2008年04月18日

【Review】FC東京 vs ジュビロ磐田(ナビ杯 4月16日@味の素スタジアム)

城福監督、赤嶺が試合後に口をそろえたように
「勝点2を失った」
とコメントしたが、正にこの一言で表現するに足る内容の試合だったと言わざるを得ない。
相手のサッカーに「お付き合い」し、自滅した試合であった。
試合終了を告げる松村主審の笛と共に、頭の中に去来したのは、東京ヴェルディーとのダービー後に土屋が発した
「1点リードしているのに、負けているような試合をしてしまった」
という言葉であった。
東京ダービーから僅か4日後に、同じ場所で、今度は勝ったはずのFC東京がそのような試合運びをするとは思いもよらなかった。

■リアクションサッカーのラスト15分■

51分。
ジュビロの中盤での中盤でのパスミスを見逃さなかった金沢が、そのままダイレクトにDFライン裏へパスを出した。
即座に反応した赤嶺はそのまま左足を振りぬきゴール。
前半から何度も得点機を迎えながらも、ようやくのゴールであった。
このゴールで安心したのか、東京から攻めの姿勢が急に減少する。
対して圧倒的に無勢のジュビロは、ロングボールを多用しての陣地挽回を試みるが、ボールの収まりが悪い。
62分に萬代を投入すると、陣地挽回作戦の成功確率が上がり始める。
FC東京はブルーノ・クアドロスをマッチングすることで、そこからのチャンスメイクをさせないように対応した。
もうこの辺りから凡そJ1のチーム同士、とは思えない試合となった。
徐々にFC東京はDFラインが下がり、全体が間延びし始める。
その結果、中盤でスペースが多く出来始め、失点シーンではセンターバックのブルーノ・クアドロスが右サイドまで釣りだされてしまい、中央で楔のパスを処理する萬代がフリーとなってしまった。
ブルーノのプレーが悪い、ということではなく、問題は60分過ぎから再三行なわれてきたジュビロのロングボール放り込みに対して、東京もお付き合いしてラインを間延びさせてしまったことだ。
DFラインを下げて、厳しく楔のボールやロングボールに対して肉弾戦を仕掛けにいくのであれば、まだまだ対応の余地はあったかもしれない。
が、その実は特に厳しいプレーをすることもなく、単にボールに対応するリアクションサッカーを選択してしまったことで、最後の失点を招いたと言えよう。

■見えた新たな課題■

先に述べた「間延び」については、2つの観点があると思う。
①DFライン
②前線からの守備
当たり前の話だが、前線から激しくぷレッシングしている際には、DFラインも高く押し上げることで、自ずと中盤も押し上げられる。
そのため、高い位置でボールを奪って、スピードに乗った攻撃に転じる事が可能である。
良く世に言う「奪ってからゴールまで15秒以内」という言葉は、言い換えれば「コンパクトで高い陣形を保つ」ことにあると思う。
逆に、この2つのポイントがバラバラになると、ラインは間延びする。
戦術したラスト15分のように、FWは前に前にの守備、DFは後ろに後ろにの守備。
中盤の選手はポジショニングの適正を失い、ただでさえ疲労しているにも関わらず、更なる運動量を要求される。
試合後GK塩田が
「平山にも下がるように指示すればよかった」
とコメントしたように、前線が不用意に残ってしまったことで、ジュビロが蹴り出す環境を作って「あげた」というのが正確な解釈かもしれない。
恐らくこの辺りの約束事がチーム全体ではまだ成されていないのではないのではないだろうか。
どんどんとラインを上げる佐原と比べ、茂庭はどうも安全第一主義でラインを下げがちな感じを受ける。
その茂庭と前に出る守備を好むブルーノの組み合わせは、カバーリングと言う観点ではお互いが交互に動くので良いが、あのような間延びした状況だとバランスを取れなくなってしまう。
この点は、選手が入れ替わっても同様の守備を出来るように、指導徹底していかないと、メンバー選出に苦労するように思える。
延いてはメンバーを見た段階で、サポーターが首を傾げたり、「またあの試合のように・・・」とサポートする気持ちが減じてしまう可能性すらある。
メンバーを固定せずに戦うことを良しとしない各種媒体もあるが、城福監督がそのようなやり方で、ある程度の勝ち点を積み重ねることを考えるのであれば、誰が入っても堅固な守備ブロックを作れるような、守備戦術を作り上げるべきではないだろうか。

■引分けで助かった■

最後に述べると、引分けで助かったというのが正直な感想だ。
終盤のFC東京DFには、ジュビロのロングボールを跳ね返す力が完全に不足していた。
であれば尚のこと、跳ね返した2ndボールを大事にしてキープし、時間を有効に使うことをしても良かったのではないか。
更に付け加えるなら、もう少し交代枠の使い方を遅らせても良かっただろう。
確かに、そうは言っても、カボレの負傷や金沢・栗沢の疲弊といった要素も否定は出来ない。
が、明らかにジュビロがロングボールだけで攻めている以上、金沢をDFラインに下げて、萬代へのケアを二人なりで行うのもありではなかったか。
言っても後の祭りでしかないのは分かっている。
が、後からでも色々と言いたくなるぐらいに、試合中の修正が出来る試合であった。
だからこそ、選手も監督も口をそろえて「勝ち点2を失った」と言ったのであろう。
引分けで終わってよかった、そういう感触を持ってもおかしくない試合であった。

最後になるが、ジュビロはどうしてしまったのだろう。
再三川口が大声で「動いてやれ」と前線の選手を鼓舞していたが・・・。
ファブリシオという中盤の要を欠いたことで、時間と空間を作ることが出来なくなったのかもしれない。
ボールホルダーがあれだけパスコースの選択に困るサッカーを、J1で観ることは珍しいように思う。
東京の出来は後半の20分程度悪かっただけであり、修正が出来そうなものだが、ジュビロは90分間良い面がなかったといっても過言ではない。
鹿島が復活した今、Jを盛り上げる意味ではジュビロももう少ししっかりしてもらわないとならない。
このままでは、鹿島と浦和の一騎打ちの様相が濃くなってしまう。
もっともっと団子状態を作ってリーグを盛り上げるためには、あのいやらしいまでのパス回しをするジュビロのサッカーが戻ってきて欲しいと思う。
外国人補強に失敗したシーズン前ではあったが、夏場の移籍市場では、チームに縦の芯を補強すべく動くのがよいのではないだろうか。

posted by stanger |06:29 | FC東京 | コメント(0) | トラックバック(0)
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