2008年09月15日
【Review】FC東京 vs 大宮アルディージャ(9月13日(土)@味の素スタジアム 18:00~)
「女よりも、仕事よりも東京」 そう思って来たけれども、人生そうもいかない時だってある。 ということで今季初のホーム観戦欠席。 テレビ観戦にてのレビュー。 じっくり見てたら、書きたいことが多くなりすぎた。 また長文・・・。 字数制限という文化が自分の中になくなりつつある。
■ラフリッチとデニスマルケス■ とにかく大宮はラフリッチ。 よくこんな選手を連れてきたものだ。感心する。 高さのみの選手と侮っていたが、強さと速さを持っている。 速さ、というのは俗に言う「走るスピード」ではなくて、一歩目の速さだ。 ボールを受けて反転してシュートを放った85分のプレー然り、随所に一歩の速さで相手を置き去るスピードを持っている。 13分に先制したシーンでも、マークに付く徳永から一歩下がり、間合いを取って見事にフリーで合わせたゴールだった。 その時のバックステップの速さはビデオで何度見返しても見事だった。 勿論、持ち前の体を活かして、ハンドオフで簡単にDFを突き放す強さもまた、東京DFにとっては厄介だっただろう。 が、東京DFが助かったであろうと見えたのは、ラフリッチとデニス・マルケスが近い距離でプレーする機会が少なかったこと。 ラフリッチのポストプレーを、デニス・マルケスが足元で受けると、殆どの場合がピンチに繋がっていた。 解説の川本氏は二人のFWの能力、大宮のシンプルなプレーを賞賛していたが、僕が見る限り、ピッチを縦に二つに割った攻撃スタイルのように見えた。 ラフリッチはラフリッチ、デニス・マルケスはデニス・マルケス。 そういうエリアの使い方に見えて、どちらか一方を遮二無二抑えればなんとかなりそうに見えた。 前半に2度ほどあったが、ラフリッチがボールを受けようとサイドに流れた時に、マークに付く今野も一緒にサイドに釣りだされていた。 これによって、今野と茂庭、二人のセンターバックの間が大きく離れてしまっていたが、そこにデニス・マルケスが飛び込むことは無かった。 2列目から佐伯、片岡という選手が飛び込んだとしても怖かったが、デニス・マルケスがそのギャップを突いてこなかったことは、東京DFにとってはラッキーだったかもしれない。 デニス・マルケスはもう少しラフリッチと近いところでプレースすべきだろう。 持ち前のスピードとテクニックでDFを切り裂くことを狙うのであれば、強く、正確な足元の技術を持っているラフリッチからの落しを、前を向いて受けることを考えたほうが良いように思えた。 ■カボレの活かし方■ 左サイドにカボレが張り、持ち前のスピードを活かすべく布陣。 平山とのコンビでも試されたが、この試合のように、この布陣なら赤嶺がトップの方が良いようだ。 試合開始早々に赤嶺が大宮のセンターバック二人の間を割って入る動きをした。 これによって、レアンドロと富田の二人は赤嶺の動きを牽制せざるを得なくなる。 そこで生まれるギャップ、そして村山が飛び出した背後をカボレが飛び出していく。 前を向けば並のDFでは追いつけないスピード。 赤嶺が泥臭く突っ込んでいくからこそ出来るDF同士のギャップと、カボレが飛び出すスペース。 逆を言えば、カボレが飛び出していくほどに赤嶺にもスペースが与えられる。 ロングキック一発攻勢であっても、カボレが左に入る意義は大きい。 そしてまた、カボレが動いて作ったスペースを埋める羽生の動きというのもまた、素晴らしいものがあった。 赤嶺、カボレ、羽生。 この3人の動きを見ているだけでも十分に楽しめるサッカーだった。 その分、東京の前半は左サイドが推進力を持っていて、大宮右サイドバックの村山も釘付けにされてしまっていた。 ■バランスの悪さと、その修正■ カボレと羽生が中心となって左サイドを推進力として機能させていた一方で、右サイドはエメルソンが推進力となりきれなかった。 決して悪い出来ではなかったが、エメルソンが時折陥る「視野の狭さ」が顕著となってしまい、左サイドが上がり気味、右サイドは中途半端な位置取り、と左肩が上がった布陣になってしまっていた。 更には右サイドでボールを持てないエメルソンがどんどん中に入っていくものだから、右サイドバックの長友が波戸と金澤の二人の面倒を見なければならず、更にずるずると下げられることとなってしまった。 この点を後半開始から石川を投入したことで、大幅に改善することに成功した。 左サイドはカボレ+羽生+時に徳永、右サイドは石川+長友+梶山で攻撃の形を作り出したことで、大宮は全体的に下がり気味となる。 押し込んではクリア→コーナーキックとチャンスを演出し続け、その繰り返しが赤嶺の同点ゴールへと繋がった。 この修正力がこの日の大きな力だったことは明らかだし、それ以上に力を発揮して右サイドを駆け上がった石川の力が大きいことは言うまでもない。 ■大竹洋平という子■ 何度も繰り返しビデオを見ても、72分のFKには鳥肌が立つ。 中村俊輔がフランス代表相手に決めたFKの如く、ファーサイドのサイドネットに突き刺さった、スライダーのようなFK。 フロンターレ戦のループシュート然り、この子は本当に凄い力を持っている。 但し、羽生の怪我から入ったことで、先述した左の推進力が落ちてしまったことは否めない。 羽生の運動量こそが左の推進力であり、どちらかというと、ボールを持ってこそ真価を発揮する大竹では、カボレとの流動性は継続出来ない。 今現在の大竹にそれを期待することは酷かもしれないが、羽生の動きを見習ってもらうことで、大竹の力はもっと大きくなるだろう。 むしろ、大竹が大竹らしく見えたのは、カボレが鈴木達也と交代してからではないだろうか。 中盤3枚の真ん中にポジションを移して、ボールを持ったシーンが何度か見られた。 ドリブルして前に向かい、DFの間を通してパスを出す。 ゴールに結びつかなかったが、左サイドを走る鈴木にパスを出した場面などは彼の持つ資質の高さを見せた。 元々持っている技術の高さ、ボールを持った時の前に行く力、そしてキックの精度。 体は一回り大きくなったし、倒れなくもなった。 だからこそ、後は羽生のような「スペースを見つめる目とそこに動くスタミナ」を身に付けて欲しい。 大竹洋平という「子」ではなくて、「男」になるためにも。 ■ありがとうレイソル■ 鈴木達也。素晴らしい。 大竹の項でも触れたが、彼がカボレに代わって左サイドに入ってから、明らかに東京の左右のバランスが良くなった。 まだまだ慣れる必要はあるだろうが、攻撃時にも守備時にも、話題の運動量で走り回った。 特に感心したシーンは二つ。 77分に赤嶺とのワンツーでDF裏に抜け出したプレー。 羽生が時に見せるプレーだが、羽生が抜けた後にも同意のプレーが見られたことは、90分継続して変わらぬサッカーが出来るのではないか、という期待を感じさせた。 そして89分の赤嶺のゴール。 この時にも赤嶺の裏にきちんと上がって詰めていた。 ゴールキックから長友が大きくDFラインの裏へ出し、石川が追いついてクロスを上げたのだが、あの一連の中できちんと赤嶺と共に最前線まで上がってきていること、そのことが非常に素晴らしいし、交代で入った意味を良く理解している。 (もちろんあそこをきちんと決めた赤嶺も素晴らしい。) 栗澤が嫌いとか、ダメとかいうわけではないが、こういう選手をレンタルで移籍させてくれた柏レイソルにはありがとうと言いたい。 来年もいてくれたら・・・。 鈴木の加入は非常に楽しみだ。 ■それでも課題を挙げてみる■ 60分を境にして何度か大宮にミドルを打たれるシーンが見られた。 シュート精度のお陰で事なきを得たが、同じことを何度もやられることは避けなければならない。 羽生→大竹の交代で中盤の守備力が落ちてしまったことは否めないが、であれば梶山と浅利が横になって大竹の後ろをケアするなどの修正が必要だっただろう。 その誰がどのスペースを受け持つのか、というところが曖昧になってしまったことでピンチを迎えたように見受けられた。 負けている場面での交代ということもあったが、大竹を入れることで前の力は大きくなるが、受け止める力が軽減してしまう。 その場合に、残る中盤2枚がどのように並んで、DFとブロックを作るのか、ここは多くのパターン練習を行って克服して欲しい。 ■残り10試合に向けて■ 城福監督にとっては、石川、大竹、鈴木と交代で入った選手の活躍は嬉しい悩みの種になるだろう。 次節の川崎フロンターレ戦に向けて、今節と同様に東京らしいサイドの攻撃力で勝負するのであれば尚更だ。 個人的には4-3-2-1(4-3-3)でいくのであれば、中盤の3は三角形にして、その頂点にエメルソン、底辺の部分を梶山と今野で構成して欲しい気もする(4-2-3-1ですね・・・)。 そうなると羽生はどうなっちゃうのか・・・。 試合の実況である西岡氏も言っていたが、ある意味で試合毎にスタメンを入れ替えてきた意味というのがここで良い方向に作用しているのかもしれない。 いずれにせよ、「攻撃的で魅力的なサッカー」を取り戻しつつある東京。 このまま残り10節を一つ一つ、大崩れせずに乗り切って欲しい。 あ、赤嶺のことをあんまり褒めてない・・・。
posted by stanger |19:54 |
FC東京 |
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【Review】FC東京 vs 大宮アルディージャ(9月13日(土)@味の素スタジアム 18:00~)
どもども、北九州を旅してきた多摩っ子です。さきほど書き込みに失敗してしまい書き込み文が消えてしまい意気消沈しています…「長文コメはやめろ」というお告げでしょうか…短文にまとめる能力はないのでやめられませんが(笑)
改めまして、いつも詳しい考察をありがとうございます。エメぐらい視野の狭い私にはとても参考になります(笑)大竹、石川、赤嶺など触れたいことはたくさんありますが、私も気になった「課題」についてだけよければご意見を聞かせて下さい。
今節のように負けてる場合は、前がかりになり守備が薄くなるのはある程度やむを得ないと思いますが、勝ってる状況で中盤の運動量が落ちてきた場合はどういう対応をするべきなのかイメージが湧きません。最近負けている試合が多かったせいもあるのでしょうが、浅利をスタメンで使っていた場合は尚更です…中盤も引いてカウンター?それともポゼッション重視?その辺の意識は統一できているのか?ちょっと心配になってしまいました。ミドルを打たれたシーンは中盤がらがら、枚数足りてないで冷や汗ものでした…でも、ある程度引いてカウンターって考えると鈴木の加入は大きいですよね。
最後に、今節栗澤はスタメンだったみたいですけど、どうだったのでしょうか??試合は負けてしまったようですが、新天地でも是非がんばってほしいです。
posted by 多摩っ子 | 2008-09-15 23:54
【Review】FC東京 vs 大宮アルディージャ(9月13日(土)@味の素スタジアム 18:00~)
≪追伸≫
ムック本の発売日やタイトルが確定したら教えてくださいね!楽しみにしてます♪
posted by 多摩っ子 | 2008-09-15 23:57
コメントありがとうございました!!!
>多摩っ子さま
お返事が遅くなってすみません・・・。
>「長文コメはやめろ」というお告げでしょうか…
「もっと長く書け」だと思います(笑)。
長文には長文で対抗してください!
ご指摘の課題点は難しいですよねぇ。
逆から見れば、3点目は大宮が同点狙いで上げて来ていたので取れた、とも言えます。
今までも東京でも同じような追加点を取られるシーンは見てきましたし。
唯一僕が言えるのは、
「原則である相手+1枚の選手を自陣に残して、攻撃に移っている選手でどれだけ正確に相手ゴールを襲えるか」
ではないかと思います。
そうなると、やはり相手の枚数が揃ったゴール前で「アイディア」や「多くの選択肢」を持てる選手がいるか、という質の部分が重要になるのではないかな、と思います。
あまり言いたくはないですが、ケリーがいた時はその最後の質が存在していましたが、今の東京では質となるべき梶山が伸び悩みというのが実情ではないでしょうか。
その点では大竹は自分で仕掛ける、パスを出すと、ゴールに向かう質は非常に高いと思います(かつては馬b・・・)。
その質を実にどうやって変えていけるのか、が城福東京の大きな課題なのかな、とコメントを拝見して考えたところで思いました。
ちょいと的外れな気もしますが・・・。
多摩っ子さんのご意見もお聞かせ下さい!!
ムック本ですが、編集さんからも連絡がなく・・・。
もう9月中旬なんですが・・・。
Kさん!もし見てたら連絡下さい(笑)。
(直接すりゃーいいだけか)
posted by stanger@管理人 | 2008-09-17 23:55
【Review】FC東京 vs 大宮アルディージャ(9月13日(土)@味の素スタジアム 18:00~)
こんにちは!レスありがとうございます。
なるほどなるほど!いつもながら参考になります。確かに最近では鹿島戦で散々な目にあいましたね…
この件に関係してるかもしれない記事が今日のトーチュウの365日に書かれていました。実際にそうするかは微妙ですが、リードして迎えた最終盤という設定で藤山、金沢の両選手を投入。梶山をFWとして起用するということです。その内容に対する驚きもありましたが、あまりにタイムリーな話題だったのでその意味での驚きのほうが大きかったです(笑)城福さんがこのブログを読んでるんじゃないかと思ってしまいましたよ(笑)
まさにstangerさんが指摘されたように「アイディア」や「多くの選択肢」を持てる選手に梶山が選ばれたという形だと感じました。その役をこなせるかは別として可能性があるのはやっぱり梶山ですもんね。大竹にもそれ以上に感じますが、キープ力を重視して逃げ切りたいという意味もあるんでしょうね。とにかくstangerさんのイメージ通りでただただ感心しちゃいました!それプラス自分の心配も少し解消です(笑)
今日は多摩川クラシコですね!レビュー楽しみにしてます!
posted by 多摩っ子 | 2008-09-20 11:58


