2010年01月03日

浅田真央の重圧 【改めて、全日本フィギュア】

滑り終えて、浅田真央は安堵の表情を浮かべた。
誰をも味方にしてきたいつもの笑顔ではなく、重圧に打ち勝った、安堵の笑顔だった。

見るものすべてが胸をなでおろした。
私たち一人一人が吐き出した、「ふーっ」という安堵のため息。
わたしたちが吐き出さなければ耐えられなかった胸に詰まっていたものすべてが、
浅田真央の小さな背中にのしかかっていた。

今やフィギュアスケートとメディアは幸福とも不幸ともとれる関係を形成している。
「魅せる」種目であり、テレビ映えする競技である。なおかつ、キャラクターが際立つ。
トリプルアクセル、4回転など、明快なキーポイントもある。
注目度は高く、当然メディアも集中する。
競技の発展のために注目度と人気は不可欠だが、
過度の煽りと視聴者への焚きつけは選手本人への重圧となりパフォーマンスへ影響を及ぼしかねない。
トリノ五輪での安藤美姫は過度の煽りと重圧に飲み込まれてしまった例といえる。

浅田もか。

そう思わせるほどに演技前の彼女の表情はこわばっていた。

しかし、乗り越えた。

「自分を信じて」
「思いっきり」
試合後、彼女は何度もこの言葉を使った。
最後は自分との対話に行き着くしかないということなのだろうか。
自分の周りで、自分が知らない間に進むさまざまな思惑を遮断して、自分を信じる。
これが強さ。そぎ落とした、シンプルな強さ。

「天真爛漫」を画に描いた様な少女。そのキャラクターはみる者すべてを味方につける。
いつしか大人へと近づく少女の苦悩や葛藤が見え隠れするようになった。
苦しみを乗り越えた強さ。
余計なものはそぎ落とした、純粋な強さ。
五輪では、かつてのような、そしてかつてよりも深みを増した、
純粋な笑顔に出会えるだろうか。

posted by sportstamasii |22:41 | ウィンタースポーツ | コメント(0) | トラックバック(0)
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