデータを見ていこうと思います。

 ところで,3月下旬発売予定の「セイバーメトリクス・リポート2」ですが,アマゾンを見ると25日になっていました。気がつけばもうすぐですね。

 WBCが終わって,開幕までの隙間をこれで埋めていただければと思います。

 来週あたり,中身をちょっと紹介してみようかと思います。

 それでは,今日はこのあたりで失礼します。


引用データ

 ・FANGRAPHS

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記事カテゴリ:
検証2012
タグ:
プロ野球
MLB
スポーツ統計
リリーフ投手

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