2008年12月31日

【Review】天皇杯準決勝 / FC東京 vs 柏レイソル(12月29日(月)@エコパ 13:00~)

あと少し。もう少し。
元日国立の実現には至らなかった。
31分鈴木達也、68分フランサ、88分李。
ある意味で東京、柏というこの1戦に相応しい役者が決めた3つのゴール。
FC東京のゴールは1つ、いや2つたりなかった。
あの元日に国立競技場で迎える、寒い中にも爽快な青空の下で観る青赤のユニフォームを想像し続けたが、残念ながら僕らサポーター、そして選手達の夢は叶わなかった。

■カボレ封じ■

この試合での柏の勝因は、もちろん李君(FC東京の選手でなくても、彼は李「君」と呼びたくなる)の反骨精神であるし、フランサの間合いと一瞬の輝きであると思う。
が、FC東京の攻撃の鍵を握るカボレを、小林祐三が完璧に抑えきったことが大きな意味を持つのではないかと思う。
今季のFC東京が試合の中で苦しい時間帯に自分達の時間を作る、流れを引き寄せるというポイントとなっていたのが、カボレのスピードを活かしたカウンターだった。
この日はそれを小林に完全に止められてしまった。
柏ボールの際にも、しっかりとカボレを見て、適度な距離感を保ちながら、自分が成すべき仕事が出来るポジションを取る。
カボレにボールが入る前にカットが出来なくても、足元にボールを収められても前を向かせない。
前を向かせたら、飛び込まずにワンサイドをカットして、縦に行かせる。
そういう基本的なことを、怖がらずに、極めて冷静に90分間出来たことで、FC東京の攻撃のリズムを摘み取られてしまったように思う。
小林が対応できない時には、しっかりと古賀がカバーリングし、二人のDF間で受け渡しが行われていた。
東京サポーターからすれば、
「今日のカボレは仕事が出来んぞ」
と思わせられるほど、完璧なDFだったと思う。

■鈴木のゴールに見る解決力■

鈴木達也のゴールには、何かドラマめいた物を感じた、ということは横に置いて・・・。

柏DF陣がずるずると下がってしまったというミスもあろうが、ミスを誘発するには原因がある。
一つは前段のカボレ封じは上手く行っていたが、2列目の選手に対してのケアが不十分であった点。
そして柏中盤の選手がボールサイドにより過ぎて、中央に大きなスペースを空けてしまったことが2点目。
更にはこの場面では、赤嶺がプルアウェイの動きでペナルティに入っていっているから、柏DFとしてはひき付けられても仕方が無い。
明確なミスの重なりだが、あの場面こそが、前段のカボレを完璧に封じられた場合の「解決力」なのではないかと思う。
カボレを左サイドに位置させて、中に切れ込んでのシュートを狙うのがFC東京のやり方である。
ということは、その分相手の意識は左に回るので、この場面のように中央にスペースが出来ることは、リーグ戦でも多かった。
そのスペースを有効に活用出来るか、出来ないかが新たなチャンスを作る鍵になるのではないだろうか。

■見失った得点の形■

一方で残りの59分間で追加点が取れなかったのは、縦へのスピードを求めるサッカーをしてしまったから。
68分エメルソン、73分石川と投入をして局面の打開を迫ったが、これによって過度に縦へのスピードを求めすぎてしまったように思う。
縦への推進力と、それに伴う中央のスペースの使い方。
そのミックスこそがMoving Footballの源となるはずが、蹴りこみ走るという「従来のFC東京の攻撃」に戻ってしまったように思う。
長所と短所は背中合わせ。
FC東京の良いポイントである縦のスピードは、この試合では顕著に短所となってしまった。
その裏では、試合後に今野が語ったように
「足が止まってしまった」
ということで、サイドで出来た起点に対して、得点時のような2列目のサポートの動きが不足してしまっていたこともある。
交替選手のスピードに頼りすぎてしまった上に、フランサの絶妙なトラップからの同点ゴールで少々浮き足立ってしまったこともあるだろう。
が、疲れていたのは柏も同様。
その環境下では31分の得点の形を試合終了までの59分間に、もっともっと繰り返せることが必要に思った。

■来季への積み重ねとしてベスト4■

元日国立、アジアへの挑戦。
その夢は途絶えた。
が、今季の総決算という意味では、価値のある試合だったと思う。
単なる敗戦ではなく、来季へと繋がるという意味でも、この試合は価値があった。
柏の持つ激しいプレスを掻い潜ってパスを回し、自分達が主導する時間が多かったこと。
そして、その結果として出来たスペースを上手く使った得点シーン。
今まではまったく違うサッカー、ということを今年僕は繰り返しこのBlogで言ってきたが、やはり最後の試合でもそう思った。
ベスト4になったことは偶然ではない。
今年の最初は多くの選手流出と、過去連続しての二桁順位という実績からも、まったくもって世間の耳目すら集めなかったチームが、少しずつ積み重ねて、6位という順位でリーグを追え、それよりも上の4位という結果をシーズン締めくくりのカップ戦で収めた。
これは選手にとっても、僕達サポーターにとっても胸を張って来季に迎える結果ではないだろうか。
その上で、城福監督が語るように
「われわれのやろうとするサッカーの質がまだ至らなかった。どうして高みに行けなかったのか。受け止めないといけない」
ということを忘れなければいい。

いみじくも総決算となってしまったこの敗戦だが、「365日右肩上がり」という言葉は、2008年に関しては実践されたと思う。
これをまた2009年にやり直すのではなく、城福東京として、FC東京の歴史として、2009年に続けていって欲しい。
365日が730日になり、1095日になる。
そういうことを期待して、2008年最後の試合Reviewにしたい。

posted by stanger |03:30 | FC東京 | コメント(3) | トラックバック(0)
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【Review】天皇杯準決勝 / FC東京 vs 柏レイソル(12月29日(月)@エコパ 13:00~)

コメント投稿者ID :

ホント、カボレの対応が上手かった。プレス外しでロングボールってのはプラン通りなんでしょうが、カボレばかりで対応しやすかったのもあるかも。赤嶺と平山を足して2で割れればいいんだけど。

あとカウンターを決めきれるようになるにはチームとしてのスキルがまだなんでしょうね。受け手と出し手の呼吸、ボールホルダーへのサポートが今一つ。来期の課題でしょう。狙えるようになると夏場がだいぶ楽になる。

「全体で状況判断ができるチームが理想」と城福さんが言ってたけど、いつものゴール前でのバタバタ感がなくならないとリトリートからのカウンターもできない。リードしててもプレッシャーには弱いのはメンタルなんかな。疲労困憊で省エネサッカーしてる今のガンバのカウンターなんかいいお手本のような気がする。

と文句は言っても、今年の戦いを考えると、「来期、優勝」って臆面なくいえるのが嬉しいかも。ホント、サポも選手も絶対悔しいはずだから。

総括楽しみにしてます。よいお年を。

posted by ブランク「 | 2008-12-31 11:49

【Review】天皇杯準決勝 / FC東京 vs 柏レイソル(12月29日(月)@エコパ 13:00~)

コメント投稿者ID :

更新お疲れ様です!

小林の対応はホント上手かったですね。何よりも気迫が凄かった気がします。古賀はいつも気合入ってますけど。

ジェフ戦でも感じましたけど、上手くムービングできていると思っていても最後のほうには疲労で足が止まってしまう。今期は逆に内容が悪くても勝てる試合もあったりで、サッカーってホント難しいですね…

追加点を取りに行くのか。省エネサッカーで時間をうまく使っていくのか。どちらにしても、そういうことを選手自身も考えてプレーできるようになってほしいなと思いました。ブランクさんのいうようにガンバのサッカー、特に遠藤やルーカスを見てるとそれを強く感じます。

しかしながら今年一年はホント楽しかったです。そして、去年とは違う本当の意味での「悔しさ」を噛みしめてます。stangerさん、ブランクさん改めてお疲れ様でした。来年も精一杯応援していきますのでよろしくお願いします。良いお年を!

posted by 多摩っ子 | 2008-12-31 14:07

コメントありがとうございました

コメント投稿者ID :

>ブランクさま

Season Reviewと返信が逆になっちゃいました(汗)

>「全体で状況判断ができるチームが理想」(中略) 疲労困憊で省エネサッカーしてる今のガンバのカウンターなんかいいお手本のような気がする。

この点は仰る通りですね。
守備面からどうやって組み立てていくのか、そういう部分が強くなる+メンタルの改善があれば、本当に楽しいと思います。

>今年の戦いを考えると、「来期、優勝」って臆面なくいえるのが嬉しいかも。

間違いなく過去にない大きな飛躍を遂げましたから、「来季、優勝」を楽しく口に出来ますね。
前を向いて年越しが出来ます(笑)

>多摩っ子さま

1年間お付き合いありがとうございました。

>追加点をとりに行くのか。省エネサッカーで時間をうまく使っていくのか。

そうですね。こういう頭の部分も必要ですね。
ただ、今季の終盤にそういう部分もだいぶ強化されたようにも思いますし、自分達が勝利したガンバが世界3位ということからも、選手たちもやれる手ごたえは掴んでくれたかもしれません。

本当に楽しくて悔しいシーズンでしたね。
来季はここで歓喜のコメントをやり取りできることを祈りましょう!

良いお年をお迎え下さい!

posted by stanger@管理人 | 2008-12-31 20:33

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