2006年09月13日

私的アーセナルスタートダッシュ失敗の原因

プレミアリーグで最も華麗なサッカーをするチーム。
こう言われると、まず「アーセナル!」と答えてしまう。
パスワークで中盤を支配し、あっという間に相手ゴール前にたどり着くと、精密機械のようなストライカーがゴールを決める。
この過程は見ている者に「あれだけサッカーが出来れば楽しいだろうな」と感嘆させるぐらいの魅力に溢れている。
そんなアーセナルが今季3節を終了して、勝てていない。
無論、大半の選手がワールドカップに出場していたため、フィジカル面でコンディションが整っていないこともその一因に挙げられるだろう。
が、3戦で戦ってきた相手がアストンヴィラ、マンチェスターC、ミドルスブラという中堅どころであるところから見ても、決してそれだけが原因だとは思えない。

参考までに各3戦のポゼッションとShots lを挙げてみると
【第1節 アストンヴィラ戦(左がアーセナル)】
Result    1-1
Possession  61:39
Shots     31:3

【第2節 マンチェスターC戦(同上)】
Result    0-1
Possession 57:43
Shots     20:10

【第3節 ミドルスブラ戦(同上)】
Result    1-1
Possession  67:33
Shots     12:1

第2節のマンチェスターC戦はアウェイであったことを差し引いても、シュート数では倍の差がついている。
筆者が実際に試合を観戦したのは第1節、3節の2試合だが、両方に共通して感じたことがある。
それは「必要以上のパス回し」である。
冒頭にも述べた通り、アーセナルの魅力はそのパス回しにある。
スピーディーかつ、連動性が保たれたサッカースタイルは、見る者を嘆息させるものがる。
が、ゴール前でシュートを打てるところで打たないのだ。
1節、3節共にホームで先制されているにも拘らず、ゴール前で確実な線を探してパス回しに終始するために、相手DFにゴール前を固められ、そこをなかなかこじ開けられなかった。
決定的なシーンが少ないがために、ミドルレンジからのシュートが多くなり、シュート数は稼げるが、得点に繋がらないという負のスパイラルに嵌りこんでいたように見える。
Jリーグにおいても、世界最高峰リーグにおいても、この手のゲームが展開された場合の解決策として必ずあげられるのが一人で状況を打開できる選手、すなはちドリブラータイプの選手の必要性である。
確かにアーセナルはこのシーズン前にピレス、レジェスといったその手の選手を放出しているので、一見その公式があてはまるようにも思える。
しかしながら、第3節においては、フレブが独特なタッチのドリブルで相手ペナルティに侵入し、シュートを打てそうな場面が幾度もあった。
アンリもドリブルで局面打開が出来る選手であるが、そのような場面においてもパスを選択するケースが多かったことから、チーム全体に「パスサッカー」が充満していることが分かる。
「ドリブルで交わして打つ」というある種対極にあると思われがちだが、極めて重要な要素が効果的に使われていないことが3戦を終えた結果に繋がっている。
得点、Possession、Shotsという先に挙た極めて歪な数字が出てきてしまうのも、どこかにバランスを欠いていることを表している。
恐らくアストヴィラ、ミドルスブラの両DFにとっては守備戦術が極めてシンプルに保てたに違いない。

上記のような戦術のバランスに、守備陣の若さが相まって不要な失点から勝ち点を失っている。
現在のジュール、トゥレという若いセンターバックコンビは高いフィジカル能力を有しており、将来性も豊かであることは間違いない。
が、ラインコントロールの面で一試合で何度か危険な場面が見受けられる。
そのピンチを身体能力の高さでカバーしているため、どこかで瓦解する可能性が極めて高いと思われる。
そのためにもまず、「本来のセンターバック起用を」とチェルシー時代から訴え続けてきたギャラスをセンターバックにするべきだ。
ギャラスはポリバレントな能力を有しているのは間違いない上に、ポジショニングの的確さに定評がある。
先述の若い2人に比べるとフィジカルで見劣る可能性はあるが、若いDFラインを統率するリーダーとして起用すべきであろう。
センデロスが復帰すれば、ベンゲル監督はセンデロス・トゥレのコンビを想定しているであろうが、筆者としては是非ともギャラスのセンターバック起用を望みたい。

勝てないアーセナル。
早くその状況から脱してくれると、プレミアもチャンピオンズ・リーグも楽しみが増える。

posted by stanger |23:17 | 欧州観戦記 | コメント(3) | トラックバック(0)
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Re:私的アーセナルスタートダッシュ失敗の原因

初めまして!アーセナルファンのノマッチです。今後ともよろしゅうに。。。

うん、鋭い指摘。同感です。ピレス、レジェスと得点力がありましたし、現状アンリが100%でないってのも大きいと思います。

ギャラスのセンター起用は僕も賛成ですが、先ずは結果。そーゆー意味では欧州CL初戦のハンブルガー戦に勝利したので良い方向に向かいつつあります。ただこの試合で前半29分にトゥレがホイトに代わってる(怪我かな?)ので、ギャラスのセンターってのは週末に見られるかもしれません。だとしたら不本意な形ですけど。。。

posted by ノマッチ | 2006-09-14 06:23

Re:私的アーセナルスタートダッシュ失敗の原因

はじめまして
「必要以上のパス回し」まったく同感です。
ペナルティーエリアの中でも
ワンツーを試みたりしているが
ちょっとやりすぎですよね。

ギャラスのセンターも大賛成です。
わたくし個人的にはトゥレを左かと。
攻撃性能もさることながら
あの底なしのスタミナ・運動量は
サイドバックでこそ活きるのでは。

posted by ny1976 | 2006-09-14 23:27

Re:私的アーセナルスタートダッシュ失敗の原因

>ノマッチさん ny1976さん

長期の出張で更新もせず、そしてレスもせずすみません。
果たしてこのコメントを見ていただけるか・・・。残念ながら4節を見ていませんが、HSV戦に勝利したことをきっかけに、上昇機運にありますね。
特に好調の波に乗りかけていたマンUに勝てたのは大きいかと。
特段アーセナルファン、ってわけではないのですが、非常に良いサッカーを見せてくれるだけに、注目してますんで、これからも色々書くとは思いますが、ご容赦下さい。

posted by stanger | 2006-09-22 15:42

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