2008年08月17日

【Review】FC東京 vs 浦和レッズ(8月16日(水)@味の素スタジアム 18:30~)

結果的には、浦和とFC東京の差は埋まっていない。
2004年のナビスコカップ決勝では、本当に拮抗した良い試合を展開した。
が、それから4年。
どんなに「つまらないサッカー」「あんなサッカー」と言っても、埋め難い差が広がったように思う。
2004年と言えばアテネオリンピック。
今は北京オリンピック。
かつてのライバルは研鑽を重ね、今はもうライバルとすら言えない位置にいってしまった。

■個の差■

浦和レッズが金をかけて技術力の高い選手を集めているから、というのはこの際エクスキューズにしかなり得ない。
この試合を通して見えたのは、この技術力の差でしかなかった。
確かに前半は、両サイドのスペースを上手く使ったFC東京が、シンプルにボールを回してチャンスを演出した。
平川、相馬のレッズ両サイドは、それぞれエメルソン、石川の東京両翼に引っ張られ、完全に押し込められていた。
しかし後半に入ると、レッズ中盤の底を固めるダブルボランチの一角が高い位置を取り始める。
阿部が2列目に顔を出すことで、3-4-3のトップ下の役割を担い、ボールが収まりだした。
スペースを見出してはボールを引き出す阿部。
しかも足元でぴたりとボールを止め、そしてサイドに散らす、または無理をせず後方からの支援を待つ。
ボールが収まったところで小気味良くボールが回るのは、最初の段階でしっかりと「次にボールが蹴れる位置」にボールを置く、基本技術が、高いレベルで行われるからである。
一方でFC東京。
前半こそ平山や石川にボールが収まるケースがあったが、ファーストタッチの一つ一つが、レッズのそれと比してズレまくっていた。
それによってレッズ3バックが息を整える時間を与えてしまい、最後のところ、つまりフィニッシュまで行くことさえ出来なくしてしまっていた。
この「個々の技術差」を「金銭の差」というのは簡単である。
が、サッカーというものは金銭だけで差が付くものではないだろう。
金銭の差を理由にするのであれば、FC東京とも大きな差がある大分トリニータがこのレッズに勝った理由をどうつけるのか。
その大分に「負けた」東京の敗因をどこに求めるのか。
結局は一つ一つのプレーの正確性と言うしかない。

■骨子があるのかないのか■

外国人審判団のオフサイドの判定は、極めて正確だった。
ビデオで見返していないので、一回ぐらいは間違えている可能性があるかもしれないが、恐らく全く問題無いジャッジだったと思う。
東京DFは再三手を挙げてオフサイドをアピールしていたが、前半から裏を取られてはゴールを強襲され続けていた。
幸いにも、高原なのかゴールマウスなのかは知らないが、味方かと見紛う働きをしてくれた「何か」があったから0-1というスコアで終わったが、最後まで裏を狙い続ける浦和に成す術が無かったことは認めなくてはならない。
実際、失点シーンにしても、実質3列目の相馬に軽々と裏を取られてキレイに決められてしまった。
鈴木啓太が良く相馬の動きを見ていた、と言ってしまえばそれまでだが、先に述べた通り、阿部が1列(というよりも0.5列程度)ポジションを上げたことで、東京のDFが見極めるべきものを見失ったように思う。
羽生、浅利という経験豊富なボランチを形成していたがために、後半出だしからの浦和の攻勢にもなんとか対応できていた。
上がる阿部を浅利が見て、こぼれ球を狙う鈴木に羽生がプレスをかける。
その役割が崩れた。
その要因がなんであるのかは、記録を見れば自ずと分かることのように思える。
ただ、それは結果論であって、個人的には愚直もしくは徹底的に、フラットな東京DFラインの裏を狙い続けた浦和の勝利には違いない。

■3列目■

前節久々の勝利をした名古屋戦。
結果的に相手のクリアを拾った平山がゴールしての勝利だった。
が、ここで気付かなくてはならないのは、FC東京が目指すサッカーにとって最重要なのは3列目がいかに効果的に飛び出してくるかではないか。
平山のゴールのシーン、ペナルティに飛び出してきたのは羽生である。
過去、今シーズン、先シーズンと勝った試合を思い起こしても、ボランチがどれだけ前に出てきて、「勝負の瞬間」に顔を出していたか、ではないだろうか。
今日も再三羽生が前に顔を出そうと動いてはいた。
が、飛び出してもレッズの3バックに押し出されるようにサイドに流れてしまう。
前半に、浅利が飛び出してシュートチャンスまで作った。
あのように3列目の選手がゴールに向かう勢いがないと、東京が採用する4-2-3-1では攻撃の厚みが増さない。
実質、原監督下の東京が苦しい時にゴールを奪取していたのは誰だろうか。
今季序盤、目覚しい活躍で「得点量産化!?」と思わせたブラジル人が位置していたのはどこのポジションだったろうか。
FWの得点力不足を嘆くのも分かるが、厚みのある攻撃が出来ていない、という事実を感じなくてはならない、と思ったのは俺だけだろうか・・・。

■俺様の帰還■

正直キレそうになった。
レッズの選手が持ちうる個々の技術力の高さについては、先述の通り認めざるを得ない。
が、果たしてあれが本当に面白いサッカーだったか、というとそうでもないように思う。
愚直に裏を狙う、つまりは相手の弱点を突いて、勝ちを収めることは勝負では重要だ。
が、あれだけでの技術力を備えていながら、その愚直なスタイルを貫くことには違和感を覚える。
というよりも、もったいなくてしょうがない。
前にも書いたが、レッズほどの人材が揃っているなら、本当に世界レベルに通用するサッカーをして欲しい。
だからこそ3バックを放棄して、世界に通用するサイド攻撃を見せる4バックのシステムを採用して欲しい。
それだけのポテンシャルがあるのにやらないでいて、愚直な戦法を取るチームに負けたことでキレそうになる自分がいた。
が、その自分に平静を取り戻させたのは一人の男だった。
茂庭。
ようやく帰ってきてくれた。
確かにまだまだフィードの精度は成長していない。
が、彼が本来持つスピードがようやく帰ってきた。
田中達也にも走り負けていなかった。
懸命にゴール前で踏ん張り、1対1も果敢に挑んで行く姿が見れた。
茂庭が本来持つ、俺様になって帰ってきた。
負けはしたが、その姿をこの目に焼き付けられた。
だからこそ、俺は信じたい、そう思った。
後は待つのみ。
攻撃陣、というよりFWとMFが一丸となって攻め、得点して勝つことを。

posted by stanger |00:22 | FC東京 | コメント(4) | トラックバック(0)
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【Review】FC東京 vs 浦和レッズ(8月16日(水)@味の素スタジアム 18:30~)

結局、毎年自己満足と言うか、自分達の殻に閉じ篭ってるだけにしか思えない。

目指しているサッカーに、それが崇高だと思い込んでる事に酔っているだけ。

負ければつまらない、規模の差だと相手に全てをなすりつける。

J2だろうが地域リーグまで落ちても続けるなら認めますよ。その心意気。

でもせいぜいゲームでカッコイイサッカー目指してるのと同じくらいの現実感ではないですか?


審判ならもう少し理解してジャッジしてくれると思っていましたが・・・他と一緒で残念。

posted by したみ | 2008-08-17 11:58

【Review】FC東京 vs 浦和レッズ(8月16日(水)@味の素スタジアム 18:30~)

更新お疲れ様です。

また浦和に負けてしまいましたね。私としては今ちゃんをサイドバックではなくボランチとして使ってほしいです。DFラインが緊急事態なのは分かりますが、器用貧乏の今ちゃんがかわいそうです。フロンターレ戦のような得点シーンが見たい!

あと梶山ですが、アントラーズ戦で小笠原と比べてダメだと思ってた部分がオリンピックでもろに出てしまった気がします…帰国後、本人も言っていたようですが「気持ち」が大事だということです。といっても、今はその気持ちを表すだけの体力、特に瞬発力が無さすぎる気がします。だから、少しパスがずれるとキープできない、カウンターで攻めあがたっとき一緒に着いていけない、一度抜かれると相手のスピードに着いていけないからバランサーの役目”しか”できない。攻めたら帰ってこれない、だから攻めないっていう感じですね…昨日の交代直後は前後の動きがそれなりに見れた気がするのですが、またすぐにいつもの梶山になってしまった。

梶山以外にもエメのボール持ちすぎとかまだまだ言いたいことがありますが、それは置いておいて(長々とすいません^^;)単純にヘディングでボールを落とす時の精度やトラップの精度、ポストプレーでキープする精度を全体で高めてほしいと感じました。やはり、阿部、トゥーリオはヘディングの強さフィードの上手さだけでなく全体的なプレーの質が非常に高いですね。なんせ気持ちが一番強い…代表だと心強いですけど…

これからも更新楽しみにしてます!

posted by 多摩っ子 | 2008-08-17 17:09

コメントありがとうございました

>したみさま

コメントありがとうございます。
恐らく仰っていることは、FC東京というチームのフロントがとる施策についてかと類推します。
サポーターである私自信もそう思ってはいます。
ただ、だからと言って東京無しの生活など考えられないので、意見を言って変わってもらえるように草の根活動するしかありません。
その上で
>でもせいぜいゲームでカッコイイサッカー目指してるのと同じくらいの現実感ではないですか?
こちらのご意見が指し示す意味合いを理解する読解力がない私の問題かもしれませんが、現実感としてはフロントも(サポーターも)捉えていると思います。
選手もフロントも、自分達の生活がかかっているのですから。
サポーターからすれば、生活はかかっていませんが、やはり理想論と現実論のバランスが取れたチーム運営を望みます。

>審判ならもう少し理解してジャッジしてくれると思っていましたが・・・他と一緒で残念。

この部分は私個人へのご意見と感じましたが、残念ながら、東京に関しては審判目線では見ることが出来ません。
サポーターである以上、中立であるべき審判の立場を確保することは出来ないので・・・。
他と一緒、とのことですが、どの部分が、といった対象を示していただけると、後学のためにも幸いです。
今後もお暇がありましたら、お立ち寄り下さい。

>多摩っ子さん

すみません。名古屋戦吹っ飛ばしてこちらのReviewとなってしまいました。
いつもありがとうございます。
遂に多摩っ子さんも堪忍袋の緒が切れた・・・、って感じですかね?(笑)
梶山についてのご意見、エメの球離れの悪さ(特に試合終盤)については全く同じ意見です。
あんまり精神論で片付けたくないですが、梶山も含めて、東京にはチームを鼓舞したり、「絶対負けねー!」っていう気持ちの出る選手(川崎のテセとか)がいない、というのも問題ではないかと思います。
かつてフミさんがいて、チームが苦しい時に声を出したり、ハーフタイムに一人一人に声をかけたり(浅利はやってますね)、精神的にチームを引っ張る役割がいないのも大きいのではないでしょうか。
羽生にその役割を期待しましたが、まだまだって感じも見えますし・・・。
浦和では仰る通り、阿部もトゥーリオも鈴木啓太も、良きにつけ悪しきにつけ、そういう負けん気の強さのある選手がチームを鼓舞していますよね。
なんだか試合を経るたびに、そういう「足りないところ」ばかりに目が行ってしまいますが、我々に出来ることはサポートだけなので、ファンとして批判こそさせてもらえど、選手たちを信じてサポートしましょう!
って、なんか何言いたいのか良くわかりませんが・・・。
今後もよろしくお願いします!

posted by stanger@管理人 | 2008-08-18 21:33

【Review】FC東京 vs 浦和レッズ(8月16日(水)@味の素スタジアム 18:30~)

レスありがとうございます。

完全に切れちゃいました。というのは言いすぎですが(笑)私の言いたいことも「絶対負けねー!」という気持ちが感じられない、ということに集約されます…

東京の選手に良い意味でも悪い意味でもトゥーリオや都築のようになってほしいとは思っていませんが、もう少し「一生懸命さ、ひたむきさ」を出してほしいです。それを感じることができたら、たとえ結果的に試合に勝てなくても心の底から応援し続けます。今はその情熱が湧いてこないというのが正直なとことです…

もちろん、こういうときだからこそもっとサポートしたいという気持ちもあります。せっかくのホームゲームをもっとホームらしくしてあげたいです。今すぐ浦和にも負けないぐらいというのは現実的に無理がありますが、ジェフレベルのサポの人数(味スタのとき)にも声量で押されてるのが悔しいです…

とにもかくにも、stangerさんや他東京サポの方のブログを読んで応援する元気をもらってることも多々ありますので、今後も更新を楽しみに待っています!!

それから今後はもっと短文で書けるように心がけますのでご容赦ください^^;人様のブログで図々しくてすいません(汗)

posted by 多摩っ子 | 2008-08-19 18:41

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