2008年06月09日

展望:EURO2008 グループD

グループBが始まる直前ですが、最後となったグループDの展望です。
明日からは、なるべくマッチリポートを書こうと思います。

ギリシャ
ディフェンス:
前回大会はGKアントニス・ニコポリディス、DFトライアノス・デラス、ミハリス・カプシス、ギオウルカス・セイタリディス、パナギオティス・フィッサス、MFテオドロス・ザゴラキス、アンゲロス・バシナスらを中心とした堅守のチームでした。この内緑字の選手は現在もレギュラーで残っていますが、今大会は前回大会のような堅守とはいかないようです。ディフェンスラインで新たにレギュラーとなったのはバシリス・トロシディスとソティリス・キルギアコスですが、問題は年齢的な衰えを隠せないデラスとバシナス、さらには故障でトップフォームを取り戻せていないセイタリディスの3人にあります。デラスは元々スピードのないスイーパータイプの選手ですが、前回から4年が経ち、ますます深刻に(コンビを組むキルギアコスもスピードに難があるだけに余計)。アンカーのポジションに入るバシナスもカバー範囲が狭くなり、セイタリディスも怪我でトップフォームを取り戻せないままです。
また、前回大会は全体の守備意識の高さも特徴でしたが、CF候補のゲカスは戦術的インテリジェンスに乏しいだけに・・・。
4バックを捨て5バックへの以降も?

オフェンス:
前回大会とは大きく変わり、FW陣は実力者揃い。
昨シーズンのブンデスリーガ得点王のテオファニス・ゲカス、高原からポジションを奪いフランクフルトのエースとなったヤニス・アマナティディス、ニュルンベルグでは不振も代表では別人のアンゲロス・ハリステアス、さらにはセルチックのゲオルギオス・サマラス、パナシナイコスのディミトリス・サルピンギディスとなかなかの陣容。
しかしながら彼らを生かすも殺すも司令塔ギオルギオス・カラグーニス次第。前回大会では左サイドを中心に前線に近い位置でプレイしていましたが、今大会ではCHの一角でプレイしそうです。プレースキックも含めて、全権委任の司令塔だけに、彼の出来が試合を大きく左右します。コンスタンティノス・カツラニスらが、どれだけ彼の負担を減らせるかが課題。
攻め手が極端に少ないだけに、セットプレーも重要になりそうです。

総評:
前回大会も下馬評では全く話題に上らなかっただけに何が起きてもおかしくありませんが、決してノーマークとは行かない今大会は流石に難しいでしょう。堅守の復活が鍵です。
初戦がスウェーデン、第2戦がアルシャービン不在のロシア、最終戦が勝ち抜けが決まっている可能性のあるスペイン、という対戦順に恵まれているのはプラス材料です。

予想スタメン 4-3-3
GK:ニコポリディス
RB:セイタリディス CB:デラス、キルギアコス LB:トロシディス
CH:カツラニス、バシナス、カラグーニス
RW:ハリステアス CF:アマナティディス LW:サルピンギディス
※得点力だけならCFにゲカスですが・・・

スウェーデン
ディフェンス:
GKのアンドレアス・イサクションがマンチェスター・Cで控えに甘んじているのは気掛かり。
CBはオロフ・メルベリとペーター・ハンションのスピードに不安があります。控えのダニエル・マイストロビッチとアンドレアス・グランクビストも同様。
サイドのフレデリク・ストールとミカエル・ニルションは守備に関してはまずまず。
中盤の底で守備的な役割を担うトビアス・リンデロートのコンディションは不安材料。もし欠場となるとダニエル・アンデションとは実力差があるだけに・・・。
チーム全体の守備意識が強いだけに大きな崩れはないでしょう。少なくともスペイン以外には。

オフェンス:
左サイドのフレデリク・リュンベリのコンディションが問題。駄目なようなら、クリスチャン・ヴィルヘルムションを左に回し、セバスチャン・ラーションを右に起用するのが良いでしょう。
センターにキム・シェルストレームを起用すれば、前線へのボール供給の質は格段に上がりますが、守備が不安だけに起用には二の足を踏みそうです。
FWは大エースのズラタン・イブラヒモビッチ、リーグ・アンで実績十分のヨハン・エルマンデル、ブレーメンで14ゴールのマルクス・ローゼンベリ、そして電撃復帰のヘンリク・ラーションと実力は揃い。良い形でボールが渡れば決める力は十分。

総評:
攻守共に大黒柱がコンディション不良の中盤が鍵を握りそうです。
中盤から良いボールが供給されれば、イブラヒモビッチがやってくれるでしょう。

予想スタメン 4-4-2
GK:イサクション
RB:ストール CB:メルベリ、ハンション LB:ニルション
RH:ヴィルヘルムション CH:リンデロート、スベンション LH:リュンベリ
CF:イブラヒモビッチ、エルマンデル

スペイン
ディフェンス:
GKはイケル・カシージャス、ホセ・マヌエル・レイナ、アンドレス・パロップと今大会最高の陣容。
サイドバックも左右のレギュラー、セルヒオ・ラモスとホアン・カプテビジャは世界屈指のコンビ。特に右のセルヒオ・ラモスの攻撃力は圧倒的ですが、上がった後のスペースは問題。控えにはアルバロ・アルベロア、フェルナンド・ナバーロが控えて充実のセクション。
心配はCB。カルレス・プジョルには衰えが見え、カルロス・マルチェナとラウール・アルビオルのヴァレンシア勢はクラブのゴタゴタで、精彩を欠くシーズンを送ったのが心配。ファニートは明らかに力不足。
中盤はどんな構成にしても、戻りの遅さが気になります。ダビド・アルベルダの様な守備専従型のセンターハーフの不在は想像以上に問題になりそうです。マルコス・セナやシャビ・アロンソはもちろん、ルベン・デ・ラ・レッドもタイプが異なるだけに・・・。

オフェンス:
「クアトロ・フゴーネス」と呼ばれる、4-1-4-1システムが注目されますが、このシステムに対してセスク・ファブレガスとフェルナンド・トーレスのプレミア勢がフィットしていないのが気になります。逆に両サイドのアンドレアス・イニエスタとダビド・シルバは好調ですが・・・。親善試合で使われた2トップの採用が現実的でしょう。
1トップにするならばトーレスではなくダビド・ビジャを起用すべき。スペースを必要とするトーレスより、密集地帯でのプレイもこなせるビジャの方が遥かにフィットします。
両サイドのイニエスタとシルバがタメを作れることもあり、両サイドバックの攻撃力は今大会随一。

総評:
今だに模索が続くスペイン。中盤のバランスを改善しないと、決勝トーナメントでは苦しそうです。
グループリーグはタレント力が断トツなので、突破は間違いないでしょう。
ここで最適のシステムを見出したいところです。

予想スタメン 4-4-2
GK:カシージャス
RB:S・ラモス CB:プジョル、マルチェナ LB:カプテビジャ
RH:イニエスタ CH:セスク、シャビ LH:D・シルバ
CF:F・トーレス、ビジャ

ロシア
ディフェンス:
本大会出場チームで唯一の3バックを敷くチーム。
アレクセイ&ヴァシリーのベレズツキ兄弟に、アレクセイ・イグナシェビッチを加えた3バックは屈強だがスピード不足は明らか。テクニカルでスピードのある相手には分が悪いだけに、初戦のスペイン戦は苦戦しそう。しかも続くギリシャは3トップが予想され、システム的に相性が悪い。サイドの守備強化をする場合は、アレクサンデル・アニュコフの起用も考えられるでしょう。
ルーマニアに3失点を喫した守備をいかにして立て直すのかに注目。

オフェンス:
UEFAカップ覇者・ゼニトと代表のエースであるアンドレイ・アルシャービンを欠く、スペイン戦、ギリシャ戦をどう乗り切るかが問題。代役候補筆頭だったUEFAカップ得点王のパベル・ボグレブニャクが離脱しただけに、頼りにはロマン・パブリュチェンコとドミトリ・シチェフの二人のみ。ただし、シチェフに関しては計算が立つものの、パブリュチェンコは好不調の波が大きいのが気掛かり。むしろイングランド戦のように途中から投入するのが効果的なようにも思えるので、スタメンには大型CFのロマン・アダモフを起用すべきか。
中盤センターで攻撃を担うのはイゴール・セムショフ、ディニャル・ビリャレトディノフらだが、人材不足は明らか。最終的にはベテランのセルゲイ・セマクを加えたものの見通しは暗い。ユーリ・ジルコフ、ドミトリ・トルビンスキ、イバン・サエンコ、ウラジミール・ビストロフらが揃うサイドに活路を見出すべき。

総評:
イングランドを抑えて本大会出場を決めた実力は侮れませんが、イングランドの自滅に助けられたのも事実。
UEFAカップを制したゼニト勢の離脱も相次いでいるだけに過大評価は禁物か。
ヒディング・マジックが今回も出るのだろうか。

予想スタメン 3-4-1-2
GK:アキンフェエフ
CB:V・ベレズツキ、イグナシェビッチ、A・ベレズツキ
RH:トルビンスキ CH:ジリヤノフ、ビリャレトディノフ LH:ジルコフ
HO:セムショフ
CF:アダモフ、シチェフ


以上のことを踏まえて、私の予想は
1位 スペイン
2位 スウェーデン
3位 ロシア
4位 ギリシャ

スペインは不動。
前線と最終ラインに人材がいるスウェーデンが続きそう。
ロシアはヒディング監督の采配に注目が集まりますが、タレント不足は明らか。
ギリシャは攻守共に不安定なので、苦しい戦いになりそうです。

posted by sportsholic |00:07 | EURO2008 | コメント(0) | トラックバック(0)
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