Football Memorandum

Review ACL2節 FC東京vs蔚山現代(2012/03/20)

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2度のリードを追いつかれての勝ち点1。
だが、試合全体を通してみれば悲観する材料は全く無いように思える。
ただ、殆どのFC東京サポーターが、なんとも釈然としない気持ちを引きずりながら帰路に就いたのではないか。
対照的にメインスタンド側コンコースですれ違った蔚山サポーターはどこか誇らしげだった。
彼らにしてみれば、殆ど諦めかけていたところを、思わぬ形で同点に追いつく事ができ、勝ち点1を手に入れる事が出来た。
しかもアウェイの地でだ。
一方のFC東京は、ホームで勝ち点2を失ってしまった。



■シュアな戦い方の蔚山

僕は蔚山というチームがどういうサッカーをしてくるのか、全く知らなかった。
メンバーを見る限り、非常にアグレッシブに攻撃的に来るのではないか、と思っていた。
が、蓋を開けてみるとしっかりとブロックを作って守備をして、奪ったボールを縦に早めに箱んで攻撃に転じる形が多かった。
個人的にはちょっと拍子抜けした感があったが、しっかりと考えてみると、アウェイチームがしっかりと自分達の優位性を出した上で、勝ち点を積み上げるには適切なサッカーだったように思う。

特に前半は、20番のエスティヴェンが非常に効いていた。
中盤の底に入るような形だったが、FC東京の右サイド(石川)をケアすべく、左サイドバックの姜珍旭が挟んでプレッシャーをかける。
そのためさすがの石川もスピードで振り切る場面はほぼ皆無で、決定的な場面を作ることが出来なかった。
更にはエスティヴェンは中央に陣取ると梶山に入るボールに対してもプレス、インターセプトを狙って走り回る。
殆どと言っていい程、彼が攻守において走り回ることはなかったのだが、要所要所で彼が見せるプレーは「効いてるなぁ」という声が周囲から漏れる程のものだった。
こういう選手がいるのだから、蔚山はもっとサイドバックが上がるプレーをしてみれば良かったのに、とも思った。
サイドバックが時折上がるものの、大半は逆サイドにボールがあって、サイドチェンジのボールが引き出せるのでは?というタイミングのみで、攻撃においてはあまり効果を発揮していなかった。
例えばエスティヴェンがボール奪取した瞬間に、姜が上がる。
ボールはエスティヴェンから李浩を経由して姜へ、といったシンプルな攻撃があれば、FC東京はもっと困ったのではないかと思う。
他にも李浩は最後まで守備から攻撃の切り替えポイントとして目立っていたし、李根鎬も持つ技術を随所に見せて対面する森重を困らせていた。
随所に面白い選手がいるだけに、少し守備的に、シュアに入って来たのは残念だったが、逆を言えば、そういうサッカーをしてくれて良かった、ともいえるのかもしれない。

■梶山の勝ち越しゴールに観た今季のFC東京理想像

かつて城福監督が率いた味の素スタジアムでの川崎フロンターレ戦でも同じような場面があったと記憶している。
今日の梶山の勝ち越しゴールに至るプロセスを観ていると、自陣内でのパスも含めて、全部で15本以上のパスが繋がった結果として生み出されてる。
それもシンプルにワンタッチ、ツータッチのパス交換である。
その中でピッチをワイドに使いつつ、縦に早く入れるところは早く入れるという「スイッチ」が観ている側にも見事に伝わったシーンだった。
こういう形がポポヴィッチ監督が望むサッカーであり、僕らサポーターも観ていて「ポゼッション面でも、パス回しでも全てにおいて完璧」と興奮出来るサッカーになる。
むしろなぜあの場面で僕らサポーターは「Ole!」のかけ声が出来なかったのだろうか、とすら思ってしまうぐらいに、セクシーかつ完璧なゴールだった。
相手が同点に追いついて、少し息が入った時間でもあったが、こういうパス回しからゴールを狙うシーンがもっと増えてくることが今季のFC東京に期待される所ではないかと思う。
もちろん徳永のループシュートも素晴らしかったが、チーム全体でつかみ取ったゴールという意味では、梶山のゴールは今シーズンを占う意味でも、非常に価値のあるゴールだったように思う。

■縦ポンへの対応

ラインを高く設定する以上、DFラインの裏を狙うボールへの対策は非常に難しい。
ましてやDFは振り返ってボールを追って走るのに対して、相手FWはゴールへ正対した状態で走れる。
コンマ数秒の対応差が、数メートルの距離差になってしまう。
だから仕方が無い、という考え方もある。
だが、だからこそしっかりと前線から最終ラインまでの守備に対しての意思統一が必要になる。
1点目は相手GKへのバックパスを石川が懸命に追っている。
GKが蹴ったボールに対して、ヘディングで競りに行く加賀がいる場合に、ラインを揃えるのか、それともその加賀の背後をボランチがカバーするのか、もう1枚のセンターバックがスライドしてカバーするのか、がどうも曖昧な気がする。
これはJリーグ第2節名古屋戦での玉田にゴールを決められたシーンでも同様だ、

基本的にはDF陣としてはしっかりラインを揃えて、抜け出されたら遅らせて対応することでピンチを凌ぐことを考えるのだろうが、全く同じ形で2試合で3失点していることを考えると、何もラインをとにかく揃えて高く設定し、オフサイドを採りに行く必要は無いのではないかと思う。
むしろ森重、加賀のセンターバック2枚と高橋あたりがしっかりと残って縦ポンを跳ね返すような守備体系にしてもいいのではないだろうか。

ただ、今日の2失点目はマラニョンの動きが非常に上手かった。
東京守備陣の死角に入りながら、上手く裏を取っていた。
欲を言えば、権田にはあそこで躊躇せずに前に出て欲しかった。
チャレンジして失点するなら仕方が無いが、躊躇した上で中途半端なポジショニングで頭上を抜かれるというのは、非常に悔しい。
最初の一歩目が早かっただけに、あの躊躇が悔やまれるが、それは試合後の権田の表情を観ていれば、彼が一番感じているのではないかと思う。

どうにも気分が晴れないなぁ。

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