野球いじり

中日ドラゴンズの観客動員数について -2011年と2012年の比較-

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はじめに

 前々回の分析で中日ドラゴンズの観客動員数を分析したわけですが,今回はそれを」もう少し詳しく分析してみようと思います。


使用データ

 分析に使用したデータは2011年と2012年の中日ドラゴンズがナゴヤドームで開催した試合の観客動員数です。データは,「プロ野球ヌルデータ置き場」様のデータを参照しています。

 ナゴヤドーム以外の準本拠地での開催試合もありますが,サンプルが少ないのでここでは分析対象をナゴヤドームに限ります。


観客動員数の比較

 それでは,まずは前々回に示した中日ドラゴンズの2011年と2012年の月別観客動員数のデータを以下の表1に示します。

表1
 5月6月は2011年のほうが多く,7月8月は2012年のほうが多いといった感じになっています。しかしながら,前回分析したように,プロ野球の観客動員数は,日程(平日と休日)や対戦相手による影響も小さくありません。  そこで今回は,日程と対戦相手を考慮した観客動員数を見ていきたいと思います。まずは,2012年のデータを表2-1に示します。
表2-1
 続いて,同じ形式で2011年のデータを以下の表2-2に示します。
表2-2
 このデータを比較するために,リーグ戦の平日のデータをグラフ化したものを図1-1に示します。
図1-1
 続いてリーグ戦の休日のデータを図1-2に示します。
図1-2
 このデータは,対戦カードのいわゆる単価にあたるもので,このカードが何試合あったかで全体の観客動員数が決まってきます。  ひとつひとつのカードをみると,平日のヤクルトと横浜,休日のヤクルト以外は現状維持か観客動員数が増加していることがわかります。  次は交流戦のデータを以下の図2-1と図2-2に示します。
図2-1
図2-2
 交流戦は試合数が少ないので,年によっては試合のない条件ができてしまうのが難点ですが,データを見るに平日での交流戦の観客動員数の減少が顕著だと思います。2012年の5月6月の観客動員数が少なかったのはこれが原因ではないかと思います。  交流戦の魅力は,普段対戦しないリーグのチームと戦えることにあると思いますが,なんだかんだいって導入されてからしばらく時も経ちました。いくら普段対戦しなくても,去年も交流戦で対戦したわけですし,来年もやってきます。そういう意味では交流戦の魅力である“新規性”が少しずつ衰えてきており,それが平日の観客動員数の減少に現れている可能性が考えられます。 月別観客動員数を吟味する  ここからは,月別の観客動員数を対戦相手と日程別に見ていきたいと思います。2011年と2012年では,月別のスケジュールがかなり違うので比較は難しいですが,それでも並べてみることで見えてくることもあるかと思います。 3・4月  まずは3・4月のデータを表3-1に示します。
表3-1
 2011年と2012年の横に示してある値はその月の平均観客動員数(%)です。2011年は開幕の延期もあったりしたので単純に比較をすることは難しいと思います。ただ,2012年の休日のヤクルトの観客の少なさは気にかかります。 5・6月  続いて5・6月です。リーグ戦と交流戦が入り混じっているのでまとめました。まずはリーグのデータを表3-2と表3-3に示します。
表3-2
表3-3
 5月のヤクルトと6月の阪神戦の観客が振るわないといったところでしょうか。続いて交流戦のデータを表3-4と表3-5に示します。
表3-4
表3-5
 5月のロッテとオリックスの平日の2試合分が足を引っ張っている形です。また,6月の平日の日ハム戦も2011年ほどの観客が入りませんでした。このあたりは来年はお客さんを呼ぶてこ入れがあったほうが良いかもしれません。 7月  続いて,7月のデータを表3-6に示します。
表3-6
 7月の観客動員数は2012年のほうが多いのですが,これは巨人戦が3試合入っていることの影響は小さくないと思います。ただ,休日の横浜戦の観客動員数も結構増えていますので,この点は評価されるべきと思います。 8月  次に,8月のデータを表3-7に示します。
表3-7
 8月の観客動員数も2012年のほうが多いのですが,平日と休日の割合を見ると,2011年は平日:休日が13:4で,2012年は7:4となっています。この2011年の平日の試合の多さを考慮すれば,2012年の観客動員数のほうが多いとは単純にはいえないと思います。ただし,8月も休日の横浜戦の観客動員数が2011年より高くなっており,この点は評価できると思います。なぜ増えたのかはこのデータからではわかりませんが,何か中日が先手を打ってキャンペーンでもしたのでしょうか?それともたまたま日取りが良かったのでしょうか? 9・10月  最後に9・10月です。データを表3-8に示します。
表3-8
 9・10月の観客動員数は2011年のほうが多いです。平日と休日の割合を見ると,2011年は平日:休日が14:8で,2012年は11:3となっています。結局のところ,9・10月においても平日の試合の多さが2012年の観客の少なさの原因になっている可能性は大きいと思います。 まとめ  以上のデータより,2011年と2012年のナゴヤドームの観客動員数を比較しました。いくつか特徴を箇条書きにすると,  1. 2012年の序盤はヤクルト戦の観客の入りが悪かった  2. 2012年の平日の交流戦の観客動員数が減少した  3. 2012年の夏場の横浜戦は観客動員数が増加した  4. 月単位の観客動員数は平日の試合の多さの影響を受ける  1つ目と2つ目は,来年の課題といったところでしょうか。なぜ思うように観客が厚真ら中田の課については分析が必要だと思います。そして,如何に対処すべきかというヒントは,3つ目の横浜戦の観客の増加にあると思います。  最後の4つ目は,観客のデータを見ていく上で注意すべき点といえます。こればっかりは自分達で決めることはできないので,平日の試合が多い月はどうしても不利になってしまいます。ただし,予定を見ればあらかじめ対策をできるのも事実なので,このあたりは腕の見せ所ではないでしょうか。




おわりに

 以上,中日の観客動員数を見てきましたが,日程や対戦相手といった一人の監督やチームではどうしようもない部分の影響は小さくないといえます。少なくとも,監督人事の際に問題とするようなものではないのは確かです。

 プロ野球のTV中継が少なくなった昨今,球場に観戦に来るという,チームに対して積極的に消費をしてくれる人が何人いるかという情報は,これまで以上の重要性を持ってきます。願わくば,こうした情報を有効に使って,球団経営に役立てていくようになってほしいところです。

 それでは,今回はこのあたりで失礼します。


データ引用&参照

 ・プロ野球ヌルデータ置き場

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記事カテゴリ:
検証2012
タグ:
観客動員
中日ドラゴンズ
スポーツ統計
プロ野球

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コメント返信

通行人さんへ

 わざわざありがとうございます。

 何の影響もなかったわけはないと思いますが、
 大きく観客動員数を動かすほどの影響はなかったといったところだと思います。

 もっと詳しい社会調査でもしてみれば違ったことがわかるかもしれませんが、NPBの観客動員数レベルではこのあたりが限界です。

中日ドラゴンズの観客動員数について -2011年と2012年の比較-

昨年の記事を見させてもらいました。そのデータを見る限り確かにそれほど大きな影響は受けてなさそうですね。ありがとうございました。

コメント返信

ロキ さんへ

コメントありがとうございます。

>平日の「ヤクルト戦」ということであれば、ヤクルトに異常に弱い、
>負ける可能性が高い試合をわざわざ見に行くか、と。

 確かにそうかもしれませんね。
 個人的には、今年の中日は巨人戦で燃え尽きたかのように、
 巨人戦後に負けていた印象があります。

 しかし、こういう試合を以下に盛り上げてお客さんを呼ぶか
 というのが球団の仕事ですよね。

 巨人との首位攻防戦なんて、放っておいても皆見に来るわけですから……。

>検証の結果「勝つことがファンサービスだ」となってしまうと、
>落合を解任したフロントの間違いになるのですが。

 他の球団のデータを見ても、どちらかというとやっぱり上位チームのほうがお客は集まります。
 優勝なりクライマックス進出なりがかかっているほうがお客さんが集まるのは当然ですよね。

 結局、中日のフロントとしてはもう少し別の理由で解任すべきでしたね。
 いつか社長あたりが責任を追及されても仕方がないのかもしれません。


 輪番生産の件については上の通行人さんへのコメントにリンクを載せていますので
 良かったら見てみてください。

コメント返信

通行人 さんへ

コメントありがとうございます。

 ご指摘の件は自動車製造業の輪番生産の影響ですよね?

 これについては、あまりかっちりとした分析ではありませんが、昨年分析してみました。

 続・落合博満監督はナゴヤドームにどれくらいの観客を集めたのか?
 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/student/article/170

 良かったら一度目を通してみてください。
 結論としてはそんなに影響は大きくないかもしれないといったものです。

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