2006年09月02日
五輪国内候補地、福岡落選に思う
2016年の五輪国内候補地は30日、東京都に決まった。福岡市で生活する立場から今回の五輪招致活動を振り返ってみたい。 立候補は突然だった。山崎広太郎市長が手を挙げた。確かに福岡市ではユニバーシアード、世界水泳などの国際的スポーツイベントを実施してきた実績を持つ。福岡市にも運営面での自信があったのだろう。しかし市による突然の、そしてその張り切り具合は、市民を白けさせた。 「どうせ選ばれないだろう」と非現実的に見ていた人が大多数だったし、それ以上に「あれは市が勝手に動いて、はしゃいでいる」という冷ややかな思いがあったように感じる。私の周りでも真剣に五輪についての話題が出ることはなかった。営業マンが得意先で話しに困った時に口にできる便利な話題という程度のものでしかなかった。 九州電力、福岡銀行、JR九州など七社会とよばれる地場主要企業を中心に財界も資金的・人的な支援には乗り出しはした。だがあくまで市に対する義理を立てただけ。結局、本気で招致に動いていたのは山崎市長を中心とする市職員の一部と、かつてロッテオリオンズの招致に動いた実績のある福岡青年会議所のメンバー、それにボランティア精神の強い一部の学生くらいではなかったか。「福岡は町が一体となった招致活動を展開した」というマスコミの評価もあったが、町一体とは過大評価もいいところである。 お前はどうなのか、招致に賛成だったのかと聞かれるなら私は反対派である。市の独走も気に入らないが、それ以上に財政への負担について無責任すぎるという思いが強いからである。 福岡市民なら誰でも知っている汚職事件に「ケヤキ・庭石問題」というものがある。博多湾を埋め立てて作った人工島を舞台にした事件で、市助役まで務めた第3セクター社長が、親密な関係にあった元市議の会社を通じて人工島に使う庭石やケヤキを購入。元市議の会社は多額のマージンを得たという疑惑だ(3セク社長、元市議らは04年に特別背任容疑で逮捕・起訴され公判中)。 マージン分を上乗せされた高額な庭石やケヤキは使うあてもないことが分かり、最終的には市、つまり市民の税金が補填に当てられたと記憶している。 その怒りが覚めやらぬうちにまた五輪とは…。喉元過ぎれば熱さ忘れる、ではないか。仮に当選して国内候補地になり、多大な税金が投入されれば、それを負担するのは後世の福岡市民だ。いましゃかりきに五輪誘致に燃える人たちには、何の影響もない。負担は軽く済むと市では言ってはいるが、その見通しが狂った時に誰が責任を取るのか?その所在を明確にしておくというなら、賛成してもいい。そこまで責任と覚悟があるのならば…。 ただ運営計画はさすがに立派なものを作ったと思う。福岡市の国際イベントの企画・運営能力を見せ付けることはできた。競技団体の評価も高かった。一方、「東京の開催概要計画はほとんど書き直さなければならない」とJOCは言っている。つまり、そのような世界で通用しないような計画を出した東京が当選したということは、東京ありきの選考だったことは一目瞭然だ。 結局、財政力なんだな。お金を持っているものが最後は勝つんだな。この悔しさを福岡市は忘れてはいけない。いい教訓になったはずだ。お金がないとダメなんだ。だから国際都市として認められるには、無駄な公共事業などはさっさとやめて、市の財政を立て直すことが先決なのだ。そのことに気づいて市が動き出した時、今回の理不尽な落選もよい経験になる。
posted by stepbystep |14:57 |
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