2008年10月26日
【Review】FC東京 vs 鹿島アントラーズ(10月26日(日)@味の素スタジアム 14:00~)
濃霧の中での屈辱。 実力差を思い知らされたアウェー戦から3ヶ月。 「あそこからどれだけ追いついているのか」 繰り返し城福監督が語っていた言葉からは自信が感じられていた。 が、申し訳ないが、ここまでの結果を生み出す自信とは感じることが出来なかった。 相手の特徴を消しあう戦い。 スピード感のある攻撃と高い位置からの守備意識。 両チームの選手は極めてクリーンに戦い、高い次元の試合をしたと思う。 2008年FC東京のベストバウトとしても良いぐらいの、3-2の壮絶な戦いだった。
■新旧融合 昨シーズンまでのFC東京の特徴であるサイド攻撃。 このBlogでも再三語ってきたとおり、高い位置に張り出したウィングの選手がスピードで相手サイドバックを押し込める、そしてそのウィングをサイドバックがオーバーラップして行く。 この縦へのスピードがFC東京の象徴である。 その特徴を更に伸ばすべく、今季から城福監督がポゼッションというエッセンスを付け加えることとした。 今日の試合はこのポゼッションと縦へのスピードが見事に融合した試合、すなはち、FC東京の新旧スタイルが融合した内容だった。 ■内田を押し込める 前半からFC東京ペースで試合を進めることが出来たのは、鹿島アントラーズの両サイドバックを押し込めることが出来たからだろう。 特に右サイドの内田に自由に上がらせなかったことが大きい。 カボレがスピードで裏を狙い、その後ろからは長友が無尽蔵のスタミナでオーバーラップを仕掛ける。 二人で崩せないと見るや、中盤からは羽生が顔を出してボールを受ける。 時に内田は3人の相手がパス交換するのを視野に捉えながら、自分の背後をケアするという厳しい立場に立たされていた。 その内田をカバーするように岩政がつり出されれば、そのスペースに今野や梶山が飛び出してくる。 そこを中後がカバーに入らざるを得なくなる。 東京の左サイドからの攻撃で内田を押し込めたことが、勝因の一つと言える。 ■セカンドボールの奪取 勝利した札幌戦、敗戦した清水戦、大分戦。 全てに共通するのはセカンドボールが取れないという点だった。 そのため、相手に速攻を食らうケースが多かった。 中央からの攻撃に終始するあまり、弾き返されたボールを拾い集める役目を担う選手が少なく、必然的にDFと前線が間延び。 結果セカンドボールを全て拾われてしまうことが多かった。 が、今日は先に述べた通り、内田を押し込めたことで、鹿島DFがポジションをシフトせざるを得なくなり、その空いたスペースに中盤の選手がフォローに入るという連鎖を生み出したために、クリアボールに対しても中盤でしっかりと枚数を揃えることが出来ていた。 そこからのやり直しを中央突破で繋げる、中央が難しいなら回して再びサイド、とセカンドボールを拾うことで選択肢を増やすことが出来ていた。 左サイドを使うことで、石川と徳永の右サイドも活きる。 その連動が非常に良かった。 ■ペナルティの中の枚数 今までの試合で最も良かった、と思えるのが、サイドから攻撃を仕掛けたときに、ペナルティエリアに入っている選手の数が多いことである。 2点目のシーンでは、長友・羽生・平山。 3点目も大竹・鈴木・平山とここでも3選手が入ってきている。 ペナルティの中に人数をかけることで、誰かが飛び込んだボールや少しずれたボールも決定機として再チャレンジが出来る。 今まで特徴となるサイド攻撃を仕掛けても、中が1枚または2枚で、相手DFの数が多いケースが見られた。 しかし、2列目から羽生や大竹がペナルティに飛び込んでくることで、相手DFと同数となる。 DFはペナルティではボールに寄らざるを得ないため、誰かがフリーになったり、または混戦から押し込むことが出来る。 サイドで優位性を保つことが出来たために、中の選手が余裕を持って上がってくることが出来た。 この連動こそが、FC東京が今季目指しているMovig Footballの証に思えた。 ■求められる継続性 見事な試合だったし、試合終了後に友人の鹿島サポーターからも 「この試合で負けたらしょうがない」 と賛辞のメールをもらった。 が、このテンションを次節ガンバ大阪戦に持っていけるかどうかが問題である。 今までも、集中力の高い試合の後に、相手のサッカーに合わせてしまい、本領を発揮できない試合が何度も続いていた。 その点は、勝ちはしたものの、相手の鹿島から学ぶ部分は多かった。 1点先制されても、自分達のサッカーをベースに圧を高めて一気に襲いかかる。 追いつくためにどこでエンジンをかけるのか、誰が走りこむのか、約束事が明確に出来ている。 自分達のストロングポイントをチーム全体で理解・共有しているからこそ出来る攻撃のスタイルであると思った。 相手に合わせるのではなく、自分達の良いところを繰り返し使いながら、圧力を高めるような試合が継続してできれば、ACLという目標も手に入れられるように思う。 この良いイメージをそのままに、選手たちも次節に向けてもう一段集中を高めてくれることと思う。 他にももっともっと言いたいことはある。 転がりながらも咄嗟の判断で足を出した大竹。 無尽蔵のスタミナで相手を蹂躙した長友。 縦への突破力でチャンスを生んだ石川。 そしてポテンシャルの高さを見せ付けたカボレ。 11人全員が素晴らしい戦いを見せた。 そこに鹿島の11人も加わったことで、誰が見ても熱い試合になったと思う。 何度もビデオを見返したい一戦だった。
posted by stanger |20:55 |
FC東京 |
コメント(2) |
トラックバック(0)
トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/stanger/tb_ping/72
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
【Review】FC東京 vs 鹿島アントラーズ(10月26日(日)@味の素スタジアム 14:00~)
コメント投稿者ID :
ご無沙汰しております!久しぶりの書き込みです。記事は毎回読ませていただいておりますが、書き込むタイミングを逃してしまってました(汗)
いやー、今日はまさにベストバウトでしたね!選手ひとりひとりに気持ちが入ってましたね。セカンドボールも取れてたし、球際も強くしつこく対応できていたと思います。カボレ、長友サイドは圧勝でしたね!内田の悔しそうなアクションが印象的でした。
自分もこれからニヤニヤしながらビデオで見返します(笑)
あと、ムック本買っちゃいました!アマゾンで注文してたのが届いたので、やっと読むことができました。すでにブログで読んでいた文章ではありますが、改めて貴重な意見だなぁって思いました。その他も初めて知ったことが多くて面白かったです。前回の秋春制の記事も大変参考になりましたし、東京以外のネタも楽しみにしてます♪
posted by 多摩っ子 | 2008-10-26 22:39
コメントありがとうございます!
コメント投稿者ID :
>多摩っ子さま
ご無沙汰です!
また九州に行かれているのかと思いましたよ(笑)。
いつもありがとうございます!
私も今日は美酒に溺れてます。
鹿島に勝った、というよりも、城福監督が理想としているサッカーはこれなんだろうなー、と一人ごちながらニヤニヤしてます。
ガンバ戦もまた気分良くなれるように、それぞれの場所で声援しましょう!
ムック本、ありがとうございます。
正直ムック本に掲載された文章の方が良いですよね・・・(プロが校正してくれましたし・・・)
自分の収入になんら変化がないと分かっていながら、近所の本屋で平置きになっている位置をサッカー小僧と変えたりという暴挙に出てしまいました(汗)。
残り4試合、胸を熱くする東京の活躍に期待します((c)目黒)
posted by stanger@管理人 | 2008-10-26 23:05
コメントする
「他サービスID/メールアドレス」で投稿する場合は、そのID/メールアドレスは表示されず、当サービス専用の固定のコメント投稿者ID「英数+連番」に変換され表示します。
- Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
- mixiアカウントでコメント投稿
- Googleアカウントでコメント投稿
- Hatena IDでコメント投稿
- Biglobeアカウントでコメント投稿
- ログインしてコメント投稿
- メールアドレスでコメント投稿
※新規のメールアドレスによる投稿IDご利用は停止しました。
※コメント投稿手順
(1)上記リストから希望のIDを選択する。
例: Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
(2)Yahoo! JAPAN上の本人確認画面でIDとパスワードを入力する。
(3)スポーツナビ+blog側のコメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。
詳しくは以下2ページをご覧下さい
・【仕様変更】PCからのコメント投稿について
・ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」
※コメント投稿手順
(1)上記リストからログイン/メールアドレスのどちらかを選択する。
例: ログインしてコメント投稿
(2)plus-blogのアカウントとパスワード/メールアドレスを入力する。
(3)コメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。
詳しくは以下2ページをご覧下さい
・【仕様変更】PCからのコメント投稿について
・ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」


