2008年06月05日

展望:EURO2008 グループB

忙しさにかまけて、随分間隔が空いてしまいましたが、今日はグループBの展望を。

オーストリア
ディフェンス:
GKはかつてチェルシーにも所属していたユルゲン・マホとシエナのアレクサンダー・マニンガーの争い。
安定感はマホの方がありますが、調子の良い時のマニンガーの方が実力は上。
シュートの雨が降り注ぐであろう事を考えれば、マニンガーの調子が良いことに期待するしかありません。
最終ライン中央は新鋭セバスチャン・プレードルの台頭もあり安定してきました(3バックは不発)。
センターのマルティン・シュトランツルは長身ですが足元の技術があり、最終ラインからの組立てが期待できます。守備に関しては若干ソフトすぎる気がしますが、当たりの激しいエマヌエル・ボガテツとは良いコンビです。実力だけを見ればプレードルの方が、セットプレーでの脅威度から考えても上かもしれませんが、ボガテツが不動と考えれば、相性・連携面などからシュトランツルが妥当でしょう。本来ならパウル・シャーナーが入るべきなのでしょうが・・・。
両サイドのゲオルギ・ガリクスとロナルド・ガーカリウの守備は不安要素です。
中盤の守備では、フィルターがレネ・アウフハウザーだけでは心許ない(イバンシュイッツに期待すべきではないかと)ので、ここはユルゲン・ザウメルも加えた守備ブロックの形成を進めたいところ。

オフェンス:
サイドが鍵を握りそうです。
サイドハーフのクリストフ・ライトゲブ、ヨアキム・シュタントフェスト、クリスチャン・フクス、ウミト・コルクマツらは独力では厳しいだけに、両サイドバックが攻撃的なのはプラス(質はともかく・・・)。スペースを消された際に突破できるかが問題ですが。
中盤の深い位置に司令塔アンドレス・イバンシュイッツを置いていますが、守備の負担が大きすぎるため、持ち味の攻撃力が発揮できていないので、ポジションを上げた方がよい気がします。
先述したように、ザウメルを加えればアウフハウザーの攻撃参加も期待できますし、イバンシュイッツをサイドの起点にもできるのではないかと。
システムを4-2-3-1や3-4-1-2に変えてホールに置くという手もあります。
FWのロラント・リンツはエリア内で安定した働きが期待できる選手ですが、独力でゴールを奪える選手ではありません。周囲のサポートが重要なので、セカンドトップのイビツァ・ヴァスティッチの召集はプラスに働くかもしれません。
新星マルティン・ハルニクはサイズ・スピードとも十分ですが、過度の期待は禁物です。2トップの一角かと思っていましたが、サイドで使わる可能性も。
スーパーサブとしてはスピードのあるエルヴィン・ホッファーに期待!
(個人的にはマルクス・バイゼンベルガーがその任を果たすと思ってましたが・・・)

総評:
開催国がこれほど期待されていないのは珍しい。2000年のベルギーも最後は期待されてたのに・・・。
尻上がりに調子を上げていますが、内容はともかく結果が出ていないのは不安。
故障者がいないのはプラスですが、やはりタレント不足は否めません。
攻撃より守備に少なくない不安を抱えているだけに、開催国のプライドを捨てて専守防衛の5バックという手も?
20代前半の若手が多い、若いチームだけに初戦で結果が出れば・・・。

予想スタメン 4-4-2
GK:マニンガー
RB:ガリクス CB:シュトランツル、ボガテツ LB:ガーカリウ
RH:シュタントフェスト CH:アウフハウザー、イバンシュイッツ LH:ライトゲブ
CF:ハルニク、リンツ
   ↓
希望スタメン 5-4-1
GK:マニンガー
RB:シュタントフェスト CB:プレードル、シュトランツル、ボガテツ LB:フクス
RH:ライトゲブ CH:アウフハウザー、ザウメル LH:イバンシュイッツ
CF:ハルニク

クロアチア
ディフェンス:
GKはスティペ・プレティコサ、マリオ・ガリノビッチ、ヴェドラン・ルニェと粒揃いで安泰。
問題はCB。
予選で不動のレギュラーだったダリオ・シミッチとロベルト・コバチの衰えが顕著で、特に後者は目に余る凋落ぶり。
代役候補としてダリオ・クネジェビッチ、フルボエ・ヴェイッチらがいますが、最有力なのは親善試合でも試されているLBで起用されていたヨシプ・シムニッチを本来のポジションで使うことでしょう。LBには守備に不安があるとはいえダニエル・プラニッチがいるので、コンバートに支障は少なそうです。
連携面を考えればCBを2人同時に替えるのはリスキーなので、ロベルト・コバチは残るのではないかと。
RBのヴェドラン・チョルルカもCB適正のある選手ですが、RBは代役がいないだけにコンバートはないでしょう。
中盤のプレスがあまり強くなく、前線も組み合わせによっては強いプレスが期待できないだけに最終ラインの整備が鍵を握りそうです。

オフェンス:
ポイントはルカ・モドリッチの守備の負担をいかに減らせるか。
彼が守備に忙殺されると、攻撃力が途端に低下します。
右サイドで使う案もありそうですが、ボランチの控えがニコラ・ボクリバチュとオグニェン・ブコエビッチでは難しそう。
もう一人のキープレイヤー、ニコ・クラニチャルが左にプラニッチが起用される公算が高くなったことで、カットインが容易になりそうなのはプラス。
前線はエドゥアルド・ダ・シルバが悲劇に見舞われたことで、一気にパワーダウン。
イビツァ・オリッチもスピード豊かな良い選手ですが、エドゥアルドのようにセカンドトップ的な振る舞いができず、前線でのタメが期待できません。ムラデン・ペトリッチとのコンビはカウンターでは威力を発揮しそうですが、グループリーグではドイツ以外は格下なので、不発に終わりそうな気が・・・。
オリッチのようなチェイシングは期待できませんが、ペトリッチの相棒に推したいのが大型FWのイゴール・ブダン。パワーがあり独力でもゴールを決められる点に価値があります。イバン・クラスニッチは代表では結果も内容も全く出せていないので控えが妥当かと。個人的には中盤のプレスが弱いので、クラニチャル(もしくはイバン・ラキティッチ)をホールに置いた4-2-3-1も有効かと思います。

総評:
堅守のイメージがありますが、予選ではマケドニアに2戦で3失点、アウェイのイングランド戦でも2失点、親善試合でオランダに3失点と、極端にディフェンスが良い印象は受けなかったうえに、ここにきて再構築の必要性にも迫られています。エドゥアルドの穴が埋まらない攻撃陣もしかり。
最後のテストとなったハンガリー戦も内容に乏しかっただけに(ただしハンガリーは対戦するオーストリアとポーランドと互角かそれ以上のタレント力を持っていたことと敵地ブタペストで行われたことは考慮すべきでしょう)、攻守とも本番までにどこまで上げていけるかが問題です。
何故か躓く予感がしてしまうのですが・・・。

予想スタメン 4-4-2
GK:プレティコサ
RB:チョルルカ CB:ロベルト・コバチ、シムニッチ LB:プラニッチ
RH:スルナ CH:ニコ・コバチ、モドリッチ LH:クラニチャル
CF:ペトリッチ、オリッチ
※少なくとも初戦ではロベルト・コバチを使うのではないかと。
   ↓
希望スタメン 4-2-3-1
GK:プレティコサ
RB:チョルルカ CB:クネジェビッチ、シムニッチ LB:プラニッチ
DH:ニコ・コバチ、モドリッチ
RH:スルナ HO:クラニチャル LH:オリッチ
CF:ペトリッチ

ドイツ
ディフェンス:
GKのイェンス・レーマンは心配の種。
元々のミスの多さに加え、アーセナルでの状況を考えれば難しいといわざるを得ません。控えはバルサ、ベンフィカといったクラブを渡り歩いたロベルト・エンケと、マヌエル・ノイアーとの若手対決を制して召集されたレネ・アドラーの二人。両者とも代表での実績が皆無に等しいのでこの時期にいきなりゴールマウスを任せるのは苦しいでしょう。個人的にはレーマンよりは今シーズン限りで引退したオリバー・カーンを呼び戻す方がまだ良かった気もします。
もう一つ不安なのがクリストフ・メッツェルダーのコンディション。センターバックの控えが右サイド兼務のアルネ・フリートリヒと、サイドが主戦場のハイコ・ヴェスターマンの二人だけなので、メッツェルダーのコンディションがチームを左右しそうです。
サイドはゴンサロ・カストロやクリスチャン・パンダーを召集しなかったのは残念ですが、前述のフリートリヒとヴェスターマンに加え、中盤のクレメンテ・フリッツ、トーマス・ヒツルスペルガー、トルステン・フリンクスも含めれば形としては頭数が揃ってはいます。
全体の守備意識も高いので、前述のレーマンとメッツェルダー次第でしょう。

オフェンス:
右サイドのベルント・シュナイダーが抜けたこと以外は、ほとんど問題なし。ここにきてバイタルエリアで最も脅威になるMFだと個人的に思っている、ミヒャエル・バラックが絶好調なのは好材料。フォワードもミロスラフ・クローゼを筆頭に、マリオ・ゴメス、ケビン・クラーニィ、ルーカス・ポドルスキ、オリバー・ノイビルと多士済々。なのでここでは唯一気になるシュナイダーの穴埋め案を。
現在の右サイドはラームとフリッツのコンビですが、フリッツが右に張り出しすぎでラームが窮屈そうなのが気になります。サイドバックタイプの選手を並べた弊害でしょうか(98-99シーズン序盤のレアル・マドリッドの左サイドが、ロベルト・ヤルニとロベルト・カルロスが並んでこのような感じでした)。
解決策として、バスティアン・シュバインシュタイガーを右に入れるのが良いかと。
左はピオトル・トロホウスキもいますが、バラックとヤンセンが攻撃的に振る舞えるようにトーマス・ヒツルスペルガーを置くのがバランス的にベスト。攻め上がって空いたどちらのスペースも補填できるのが良いかと。
これだけだと左の攻めが薄くなるので、フォワードにはルーカス・ポドルスキを起用する事で、左に流れてボールを受ける動きを期待したいところです。

総評:
攻守ともに安定感のある陣容で、複数ポジションを兼務できる選手たちが多いので、不測の事態にも対処できるでしょう。不安は先述のディフェンス面。そこが心配ないようだとアンリ・ドロネー杯にも手が届きそう。

予想スタメン 4-4-2
GK:レーマン
RB:ラーム CB:メルテザカー、メッツェルダー LB:ヤンセン
RH:フリッツ CH:フリンクス、バラック LH:シュバインシュタイガー
CF:クローゼ、マリオ・ゴメス
   ↓
希望スタメン 4-4-2
GK:アドラー
RB:ラーム CB:メルテザカー、メッツェルダー LB:ヤンセン
RH:シュバインシュタイガー CH:フリンクス、バラック LH:ヒツルスペルガー
CF:マリオ・ゴメス、ポドルスキ

ポーランド
ディフェンス:
正GKのアルトゥール・ボルツはブッフォン、ツェフ、カシージャスらに匹敵する今大会屈指の名手。特に至近距離のシュートに対する反応が素晴らしい。
最終ラインはあのC・ロナウドを封じ、LBのレギュラーと目されていたグジェゴシュ・ブロノビチキの落選が驚きでしたが、LBには予選ではCBだったミハル・ジェブワコフが入りそう。元々のポジションだけに大きな心配はないでしょう。
彼が抜けたセンターでヤツェク・バクとコンビを組みそうなのは、実力・実績から考えて、マリウシュ・ヨップか。もしくはLBにパベル・ゴランスキを入れて、ジェブワコフは動かさないかもしれません。
右サイドのマルチン・ヴァシレフスキは予選から不動。
中盤の底のマリウシュ・レバンドフスキ、ダリウシュ・ドゥドカも含めて、予選でポルトガルを押さえ込んだ堅陣は十分に計算が立ちます。
グループリーグの対戦国のFWがテクニックではなく、フィジカルで勝負するタイプが多いのもプラスに作用しそうです。

オフェンス:
エウゼビシュ・スモラレクをどこで使うかが問題。
セカンドトップもしくはホールとして使われるケースが多いですが、このチームではCFに入れたほうが良い気がします。
マチェイ・ジュラフスキ、トマシュ・ザホルスキらがあまり信用できないだけに・・・。
LHはヤツェク・クジヌベクで不動。ヴォルフスブルクでは出番に恵まれませんでしたが、あの左足は健在。
RHはウォイチェフ・ウォボジンスキがレギュラーの模様。ただヤクブ・ブワシュチコフスキの突破力に賭けても良いかもしれません。
期待はロジェール・ゲレイロですが、チームリーダーであるバクが代表入りに関して懐疑的な発言をしているのが、気になります。
チームに亀裂を生まなければ良いのですが・・・エマヌエル・オリサデベのような活躍ができるか?

総評:
ディフェンスにはある程度の計算が立ちそうです。
ドイツを含めグループリーグの国との対戦では大崩れしないでしょう。
問題は攻撃陣。早く適切な組み合わせを見出さなければ・・・。

予想スタメン 4-2-3-1
GK:ボルツ
RB:ヴァシレフスキ CB:バク、ヨップ LB:ジェブワコフ
DH:ドゥドカ、レバンドフスキ
RH:ウォボジンスキ HO:スモラレク LH:クジヌベク
CF:ジュラフスキ


以上のことを踏まえて、私の予想は
1位 ドイツ
2位 ポーランド
3位 クロアチア
4位 オーストリア

ドイツは安泰。
2位は普通に考えればクロアチアですが、どうも不安ばかりが募ります。
予想なんて外れるためにある!と割り切ってポーランドを2位に推します。
上げ潮ムードのオーストリアですが、ここは守備の安定をかってポーランドにしてみました。
さあ、どうなるでしょうか・・・。


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追記:
期待していたポーランドのサイドハーフ、ヤクブ・ブワシュチコフスキの本大会欠場が決定!
早くも私の予想に暗雲が・・・。

posted by tama |15:05 | EURO2008 | コメント(0) | トラックバック(0)
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