Football Memorandum

清水エスパルスvsFC東京(アウトソーシングスタジアム)

このエントリーをはてなブックマークに追加

試合終了後に、感じたのは「惜しかったなぁ」と同時に「こういう試合を何度見たかなぁ」。
FC東京はまるで前半と後半違うチームのようだった。
こういう試合を今季は本当によく観ている。

ヴチチェヴィッチの来日初ゴールで同点に追いつき、後半の45+4分の大半を支配したのだから、それはそれは興奮した49分間だった。
ただ、ふと振り返ると、どうして後半だけなのかね、と思ってしまう。
前半と後半、合わせ鏡のように、両チームが対照的な試合となった。
東京サポーターとしては、若干の不満は残るものの、非常に良い試合だった。



■速さとハードの清水■

エスパルスはとにかく速く、ハードだった。
前半の大前の得点シーンが清水のこの試合における特徴を良く出した物だと思う。
米本に繋がったボールを、FWの大前が背後から懸命にチェイスした。
「前からの守備」と言われるが、あそこまでハードワークをし、奪うと即座にゴールを狙いに行く。
その判断の速さとハードワークに、FC東京は押し込まれてしまった。
更には、47分の石毛→八反田→石毛のワンタッチパスで東京ゴールを襲ったシーンも、選手が狭いところでもスペースに入って行く動きは、観ていて感嘆の声が出る程だった。

前半も後半も、ワンタッチーツータッチのパスを繋ぎながらサイドを変えて、パスを出した選手がスペースに入って行く場面も何度も観ることが出来た。
こういったプレーは、日本人に非常に合ったスタイルであるし、観ていてダイナミックでもある。
こういうプレーをされると、例え個々人のスキルが相手チームに劣ったとしても、チームとしての力は再断言に発揮されるサッカーだと思う(決して清水の選手の個々の力が東京に劣っていると言っているわけではない)。
ボールを出したら動く、ボールを受けるためにスペースに飛び出す。
その連動を若い選手達が支えていることは、これからの清水がもっともっと面白いサッカーを仕掛けて行くことのい繋がるのではないかと感じた。
個人的には、教えている少年サッカーチームで目指しているサッカーに非常に似ているな、と思い、興味をそそられた。

欲を言えば、中盤で少しテンポを変えたり、落ち着きを持てるベテラン選手がいれば、尚のこと清水は怖かったのではないかと思う。

■パスサッカーに必要な動きが・・・■

前半のFC東京と言えば、清水の速いプレッシャーにボールを失う場面が多かった。
失点の場面の然りだが、ボールを持ってからパスの出しどころを探し、受ける側も思い出したように動く場面が多かった。
誰かが足下で受けて、初めて周囲が動きだすという、今シーズンの悪いFC東京とも言える場面が数多く観られた。

後半に入ると、田邊をヴチチェヴィッチに変えたことで、スペースに飛び出す形が増えた。
前半は唯一右サイドで石川が何度もスペースに飛び出し、足下ではなくスペースでボールを受ける動きを繰り返し、そこから少ないながらもチャンスを演出していたが、この形が左右で繰り出されるようになったことで、清水のDFラインは下がり、清水ボールになってもリスクマネジメントのために上がりが遅くなってしまい、東京の攻勢を許す形になってしまった。
後半のFC東京は、前半に清水にやられたことをやり返したかのように、シンプルにボールを繋ぎ、スペースに出る選手を走らせるパスが多くなり、チャンスを増やした。

「パスサッカー」というと、どうしてもパスの成功率やポゼッション率が高いことの方が注目されやすくなってしまうが、それらを捨てる・見切るプレーもないと攻撃には繋がりにくい。
良く引き合いに出されるバルセロナであっても、サイドバック然り、攻撃の選手然り、誰かにボールが入った瞬間には別の選手がスペースに向かって動き出している。
シャビにボールが入った瞬間(厳密にはシャビにパスが出た瞬間)には、トップの3選手は自分の目指すスペースへの動きを始めている。
同様の「パスサッカー」を目指すにしても、FC東京には、こういう動きをする選手がまだまだ少ないように感じる。

まだまだ暑さと湿気が残る中で、何度も動き直すことを要求される選手も相当にタフだとは思うが、動きだし・動き直しをし、ボールを引き出す動きを90分通して出来るようになって初めて、東京のサッカー=パスサッカーと言えるのではないかと感じた。

■もっと前に!■

1点を追いかける立場では、米本や高橋がどんどんペナルティーに入って行く姿が見られた。
しかし、梶山が交代してしまうと、後半で体力が失くなったのもあろうが、攻撃は羽生、ヴチチェヴィッチ、ルーカス、渡邉の4人に完全に任せてしまった感が強くなってしまった。
清水が4-1-2-3の布陣に変更してきたこともあるため、FC東京は4-4-2で中盤で数的優位を確保しながら、追加点を取りに行くスタイルを選択したが、最後の最後の場面で後半作り上げてしまった迫力が削がれてしまったことは否めない。
ポジション的にもなかなか苦しい時間帯ではあるが、やはり高橋と米本には最後の一踏ん張りで前に出てきてもらいたかった。
贅沢は承知の上だけど・・・。

■やっぱり梶山!■

特に後半交代するまでのプレーは圧巻だった。
たまたま前項でシャビの名前を出したが、今日の、特に後半の梶山はシャビのように見えた。
キープ力はもちろんのこと、ワンタッチで前を向きパスを出すプレー、前を向けないと感じたら足の裏やアウトサイドを使ってパスを出して前を向く。
元来ボランチでプレーしていたため、前を向いてプレーすることが当たり前だったが、今季はトップ下でプレーすることとなった。
そのため、相手のプレッシャーからボールを守るために、相手に背を向けてのプレーも多くなる。
持ち前のキープ力でなんとか状況を打開することもあるが、奪われて攻撃を「終わらせられない」場面もよく見受けられる。
しかし、今日の梶山は、自分が前を向いてプレーするためにはどうすれば良いかを考えて動き、前を向けないなら一度他に預けてから前を向こうとするなど、いつも以上にプレーの一つ一つに意図が感じられたと思う。
シンプルにプレーするところはプレーし、少しチーム全体の流れが悪い時にはしっかりキープする。
前半の攻撃のスイッチが石川しか無かったところを、後半は梶山、ヴチチェヴィッチと3つテンポアップが図れるようになったことで、尚更梶山の凄さが増した。
もちろん、ヴチチェヴィッチが入ったことで、清水守備陣の意識がサイドに行き、梶山への対応が甘くなったということもある。

1ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
FC東京
タグ:

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

この記事にはまだコメントがありません

こんな記事も読みたい

さてさて、バトルオブ九州ホーム2連戦となるのですが・・・【ロアッソ熊本を見て】

審判問題の周辺をウロウロと…【4thDayMarketCenter】

甲府戦【ファジアーノ頑張れ!】

必然の敗北 天皇杯二回戦 対横河武蔵野@味スタ【hold your head up high! 】

FC東京観戦記2012 其の十三 ~ゆく河の流れは絶えずして~【SEXY SPORTS】

天皇杯2回戦 FC東京vs横河武蔵野FC(味の素スタジアム)【Football Memorandum】

横河武蔵野 1×0 FC東京 小感【ニコ小鉢その2(仮)】

雪辱はこれからだ ナ杯準決1st清水戦@味スタ【hold your head up high! 】

ブロガープロフィール

profile-iconstanger

【覗いて下さる皆様へ】
気まぐれ&思いつき更新の"Football Memorandum"へようこそ。
時折思い出したように更新します。
最近は色々とガジェットを入手したので、こま目に頑張ります。

基本FC東京まみれのBlogですが、審判問題や指導者目線でも書いていきます。
また、相手チームに対しても良いところを見て投稿していきたいと思います。
完全活字中毒患者のため、長文です。長文なので目がちかちかしますのでご注意を。

2014/06/05 stanger@管理人

お陰様で40万viewとなりました。
覗いて頂ける皆様には、心から感謝申し上げます。

【プロフィール】
サッカーを愛し、サッカーを憎み、サッカー無しでは生きていけない偏愛サッカー主義者。
一応少年サッカー指導者。元2級審判員なダメパパ。

【好きなチーム】
Leeds United、Chelsea、Leverkusen、Barcelona、FiorentinaそしてFC東京。

【好きなプレーヤー】
ピエール・リトバルスキー、アンドレアス・ブレーメ、リオ・ファーディナンド、ジョナサン・ウッドゲート、アラン・スミス、宮沢正史、茂庭照幸、吉本一謙、阿部巧、大竹洋平、加賀健一。

【ポジション】
センターバック

【職業/年齢】
IT系マーケティング/40歳。

苦情、嫌がらせ、イタヅラなどは
defiance.reload"アット"gmail.com
でお待ちしております。
  • 昨日のページビュー:9
  • 累計のページビュー:460324

(11月07日現在)

関連サイト:www.htogai.com

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 天皇杯2回戦 FC東京vs横河武蔵野FC(味の素スタジアム)
  2. デル・ピエロはJリーグにやってくるのか!?
  3. サッカーとインターネット〜審判批判に起因して〜
  4. ナビ杯準決勝2nd Reg. 清水エスパルスvsFC東京(アウトソーシングスタジアム)
  5. 日本vsコートジボアール戦 Review
  6. 育成と大人
  7. ヤマザキナビスコカップ 鹿島アントラーズvsFC東京 (鹿島スタジアム)
  8. 審判問題を考える~2級審判員の独り言~ (上)
  9. ワールドカップ・ブラジル大会メンバー決定!!〜鍵は山口が握るはず・・・〜
  10. FC東京 vs 川崎フロンターレ(J1 第8節 味の素スタジアム)

月別アーカイブ

2015
03
2014
06
05
2013
05
04
03
2012
10
09
04
03
2011
05
03
01
2010
07
06
02
2009
03
2008
12
11
10
09
08
07
06
05
04
2007
05
02
2006
11
10
09

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年11月07日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss