2010年01月11日

サッカーはかくも優しく、エンターテイメントだ【名波浩引退試合②】

会場はエコパである。
やはり地元からの来場者が多いだろう。
ジュビロ磐田を愛する人々である。
場内にも「9」「23」などの背番号を付けたサックスブルーの背中を幾度となく見かけた。
黄金期のジュビロは彼らが最も愛する、誇りのはずだ。
まして、中山雅史、鈴木秀人最後のサックスブルー姿である。
黄金期のジュビロ復活を後半に持ってくるあたり、にくい演出だった。

後半、鮮やかに黄金期のジュビロが蘇る。
高原、中山、藤田、奥、服部、福西、河村、鈴木秀、大岩、田中誠、山西・・・etc
そして、名波浩。
コンディションから必ずしも全員が一緒にというわけにはいかなかったようだが、
磐田サポーターが泣いて喜ぶメンバーである。
高原から中山へのクロス、藤田と名波のパス交換、
名波の浮き球スルーパスから中山のゴール。
見せ場は鳥肌とともに何度もやってきた。

後半も同様、徐々にエンターテイメント性を高める。
代表側に監督柱谷自ら出場に始まり、
満を持しての桜井和寿登場。
観客の、そして多くの選手からも熱視線を浴びながらのファーストプレーで
桜井は予想以上のパススピードを持つクロスを上げ、会場のどよめきを生んだ。

その後投入されたワッキーことペナルティ脇田は
さすがの身体能力というところか、
明らかに追いつかないボールへ全力疾走して悔しがって見せるなど
大いに会場を沸かせた。
高原のゴールをアシストするなど実力で見せ場も作った。

しかし、忘れてはいけない。
これは名波浩の引退試合である。

4-4で迎えた後半ロスタイム。
桜井のドリブル突破から高原へ。高原は左を駆け上がる山西へボールを預ける。
山西が折り返したクロスは、まっすぐにペナルティエリア内後方の名波のもとへ。

セレッソ時代の最終戦以来の90分間のプレーである。
おそらくもう体力は残っていなかったであろう。

振り絞った渾身の力を歴史を作ってきたその左足に込め、
放たれたボレーシュートは美しくにネットに突き刺さった。

ともすれば中田英寿に、ゴン&カズに、
矢部や桜井に話題を持って行かれそうな自身の記念ゲームを、
自らしっかり締めくくった。
これだけのイベントでメインをはれるだけの男である。
さすが、「持ってる」ところを存分にみせてもらった。


心から、楽しめた。
43000人の観客も、きっと、選手たちも。
必ずしもプロばかりではなく、現役も引退後も入り混じった選手達。
お互いがお互いを尊重し合う、優しさに満ちた90分だった。
なれあいではなく、一流の優しさ。
何よりも、選手達の笑顔が印象的だった。

サッカーはこんなにも優しく、エンターテイメント性に富んでいる。
改めて、多くのものがこみ上げる試合であった。
この試合はさらにサッカーを好きにさせてくれた。


名波は試合後に語った。
サッカー界を盛り上げたいと。
可能性を感じるにはあまりある試合だった。
名波浩、こころから、ありがとう。

posted by sportstamasii |22:39 | スポーツ生観戦と考察 | コメント(6) | トラックバック(0)
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サッカーはかくも優しく、エンターテイメントだ【名波浩引退試合②】

コメント投稿者ID :

2000年アジアカップの代表は最強
中心はナナでしたね

posted by えど | 2010-01-11 23:19

サッカーはかくも優しく、エンターテイメントだ【名波浩引退試合②】

コメント投稿者ID :

あえて言っておきます。
プロの試合のエンターテイメントと、こういったゲームのエンターテイメントでは意味合いというか、方向性のようなものが違います。
先日のピクシーのゴールの件でも、「面白ければいい。退場はもちろん警告さえ不要」と言う声が多かったので気になりました。

posted by EEE | 2010-01-12 00:21

サッカーはかくも優しく、エンターテイメントだ【名波浩引退試合②】

コメント投稿者ID :

サッカーはどこまで突き詰めてもどんなベクトルを向いていようとも一つのエンターティメントとして親しまれています。
結局のところほとんどの人がワンプレーの質の高さ、美しさを求めますし、そこに酔いしれて且つ勝ったときの喜びをかみしめる。引退試合でも結局名選手が往年のプレーの片鱗を見せるからこそ楽しめるわけであり、最後に「勝」という華を持たせる演出こそいわばサッカーとしての芸術を大切にしていることの証拠です。
僕が言いたいのは、お楽しみサッカーと真剣サッカーのエンターティエメントとしての根本的思考は変わらないということです。


posted by warawara | 2010-01-12 00:41

サッカーはかくも優しく、エンターテイメントだ【名波浩引退試合②】

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元代表の選手達が着ていたユニフォームの色は、
代表の藍色より薄く、清商を思い出させてくれました。
2000年前後の代表は階段を駆け上っていて、
応援する側も夢を見れて、いい時代だったと思います。
素敵な引退試合でした。

posted by bobby | 2010-01-12 10:11

サッカーはかくも優しく、エンターテイメントだ【名波浩引退試合②】

コメント投稿者ID :

素晴らしい引退試合、素晴らしいメンバー、素晴らしいプレー・・。

名波さんは本当に幸せそうな顔をしてました。

ここ20年の日本代表でも名波さんはメンバーに名を連ねるであろう、実力を魅せてもらいました。

日本でもこれほどの引退試合が存在するとは・・”Jリーグも捨てたもんじゃないな”・・と感じた人が多かったはず。

Jでプレーする若手も”名波さんのようになりたい”と感じたはず。

これからは解説者として、指導者として・・、日本サッカー界の発展の為・・名波さん宜しくお願いします!!!

posted by SSK | 2010-01-12 11:43

サッカーはかくも優しく、エンターテイメントだ【名波浩引退試合②】

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最後のボレーは素晴らしかったし感動しました。
ああいう時ぐらいは相手チームのベンチも観客もみんな立ち上がって拍手ぐらいしてもいいと思うんですがねえ。
日本人は、相変わらず演出が下手だなと思うのは私だけでしょうか?

posted by 地上波層 | 2010-01-12 11:54

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