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Join us! 中日ドラゴンズの吹く笛に観客は踊ったか?

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はじめに

 昨年の話になりますが,

 落合博満監督はナゴヤドームにどれくらいの観客を集めたのか?
 続・落合博満監督はナゴヤドームにどれくらいの観客を集めたのか?
 中日ドラゴンズが勝ち過ぎるとお客さんは来なくなるのか?

 という記事で,中日ドラゴンズの観客動員数を分析してみました。覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが,昨年オフに落合博光元中日監督が観客を呼べないという理由で退任した際,本当に観客は減ったのだろうか?ということを検証したわけです。

 正直なところ,観客を呼べないという理由を額面のまま受け止めている人は少ないと思います。後任の人事を見るに,あれは中日経営陣によるチーム運営の路線変更と見るのが妥当だと思います。

 しかし,いくら建前とはいえ公にしてしまった声明には責任が伴うだろうと思います。というわけで,2012年の中日ドラゴンズの観客動員数を昨年と比較してみようというのが今回の目的になります。


使用データ

 分析に使用したデータは2005年から2012年までのナゴヤドームでの観客動員数です。
 2006年から2012年までのデータは,「プロ野球ヌルデータ置き場」様のデータを参照しています。2005年のデータは,ベースボールレコードブック2006を参照しました。


得失点の比較

 観客動員数を見る前に,中日ドラゴンズの2011年と2012年の得失点を確認しておきたいと思います。確か中日の社長が,得点のたくさんはいる面白い試合をしてほしいといったようなことを言っていたように記憶しているので,まずはそこを確認しつつ,観客動員数を見ていこうと思います。

 例として2012年の開幕から5試合分の得失点のデータを以下の表1に示します。

表1
 各試合の得失点を求めて,その成績を累積して記録しています。この累積得失点の推移を2011年と2012年で比較したものが以下の図1-1になります。
図1-1
 この図は,一番左がシーズンの開幕試合で,右に行くほど試合が進み,各試合の終了時点の累積得失点を示しています。最終的な得失点差は2012年のほうが10点ほど高くなっていますが,それほど大きな違いとはいえないと思います。それよりも,2011年は終盤に得失点が上昇し,2012年は序盤に高く次第に低下する傾向にあることのほうが,この2年間の違いを表していると思います。  もうひとつ,得失点のデータに加えて,累積得点と累積失点のデータを図1-2に示します。
図1-2
 これは,右に行くほど累積失点が増え,上に行くほど累積得点が増えて行きます。真ん中の破線は±0を示します。得失点別のペースを見ることができます。  基本的には,得失点と大きく変わらない結果となっています。とりあえず,この2年間の得失点のペースはこんなものだったといことで,以降は観客動員数を見て行きたいと思います。 観客動員数の比較  それでは,2011年と2012年の名古屋ドームの観客動員数を月別の平均値で計算したものを以下の表2に示します。
表2
 月別の試合数に違いもあるので多少の誤差はありますが,2011年と比較すると2012年で勝っているのは7月と8月といったところです。シーズンの序盤と終盤は2011年よりも少なくなっています。  このデータの解釈については,今回は保留して次回にもう少し詳しい分析をしてみようと思います。ただ,せっかくなので2011年だけと比較するのではなく,2005年以降のデータとも比較してみたいと思います。落合監督時代のデータと2012年の成績を一覧することで,今年の成果を評価しやすくなると思います。データを以下の表3-1に示します。
表3-1
 このデータを,最大収容人数の38,414人で割ったデータを以下の表3-2に示します。
表3-2
 このデータをグラフ化したものを図2に示します。
図2
 データを見るに,観客の入った7月と8月も2010年以前と比べればそれほど多いわけではないことがわかります。一方,他の月の観客動員数は3・4月を除いて2005年以降最低の水準であることがわかります。 まとめ  さて,このデータを見る限り,観客増を目指してチームの方向転換を図った割には,成功したとは言い難い結果となっているといえるのではないでしょうか。いくら建前とはいえ,公に退任の理由とした以上,社長あたりから何らかのコメントがあっても良いと思いますし,特に中日のスポンサーは「話が違うじゃないか」と詰め寄る権利があると思います。  ただし,昨年も分析しましたが,観客動員数はいろいろな要因によって左右されます。平日よりも休日のほうが多くなるし,対戦相手によっても変わってきます。したがって,2012年の観客が少ないからといって,単純に中日に問題があったとはいいきれません。というわけで次回は,こうした他の要因の影響を考慮して,中日ドラゴンズの観客動員数を検証してみようと思います。  しかしながら,曜日や対戦相手によって観客動員数が左右されるということは,「中日ドラゴンズ」というブランドだけではお客さんは集まらないことを意味します。また,観客動員数が少ない原因を選手や監督に求めることはできなくなってしまいます。ということは,昨年の落合監督の退任はなんだったんだ?という話になりますが,終わったことを蒸し返すのはここではやめておきたいと思います。




おわりに

 今回は分析の第1段階ということで,大雑把な観客動員数の分析をして見ました。詳しくは次回をお待ちください。

 正直,去年よりお客さん減ってるじゃないと思ったわけですが,個人的にはこの原因が選手や高木監督にあるとは思えません。球場に来た人を楽しませるのは選手たちかも知れませんが,球場に行ってみたいと思わせるのは,球団の努力によるところが大きいと思うからです。というわけで,この分析は,中日ドラゴンズの企業努力の成果としてみていただければと思います。

 では,今日はこのあたりで失礼します。



データ引用&参照

 ・プロ野球ヌルデータ置き場
 ・ベースボールレコードブック2006

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記事カテゴリ:
検証2012
タグ:
プロ野球
スポーツ統計
中日ドラゴンズ
観客動員

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コメント返信

風 さんへ

再度のコメントありがとうございます。

 私としても、風さんが指摘されているような、年俸等の人件費の方が主な理由だと思います。
 (他にもスポンサーの意向や、人間関係などもあるかもしれませんが……。)
 ただ、勝っている監督を、お金が理由で解任すると反発がこわいので、
 表向きの理由として「観客動員数の減少」を挙げて、
 マスコミを通じてそれを流布し黙認したのではないかと私は見ています。

 いわば、公式の言い訳といったところでしょうか。

 この言い訳にも一応責任はあるんじゃないの?
 というわけで、こうした分析をしているわけです。

 分析については、少々ややこしく話も長くなってしまうのですが、
 やはり観客動員数をフェアな視点から検証するにはこれくらいの分析が必要だし、
 個人的には、これでは足りないと思っています。 

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管理人さん、ご丁寧な返答ありがとうございます。観客動員の減少が、落合前監督解任のいくつかある理由の一つである可能性はもちろん否定はできないでしょう。ただ監督、コーチの年棒などが高いという報道もありましたが、いろいろな報道や事実などから個人的にではありますが、解任された理由は、この年棒の方が大きい気がします。それにあまりマスコミもファンも触れずに、観客動員数ばかりに目が行ってしまって、それがすべてであるかのような雰囲気になっているのが何か、違和感を感じてしまうので、どんなだろうということで指摘させていただきました。
ちなみに細かい観客動員数に関する分析、とても参考になります。すごいですね。

コメント返信

風 さんへ

コメントありがとうございます。

 確かにご指摘のとおり、「公」ではなく、「一部報道と一部ファンの主張によれば」というのが正しいと思います。
 あまりにもまことしやかに話されていたことでしたので、ほとんど公の理由として記憶してしまっていました。

 しかし、中日が負けた時にガッツポーズをしたという記事に対しては否定をしていたと思うのですが、
 この観客動員数の報道に対する否定は無かったように思います。

 また、手束仁氏の著書「プロ野球にとって正義とは何か」でも観客動員数についての言及はありました。
 この本は球団寄りの内容(というよりは大本営発表といった感じ)になっていますが、特にクレームも出ていません。

 報道に対する否定が無かったからといってそれが真実であることの証拠にはなりませんが、
 一部報道、一部ファンの思いこみにすぎない可能性は低いのではないかと思います。

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「昨年オフに落合博光元中日監督が観客を呼べないという理由で退任した」「公に退任の理由とした」とありますが、これについて質問です。
これは「中日球団が、落合前監督と2012年に向けた契約を結ばなかったのは、落合監督で観客が減ったから」ということなのでしょうか。結構意識して報道を見てきたつもりですが、私の知る限り中日球団社長など監督人事に関わる人物が公に落合前監督解任の理由は「落合(前)監督では客を呼べないから、観客が減ったからだ」という話は見たことも聞いたこともありません。「公」ではなく、「一部報道と一部ファンの主張によれば」というのが正しいのではないでしょうか。
もし、公にそのようなことを言ったという報道などがありましたら、ご教示頂けたと思います。私が見逃していた可能性もありますので。もしなければ、観客を呼べないから解任した」というのは、一部報道、一部ファンの思いこみにすぎないという可能性もあります。

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