2006年11月05日
剛快コットブス~ブレーメンvsコットブス~
決して豪快ではない。 旧東ドイツのチームらしく、ハードでタフな男のサッカー。 結果は引き分けに終わったが、「剛快」なサッカーは強烈な印象を残した。 荒々しいまでの守備でゴール前を固めるコットブスのサッカーは、ヨーロッパサッカーを見慣れたファンには物足りないだろう。 しかし相手がブンデス首位を走るブレーメンともなれば、相手がいかに必死になるかは簡単に予想できてしまう。 開始15分でイエローカード3枚という、些か勘違いとも思えるプレーの数々は、試合全体が荒れ模様になるのでは、と危惧させた。 が、時間が経つにつれて浅はかな予想が覆される。
【苛立つブレーメン 落ち着くコットブス】 闘志を前面に出すコットブスにブレーメンは苛立っていく。 好調のジエゴは厳しいマークに合いながらも、ドリブルで前進を図る。 ウォメは果敢に左サイドを上がり、クローゼは懸命にそのクロスに食いつこうとする。 しかしゴール前にはコットブスの選手が最高で10枚ペナルティに入り死守を試みる。 苛立ちと焦りが募るブレーメン。 攻めているのに得点ができない。 DFラインはナウドとメルテザッカーの2バックと化した。 左右サイドバックも攻め上がりクロスを上げる。 しかし黒い壁に跳ね返される。 ようやく迎えたチャンスもGKピプリツァの好セーブに阻まれた。 画面を通してブレーメンの苛立ちにも似た焦りが伝わった。 【下手な鉄砲も・・・】 後半3分、ブレーメンが恐れていたことが起きた。 左サイドでボールを拾ったコットブスFWキオヨが中央に切れ込み、そのまま25メートルはあろうかという地点で右足を振りぬいた。 ボールはスーパーゴールよろしくウィーゼを嘲笑ってゴールに吸い込まれた。 こうなるとコットブスの得意パターンだ。 激しくチェックし、クローゼをヂエゴをハントをつぶしにかかる。 ゴールを決めたキオヨでさえもDFラインの手前まで戻って守備。 ブレーメンのシャーフ監督はウーゴ・アルメイダ、クラスニッチを矢継ぎ早に投入し、局面の打開を図る。 それでも尚コットブスイレブンは喰らい付く。 ボールを奪ってカウンターを狙う、ドイツ人らしい無骨さ丸出しのサッカー。 更には攻守の切り替えでブレーメン選手から反則を受けても、何事もなかったかのうよう立ち上がり、黙々とポジションを目指す。 その冷静さがますますブレーメンを苛立たせたに違いない。 剛が柔を制す試合が久々に見れるのでは、と判官贔屓の日本人気質は期待を抱かずにいられなかった。 【力の差か根性の差か】 ブレーメンはウーゴ・アルメイダの折り返しをクラスニッチが押し込みようやく同点。 並みのアウェーチームなら勝点1を守りにいくが、コットブスは無骨に守り、チャンスを見出しては攻める。 完全に体力勝負となった終盤。 それでもカードはなかなか出なかった。 むしろ前半にあれだけファールを犯したコットブスが落ち着き払う。 最早ブレーメンにホームチームの威厳もなく、焦りと驚きがスタジアムを包んでいた。 試合終了と共にコットブスイレブンは勝ったも同然の喜びよう。 対するブレーメンには疲労の色が浮んでいた。 この結末は決して力の差ではない。 むしろ根性と首位チームを倒したい、というモチベーションによって成り立っていた。 【どうするクローゼ】 とにかくマークがキツイ。 その分ヂエゴが自由にできるスペースが増えるが、エースを完全封印されるとどうしようもない。 ワールドカップ、チャンピオンズリーグと厳しい日程が続く中で、長い間トップフォームを維持してきたクローゼだが、さすがに執拗なまでのマーキングはげんなり来ただろう。 尚且つハントとの連携も不安が残るだけに、クローゼがいかに独力で局面を打開できるかだろう。 むしろ、クローゼにマークが集中するなら、ハントよりもクラスニッチと組ませるのが最善だろう。 パス、ドリブル、シュート、すべてにおいて高いレベルでこなすクラスニッチをスタメンで出すことの方が、ハントの宇宙開拓に期待するよりは可能性が高い。 いずれにせよ、クローゼがどこまで出来るのか。 これが今年のブンデスを観る上でかなり重要な鍵になりそうだ。
posted by stanger |02:13 |
欧州観戦記 |
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