2008年12月02日

【Review】FC東京 vs アルビレックス新潟(11月30日(日)@味の素スタジアム 16:00~)

'「昨日の夕方、我々は優勝と言う言葉を口にする権利を失いました。
ただし、ACL、元旦国立、その旗印はまだ降ろしてない!」'※1

試合後の城福監督のこの言葉。
リーグ戦でのACL出場可能性は低くとも、最後まで戦うという決意を、選手の前で我々サポーターに示した。
なんとも人を突き動かす言葉だろうか(※2)。
こういう情熱的な監督がいてくれ、そして常に前向きなサッカーを志向してくれたことで、熱いシーズンを過ごすことが出来たと思う。

残りリーグ1試合。旗はまだ降ろさない!

書いていたら、試合Reviewと言いつつも、今季の総括みたいになっちまった・・・。

※1公式や、その他Blogでは、「権利を失っていない」となっていますが、城福監督は確かに「旗印は降ろしてない」と筆者は聞いたので、ここではそのまま表記します。
※2「扇情的」という言葉を遣っていましたが、ご指摘がありましたので修正しました。(12/3)

■切れ味抜群の新潟松下■

2002年以来のホーム最終戦勝利を収めたFC東京。
一つ間違えば今年もお預けを食らっていたかもしれない。
その可能性を秘めていたのは新潟MF松下の切れ味抜群のセットプレー、クロスだった。
更には41分の内田のクロスへの飛び出し。
何度も新潟の決定機を作り出した松下の活躍は、東京サポーターでさえも瞠目するほどだった。
が、逆を言えば松下からしか決定機を作れなかったのもまた新潟のマズさだったのかもしれない。
前半、東京の攻撃を再三抑えていたのは本間と千葉のダブルボランチ。
特に本間は非常に利いていたように思う。
が、残念なことに新潟が攻撃に転じた時に、その中盤の底からの上がりがないために、せっかくの松下のクロスも、東京DFが跳ね返した後のセカンドボールの奪取がままならなかった。
時にマルシオ・リシャルデスがボールキープ、絶妙のパスから展開を狙うが、やはりそこでも中盤の押上げが足りないので、最終的には個人の技量で突破をもくろむしかなくなっていたように見えた。
絶好機を外してしまった、ということを不運として片付けるのか、それとも不足として捉えるのかは新潟サポーターのみぞ知るのであろうが、少なくともFC東京にとって幸運だったのは、絶好機を悉く弾いた塩田の当たりっぷりと、クロスバーの存在、そして押し上げてこなかった新潟中盤ではないかと思った。
ただし、それらを別としても、松下やマルシオ・リシャルデスには、東京サポーターが背筋を凍らせるだけの力があった。
本当に良い選手。

■東京の中盤も・・・■

この日のFC東京中盤は、出場停止の梶山に代わって羽生が底に入って、今野とコンビを組んだ。
アンカーに今野、ではなくて、この二人を横に並べることで攻撃力を最大限に発揮しようというのが城福監督の狙いだったのかもしれない。
が、残念なことに、羽生は左右にボールを散らすことを意識するあまり、スペースへの飛び出しという本来の特徴が半減してしまった。
今野も羽生がバランスを見るとは言えども、田中亜土夢とリシャルデスが交互に入ってくるために、後方に位置せざるを得ず、ボールを奪取することに意識が集中してしまったように思う。
そのために、前半4度ほど石川が見せた、自陣に戻っての相手パスカットからのカウンター時でも、カボレしか反応が出来ておらず、決定機の演出とまではいかなかった。
中盤の底と言う観点では、梶山の出場停止は痛かった。
軽いパスや、ボールの持ちすぎで相手カウンターの起点になってしまうこともしばしばだが、あのボールキープ力と、ユラユラと相手を抜いていくドリブルは、FC東京中盤の推進力となっていることを改めて感じたように思う。
リーグ最後の2節を出場停止となった点については梶山本人が最も反省しているに違いない。
だからこそ、梶山には天皇杯での大いなる活躍を期待したい。

■エメルソンの功罪■

この試合でもエメルソンは前半終了時のハーフタイムで交代させられてしまった。
ドリブル、パス、トラップ、そして何よりも労を厭わない献身的な守備。
選手としてはこれ以上無い優良外国人であると思っている。
が、なぜかここのところハーフタイムでの交代が相次いでいる。
なぜだろうか。
それはやはり、この試合でも観られたパスミス、というよりも、難しいことを狙う点が、ピッチの外から見ていて印象が良くないからであろう。
豊富な運動量を基に、相手選手のマークを掻い潜り、スペースを生み出す。
そこにサイドバックやボランチが入っていってパス交換をして攻め込んでいく。
この点ではエメルソンの貢献度は大きい。
が、再び自分がボールを持った時に、シンプルにパスを繋いだりクロスを上げるべき場面で、難しい「第三の選択」をして、一気にスルーパスを狙ってしまうのである。
それが人数の揃った相手DFに引っかかり、ロングボールから逆襲を喰らってしまう。
中盤でゲームを作る、というよりは、あくまでもアタッカーとしての役割を意識しすぎてしまっているように思える。
先にも述べたように、FC東京の中盤が押し上げ難い状況にある中で、エメルソンが組み立てる、作る意識を出してくれたならば、試合は大きく動いてように思う。
実際、左サイドでタメを作っていたのは彼なのだから。
パスミスを「無理に狙う」と見るのか、「エメルソンの理想が高く、周囲がついていけない」と見るのかは人それぞれだろう。
前回の神戸戦レビューでも書いたが、中盤に駒不足のように感じるのは、実はこのエメルソンという功罪両面が良く分かってしまう選手がいるからかもしれない。
この辺り、城福監督がどのように考えているのか。
折悪しく「移籍」「契約更改」の時期。
が、個人的には「いてもらわないと困る選手」だと思っている。
今季の積み重ね、そして今一度城福サッカーをエメルソンが理解し、周囲がエメルソンを理解してこそ、新たな飛躍が期待出来るように思う。

■異質(おかし)な二人■

決勝ゴールは、ラッキーな側面も否定できないが、赤嶺が決めた。
シーズン通して12得点。
放ったシュートは実に35本。
決定率は実に3割4部3厘。
目下得点王の鹿島マルキーニョスでさえも2割5部と高いが、それを上回る数字は脅威と言える。
往年の磐田中山雅史を思わせるようなスーパーサブっぷりを発揮している。
残りの1節及び天皇杯はスタメンで観てみたい気もする。
他方でスタメンで出た場合には消えてしまう時間帯が多いという点も否めない。
その一方でスタメンを張っているのは平山である。
期待度の大きさの割りに結果が出ていないことで賛否両論。
が、鹿島戦やガンバ大阪戦で見せたポストワークはかなりレベルが高い。
更には平山にマークが集中するため、カボレや石川が動くスペースが出来てゴール前に顔を出すことも出来る。
全く質の異なるFW二人を天秤にかけなくてはならない状況に、一番頭を悩めているのが城福監督なのかもしれない。
両選手の要不要を唱える前に、考えなくてはならないのは、この二人の質が余りに違いすぎることだと思う。
その上に、要不要論が巻き起こってしまう原因には、出している結果があまりにも違いすぎること。
「FWは点を取ってなんぼ」
と言われて久しいが、前線からの守備、ポストワーク、マークを引き付けて後ろの飛び出しを誘発する、と雑多なことが認められる現代サッカーにおいて、どちらのスタイルが正しいとも言えないように思える。
今季二人のFWの選手を観てきて、何度も
「ドラえもんのウルトラミキサーがあったら」
と思ったものだ。
のびえもんならぬ、平嶺か赤山というストライカーが出来れば・・・。
ただ、そうは行かないというのが現実であり、その現実に付き合ってきたからこそ、今シーズンの面白さがあったように思う。
個人的には来季も二人が同じチームで戦ってくれることを望む。
1年目よりは2年目。
今季の積み重ねが、来季、良い相乗効果を産んでくれるのではないか。

今季残りは最小2試合、最大4試合。
大いに楽しんで、旗印が上がりっぱなしなことを望んでサポートしていきたい。

posted by stanger |23:03 | FC東京 | コメント(4) | トラックバック(0)
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【Review】FC東京 vs アルビレックス新潟(11月30日(日)@味の素スタジアム 16:00~)

コメント投稿者ID :

扇情的という言葉は、いい意味ではない。辞書ひきなさい。

posted by abc | 2008-12-03 05:14

【Review】FC東京 vs アルビレックス新潟(11月30日(日)@味の素スタジアム 16:00~)

コメント投稿者ID :

扇情的 → 感情や情欲をあおりたてるさま。(Yahoo!辞書 大辞泉より)

監督あいさつでは、明確な方向性を示したことによって気持ちをあおっていたました。
(モチベーションをあげていた)
いい意味ではない、とのことですが事実だったのです。でしょうか?



監督がかわると、こんなにも心が動かされるサッカーをみることができるのか
と改めて感じたシーズンでした。
(もちろん、まだまだ終わりません)

エメは、残ってほしいですね。
周りと連携できたら、かなりの脅威になると思うのです。
エメ自身が、東京で結果を残したいと思ってくれると嬉しいです。


4試合、戦い抜いてほしいと思います。
まだまだ、たのしませてほしいです。

posted by むに | 2008-12-03 12:04

コメントありがとうございます

コメント投稿者ID :

>abcさま

適当な言葉が見つからなかったので、「感情を煽る」という意味で使用しました。
辞書を見ましたが、悪い意味なのでしょうか・・・。
いずれにせよ、ご指摘を頂いたので、修正致します。
ありがとうございました。

>むにさま

コメントとフォロー、ありがとうございます(汗)。
監督が代わると、本当に様変わりしますよね。
基礎は基礎として活かしながらも、見る側を更に熱くした、との意味でも、城福さんの個性が我々に良く伝わったとも思います。
エメもまだまだ不完全燃焼のはずですので、是非とも良い意味で城福監督を裏切る力を見せて欲しいですね。

私も「4試合」を期待しています。

posted by stanger@管理人 | 2008-12-03 13:57

【Review】FC東京 vs アルビレックス新潟(11月30日(日)@味の素スタジアム 16:00~)

コメント投稿者ID :

更新お疲れ様です!

泣いても笑ってもいよいよ明日でリーグ戦は最後ですね。今年は三歩進んで二歩下がる、まさに山あり谷ありでしたが、自分にとってとても充実した一年でした。このブログとも出会うことができましたしね♪

と、感傷に浸るのはまだ早かったですね(笑)あと「4試合」まだ城福東京の歩みは止まりません!城福さんのように喉がかれるまで応援しますよ!

あとエメの件ですが、彼は能力的に素晴らしい選手だと思うからこそ余計モヤモヤしますね…一番気になるのは視野の狭さです。あと右足に偏りすぎというのもありますが、それは個人のプレースタイルだからしょうがないですかね。でも、あの献身的なプレーは大好きなので、もっとフィットできるようになれば最高だと思います。

posted by 多摩っ子 | 2008-12-05 13:13

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