2008年11月15日

スポーツ発展の現実と可能性―バドミントン全日本総合選手権―

『バドミントン全日本総合選手権』
国立代々木競技場第二体育館にて
本日、観戦してきました。

アマチュアスポーツ特有の規模感と
トップ選手との「近さ」を存分に体感できました。

今日改めて感じた、
決してメジャーではないスポーツの発展のため、
人をひきつけるための魅力の伝達方法、
必要な「いい意味でのスポーツビジネス」について、
少し考察してみたいと思います。

人々をひきつけるために不可欠なマスコミ。
バドミントンは「オグシオ」という強い武器を持っています。
この意味でバドミントンは「次のステップ」
への可能性を持ったスポーツです。
オグシオ解散発表を受けての大会。
取材陣は当然小椋・潮田に集まります。
しかも女子ダブルスには北京での鉱脈、
「スエマエ」もいる。非常にドラマを創りやすい環境でしょう。

バドミントン界はこの環境を集客に変えられているか。
答えはNOだと思います。
会場に人は確かにたくさんいました。
もちろんかつてとは比較できないほど
人が入っているのでしょう。
かくいう私もオグシオが報道されているおかげで
大会を見に行っています。

しかし。
もっとできるのでは、と思ってしまいます。

小椋潮田ペア、末綱前田ペアの試合後、
報道陣の数はずいぶん減りました。
もちろん観客も減りました。
しかし、私が想像していたほど、
マスコミの動きほど、「オグシオ目当て」の観客は
多くなかったようです。
意外と人は残っていた。
バドミントンの競技自体が面白かったから?
それももちろんあるでしょう。

一方で、現場にいて感じたのは
観客の多くは「バドミントンのコアファン」であり、
「関係者」「経験者」とその周辺であろうということ。

選手が観客の一部に挨拶に行く場面が多く見られたこと、
長年女子バドミントン界を支えてきた米倉選手への声援が
非常に強かったことなどが実感の裏づけでしょうか。

出場選手と無関係である人が少ない。
ファンの入り口となるいい意味での「にわかファン」が少ない。
これだけ露出しているオグシオを活かしきれていない。

試合前、試合中、試合後。
小椋・潮田はスターとして、会場への対応も別格でした。
彼女たちがやるべきことはやっている。
あとは運営側の手腕ではないでしょうか。

今のコアファンを失うことなく、裾野を拡大していく。
トップレベルの選手たちを見る限り、
バドミントンは人々を惹き付ける魅力を持ったスポーツです。
動きがあって、迫力がある。
見に来てもらえば、次またいこうと思わせる力を持っている。
そう感じました。

スポンサー、広告は一部しか入っていないようでした。
スポーツがビジネスに毒されることは絶対にあってはなりません。
しかし、もう少し運営資金があれば、
日本のトップを争う選手たちが一般客が入れる場所で(!)
ウォーミングアップやストレッチを行うこともなくなるのではないでしょうか。
(これが代々木に限った現象ならまだ良いのですが・・・)

スポーツは、マスコミやビジネスに利用されてしまうと
本質を失ってしまいます。
しかし、
スポーツの発展に裾野の拡大は必須。
「スポーツがマスコミとビジネスを利用する」
ことはあってよいというのが私の考えです。

何よりも今日
生でバドミントンをみて楽しかった一般人が
ここにいたという事実があります。

「好機を活かす」
この考えはどのスポーツにも必要ではないでしょうか。

posted by sportstamasii |22:37 | スポーツを生観戦と考察 | コメント(0) | トラックバック(1)
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2008年11月13日

名波浩に感謝を。

名波浩。

私が最も惚れ込み、尊敬している選手です。
彼がいたから私はサッカーの魅力をここまで感じてきたと
いっても過言ではありません。
美しさ、泥臭さ、熱さ、冷静さ、知性、誇り。
サッカーにはその全てがあることを名波は教えてくれました。

足が速いわけではない。
体が強いわけではない。
背が高いわけではない。

しかし彼の左足はサッカーの全てをつかさどり、
息をのむようなパスを通していく。
彼のマジカルな左足からは放たれるボールは
時に空気を切り裂き、時にあまりにも優雅な弧を描く。

ピッチ全体を見渡し、ゲームを創る。
「ゲームを創る」ことにかけて、
彼は今尚稀代の存在だと言えるでしょう。


藤田、名波、福西、服部で形成する中盤。
そこに中山、高原らを加えた黄金期のジュビロ。
人とボールが流動的に動くチーム。
当時のジュビロは今でもJリーグ史上で
最も強く、美しいチームでした。

中田、山口、名波で形成するトライアングル。
言葉を交わさずとも全てを感じ取れる最高の関係は
W杯の結果以上に多くの場面で語られています。
ピッチ上で中田英寿を「コントロールしていた」のは
名波浩ただ一人ではなかったでしょうか。

名波を中心とした2000年アジアカップは
日本がアジアで最も突出した力を見せ付けた大会でした。
同じレフティー中村俊輔に
「名波と組めるなら左サイドでもかまわない」
と言わせた男。

語られるは栄光ばかりではありません。
98W杯でバティストゥータに得点を与えた屈辱。
トルシエとの確執。
雪辱を期す場であったはずの2002W杯からの落選。
何よりも、今尚続くケガとの戦い。

ベネチアへの挑戦、
セレッソでの残留争で見せた獅子奮迅の活躍。
J2では東京Vに魂を注ぎ込む一方で冷遇も味わいました。

怒涛のようなサッカー人生。
しかしいつでも彼は自分を見失うことなく、
冷静に自分や回りと向き合い、時にその状況を言葉にしてきました。
私が彼を尊敬する一つの理由はその「言葉」。
ピッチ上でのプレーと同様、
全ての状況を俯瞰から見渡すことができ、
それを言葉として表現できる。
時に他人のことのように困難な自分やチームの状況、
サッカーそのもをを語る。
口数が多いわけではないが、だからこそ重みと説得力がある。

中村俊輔や小野伸二を天才と認め、
自分はそうではないという。
自分は天才を使うタイプだと。

サッカーとその周辺を言葉にできる選手は少ない。
名波のインテリジェンスは圧倒的に私には見えました。
その意味でも彼は稀有だったと。

語る言葉はつきません。
日本サッカー史上に残る名選手が一人、
ピッチを去ります。
心から、感謝を。
ありがとう。



追記:
名波がこのタイミングで引退を発表したのは決して偶然ではないはずです。
リーグ戦のわずかな中断期間。
チームにおける自分の存在価値。
動揺を与えることなく、逆に自分の引退をチームのモチベーションに変えていく。
磐田を愛する名波にはこの計算が必ずあるはずです。
彼の決意を受けての残留争い。
勝ち抜くしか、ないでしょう。

posted by sportstamasii |21:12 | サッカー | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年11月12日

ガンバ戴冠!-Jがアジアを制すること、自信の積み重ね。

ガンバ大阪アジア制覇!
ますは何よりも、おめでとうございます!

一戦目の結果から、
今日の試合ガンバは一点でもとれば
ほぼ優勝を手中に収める状況でした。
その一点を序盤につかめたことは大きかったのではないでしょうか。

FWに泣いてきたガンバ。ここへきて
「FWとしてのルーカス」の二得点で勝利というのも
今シーズンの全ては今日へ向かっていたのかと
思わせる展開になりました。


昨年は浦和。
今年はガンバ。
二年連続でJリーグがアジアを制しました。
この2チームはここ数年のJリーグにおけるBIG2。
その構図が揺らぎ始めたここ二年で
両チームがアジアを制しました。
皮肉とも取れますが、
いい時に掴んだ結果を「ACL」という特別なモチベーションが
支えるのかもしれません。
今年のガンバも苦しかったシーズン前半でもACLを
勝ち抜いた姿が印象的です。


Jリーグがアジアを制することの意味とは何でしょうか。
クラブワールドカップに出られる?
日本で行われる限りCWCが盛り上がる?
それももちろんあります。

しかし。
世界への距離を感じずにはいられない私たちにとって、
それでも世界に勝ちに行きたいと思っている私たちにとって、
「日本のサッカーはアジア一である」
という自信を持つことは、
”気持ちで負けない”ための重要な材料です。

アジアの各国に「J強し」の印象を与えていくことも
同様の意味を持つでしょう。
クラブワールドカップに出て、
世界に「アジアの代表はたいてい日本だな」
と思わせることも効果を持ちます。


相手に認めさせること。
自分に自信と誇りを持つこと。
真の意味で戦うために、勝つために、
必要な積み重ね。

ACL連覇はこの積み重ねの、
大切な一歩といえるのではないでしょうか。

posted by sportstamasii |22:16 | サッカー | コメント(1) | トラックバック(1)
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2008年10月26日

「この試合に勝てば」―【J1第30節】日立台・味スタ

【J1第30節】
10/25、10/26、J1「ラスト5」、連日で生観戦してきました。
25日: VS 横浜FM
26日:FC東京 VS 鹿島

共通していたのは、勝利した2チーム、
横浜FM、FC東京にとってこの試合が
「この試合に勝てば」という一戦だったこと。

25日:横浜。
日本で最もサッカーが近いスタジアム、日立台。
両チームの勝ち点差は3。
たった3。されど3。
試合前の時点で「残留争い」と目されていたのは勝ち点36の横浜まで。
それほど大きな勝ち点3差。

横浜サポーターが掲げる横断幕には、
「絶対残留」
「全ては勝利のために」
の文字がありました。

柏にその文字はなし。

サポーターの空気はそのままゲーム展開に伝わったと言えたかもしれません。

サッカーはもちろん精神論では片付きませんし、
危機感は時に空転を生みます。
しかし横浜の必死さは落ち着きと「一枚岩」を形成していました。
堅守とボール奪取を続け、相手のミスから勢いと得点を生む。

なによりも横浜には
「この試合に勝てば降格争いからの脱出に限りなく近づける」
という強い意識が見えました。
現時点での「勝ち点39」は絶対ではないもののスッと気持ちが楽になる域。
「この試合に勝てば。」
背負うものの強さを感じました。

× 1 - 3 横浜FM○


26日:FC東京鹿島。
味の素スタジアムには3万3000人もの観客がつめ掛けました。
首位を固めたい鹿島。
勝てば「優勝への道」が現実味を帯びるFC東京。

前日の大分の敗戦、名古屋のドローは
鹿島に「どうしてももたげてしまう余裕」を、
FC東京に「可能性への強い気持ち」を
もたらしたことは想像できます。

それはサポーターも同じ。
鹿島サポーターからはどこか余裕の空気が。
FC東京サポーターからはその数・空気ともに強い希望を感じました。

FC東京の得点はどれも美しさや崩しとは異なり、
セットプレー、個人のスピード、混戦での執念が生んだゴール。
一方鹿島の2得点はともに崩しての得点。

しかし勝利という結果を得たのはFC東京。
首位鹿島を相手に、
「この試合に勝てば優勝が現実味を帯びる」
という強い気持ちで見事に勝利をもぎ取りました。
混戦から押し込んだ長友、監督がともに「気合勝ち」を公言するのも
納得の一戦。

○FC東京 3 - 2 鹿島×


降格争いから一歩抜け出したチーム。
本格的に優勝争いに名乗りを上げたチーム。
「この試合に勝てば」
を選手、サポーターから強く感じる2試合を観戦することができました。

次に
「この試合に勝てば」を制するのはどのチームか!

posted by sportstamasii |20:22 | スポーツを生観戦と考察 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年10月23日

10月22日、日本はスポーツに燃えたか

10月22日(水) 

■AFCチャンピオンズリーグ
浦和 1 - 3 G大阪 (19:30/埼玉/53,287人)

■パ・リーグクライマックスシリーズ
巨人 3 - 4 日  ( 18:00/東京ドーム / 44,072人 )

■セ・リーグクライマックスシリーズ
西武 9 - 0 日本ハム ( 18:15/西武ドーム 21,731人 )

10月22日。
一週間のど真ん中、水曜日。
サッカー、野球それぞれにとってきわめて重要な、
シーズンの一つの
「クライマックス」
が重なった日。

埼玉スタジアム、
東京ドーム、
西武ドーム。
3会場に集まった人はあわせて、

119090人。

そう、約12万人。

改めてスポーツの力を感じました。

この3試合、見に行った全ての人にとって
いつもとはやはり思い入れの違う試合だったでしょう。

シーズン中とは一味違う、
熱狂、歓喜、落胆。
時には怒り、哀しみ、絶叫、涙がそこにはありました。

テレビというスポーツを伝える一つの大きなメディアも、
東京ドームは貫禄の地上波、
西武ドームはNHKBS、
埼玉スタジアムはBSデジタル
という3様の形で放送。

いつもよりも一回りも二回りも大きい何かを、
あるいはいつもは動かない人の心与えた何かを、
感じることができた一日。

3試合に共通しているのは、
物語の終わりではない試合だった、ということ。
一つの重大な、しかしシーズン最大の目標への少し手前。

独特の緊張感と高揚感。

12万人とメディアでこの3試合に触れた人々は、
いつもとは違う力を感じる木曜日を迎えられただろうか?


10月22日―
日本は、スポーツに燃えたか。

posted by sportstamasii |22:20 | ノンジャンル | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年10月09日

ノッてる興梠、化けれるか。

Jリーグで調子がいい、
いわゆる「ノッてる」状態の選手が代表に呼ばれ、
期待して見たら
「??」
となるケースは決して少なくない。

特にFW。

原因はいろいろ考えられるが、
気を使いすぎて消極的に見えるケースが多いのではないだろうか。
献身的になりすぎて自身の良さを消してしまうというか。

さらにいえば、
Jで絶好調だったのに
代表に呼ばれ、Jに戻ると調子を落としてしまう
ケースも見受けられる。


さて。


今日の興梠。
Jリーグで今まさに波に乗りつつあるFW。
勢いそのままに代表デビュー。

そしてその存在感は
「??」
ではなく

「!!」

自身の良さであるスピードと切れ味そのままに、
倒れない強さもみせた。

「五輪にギリギリで落選した」という視点でしか
取り上げないメディアを嘲るようなプレー。

ここから一気にいけるか。
「ノッてる」状態から「化ける」ことができるか。
求められるのは代表での得点とJでの結果。

次のフェーズへの挑戦権を得た一戦になったといえるだろう。

posted by sportstamasii |22:11 | サッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年09月23日

Jリーグクラブ経営状況を少し紐解いてみる

2007年度のJリーグ各クラブ経営状況の情報が開示されました。
こちらから誰でも情報と数字を見ることができます。

報道では浦和が断トツの営業収入ということが、
もはや毎年恒例のように報じられました。
人件費(選手コーチ費含む)の低いクラブがJ2に落ちた、
という哀しい事実をそれとなく伝える記事もありました。

しかしこの報道だけでは何もわらからない。
データを少し加工し、いくつかピックアップしてみます。
(2007年度にJ1だったチーム)
※(営業収入)=(広告料収入)+(入場料収入)+(Jリーグ配分金)+(その他)

【営業収入TOP5】
1  浦和	 7964
2  横浜FM 4909
3  鹿島	 3983
4  名古屋 3635
5  磐田	 3594
         (百万円)

今シーズンに当てはめると
優勝争いをする浦和、鹿島、 名古屋と
降格圏に苦しむ横浜FM、磐田という
極端で皮肉な結果。

【入場料収入 TOP5】
1  浦和	 3008
2  新潟   906
3  横浜FM 837
4  F東京  778
5  鹿島	 636
        (百万円)

入場料収入の差がそのまま他チームとの
浦和の営業収入の差にも見えます。


【入場料/営業収入 TOP5】
営業収入中に入場料収入が占める比率。
()内は営業収入順位。

1  浦和	 37.8%  (1)
2  新潟   34.0%  (13)
3  横浜FC 27.6%  (17)
4  甲府	  26.3%  (18)
5  F東京   23.2%  (6)

営業収入の規模感を排除して
入場料が占める割合をみる。
「クラブ経営の核は入場料収入」とはよく言われること。
ここがしっかりしているクラブは信じられるのではないかと思います。

浦和と新潟が頭一つ抜けています。
「Jリーグは地域に根ざした経営を」という信念がある以上、
浦和と新潟は数字としても成功しているといえます。
ちなみに6位は大分。今シーズンへのつながりが見えます。
ワーストは大宮。10.9%。
おそらくクラブは危機感を持っていることでしょう。


さらに、【広告収入/営業収入】は
トップが大宮。最下位が浦和。
ただ、浦和は金額ベースだと2位です。
各クラブの企業としての努力の賜物が広告収入だと考えれば良いですが、
広告収入は固定化されにくい収入でもあります。
多くの人を引き付けてこその広告媒体。
入場料収入の方がクラブの骨格を成すべきではと私は考えます。



単純に入場料収入、営業収入等をデータとして用いました。
もちろん、各チームのスタジアムのキャパシティーや料金体系、
売上の規模感と広告料収入等その他の収入の伸びとの
兼ね合いがあります。
一概に答えを指し示しているとはいえません。
しかし、一つの指標にはなるのではないでしょうか。


誤解を恐れずに言えば、
Jリーグは夢を持った「中小企業」の集まり。
理想を追い求める集団。
人々の心を躍らせ続けるために、
健全で磐石な基盤が求められているのです。

posted by sportstamasii |10:44 | サッカー | コメント(5) | トラックバック(0)
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2008年09月13日

「28年目」から12年目のハーフタイム

「マイアミの奇跡」を起こしながらも
選手間、選手・監督間に大ききな溝が生じ、
チームを崩壊させていったアトランタ五輪サッカー日本代表。

金子達仁著、
「28年目のハーフタイム」
で描かれた物語である。

溝と崩壊を生んだ原因の一つがマスコミだった。
日本代表が世界で戦うことを知らなかった時代。
マスコミは野球的報道でスター選手を
祭り上げることしかできなかった。

メディアによる報道で真意が伝わらず、
選手、監督の間に懐疑的な空気が流れるようになり、
チームは崩壊していった。


マスコミとの関係、チームの崩壊、オリンピック。
この3点、北京五輪代表チームにも当てはまるのではないだろうか。

北京を目指したU23代表は
チームの立ち上げ時から常にマスコミの批判にさらされてきた。
勝って批判されることもしばしば。

決定力がない。
サッカーがつまらない。

なぜだろうか。

北京世代はもともとスターの多い世代だったはずだ。
アテネ世代が「谷間」といわれたのはその前後が「山」であったから。

平山相太、カレンロバート、増嶋達也、中村北斗、・・・
若くして名を馳せ、高校時代からの注目株も多かった。
国見、市船で高校サッカーを盛り上げた世代でもある。

Jリーグで本田、家長、前田らの活躍も見られた。
期待値は高かっただろう。

それだけに歯痒いサッカーをする代表に
視聴者は納得せず、
マスコミはそれを煽るように批判した。

この報道の流れと
指揮官が世代の「スター選手」を次々と外し、
FWをころころと変え、軸を作れなかったことは
無関係ではないだろう。

そしてこうした選手選考や戦い方が批判の火に油を注ぐ格好になっていく。


ただ、「叩かれる」ことは反発して力にもなる。
最終予選でがけっぷちから這い上がった時、
代表はまさに「反骨のチーム」だった。
李忠成の怒りを剥き出しにしたゴールは今も記憶に新しい。
どんなチームでも、
「予選を突破する」チームは一つになっているもの。
そう痛感させてくれた。
怒りを原動力にこのチームは生まれ変わる。
そう信じさせてくれる気がしていた。



しかし。本大会でへ向けてチームは崩壊していった。
戦い方は定まらず、選手は困惑し、監督との間に溝もできた。
「指揮官が世代の「スター選手」を次々と外し、
FWをころころと変え、軸を作れない」現象は最後まで続いた。
予選を戦い抜いた仲間までも次々と外れた。
マスコミはやはりこの世代に「??」を突きつけ続けた。

「叩かれ世代」の先にあったのは選手も監督も、サポーターも、
信じるものが何もない状況だったのではないだろうか。
そしてチームはバラバラに壊れてしまった。


アトランタ以降、
日本のサッカーは世界で戦うことを経験してきた。
しかし12年後、マスコミと人々は
世界で戦うことを当然のことと考えるようになった。
それ自体は悪いことではないと思う。
ただ、選手、監督、メディア、そして私たちそれぞれの向くべき方向が
少しずつずれていると思えてならない。

日本のサッカーが世界の舞台に立ち始めてから12年。
経験はつんでいても、
その経験をどう活かすか、どうコントロールしていくか、
というところにはまだ達していないのではないか。

経験の活かし方は、
選手も、監督も、マスコミも私たちも、
皆が考えなければならない問題である。



追記:
そして、この記事ではあまり触れなかったが、
(実際どこまでどう関わっているのが私自身見えていないのだけれど、)
すべての場面で選手、監督を守り、サポーターを守り、サッカーを守るべき
「協会」もまた、この問題を大きく意識しなければならないだろう。

posted by sportstamasii |15:35 | サッカー | コメント(3) | トラックバック(0)
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2008年08月25日

「感謝の言葉」が湧き出るほどに。

北京オリンピックが閉幕しました。


勝利によってだけではなく、
時に敗戦から、
時に競技をするその姿から
何らかの感情を共有し、
未来の自分への力をもたらしてくれました。

今回の記事では、
今大会からもらった力を一つ取り上げます。

それは、

「感謝の気持ち」


歴史を作った日本男子陸上、4×100mリレー。
全ての感情を爆発させている4人の姿が印象的でした。
それほどまでに高い壁を超えたのだという現実を感じさせてくれました。

その4人のインタビュー。
興奮しきっている4選手から出てきたのは、
まずは何よりも感謝の言葉でした。
周りの人々のサポートだけでなく、
これまで陸上界が積み上げてきた全ての人、モノへの
感謝と敬意がこめられた言葉の数々。

メディアへの対応や世論の反応、
「自分が何を言ったらどうなるか」への配慮は
いい意味で感じられませんでした。
考えている余裕もなかったでしょう。

だからこそ思ったのです。
本当に感謝してるんだなぁ・・・と。

これまでも感謝の表現はいつも聞いてきました。
しかしそれらは、誤解を恐れずに言えば
優等生的な、テレビ的なコメントなのかもしれないという
感覚がぬぐえませんでした。

しかし今回の4選手のコメントを見て、聞いて、
彼らの言う感謝の気持ちは心の声なのだと認識を改めました。
自分たちの、いや、自分の全てを賭けてきた
ものを達成した時の、
全ての感情が向かう先の言葉。
これはもう信じるしかありません。


感謝の気持ちが前面に出ているのは
ほぼ全てのメダリストに共通していると思います。
北島、中村礼子、谷本、谷・・・

多くの期待をかけられ、
重責と戦ってきた彼ら。

応援や期待という簡単な言葉は時に選手たちに
我々の想像が及ばない
重圧という敵をつくってしまうのかもしれません。

そんな時信じられるのが
実際に傍にいるスタッフであり家族であり選手同士なのでしょう。
だからこそ、何かを成し遂げた時の感情は
「感謝」として傍で支えた人たちにむけられるのかもしれません。
心からの「ありがとう」として。



必死になって、命を賭けて何かに取り組み、
その先に何かを得た時、
「感謝の言葉」を私は言えるでしょうか。
自信がありません。
その理由は真の意味で命を賭けて何かに取り組んでいないからなのかもしれません。
しかし、言える人間でありたい。
言える人間になりたい。

これは一つオリンピックからもらった
明日への力であり目標です。

そう、だからこそ、
まずは選手たちに感謝の気持ちを伝えなければなりません。

ありがとう。

posted by sportstamasii |22:34 | オリンピック | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年08月16日

フォワードとはシュートを打つ生き物ですよね、永里さん!

なでしこジャパン、見事準決勝進出!
素晴らしかったと思います。

沢の意地。
大野の切れ味。
近賀のたくましさ、
福元の信頼感。
往年のデニウソン的起用の丸山のドリブル。
取り上げたい点は多いですが、
あえてひとつだけ。

試合を通して、永里のシュートへの姿勢に惚れ惚れしていました。
多少距離があっても、シュート。
体勢が悪くても、反転してシュート。
枠へ行かなくても、
キーパーの正面でも、
ゴールへ。
ゴールへ。

自分がゴールをとりたいという気持ち、
自分がゴールするんだという意思。
感じました。

結果としてあのしびれる2点目につながったのでしょう。

日本男子たち。
今日の彼女ほどシュートを意識した日本人FWがいるでしょうか?
Jリーグで点を取る外国人選手たちもシュートを打ちまくるでしょう?
FWとはシュートを打つ生き物ですよね、永里さん!

男女の違い、
サッカーの違い、
もろもろあるかと思います。

ただ、今日の永里選手には、「FW」を感じました。

posted by sportstamasii |01:16 | オリンピック | コメント(4) | トラックバック(1)
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