2008年07月13日
【Review】鹿島アントラーズ vs FC東京(7月13日(日)@鹿島スタジアム 19:00~)
霧に咽ぶ鹿島スタジアムでの試合をBSで観戦。 前節までの悪かった点を解消しようという意図は見られたが、完全にマルキーニョスに振り回されて敗退。 マルキーニョス以外にも、本山、小笠原の二人の狡猾なプレーの数々。 さすがに前節まではポジティブに考えられていたが、この敗戦からは前向きな言葉は搾り出せない。 これが今のチームの立ち位置。 ここからどう立て直すかが城福監督の腕の見せ所だし、選手の強さが試される。
■マルキーニョス■ この試合のMan Of the Matchはマルキーニョスだろう。 ボールを受けてから前を向くまでの動作。 DFに体を預けながらのボールキープ。 前線で溜めを作れるから2列目からどんどん鹿島の選手が飛び出してくる。 得点能力だけに限らず、高い足元の技術を見せつけた。 恐らく自分が目にした中で、最も良いプレーを見せ付けられてしまった。 後半はそのマルキーニョスを抑えようと3人がかりで止めに行く東京守備陣。 そこでボールを奪ったとしても、完全に中盤の選手が引っ張られてしまっているために、速攻に移る事もままならない。 ロングパスからの逆襲を狙うが、切り替えの早い鹿島中盤のフィルターに引っかかって更にショートカウンターを食らう。 この繰り返しでDF陣は疲弊し、集中力を切らした。 マルキーニョスを気にするがあまり下がるDFライン。 バイタルをケアしようと下がるボランチ。 トップとの差が広がる。 中盤省略型のサッカーとなり、お互いがカウンターの打ち合いとなったが、やはりきっちりとボールを納め、ゴールに向かう威力に長けたマルキーニョスが勝利した。 ■浮遊する中盤■ 先に述べたとおり、マルキーニョスに中盤とDFが3枚もひきつけられてしまっては、中盤を経由した攻撃は出来ない。 バランスを取ろうと下がってくる梶山がボールを持つも、ポジションが重なる今野の行き場が失われる。 中盤の底とサイドに位置するエメルソン、羽生(大竹)の距離が遠い分、梶山も中途ナンパなミドルパスを出しては引っ掛けられる。 先制点を決めた後はとにかく中盤がフワフワとして、どこにボールを出せばよいのか分からないような始末。 サイドから懸命に両サイドバックが上がりを試みるも、それもまた中途半端な距離感。 結局前線の選手が下がってボールを受けるしかなくなり、そのまま鹿島の選手がラインを上げて対応。 インターセプトの山を築く。 連鎖が連鎖を呼び、最後には4-1という屈辱的なスコアーとなった。 ■好対照の選手交代■ 一方で鹿島は東京に先制点を許すと即座に攻撃的な選手を2人送り込んだ。 その2人が即座に同点弾に絡んだ。 マルキーニョス、興梠がスピードで撹乱し、ダニーロ・本山が二人の作ったスペースにうまく飛び込んでいく。 東京守備陣がマルキーニョスにかかりっきりになって、中盤にぽっかりと開いたスペースを効果的に使うように指示があったのだろう。 見事にピッチ上の隙間を埋められて、東京は更に下がるしか術がなくなってしまった。 一方東京は後手に回る選手起用となってしまったし、交代で入った選手も決して調子が良い選手ではなかった。 羽生に代えての大竹は、投入後しばらく(霧の影響もあって)どこにいるのか分からない状況だったし、平山に代わって入った赤嶺も同様に、ボールを呼び込む動きが乏しく、もはやスタミナ切れとなったカボレをカバーする役目も出来なかった。 一気呵成に来る鹿島を押し下げるには、少々彼らでは荷が重すぎたように思う。 ■長友が必要だった理由を考える■ 確かに前半からFC東京は右サイドからのクロスを多く許していた。 それを押し込めるために、椋原よりも攻撃力に秀でた長友を投入して、サイドからの攻撃を狙ったのであろう。 しかし、失点していないDFラインを45分で代えるというのは、結果論に過ぎないが、必要であったとは思えない。 ましてや長友が負傷明けであることを考えれば、不要だったように思う。 なんどからしい突破からクロスを見せてはいたものの、全体が間延びした中でのサイドアタックはあまりにも苦し紛れに見えた。 相手を押し込める、という観点に立つのであれば、ここのところの繰り返しになってしまうが、縦に早い石川を入れたほうが効果的だったのはないだろうか。 五輪候補である長友が復帰したことをアピールする意味でも、その元気な姿を見せる必要はあったのであろうが、戦術的にはあまり効果がなかったように思う。 特に、前半鹿島が梶山にそれなりの自由を与えてくれていただけに、サイド攻撃が出来ていなかったわけではないのだから尚更だ。 ■あるいみさっぱり■ ただし、鹿島にここまで大敗させられると、ある意味すっきりする。 要はFC東京の立ち居地が監督も選手も、そしてサポーターも認識できた。 5月6日の名古屋グランパス戦での敗戦然り、前節の浦和然り、結局上位とは埋められない決定的な差があることがこれで歴然としたのである。 それは何か。 パス一つ、トラップ一つの技術レベルと、連動した動き。 ポゼッションに拘るあまりに、キャッチフレーズのMovingは鳴りを潜める。 両者をいかに両立させるのか。 あまりもハードルは高い。 が、今日の鹿島のように、それらを90分のうちの半分実行できる力が不足している。 鹿島神宮からの長い道中、選手は何を思うのだろうか。 そして現地観戦したサポーターの皆さんも、疲労感を抱えながら何を思うのだろう。 自分達の今いる位置は、順位の通りなのか、それとも・・・。 その答えは水曜日のガンバ戦で早急に表れることはないだろう。 生みの苦しみ。 そう思うことが、今日唯一のポジティブシンキング。
posted by stanger |22:21 |
FC東京 |
コメント(4) |
トラックバック(2)
トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/stanger/tb_ping/59
この記事に対するトラックバック一覧
京都の増嶋くん、お元気ですか? 2008FC東京観戦記 其の十三 【SEXY SPORTS】
テレビ観戦ですけど。 画面真っ白でしたけど。 ●鹿島 4-1 東京 @カシマスタジアム 鹿)マルキーニョス/後17 本山/後32 興梠/後41 ダニーロ/後44 東)カボレ/後13 【鹿島アントラーズ】 マルキーニョス6.5 田代4.5 (興梠6) 本山7.5
京都の増嶋くん、お元気ですか? 2008FC東京観戦記 其の十三 【SEXY SPORTS】
テレビ観戦ですけど。 画面真っ白でしたけど。 ●鹿島 4-1 東京 @カシマスタジアム 鹿)マルキーニョス/後17 本山/後32 興梠/後41 ダニーロ/後44 東)カボレ/後13 【鹿島アントラーズ】 マルキーニョス6.5 田代4.5 (興梠6) 本山7.5
この記事に対するコメント一覧
【Review】鹿島アントラーズ vs FC東京(7月13日(日)@鹿島スタジアム 19:00~)
はじめまして。
トラックバックさせていただきました。
マルキも良かったですが、
僕は本山の方が嫌でしたね。
とりあえず彼らのせいで最終ラインが深くなってしまった・・・。
東京で本山の役が出来るのは・・・・・
石川ナオのはずなんですけどねー。
真っ白画面を90分見させられたこともあって、
僕はさっぱりできません。ため息ばっかです。
posted by tacleau7 | 2008-07-13 23:48
【Review】鹿島アントラーズ vs FC東京(7月13日(日)@鹿島スタジアム 19:00~)
更新お疲れ様です。
マルキは本当に怖い選手ですね。ついついカボレと比べてしまいました…カボレも悪くないはずなんだけど、もっと全体で相手が嫌がるプレーをしてほしいと感じました。内田の裏を狙ったりとか。
長友が入ってきたときは「なんかやってくれる感」もありましたが、結果的に長友が上がって空いたスペースを鹿島にいいように使われてしまいましたね…
あと私が感じたのは小笠原と梶山の力の差です。梶山は昔からDFがあまり上手くないのは周知の事実ですが、もう一段上のレベルの選手になるためにDF力を磨いてほしいです。小笠原のような狡猾(?)なプレーや球際の強さ、参考になる部分は多いと思います。それと今ちゃんの判断の遅さも気になりました。
とにかくCBから中盤、FW、監督采配までどこを取っても歴然とした力の差を感じましたね…でも、私も前向きに応援していきますよ!
posted by 多摩っ子 | 2008-07-14 08:28
【Review】鹿島アントラーズ vs FC東京(7月13日(日)@鹿島スタジアム 19:00~)
確かに長友の投入は考えどころでしたね。
攻めるっていう姿勢を貫くのはいいけれど、リスクをとって攻めるにはそれを支える守備を計算に入れなければならない。そこが抑えきれていないままでの無理な投入だったのかな。
どうしても守備が問題になってきますね。ここはしっかり修正しとかないとこの夏は辛いっかもしれないッスね。
遅かれ早かれ、このサッカーをやってればどうしても夏は一つの山になると思ってましたから、ここが踏ん張りどころなんだと思います。
posted by ブランク | 2008-07-14 21:53
コメントありがとうございます!
>tacleau7さま
コメント、そしてTBありがとうございました。
tacleau7のBlogも、このコメントの後に拝読させて頂きます。
>僕は本山の方が嫌でしたね。
>とりあえず彼らのせいで最終ラインが深くなってしまった・・・。
>東京で本山の役が出来るのは・・・・・
>石川ナオのはずなんですけどねー。
全くの同意ですねー。
ナオと本山ではプレースタイルが多少違いますが、DFラインを押し戻すという意味では、使ってほしい駒です・・・。
練習試合で調子が良いのに、使われないのはなんでなんですかねー。
ただ、体力的に夏の一番辛いところに来ますから、彼には必ずチャンスがあるはず。
腐らずチャンスを待って、我々の期待に応えてほしいですね。
>多摩っ子さま
いつもありがとうございます!おかげさまで100,000アクセスを超えました。
>あと私が感じたのは小笠原と梶山の力の差
確かに!
後半はほとんど消えていた小笠原でしたが、後半自陣深くまで戻ってエメルソンからボールを奪って攻撃に繋げる点など、本当に力強くて上手いですよね。
代表に呼ばれないのが不思議な選手です・・・。
梶山も敵として改めて小笠原の実力を見せ付けられて、感ずるところがあったのではないか、と期待します。
五輪にも選ばれましたし、気持ちが表に出にくい選手ですが、これを契機にもう一段ステップアップしてくれると期待しています。
>ブランクさま
いつもありがとうございます!
>ここはしっかり修正しとかないとこの夏は辛いっかもしれないッスね。
ですね・・・。
明後日も含めて8月終わりまでにナビを含めて8試合。
体力消耗が大きいサッカーでもありますし、集中力が切れれば昨日のようになるサッカーを目指してるのもありますしね。
ブランクさまも、私も、文中で触れている通り、城福監督の交代起用は少々?と言う感じですが、新人監督でもありますし、目指すサッカーも高度なもの。
この夏を試金石として、9月には羽ばたいてくれるように、そして長い目で見れば、来季には更に高みを臨めるように、厳しく、暖かく見守り、声を出していきましょう。
皆様、引き続きよろしくお願いします!
posted by stanger@管理人 | 2008-07-14 23:15


