2009年01月27日

上村愛子の優勝と五輪プレシーズン

二戦目にしてW杯優勝を飾った上村愛子。
昨季女王になったことでアスリートとして
一回り強くなった印象を持ちます。

長年メディアと戦ってきた彼女は
王者になっても浮き足立つことなく
自分と向き合いながらメンタルをコントロール
できているのかもしれません。

今の上村愛子こそ
アイドルアスリートから真のアスリートへの脱却を
高次元で見せてくれた第一人者ではないでしょうか。

「アイドルアスリート」は多くの場合
本人が望んでなるものではありません。
(少なくとも長野五輪の時点ではそうでした。)
従って、本来ならば必要のない葛藤と重圧を本人に与えることになります。
背負ってしまった宿命を自身の成長に転化できるか。
大きな分岐点で彼女は勝利したように思えます。


今年はバンクーバーのプレシーズン。
「長野以降」の日本ウィンタースポーツ界の
「完全な終わりと本当の始まり」がバンクーバーには
あるような気がします。

もはやレジェンドである
清水(スケート)、葛西(ジャンプ)、岡部(ジャンプ)。
岡崎(スケート)、里谷(モーグル)、村主(フィギュア)。
彼、彼女達がバンクーバーに立てるかは定かではありません。
しかし彼らの戦いが今尚冬季スポーツ界を
牽引していることに替わりはないでしょう。

加藤、長島(スケート)、
浅田、安藤、高橋(フィギュア)、
伊東、栃本(ジャンプ)
・・・etc。
「俺達の大会」を狙う選手達には今季からの
強い結果を見せて欲しい。

そして、
「長野以降とこれから」をキャリアの絶頂で迎える上村。
長野を知りながら今まさに世界のトップレベルで戦えるのは
上村ぐらいのもの。

これまでとは違った重圧の中で迎える五輪になると思います。
声援を送る私達からは一つの象徴として、
しかしプレーヤーとしては純粋な競技者として、
彼女の滑りを五輪で見たい。

その姿を思い浮かべる、
今シーズン。
胸を躍らせましょう。

posted by sportstamasii |22:01 | ウィンタースポーツ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年01月23日

『TAKE ACTION FOUNDATION』~ap bankと重ねながら

中田英寿氏が設立を発表した
『TAKE ACTION FOUNDATION』
JリーグOB選手達でチームを結成して各地で試合を行い、
その収益で「何かできること」を世界に働きかけていく財団。

以下はホームページよりの引用。
この財団では、人々が“参加しやすく”、“楽しめ”、それが直接的・間接的な支援につながっていく誰にとってもプラスとなるような機会を提供していきます。
その輪を大きくしていくことで、ひとりひとりの行動が地球上の問題解決に繋がっていくことを目的とします

ここではあくまで前向きに考えてみたいと思います。

この事業(あえてこう呼びます)は、
まず構想として「全員にメリットがある」という前提にたっています。
「慈善」が前面にでた報道が目立ちますが、
選手に出場給を支払うことでOB選手のキャリアや地位向上を図るとのこと。
さらに収益で「地球上の問題解決」に貢献していくならば
「興行」としての成功は不可欠となります。

ただ、
「チャリティー」を行うだけの団体ではないことが
事業としての成功への責任を伴うならば、
このスタイルは現実味と理想性を兼ねたサイクルへの可能性を持つと思います。

エンターテイメントに参加することで観客がまず娯楽性を楽しむ。
同時に世界に何らかの貢献もできているという充足感、幸福感を得る。
観客達が「楽しむ」ために支払った「お金」は
環境のため、未来のために使われていく。

このサイクル、私は『ap bank』を連想しました。

ap bank
(エー・ピー・バンク Artists Powerまたは、Alternative Power)は、櫻井和寿(Mr.Children)、小林武史、坂本龍一の3人が拠出した資金を、環境保護や自然エネルギー促進事業、省エネルギー等、さまざまな環境保全の為のプロジェクトを提案・検討している個人や団体へ低金利で融資する非営利組織(NPO)。
ap bankは現在、小林、櫻井を中心に結成されたバンド「Bank Band」に加え、多くのアーティストの協力を得て行うイベント、CDやDVDなどの制作物の収益金を主な融資原資、活動資金としている。
(ウィキペディア及びHPより)

ap bankは「融資」をおこなう団体です。
その点は大きな違い。

しかし、エンターテイメントを通じ、
興行として「成功」しなければその基礎が揺らぐという
母体は同じではないでしょうか。
音楽とスポーツ。
普遍性のある2大エンターテイメントといえると思います。

新たな試みを興行として成功させるには「力」が必要です。
目的とマッチする観客を引き寄せるだけの「力」。
ap bankには桜井和寿という最強の「力」がありました。

もちろんTAKE ACTION FOUNDATIONには中田英寿がいます。
中田ほどサッカーをコアにその外側へ
「力」を持つ人物はいないでしょう。
あとは中田の「力」がこの目的とマッチした観客をひきつけられるか、です。

TAKE ACTION F.Cに並ぶ面々は25歳の私には
心躍るものがあります。
名波、森島、山口、奈良橋、相馬、前園・・・。
彼らに身近で触れることができる機会が頻繁に訪れるならば、
そのことで世界の好転に貢献できるのならば、
私は夢を乗せたいと思います。

協会との兼ね合いや、
長期間続けるために必要な選手の代謝など、
素人にも想像が難くない問題は多々あると思います。

そもそも、まだ何も始まっていない。

期待を込めながら、
「参加」する気持ちを整えながら、
この先を見守っていきたいと思います。

posted by sportstamasii |21:43 | サッカー | コメント(7) | トラックバック(0)
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2009年01月18日

Jリーグクラブ経営状況を少し紐解いてみる【支出編】_その2

昨年公開された
2007年Jリーグクラブ別経営状況。
その1では営業費用額について考察を行いました。

ここでは続きとして
比率分析を行います。

※(営業費用)=(事業費(含む選手・チームスタッフ人件費))+(一般管理費)
※※2007年にJ1だったチームが対象
※※※金額単位は百万円

まずは再度、営業費用額のTOP5です。

【営業費用額TOP5】()内は営業収入
1 浦和	7744	(7964)
2 横浜FM 4674	(4909)
3 鹿島	3805	(3983)
4 名古屋	3592	(3635)
5 F東京	3581	(3347)

そして。
【選手・チームスタッフ人件費/営業費用】
1 大分	59.1%
2 G大阪	58.3%
3 	54.5%
4 神戸	54.4%
5 川崎F	52.9%

ちょうどこのTOP5が50%を越えています。
支出において選手・チームスタッフ人件費が占める割合。
(その1)で記した「選手・チームスタッフ人件費額TOP5」と必ずしも
一致していないのが興味深い点です。

G大阪を除いて、
チーム規模の割には著名な選手を抱ている
あるいは
チーム規模に比べてリーグ内で順位的にも健闘しているチーム
というところでしょうか。
2007年の大分は上記表現からは例外となりますが、
大分がその後主力の放出を行ったことはうなずける結果です。

【選手・チームスタッフ人件費/営業費用WORST5】
14 鹿島	45.6%
15 磐田	44.8%
16 横浜FM	42.0%
17 清水	39.9%
18 浦和	36.7%

ワーストという表現はふさわしくありませんが、
支出に占める選手・チームスタッフ人件費率が低い5チームです。
営業費用額TOP5のうち3チームが名を連ねています。
営業収入が多く、支出も多く行うことができる中で、
とりわけ浦和は必ずしも人に圧倒的な配分を賭けているわけではない
ということになります。
(少なくとも比率の面では。)

人への投資は一定以上で十分であるならば、
その他の資金は人を集め、サポーターを拡大するための
活動に用いることができる。
その活動により集客が増えればさらに資金は上昇する。
さらなるサポーター獲得への活動を行うこともできるし、
選手・スタッフ年俸を上げることにより
優秀な人材の放出を防ぐことができる。
プロ選手・スタッフの地位向上にもつながる。

このサイクルに入っていくことができれば
チーム状況が好転していくことは想像できます。

このような視点でJリーグをみるのも面白いかもしれません。




※
単年の支出額の比率分析を行うだけでは本来は
多くの視点、変数を欠いています。
実際には前年の収入や中長期の計画、
その他様々なファクターが絡まりあうのだと思います。
しかしできるだけシンプルに、
私達にも見ることができる考え方として、
意味を成すことができればと考えています。

※※
上記比較にはクラブチームごとの背景が反映されていません。
従って「誤解を恐れずに行った」分析であることは否めません。
しかし、Jリーグが近年このような数値を公開している意図には
上記のような分析を可能にし、
クラブチームへ向けられる目を許容することで
健全化への力とするという理由もあるのではないかと私は考えています。
切り取り方によって見える一面として、
何かの意味を成すことを願います。

posted by sportstamasii |20:35 | サッカー | コメント(3) | トラックバック(0)
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2009年01月18日

Jリーグクラブ経営状況を少し紐解いてみる【支出編】_その1

昨年公開された
2007年Jリーグクラブ別経営状況。
公表された数値を元に少しだけ分析を行ったところ(こちら)
多くのコメントを頂きました。

今回はその延長として、
支出編である「営業費用」を考えてみたいと思います。

※(営業費用)=(事業費(含む選手・チームスタッフ人件費))+(一般管理費)
※※2007年にJ1だったチームが対象
※※※金額単位は百万円

【営業費用額TOP5】()内は営業収入
1 浦和	7744	(7964)
2 横浜FM	4674	(4909)
3 鹿島	3805	(3983)
4 名古屋	3592	(3635)
5 F東京	3581	(3347)
          
ほぼ営業収入の順位と一致しています。
使っていいお金が多い順に使ってる。
自然な流れです。
(もちろん実際は前年収入と見込み・計画を踏まえての費用ですが。)

次は気になる選手・スタッフ人件費。
【選手・チームスタッフ人件費額TOP5】
1 浦和	2841
2 横浜FM	1961
3 G大阪	1927
4 名古屋	1770
5 鹿島	1736

いわゆるビッグネームの多い、
年俸が高いであろう選手の多い
印象のあるチームが名を連ねています。

【選手・チームスタッフ人件費額WORST5】
14 大分 1283
15 清水 1263
16 広島 1236
17 横浜FC 862
18 甲府	 741

この年J2に降格したのは広島、横浜FC、甲府。
このデータが公表された時点では「人件費が低いチームが落ちた」
との報道が出ました。
しかしその一つ上が清水、大分であることを考えると
この報道が必ずしも因果関係を示してはいないことが分かります。

ただ、ほぼ主力の残った2008年の広島のJ2での結果を考えると、
2007年時点で広島と横浜FCにあった4億円の差に何かがあるのでは
との推測もできます。
またその一方で、降格したもののJ1での甲府のサッカーに私達は
魅力を感じていたはず。

スポーツとお金、
スポーツの魅力と不可避なビジネスの側面の
難しい均衡が凝縮されているような気がします。


その2
比率分析編へ続く。



※
もちろん単年の支出金額をベースに考えるのは
多くの視点、変数を欠いています。
実際には前年の収入や中長期の計画、
その他様々なファクターが絡まりあうのだと思います。
しかしできるだけシンプルに、
私達にも見ることができる考え方として、
意味を成すことができればと考えています。

※※
上記比較にはクラブチームごとの背景が反映されていません。
従って「誤解を恐れずに行った」分析であることは否めません。
しかし、Jリーグが近年このような数値を公開している意図には
今回のような分析を行うことを可能にし、
クラブチームへ向けられる目を許容することで
健全化への力とするという理由もあるのではないかと私は考えています。
議論への一石、切り取り方によって見える一面として
意味を成すことを希望としています。

posted by sportstamasii |18:57 | サッカー | コメント(2) | トラックバック(0)
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2009年01月12日

【高校サッカー】彼らの涙と私達の涙

高校サッカー選手権大会が終わりました。
「大迫の大会」も
優勝という結果は得られず。
これがスポーツの現実であり面白さであり厳しさでしょう。

何よりも広島皆実の皆様、優勝おめでとうございます!

それにしても今大会は
よく点が入る大会であったと思います。
アグレッシブなスタイルが高校サッカーの潮流といえるのでしょうか。

若く将来のある選手達が
伸び伸びと攻撃の姿勢を貫く様子は見ていて気持ちが良いです。
何よりも選手達が楽しそうに見える。

風間八宏氏の提言ではありませんが、
高校生年代には「個人」を育てる重要性があると思います。
組織重視の型にはめ込んでもその先にあるものは「?」。
責任を伴う自由とアイデアを。

その意味で攻撃的なスタイルで、
真剣かつ楽しそうな高校生達には
明るい未来を感じました。


高校生達にとってこの大会は「最後の大会」。
多くの涙が見られます。
Jリーグのシーズン終了とは違う、
純粋に全てを賭けた「最後」。

メディアに取り上げられるような感動的なエピソードもあります。
しかし全ての選手達にとってドラマがあったはず。
人生において大切な3年間を捧げた物語の終わり。

彼らがスポーツに注ぎ込んだエネルギーは
3年間分を凝縮してゲームにみなぎり、
純粋なスポーツの魅力となって私達に響きます。

サッカーに限らず、学生スポーツに私達が涙する理由は
ここにあると私は思います。

「何かに純粋に打ち込み、涙を流せる」

という状態がいかに素晴らしいことか。
社会に出ている我々は感じるのです。

高校生達にその意識はないでしょう。
しかし彼らを見る私達はその純粋な「のめりこみ」に
魅力を感じ、憧れにも似た活力を得るのです。

プレーヤー達の涙と、
見る者の涙。

スポーツの持つ魅力の一つを再認識させてくれました。




最後に。

選手達へ

熱い気持ちをありがとう。
この経験を大切にしてください!

posted by sportstamasii |19:23 | サッカー | コメント(1) | トラックバック(0)
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2009年01月02日

【天皇杯】元日で終わる物語、元日では終わらせない物語

天皇杯決勝。
 VS G大阪

「石さんのために」
J2からJ1へ、文字通り「走って築いた」チームの一つの終焉へ、
思いは一つ。

「再び世界へ」
しびれる舞台への渇望とアジア王者のプライドは
満身創痍のG大阪に最後の力をもたらす。

ベクトルのまったく違うプライドを賭けた、
火花散る戦いとなりました。

準々決勝、準決勝と
柏は一発勝負を勝ち上がるのに必須な
「パターン」を築きながら
ドラマチックな試合を続け、
勢いを加速させてきました。
後半から途中出場したフランサが別次元のプレーを見せ、
李が圧倒的な切れ味と気持ちでフィニッシュへ持ち込む。

決勝も前半はスコアレス。
柏ペースなのではと睨んでいました。

しかし、結果はG大阪の勝利。

「勢いではない強さがあることの強さ」を感じました。
アジア王者の意地。
CWCでの雪辱を期す場への渇望。

世界への物語をここでは終わらせない。

けが人が多く、コンディショニングもままならない中での
タイトル奪取は真の強さとチームの成熟、
更なる伸びしろを感じさせてくれました。


一方の柏。
石崎監督の指揮は天皇杯まで。
「石崎監督と、元旦の国立へ」
がリーグ戦終了後唯一最大の目的だったはずです。

J2から這い上がり、
J1でも旋風を起こした石崎レイソルは
「ハードワーク」「フランサのマジック」「切れ味あるアタッカー陣」
から成り立つ、実に魅力的なチームでした。

天皇杯での柏の試合運びは
フランサ投入、李投入と手を打つことで
「完成」へのピースを一つ一つ埋めているようでした。

描かれた絵を堪能しながら、
一つの物語は元日に幕を閉じました。
タイトルこそ逃したものの、
2009年1月1日は柏にとって一つの大きな歴史であり結果だったと言えるでしょう。


元日では終わらせなかった物語。

元日で幕を下ろした物語。

両チームへの敬意を込めて、
来シーズンを待つことにします。

posted by sportstamasii |19:20 | サッカー | コメント(2) | トラックバック(0)
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