Football Memorandum

育成と大人

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5月3日〜5日まで、千葉県内で開催されていた3年生大会に指導しているチームが参加しました。
大きな大会ではありませんが、昨年は指導歴初の優勝という栄誉を授かった思い出の大会です。
今年は3年生の所属選手が多いのと、うちのチームは全員が色んなポジションで試合に出る事をテーマにしているので、Aチーム、Bチームの2チームで出場しました。
結果は両チームともに予選リーグを突破し、Aチームがベスト16、Bチームがベスト8でした。
どちらのチームもとにかく「攻撃的に、ガンガン行こうぜ」で戦いましたが、敗因はミス。
一つのパス、攻撃から守備への一歩の速さ、で相手チームに負けてしまいました。
選手は暑かった3日、4日の疲れもありましたが、本当に良く闘ったと思います。
そんな中で、非常に残念な出来事がありました。
相手チームの所謂モンスター・ペアレント、の類いに絡まれたわけで、本気で腹がたったのですが、冷静に考えてみると子供のサッカーにあそこまで熱くなれる要因とはなんなんだろうか、指導者としてそういった親御さんに対してどう接していけばいいのか、と少し考えるいい機会となりました。

※本投稿は個人Blogであるhtogai.comへの投稿と同一の内容です。



ガイジンという色眼鏡

当チームは昨年4月に念願のNPO化を果たしました。
それと同時に、イギリス人の少年が入団し、その親御さんの口コミで今では外国籍の選手が2年から6年までのチームに6人います。
今年の3年生は全部で3人が所属しています。
揉めることになったのは、予選リーグ初戦で7−0でAチームが勝利した試合でした。
2試合目を終了し、明日の予選残りと決勝ラウンドに向けて帰宅しようとした時に、大会本部に呼ばれ
『外国人の選手が2名Aチームにいることが平等性に欠ける、と指摘があったので、2名の選手を同時にピッチに立たせないでくれますか?」
と言われました。
大会レギュレーションにそのような文言はありませんし、ましてや四種(小学生)の大会で、国籍、人種の差はあれど体力差も技術力の差もないのに、そういった指摘をしてくる大会本部に対して僕は憤慨をしました。
大会本部の人間はその試合を観てもいないし、更に言えば、両選手が得点を取ったわけでもないのにです。
この指摘は僕にとっては人種差別以外のなにものでもなかったですし、ましてや育成という観点においてプロのようなレギュレーションを設ける意義も無いようにしか思えません。
抗議の結果、他チームの親御さんからのクレームだということが分りました。
そこで監督である僕が折れてしまっては、選手に対しても親御さんに対しても、差別的な指摘に屈したことになってしまいます。
「意見は受入れるが、レギュレーションに無い以上、その急遽追加されたルールを受入れるわけにはいかない」
と突っぱねました。
結局妥協案として「対戦相手に試合前に合意を得て欲しい」と言われましたが、これも突っぱねました。
思うのは、結局未だに「外国人」という目線は厳しく存在するということです。
見た目に外国人な人がランドセルを背負ったり、制服を着ていると、その時点で「ガイジン」という目線があるのが現実なのでしょう。
その上で、ガイジンがスポーツをすれば日本人より優れている、というステレオ・タイプな思想が国際化時代の今更でも存在しているということの証左が今回の件であると思います。
事実、最初に当チームに加入した選手のお父さんが言っていた言葉として
『前に入っていたチームではうちの子が少しぶつかっただけで相手の子が倒れれば、『あなた方欧米の人は力が強いので、もう少し優しくプレーするように指導してく』と言われた」
と言っていました。
海外サッカー等に触れている指導者がこのような言葉を吐いてしまう事自体が、欧州サッカーに対して無駄に卑下している指導者が存在することであると思います。
多くの外国の方が日本に住む中で、こういったステレオ・タイプが廃されない限り、日本のサッカー文化がもう一段上に行く事は出来ないように思います。

勝たせるためなら何でもする親

前述の出来事があった翌日2日目、僕は一応相手チームに了承を取りに出向きました。
元々知っている指導者の方だったのもあり、外国籍選手二人がピッチに居ても問題ない旨の了承を頂きました。
が、そのチームとの試合開始直後、ピッチに大きな声が響きました。
『おいおい!ガイジンが二人いんじゃねーかよ!反則だろ!』
と。
声の主は女性でした。
その後も女性は選手を批難し続け、見かねた主審が試合を止めました(この主審の判断は素晴らしかったと僕は思っています)。
どちらの選手もその勢いに圧倒されて萎縮してしまったように見えました、
結果、試合は0-0、子供らしい元気の良さも見れず、非常に退屈な試合になってしまいました。
終了後に一悶着あったのですが、それはここでは省きます。
ここで僕が言いたいのは、そこまでして子供を勝たしたいのか、ということです。
過去、大阪のチーム指導者が子供の頭をペットボトルで叩く動画が出回り、大きな批判を受けました。
我々指導者も然りですが、親御さんも含め、大人が子供を「勝たせる」ために行う事がスポーツの本義でしょうか。
もちろん勝てることは重要かもしれませんが、指導者としての僕が思うのは、負けることから学べる事の方が多い、ということです。
今回我々が負けたことも、幾つかのパスをミスしたこと、もっともっと基礎練習をしっかりしていれば、ミスする事の無かったトラップをミスしてしまった。
それは選手のミスでもあり、指導している大人のミスでもあるわけです。むしろ、大人のミスでしょう。
育成期において、選手が育たない、と選手のせいにする指導者や親は多いですが、その批評家的な態度は大きな間違いであると思います。
大切な事は、
「自律し、自ら考える選手の目を潰しているのは大人の責任」
ということを大人自身が理解する事であると思います。
相手チームが云々で勝てない、という理由を相手に求める前に、本当に勝ちたいのならどうしたら勝てるのか、を考えるのが本来の戦術、というものです。
代表的な例で見れば、甲子園で松井が敬遠されたこと、つい最近なら、0-1でFC東京が横浜FMに勝利した試合、プレミアリーグでチェルシーが2-0でリバプールに勝利した試合、「つまらない」「卑劣」と言われても勝つために選択することが戦術ではないでしょうか。
僕個人としては、育成においてそのような戦術を弄することは好きではありません。
しかしながら、僕ら街クラブは楽しくても弱くては加入選手が増えません。
なので、勝ちに行く塩梅を見極める事が重要なので、そういった戦術を取らざるを得無い時もあります。
勝つ事は何よりも大きな価値ではあります。
しかし、他人を、他の子供を貶めてまで勝ちに行く事を追及する姿は、スポーツマン、そのスポーツの底辺の選手を支える身として本当に良いことでしょうか?
どういった形であれ、4種、3種(中学生)ぐらいまでの選手に関わる大人の皆さんには、今一度大人として育成にどう関わっていくべきか、を問うて欲しい、そう思う出来事でした。

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