2007年05月06日

白と黒~川崎フロンターレvsFC東京Review~

【攻撃陣としてやれること】

「序盤だったので打ってみました」
フロンターレ大勝の立役者である大橋の声である。
試合開始直後、攻撃的な選手が取った「とりあえず」的なこのプレーが、90分間試合を支配した。

中村憲剛が復帰した川崎Fは、ボールも動き、人も動くという本来の姿を取り戻していた。
谷口は昨シーズンとは打って変わって、中盤のそこでじっくりと構え、守備的というよりも、タメを作ったりルーズボールを拾う役目として利いていた。
対するFC東京は、序盤こそトップから川崎Fのスリーバックにプレッシャーをかけて、前から行く意気込みを見せていたが、2列目以降が全く連動せずに、ラインが間延びする一方であった。
その間延びしたラインを川崎Fに突かれ、出た結果が冒頭の大橋のミドルシュートである。

【フロンターレの徹底力】

試合開始直後、チャンスがあれば打ってでるのは攻撃的な選手の役割である。
試合の主導権を握る意味でも、相対するDF陣との駆け引きにジャブを入れる意味でも、非常に重要なファーストシュート。
そこで得点をきめられれば、DF陣は元より、FC東京としては完全に戦意を奪われ、立て直すのに時間を要する。
そこに立て続けに黒津が決めた。
この時点で筆者は今日の試合が完全に決定的になったと感じた。
前半で4点。
川崎は極めて効率の良いプレーぶりだった。
FC東京にボールを持たせ、自陣ハーフウェイを越えた辺りから積極的にプレスに入り、相手が乱れたところで左右にボールを叩いて早い攻撃へ。
中村が見事なまでにそのタクトを振るっており、リズム感とバランス感が絶妙であった。

が、それと同時に東京も悪すぎた。
全く統一感の無いプレーと時間が経つにつれて見えてくる、個人頼みのサッカー。
川崎Fが中村がボールを捌き、ジュニーニョがスペースを作り、そこにパートナーとなるFWもしくはサイドの村上、森が入ってシュートを打つ、という徹底した役割分担と流動性ができているのに対して、FC東京はルーカスに預けサイドに捌く、もしくは中盤がサイドに捌くというボールの出所、収まりどころが局所的になりすぎている。
この試合を見ることで、FC東京サポーターにとってはFC東京が持つ短所が如実に見えたのではないだろうか。
少なくとも東京サポーターを自称する筆者には、明確に見えた。
自分達がやるべきことを相手にやられてしまった。
これがFC東京の敗戦の全てである。
逆に言えば当たり前のことを当たり前に、愚直なまでにやる川崎のサッカーが優れていたということである。
以前にはFC東京が得意としていた姿勢、それをFC東京は失い、フロンターレが実践しているということである。
負けて然るべき。
川崎フロンターレが見事であった、という試合だった。

【東京の視点】

久々の試合となった茂庭。
1点目、2点目は、センターバックであれば滑り込んででもシュートコースを消しに行かなければならない場面であった。
久々のトップでの試合ということを割り引いても、試合序盤での腰の引けたプレーはマイナス以外の何者でもない。
その後は少しずつ本来の対人能力、スピードを見せていただけに、開始直後に2失点の場面におけるプレーは残念でならない。
試合感が戻らないのは仕方ないが、気持ちでカバーする姿勢を見られなかった。

チーム全体としては、そろそろルーカス頼みの攻撃を自重すべきである。
確かにルーカスは守備も献身的にこなし、精力的に動いてくれる。
だが、今日のように2点、3点とリードされた場合、その献身性が仇となり、一人で持ち込もうとするプレーが多くなりすぎる。
ルーカスにはパートナーが必要であり、今の東京では残念ながらワンチョペしかなり得ていない。
ルーカスの負担を減らすためにも、4-5-1を捨て、4-4-2でしっかりとしたパートナリングをする必要があるだろう。

そして最後に今野の扱い。
伊野波が怪我から復帰した以上。伊野波をセンターバックに据え、今野を上げるべきだ。
今日のようにバイタルがら空きの状況を今野だけに埋めさせるのは酷である。
今野が前に出た後ろのスペースを人に強い伊野波やスピードのある茂庭が埋める、そういった守備の連動性を保つ意味でも、今野のポジションは中盤の底とすべきだ。

戦術的にもチームとしても軸」が見えにくい今のFC東京。
福西が軸になるのであれば、福西はもっとシンプルにボールを捌くべきである。
足元で保持しようとしてピンチを招くようなサッカーでは、このまま降格争いから抜け出せない。

【チームは何を見せるのか】

散々な批判を被った昨シーズン。
一概の比較はしたくないといえども、10節終了時に4勝2分4敗だった。
選手と監督の意思疎通云々が取り沙汰された昨シーズンにそれだけやれたというのは、裏を返せば選手のポテンシャルがそれだけあったということでもある。
意思疎通が完璧と思われた今季、2勝2分6敗という状況であることを、サポーター以上にフロントがどう捉えるのか。
選手がどう捉えるのか。
黒を白すつために、一体どのような手を打つのか。
ナビスコ予選を含め、この1週間できっちりとした回答を見せなくてはならない。

posted by stanger |18:47 | FC東京 | コメント(3) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/stanger/tb_ping/29
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
Re:白と黒~川崎フロンターレvsFC東京Review~

原監督は優秀な監督さんの一人だとは思うんですけど結果がまったくともなわないのはなぜ

posted by ^^ | 2007-05-06 21:04

Re:白と黒~川崎フロンターレvsFC東京Review~

今ちゃんがあと2人いればねぇ。なんてw
現有戦力でなんとかするしかないわけですが…

今野ボランチは同意ですが、伊野波か…うーん
まぁどうにかテコ入れするしか無いですよね

posted by Tino | 2007-05-07 02:45

Re:白と黒~川崎フロンターレvsFC東京Review~

>^^様

コメント有難うございます。
横浜FC戦でも感じたことですし、コメントを下さっている方もいますが、選手起用の偏りが原因だと思います。
自分が把握できる戦力が余りにも浅いのと、自分のイメージへの固執が強いと思います。
これは浦和時代も、前東京時代もそうでしたが・・・。

>Tino様
コメントありがとうございます。
伊野波がNGだったのは横浜FC戦で分かってしまいました。
試合終了前のポカの際に、Tinoさんのこのコメントを思い出しました(w
ちなみに、今ちゃんあと2人の内一人は展開力のある今ちゃんを希望します(w

posted by stanger@管理人 | 2007-05-10 20:38

コメントする