Football Memorandum

J1第12節 FC東京vs大宮アルディージャ Review

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93分に大宮長谷川のシュートがゴールネットを揺らすと、愛犬しか居ない家の中で
「バカだ、バカ!」
と一言発した。
競らずにボールを流した森重でも、カバーリングが遅れた吉本でもシュートを決めなかった攻撃陣でも、誰に対してでもない。
FC東京という組織に向けて放ったのだろう、と今にしては思う。
このBlog記事もいつか書こう、と棚上げにしながら、GW明け本格業務復帰となった今日、ふとしたことで自分の放った「バカだ、バカ!」の理由を理解した。

お断り:本Blog投稿は個人BlogであるDaily Memorandumと同一の記事内容です。



「やり切る」か

僕は常日頃、仕事においても、サッカー指導においても、自分にも他人にも一つの言葉を投げかける。
「やり切るのか?」
正当な理由で途中で撤退することは構わない。
出血し続けるなら、撤退も止むなしの場面はある。
しかしながら、ある程度の期限やスパンの中で、やり切るために積み上げる活動がないのであれば、何もしてないも同然だ。
僕の「やり切る」はやり切るためには積み上げる覚悟があるか、ということを含んでいる。
仕事における「やり切る」の話をしてしまうと話がてんこしゃんこになるので、それは別途自身のBlogに譲ろう。

でここまでお読み頂いた方には「やり切る」でこの後僕が何を言いたいかが察しがつくと思う。

状況の違いが生んだやり切る質

0-1での惜敗が続いたFC東京にくらべ、公式戦10試合勝利から遠ざかり、リーグ16位と低迷する大宮では望む物が違ったはずだ。

前半は家長にボールを保持させる速攻と立て直しの繰り返しのゲームプランを試みた。
が、FC東京の攻勢が激しくなると、プランを変更し同時に愚直なまでにリトリートして、ブロックを作って大劣勢の試合を凌ぎ、引分けでもいい、勝点を一つでも積み上げたかっただろう。
と同時に修正されたプランの中には、東京の攻撃を跳ね返し続けなは一発逆襲のシナリオもきちんと織り込んであった。
その意識は最低限の目標であったろう勝点1が見えた93分になっても潰えていなかった。
GKの江角も長谷川も、最後までチームの戦術とそれを支えるための与えられたタスクを全うし続けた。やり切った。
内容がどうであれ、やり切るために遮二無二タスクを積み上げる、一つ一つのプレーを積み上げる、この連鎖が大宮を勝者足らしめた。
大宮は全ての必要な要素をやり切った結果、大きな勝点3を手にした。

撤退・修正を放棄した東京

惜敗続きの東京からすれば、課題にもなっていたセットプレーを凌ぎ、とにかく勝つことで悪い流れを断ち切りたかった。勝つために前に出るしかなった。

確かに、FC東京は「やり切る」という観点ではやり切ったかも知れない。
ただ、僕の考えでは、先述の大宮とは違った意味・質としか理解出来なかった。
中央に入ろうにも硬いブロックを作った大宮に跳ね返され、クロスを入れても中の大宮に拾われてクリアされる。
その繰り返しに違いを生もうとフィッカデンティは62分に河野を投入し中盤をダイヤモンドに配した4-4-2に変型させた。
先の例で言えば、違いを生む=今の状況を続けても状況に変化はない、途中撤退だ!ということであったろう。
もうこの時点でそれまでのゲームプランはやり切ったのだ。
ベンチの思惑通りに河野は、それまで東京DFラインがボールを回していても誰も降りて来なかった東京攻撃陣のラインを越えて下がってボールを受けに来て変化をつけようと奮闘した。
しかし、このフィッカデンティのメッセージは、半ばムキになって攻撃を続ける他の選手には伝わっていなかった。
両サイドは同じようなフローティング・クロスを放り込み続けた。
FW陣は大宮DFラインに横並びで足下でボールを受けよう受けようとし続けた。
撤退もせず、違うオプションも選択しようとせず、ただただ愚かしい「やり切り」を続けた。 
そこに、「なんとしても勝つ。そのためには手を変え品を変え攻める」と、選手の共通認識があったならば…。
大宮が撤退・修正・やり切るのサイクルを回したのに比べ、東京はただ「なんとしても勝つために攻める」という、愚直さだけに囚われているように見えてしまった。

采配についての思い

僕はこの試合は、監督の策が悪かったとは思っていない。
若干、得点の匂いがするエドゥの投入が遅すぎる、という思いはあれど、違いを産める河野の投入など、オプションを取れるタイミングで上手く動いた、と思っている。
もしも僕の仮説が正しかったとしたならば、「やり方を変えろ」というメッセージが伝わりきっていなかったならば、それはマネージャーの責任ではある。
ただどちらの問題ということではない。
僕が前述のような言葉を唾棄したのは、実際にボールを動かしている選手達が同じやり方ばかりを続けすぎて、目的を見失い勝つための策を講じなかった点に心底がっかりしたからだ。
それを「バカ」という言葉でしか表現出来ない、僕の稚拙さは自戒に値する。

見逃された"今そこにあったチャンスの作り方"

後半にあった幾つかのチャンスは、DFライン裏に飛び出した武藤がグラウンダーでペナルティエリア内に送ったものだった。
これが東京の採るべきオプションだった。
クロスを工夫し、DFとキーパーの間に早いグラウンダーのクロスを送る。
そこにFWはダイアゴナルに走りこむ。
後ろ向きで対応せざるを得ない大宮DFは流れを切るために必死でクリアしたかも知れない。
ブロックは崩れたかも知れない。
全てはたら、れば、の域を出ることは出来ない。
それでも、今目の前にあったチャンスの作り方(かも知れない方法)を試し続けたた選手は武藤しかいなかった。 
そこに河野が入ったことで状況が好転している兆しはあった。
とはいっても、2人/11人がチャレンジしていても、意を一にした7人の大宮DF陣とGK、総勢8人の前では多勢に無勢だった。
FC東京はピッチ上にいた選手全員が観ているもの、目指す物にズレが生じてしまっていたように思う。
それが森重が言う「流せという声が聞こえた」であり、吉本が言う「絶対に言ってない」の齟齬に繋がってしまっているのではないか。

But Football Goes On To Be Strong

結果論ではあることは認識しているが、サッカーはパスの積み重ねであり、ドリブルの積み重ねであり、最後はシュートで終わって建て直せるかが重要なポイントになるスポーツである。
パスが15本繋がることはパスをやり切ったかもしれないが、それではサッカーの本質はやりきっていない。
同じ事を続けてだめなら、パスの質を変える、出す先を変える、時にはチームオーダーを逸脱して違う手を打ってみる。
90分という時間の中だけでも、定石は存在しない。
変わり手を試して、チャレンジしてチャレンジして、それでも負けてしまったのなら「やり切った」としてサポーターも納得するだろう。
「サッカーとは酷なスポーツだ」の一言で自分を抑えられるだろう。
果たしてこの日のFC東京にそのやり切ったを感じたサポーターがどれだけいたのだろうか。
0-4で惨敗した川崎フロンターレ戦よりも、この試合の方が重い課題と感じた試合だった。

が、フィッカデンティが言うように、ここを乗り切れば強いチームになる。
全員が意識を統一したチームは何よりも強いのだから。
大きな課題だが、まだまだ楽しみがある。

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